ティンカーベルの子   作:宵月颯

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帰還

前回、ウォッチポイント・アルファにおいての調査を終えたレイヴン達。

 

監視を行う後続部隊に引き継ぎを行い、ザイレムへと帰還した。

 

 

******

 

 

洋上都市ザイレムに帰還した一行。

 

周囲の様子を確認すると此方も例の一件が成功した様だ。

 

所々に損傷があり、修復作業に数機の作業用MTが出ている。

 

 

「親父達が言っていた企業の艦ってあれかな?」

「うん、封鎖機構の巡航艦より大きいね。」

「…ベイラムとアーキバスは企業ランク上位を争う複合企業、財源もそれなりにある。」

「要は鼻につく金持ちって事でしょ。」

「言えてるぜ、上ももれなく腐った連中だらけだしな。」

「レイヴン、傷の方は?」

「へいK。」

 

 

輸送ヘリよりザイレムに停泊している企業の輸送艦を目視するラークとフェアリー。

 

封鎖機構が所有する巡航戦艦よりも巨大である事に興味津々の様子。

 

上位に入る複合企業の財源にラスティが説明。

 

上層部の腐り加減にツィイー、納得の声をイグアスが上げている。

 

特に興味なく、レイヴンの様子を伺う六文銭の姿があった。

 

 

『レイヴン。先程、ウォルター達に下層区域で起こった状況を報告しました。』

「えA…」

『貴方はそのままメディカルルームで治療を受けろとの事、レオスの影響…詳しく調査する必要があります。』

 

 

エアの申告と同様にオッツダルヴァもまた忠告を伝えた。

 

 

『それは私も同感だ。』

「…」

『あのレオス・クラインが、易々と引き下がるとは思えない。』

「わかっT。」

 

 

輸送ヘリがエアポートに着陸後、レイヴンはそのままメディカルセンターへ。

 

状況報告にラスティ達がメインタワーへと出頭。

 

オッツダルヴァは工廠エリアで待機し、そこから通信を行う。

 

 

~メインタワーで経緯説明後~

 

 

詳しい報告を聞き終えたウォルター達。

 

開口一番に声を漏らしたのはウォルターからである。

 

 

「レイヴンが、か…」

 

 

経緯を説明するラスティとイグアス。

 

 

「私と彼も戦友と同様に肉体を奪われかけた。」

「俺と狼野郎は失敗したらしいがな。」

「でもさ、何で今回は平気だったんだろう?」

「分からない。」

 

 

レオスの意識に乗っ取られたレイヴン。

 

同様にラスティとイグアスも憑依されかけたが、未遂に終わっている。

 

その状況に?マークを浮かべるラークとフェアリーの様子も見られた。

 

 

「ドルマヤン師父が…」

「うん、アルカナの連中に…」

「我々の力不足だった。」

 

 

ツィイーと六文銭はドルマヤンの末路と最後をフラットウェルに説明。

 

師父の付き人であるリンクフレディの姿も消えたままだったので、不安が残る。

 

 

「私の方から同士達に説明しよう…話し合いが終わったら休んでくれ。」

「…ごめんなさい、連れ帰れなくて。」

「…」

 

 

ツィイーにとっての希望を目処前で消された。

 

その消失感と罪悪感は彼女に暗い影を落とした。

 

解放戦線の矛先はアルカナに向けられ、憎しみはより一層増すだろう。

 

肩を深く落とした彼女を支える様に六文銭が肩に手を添えた。

 

 

「…避けられぬ犠牲はありましたが、アルカナのメンバーを排除出来たのは大きな進歩です。」

「奴らとの決戦も近い!弔い合戦を含めて話を進めるぞ!!」

 

 

スネイルとミシガンが死者に対する哀悼の意を含めた言葉を告げて…

 

探索組の帰還と探査結果の情報提供が終了。

 

続いて、ザイレム居残り組からの来客に関する情報が告げられた。

 

 

『私以外の離脱者が?』

「その通りだ、彼らの場合はオールマインドによって封鎖機構に組み込まれていたらしい。」

 

 

レイヴン達がウォッチポイント・アルファの調査中の頃。

 

ザイレム待機組は手のひら返しをした企業の相手を務めていた。

 

最初は友好的に、見せたが…

 

予測通り、乗っ取りを行おうとしたものの撃沈した。

 

理由はザイレム管理AIのマナによる企業の輸送船並びに搬入されていたAC、MT部隊の機体の凍結。

 

マナと言う大きな手足が企業の魔の手を防いでいた。

 

諦めの悪い企業は白兵戦に持ち込もうとしたが、前線で戦っている彼らに叶うはずもなく…

 

あっという間に屍の山を建造。

 

無謀な命令を下した上層部の面々は揃って…

 

凶悪な面構えのミシガンの鉄拳とスネイルのスタンバトンの餌食となったとの事。

 

 

「親父の拳骨ってすっごく飛ぶもんね。」

「パパのご指導で『御免なさい』になって良かった。」

 

 

別の意味でポジティブに解釈する養女二名。

 

 

「ラーク、飛ぶってレベルじゃねえぞ…骨ごと折れっからな?」

「…フェアリー、君はそのままで居てくれ。」

 

 

兄二人も遠い目で二人をフォローしていた。

 

ベイラム経済領域に伝わる『知らない方が仏様』と言う謎の言葉が当てはまるだろう…

 

 

「マナ、反乱部隊の紹介と共に次の作戦を練りたい。」

『分かりました。レイヴンの状態並びに代表ファットマン側の準備が整い次第、此方に案内します。』

 

 

ウォルターの指示で反乱部隊の紹介と次の作戦への合同計画を告げる。

 

これはミシガン達も同意している事でウォルターの独断ではない。

 

マナはウォルター達の指示を受けた後、オッツダルヴァと単独回線を開いた。

 

 

『オッツダルヴァ、貴方に尋ねたい事があります。』

『何か?』

『メルツェルと言う方をご存じでしょうか?』

『っ!?』

 

 

マナの質問に若干の反応を示すオッツダルヴァ。

 

 

『貴方の詳細は彼から伺っています。』

『…』

『当時の貴方もまた、人類の為に世界を変えようとした。』

『その通りだ…メルツェルは無事なのか?』

『はい、此方で回収し機体修復を受けたのですが…貴方が現れる前に姿を消しました。』

『彼らしいな。』

『メルツェル…彼からの伝言を預かっています、オールドキングに気をつけろとの事です。』

『奴も復活させられたのか!?』

『メルツェルの情報では人員確保の為にオールマインドが復活させたと…』

『了解した。』

 

 

ナンバーの排除を喜ぶもつかの間…

 

新たな脅威に不穏な空気を漂わせていた。

 

 

 

=続=

 

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