ヘンテコモンスターになりたくない!   作:reira

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 メインの方が難産でして……箸休めにちょっと書いてみました。
 実際のゲームの進度に合わせて書く小説を拝見しまして、やってみたいなと思ったのがきっかけです。まだ最初の林で迷走してますが進めて行こうと思います。
 なのに本編前から?いやぁ、関係性深めたくて……


モンスター娘達の世界へ

 浮遊感とともに背中から衝撃をうける。

 痛みはあるものの、軽いものだ。大したことはない。

 また、寝ている間にベッドから落ちてしまったのだろう。そう思って周囲を見渡すが、知らない光景が広がっている。

 

 子供の部屋なのだろう、おもちゃ箱に勉強机。教科書やランドセル、鏡といった物が散見される。振り返ると寝ていたであろうベッド。ふと、下を向くと自らの上には掛け布団がある。ベッドから落ちたのは間違いない。

 

「これ……どういうこと?」

 

 声を出してまた驚く。聞き慣れた自分の声ではない。

 手を見る。ペンだこのあるゴツゴツした手ではなく、若々しい少年の手。背中の痛みを忘れて、鏡を見てみる。血の気が引く感覚がする。震えた声で言葉を紡ぐ。

 

「しょ……少年……?」

 

 転生してしまった。おそらく、そういうことだろう。原因は不明だ。とにかく、やれることはやっていこう。まずは、周囲の棚や教科書、ランドセルから情報を集めた。うん、文字は日本語で名前の欄にはカイトと書かれている……と、周囲をガサゴソしているとバタンとドアが開け放たれ女性が姿を表した。何やら怒っている様子だ。

 

「かーいーとー……!」

「ひっ!?」

「もう、母さんをそんなお化けでも見たように言わないの! もう夜遅いでしょ! 早く寝なさい!」

「は、はーい……」

 

 時計を見ると、なるほど。すでに寝静まる時間だ。親に怒られてしまったので、慌てて寝ることにした。

 

 

 

 

 

 * * *

 

 

 

 

 

 それからしばらく。この世界の学校に通いつつ図書館で調べを進めていくうちに驚くべきことがわかった。僕が住んでいるのは「セクレンド」と呼ばれる街なのだが、あちこちにモンスター娘(略称として今後モン娘とする)と呼ばれる亜人が見られるのだ。この街、人が暮らす世界ロイティウムとモン娘が暮らすモンストピアと呼ばれる世界の間にあるらしい。

 モンスター娘関連の世界であることがわかったが、この世界に来る前の僕は色々なゲームを浅く広くやっていた。モン娘なんて見慣れたものだ。なんの世界かわからない。最初はもんむすク◯ストかと思ったのだ。しかし、すぐに違うとわかった。もんむすクエ◯トには「セクレンド」なんて呼ばれる街なんてなかった。それに、同じ学校に通うスライム娘と出会ったのだが、某竜の依頼で言うところのスライムナイトのような「スライムに騎乗した女の子」であり、見慣れたスライム娘とは全く違った。

 

「どうなってるんだろうな……いてっ」

 

 考え込んでいると、後頭部に衝撃を頂く。何事かと振り返ると、ピンク髪のモン娘が立っている。特長的な、羽の生えたような耳以外は人間と大差ない。そんな、うちのクラスの委員長リリアがプンスコと聞こえる程度に怒っていた。

 

「もう! 聞こえてなかったでしょ! カイト君、私宿題集めてるの! 早くだして!」

「あ、あぁわかった」

 

 慌てて提出物をだす。二回目の学生生活、小学一年生とはいえこういう物はさっさとやっておくものだ。怒っているリリアに、慌てて宿題を渡す僕。周囲は怒られてる僕を見て笑っていた。このやろー……

 そんな様子を見かねたのか、クラスでは引っ込み思案な男の子で、リリアの幼なじみのイオがやってくる。

 

