旧技研都市へ向かう準備を進める中。
ある事象が発生した。
その名はコーラルストーム。
ルビコンで希に起こる異常現象。
上空を覆うコーラルが何かしらの影響で嵐を発生させる。
嵐が発生している間は、ほぼ全ての電子機器は異常を引き起こす。
無論、人体にも影響が出る。
この為、嵐の最中は外部への移動は制限されていた。
マナは今までの計測データより危険と判断し、技研都市への出撃は中断となった。
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メインタワー内、住居スペースにて。
高精度ガラスの窓から外の様子を見るラーク、フェアリー、ツィイーの姿があった。
「コーラルストームか、変な現象だね?」
「そうだね。」
「以前は年に数える程度だったんだけど、数年前から数ヶ月に三度とか徐々に。」
「やっぱり、ウォルターのじいちゃんが言ってた破綻が原因だよね?」
「多分。」
「アタシも最初は嘘って思ったけど、いざ原因が分かると…うん。」
現実に外の光景は赤い粒子を帯びた強風が舞っている。
もしくはベイラム経済領域に密かに生き残った小民族の天気の言葉で『風花』とも言える光景。
最もな表現で言うなら赤い風花だろう。
「そう言えば、アンタ達はコーラルの声が聞こえるんでしょ?何て言ってるの?」
「んーこれは声って言うより…」
「何か叫んでるみたい。」
「叫んでるって?」
外で吹き荒れるコーラルの嵐の声を聞き取るラークとフェアリー。
「…何かに怒ってる感じだね。」
「怒ってる?」
「うん、怒り、憎しみ、恨み、それが全部合わさった声だよ。」
「要はムカついて怒ってるんだろ?」
「シンプルに言うなら。」
このコーラルストームはコーラル達の怒り。
それが何に対するものかは不明であると二人は語る。
「あの怒りが僕らかアルカナの連中へなのかは分からないんだ。」
「怒りすぎて、目標が定まってない。」
「つまり暴走状態って訳か。」
これに関しては同盟軍の各部隊長にも通達済み。
嵐が止むまでは身動きが取れない。
歯痒さだけを残しつつ時間は過ぎていく。
「神様頼みって訳じゃ無いけど…祈ってもダメかな?」
不意にツィイーが答えた言葉にピーンとくる二人。
「ダメ元で僕らがあのコーラル達に祈ってみる?」
「え?」
「うん、お祈りしてみよう。」
「え、ちょ!?」
ルビコン解放戦線に所属する人達から教えて貰った事。
自身の信じる神様に祈る行為。
非現実的だろうが、自分達はコーラルの声を聞く事が出来る。
なら、逆も出来るだろうと二人は考えた。
『『僕(私)達は、皆とお話ししたい。』』
二人の声は届いたかの様にコーラルストームは徐々に収まっていった。
「…ホントに止まっちゃったよ。」
この光景にツィイーは唖然。
「やったね!」
「うん!」
ちなみに無茶をした二人は双方共に父親からお叱りを受けたのは言うまでも無い。
=続=
世に平穏?どうしようかな…