前回、レオスの影響下にあったレイヴン。
自身の永き旅路の記憶を垣間見た後、彼は護身用の銃を握り締めた。
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「おまえのすきに、させない。」
レイヴンは銃口を自身の頭部に向けた。
狙うは増設された人工脳髄の端。
外せば、自身の肉体を奪われる。
『辞めておけ、何をしても無駄なことを…』
エアと同様に交信するするレオス。
エアとは違い、レイヴンの人工脳髄を通して会話を行っている事。
人工脳髄を破壊すれば、事なきを得るがそうもいかない。
人工脳髄を破壊すれば、レイヴンの命はない。
入星当時の状態であれば、人工脳髄を破壊されても復帰は可能だった。
だが、現在は違う。
再生手術を行っており人間に戻りつつある為、不可能に近い。
「むだじゃない。」
『ほぅ?』
「おれは、まえにすすむ、にげたおまえとは、ちがう。」
『…進むべき先が地獄の始まりでも、か?』
「すすむ。」
カチリとトリガーを引き、引鉄を引く音と放たれた銃声。
端から見れば、自殺行為だろう。
だが、前へ進むことを選んだレイヴンの反逆の意思でもあった。
失った筈の感情は新たな未来と仲間と共に再び培っていた。
『ならば、進んでみろ…その先の地獄にな?』
レイヴンは自身の脳髄に潜んでいたレオスの意思を貫いた。
どこか満足げな声は消え、徐々に散逸し失われていった。
>>>>>>
~一時間後~
『レイヴン、無茶が過ぎます!』
オッツダルヴァの指示の元、ラスティとイグアスの応急処置で意識を取り戻したレイヴン。
意識を取り戻した瞬間に聞こえたのはエアの嗚咽の入った声だった。
「ごめn。」
人工脳髄の端、言語機能の一部…
声に関する脳内信号を送る部位を破損したのか、発音に不備が生じていた。
それだけなら済んだのなら、安いものである。
「エア、彼の無茶は今に始まった事ではないさ。」
「ま、勢いだけは褒めてやるよ。」
『二人まで…』
「のこr、h?」
「あ?俺らがやられるかよ。」
「無論、私達で倒した。」
悪友二人によって、レオスの仲間であるボイルとレミルのACは破壊されていた。
破壊具合から再起動はないだろう。
大口を叩いているイグアスのACがラスティのACより少し損傷していたのは言わないでおこう。
『私の方でも機能停止を確認しています、どうやらレオスとは違う状況の様でした。』
『恐らく、他の二人はAC自体に本体を移していたのだろう。』
『トカゲの尻尾はレオスだけ、と?』
『否定はしないが、AMから切り離された彼らに逃げ道があるだろうか?』
『…ですよね。』
エアとオッツダルヴァの話し合い。
二人の会話から更に状況を確認、レオスがあのまま消えたとは思えずにいた。
「らーkとふぇAriたちは?」
「ツィイー達と周囲の警戒に当たって貰っている。」
「エセ忍者も付いているし下手にやられねぇだろ?」
イグアスが六文銭をエセ忍者と呼ぶのには理由がある。
彼のエンブレムが裏表逆だった事。
それに気づいたベイラムのMT部隊の一人、数学の得意なオオサワによって訂正。
しばらくの間、当の本人が落ち込んでいたのは言うまでもない。
『イグ兄、何かあったよ!』
『大きな街!』
『あんな街がまだ残ってたなんて…』
『…この街は一体?』
通信から何かを発見したラーク達。
大きな街と言うワード。
ツィイー達も知らない街となると…
『レイヴン、皆さん、発見したみたいです…私達の目的地。』
『…旧技研都市。』
応急処置を済ませたレイヴン達はACに搭乗。
そのまま下層へ向かいラーク達の居る場所まで移動。
アイビスの火によって地盤沈下した場所に安置された都市跡地を発見。
目的地の旧技研都市である。
『621聞こえるか?』
「うぉrt。」
『事情はエアから聞いている、全員帰投しろ…休みが必要だ。』
旧技研都市を見下ろしながら届いた通信。
ウォルターの指示で帰投命令が下された。
一行は一度体制を立て直してから潜入を試みる。
コーラル集積地帯に続く技研都市へと…
=続=
長らくお待たせしました。
次回より、旧技研都市編へと移ります。
エピローグはベストエンド、コーラルエンド、ノーマルエンド、を予定しています。
決まり次第、いずれかのエンドを選びたいと思います。
全部は考えておきます。