「リリア、そんなに怒るなって……」

「いや、僕が聞こえてなかったのが悪いから。ごめんね、リリア」

「ホントだよ、もー! 早く行こ、イオ!」

「うわわ、引っ張るなって!」

 

 二人はどこかへと行くようだ。予定でもあるのだろうか。ふと思う、他の場所を見ておくことも情報集めとして大事じゃないか。なんとなく、僕は引っ張られていく二人のあとをおうことにした。

 

 

 

 

 * * *

 

 

 

 

 彼らは街の外に出ていく。目的地があるのだろうか。リリアに引っ張られているためかスピードはかなりはやい。それでも、姿を見失わないように追いかけていく。すると二人は林の中に意気揚々と入っていった。僕も二人の後を追って鬱蒼とした林の中をすすんでいく。しかし、気がつくと二人の姿はなかった。見失ってしまったのだ。諦めて帰ろう、そう思ったのだが……振り返れば、帰り道が分からなくなってしまっていた。

 

 どうしたものか、考えつつ先をあるいてみる。すると、その先にうずくまっているモンスター娘の姿を見つけた。フサフサの獣耳と尻尾があり、可愛らしいエプロンを身に着けている。が、そのエプロンには血が滲んでいるように見える。慌てて近寄ると、ビクリと震えた様子でこちらを見やる。

 

「オロ〜……」

「これは……ひどいな。すぐに手当しないと」

 

 よく見てみると、どうやらトラバサミのような罠に引っかかり動けなくなってしまっている。トラバサミを解除し、念のため持っていたキズ消し草を使って手当をするとすぐ元気になったようだ。そして、助けたモンスター娘なのだが……何処かで見覚えがあった。

 

「大丈夫?」

「はい、もう大丈夫ですオロ。ありがとうございますですオロ」

「それなら良かった」

 

 語尾が特徴的すぎる。チリ、と脳裏が痺れるような、何処か既視感を感じる。昔この子を何処かで……

 助けたあと、お互いに名乗り合う。彼女はオルトロスという名前らしい。双頭の番犬。顔は一つしか見当たらないが、幼いからだろうか。

 

「せっかくだから、おにぃさんにお礼がしたいオロ」

 

 お礼? それなら……今困ってることは、絶賛迷子ということである。

 

「じつは林の中で道に迷っちゃって。外に案内してくれないかな?」

「……帰っちゃうオロ?」

 

 ウルウルと泣きそうなオルトロス。というか泣いてる。でも、そろそろ帰らないとまずい時間だ。

 

「ごめんけど、今帰らないと親心配させちゃうからさ。またここに来るよ。そのときは一緒に遊ぼう?」

「おにぃさん……約束オロ」

 

 僕らは約束をして帰路につこうとした。が、それを止めるように草陰から飛び出し、立ちふさがる男の人影があった。

 

「させねぇ!」

「危ないっ!」

「オロ」

 

 その男の手には猟銃。オルトロスを撃ち抜こうとした凶弾を、オルトロスを拾い上げるように抱え込んで横っ飛びローリング。オルトロスに怪我はない。僕は……足に銃弾をもらってしまった。これでは走れない。うずくまることしかできない僕に向かって、地団駄を踏みながらまくしたてるように男はいう。

 

「くそっ、いい犬がかかったのに勝手に逃がしやがって!」

 

 そうか、こいつが罠を仕掛けた張本人だったのか。そう気づくがもう遅い。できることは……この娘を逃がすことくらいか。

 

「オルトロス、早く逃げるんだ……!」

 

 必死に、逃げるように促す。けれども、それでも彼女は僕を守るように前に立つ。その姿は、前世で憧れだった勇者の背中を見ているかのように頼もしく思えてしまう。

 

「ボクが、おにぃさんを守るオロ!」

 

 そんな僕たちをニヤリと笑い、猟銃の引き金に手をかける男。

 まずい……! 

