TSジト目銀髪ロリ「断固として防がねばなるまい」   作:パワー!

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2話

 大鎌片手に私が部屋から出たところで、先ほどのとは違う別の部下に声をかけられた。

 な◯う軍殲滅の使命感に燃え、意気揚々と走り出そうとしたのに出鼻を挫かれた気分だ。

 

「隊長、砦に向かうのであればそれは私が運びます!」

 

 部下が私の持つ大鎌に視線を向ける。

 なるほど、そういうことか。

 

「いやいい。私の得物ぐらい私が運ぶ」

「そうではなく、後片付けが面倒なのは嫌だということです!」

 

 大鎌は私の背丈ほどの大きさがある。

 私の代名詞といってもいい、頼もしい相棒だ。

 

 ただ、幼く身体の小さい私には少々大きいため、私が持ち運ぶと必然的に引き摺る形になってしまう。

 結果、私が通った道は鎌でえぐれた跡が残る。

 そうなると、後で通った道を修理しないといけなくなるのだ。

 

 今まで何度も道の修理を手伝ってくれたこの部下は、その事態を回避しようとしているわけだ。

 流石は私の部下。

 先見の明がある。優秀だ。

 

「たしかに後片付けは面倒だ。だが、これは私が運ぶ」

 

 しかし、私にも譲れない一線がある。

 この大鎌だけは私がずっと手に持っていたい。

 別に誰かの形見とかそういうわけではない。

 かっこいいからだ。

 かっこいいから、誰にも渡したくない。

 

 本来、鎌という武器は非常に取り回しにくく、弱い。

 それでも私が大鎌を使うのは、ひとえにその外見にある。

 曲線美といえばいいのだろうか、そこには表現し難い魅力がある。

 

 だから私は鎌を持つ。

 最近『大鎌の半天使』なんて呼ばれ始めたのが、どれほど私にとって嬉しかったことか。

 初めてその名を聞いた時は、ウキウキで鎌を抱いて寝たほどだ。朝起きたら血まみれだった。

 

 ようやく大鎌使いとして認知され始めたのだ。

 もっとアピールしたい。だから部下よ、これは私が運ぶ。いいな。

 

「いや普通に私が運びます! 土の道ならともかく、ここから敵が攻めてきている砦までは、しっかり固められた道ですよ! あそこを直すのがどれだけ大変か忘れたわけじゃないでしょう!」

「…………いや私が運ぶ」

「駄目です!」

「…………」

 

 ズサササッ! 

 

「あっ! 隊長! こら待て止まれ!」

 

 な◯う軍め、誇り高き我が国の秩序を乱す外敵め! 

 すぐに私が滅ぼしてくれよう! 

 

 ズササササッ! 

 私は大鎌を引き摺りながら、憎き敵への怒りを募らせ、早々に打ち滅ぼさんと砦に向かって走り出した。

 

 

 

 

 

 砦に着くと、そこではすでに激戦が起こっていた。

 相変わらず敵軍は無駄に数が多い。

 いくら我が軍が精鋭揃いとはいえ、流石に苦戦しているようだ。

 しかし押されてはいない。拮抗している。

 

 朝からこれだけの数が攻めてくるとは、敵軍は団結力だけは無駄に高いらしい。

 その力を知能に回してほしかった。

 そうすればこの無駄な侵略は行われていまい。

 

 さて、害虫はさっさと駆除するにかぎる。

 私も行動するとしよう。

 まずは声を張り上げて、部下たちに一斉に指示を送る。

 

「遅れてすまない! 皆ご苦労! そのまま殲滅を続行しろ!」

 

「おぉ! 隊長が来たぞ!」

「隊長! 確か今日は休暇日じゃなかったんですか!」

「あ! また鎌引き摺ってきてる! それやめてくださいって前言いましたよね!」

「隊長! いつも思ってますが、指示が指示じゃありません! もっと具体的にお願いします!」

 

 これでよし、と。

 あとは私も直々に戦闘に参加して殲滅にとりかかろう。

 

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