 

 

 そう思った瞬間、赤くメラメラと燃える火の玉が僕の横を通り過ぎる。その火の玉は男の猟銃に命中し、猟銃が遠くに弾かれる。何事かとおもってオルトロスを振り返る。彼女は二発目と思わしき火の玉を作り出し、男に向けて勢いよく投げつけていた。

 

「オロー!」

「う、うわぁぁぁぁぁ!!」

 

 突然打ち込まれた攻撃に、慌てて男は逃げだす。

 そのとき、僕の背後から猛スピードで、風をまとう青い影が横切る。よくみれば、ネコミミフードの女の子だ。女の子は、風をまとう肉球? のような手を迷いなく男に振り下ろす。

 男はそのまま地面に顔をめり込ませ、気を失ったようだ。

 

「捕まえました〜」

 

 当の本人は、のんびりそんな事を言っている。助けてくれたみたいだ。

 

「助けてくれてありがとう。僕はカイト。君は……」

「待ってよレーチェ! ……って、あれ? カイト君?」

「なんでカイトがここに?」

 

 お礼を言おうとしたとき、イオとリリア、そして4枚の美しい蝶の羽で飛ぶ、可愛らしい妖精のモン娘がやってきた。

 

「カイトとやらはしらぬが……この、伸びてるのが犯人じゃな。そい!」

 

 男はそのモン娘の力で姿が消える。殺した様子はないので、何処かに飛ばされたようだ。……妖精さんがおじいさんのような言葉遣いしてるインパクトは凄まじいものがあるが。

 

「ラテさん、ありがとうございます〜」

「まぁ、ワシはエリアリーダーだからのう」

 

 先程、リリアからレーチェと呼ばれていた青い猫のモン娘と、ラテと呼ばれた妖精がそんな会話を繰り広げる横で、僕はリリアに詰め寄られていた。

 

「ちょっと、怪我してるじゃない! すぐに治療しないと!」

「うん……けどごめん、足を撃たれたみたいで動けないんだ」

 

 実際、足手まといでしかない。もう日が傾いているし、夜の林は危険だ。そんな中、オルトロスが声を上げる。

 

「ボクに任せるオロ」

 

 そう言って、オルトロスがそばによってきて傷口に手を当ててくれる。その手からは優しい光が出ており、その光にふれると、負傷していた足の傷は塞がっていく。おそるおそる立ち上がるが、撃たれる前の状態のように問題ない。

 

「これは一体……?」

「ほう、その年でかなり高等なヒールを使うのじゃな。これならもう問題なく帰れるじゃろ」

「わわ、もう暗くなっちゃった」

 

 日は落ちて、もう遅い。その状況をみて、以外にもイオが真っ先に声を上げる。

 

「話はまた後にして、今日はもう帰ろう」

「そうね……またね、レーチェ! ラテ!」

 

 リリアとイオは帰るようだ……ってまたおいてかれる! 

 リリアに引きづられてくようにして去っていくイオ達を慌てて追いかける。

 

「オルトロス、またね! って、あれ?」

「出口まで、きちんと案内するオロ」

 

 ギュッと、こちらの腕を取ってそのまま迷いなく歩いていく。イオ達と同じルートだから問題ないだろう。僕らはならんで歩いていった。

 

「また来るよ。そのときはいっぱい遊ぼうね」

「楽しみですオロ!」

 

 ちゃんと林の外まで送ってくれたオルトロスとそんな話をして、イオ達とともに帰路についた。どうやら僕の話も聞きたい様子。また後日ラテやオルトロス、レーチェたちも交えて今回の話をするようだ。

 街の中で、僕とイオ&リリアのコンビは別れた……いや、家の方も一緒なのかあの二人。

 

 さて、この衝撃的な1日を経てついにこの世界が何の作品かがわかった。「限界凸記 モエロクロニクル」だ。




次回、事件の振り返り
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