残機無限のブルーアーカイブ   作:エドアルド

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アビドスの後日談

 

 ビナーを破壊しやっとアビドスの長い苦悩の日々が終わった。アビドスが砂に呑み込まれていた要因の一つであろうビナーが消えた事でこれ以上酷くなる事は無いだろう。

 

 なによりアビドスにはホシノが帰ってくる事ができた。ユメ先輩も目覚め万々歳、土地も俺のおかげで戻って来た。借金はまだ残っているが利子は減っているし総額も幾らか減った、後は地道に借金を返済して行くだけだ。

 アビドスの未来は明るいぞ!ハッピーエンド!

 

 になれば良かったんだけど。

 

「ちゃんと聞いてる?」

「はい、聞いてます」

 

 俺は正座で説教をされていた。ホシノ、ユメ先輩、先生に囲まれて。

 

 ビナーを破壊しアビドスに戻って来た時にまず初めにホシノにアイアンクローをされたのが始まりだった。

 『なんであんな事したんですか?』そう笑顔で自爆特攻した事を咎められ『の、ノリで……』て言ったら更に力が強まって危うく頭をかち割られるところだった。

 

 そこに更には先生が参戦してきて亜人の力について聞かれて『どうせ生き返るし』とか言ったら今度はユメ先輩が乱入してきて、今に至る。

 

「だいたいですね、貴方はそうやって他人の気持ちをないがしろにして──」

「幾ら大丈夫だからって、痛いはずだろうし何よりやられた側の立場になって──」

「いつも一人でなんでもかんでもやって人に頼る事を覚えなきゃダメだよ。じゃなきゃいつか──」

 

 三方向から順々に言われる耳が痛い言葉に俺は理解はする、だが納得は出来ないのだ。

 だがそれを言う事はしない。地雷源にタップダンスしながら突っ込むような真似である。言ったが最後、説教が長くなる。

 こういう時は適度に返事をして反省の意を示しつつ無駄な事は喋らずに耐え忍ぶのが吉だ。前世からそうやって切り抜けてきたのだ、大抵の説教はこれで乗り越えられる。なんなら適当にゲームの事も考えると苦痛が減る。

 

 だが世界はそこまで上手く行くようには出来ていないらしい。死神が俺の首に鎌をかけた。

 

「失礼します。ヴァルキューレ警察学校所属公安局局長、尾刃カンナです。骸夜ヤマトに用がありお訪ねしました」

 

 その声を聞いた瞬間俺は窓ガラス目掛けて走り出していた。しかし次の瞬間、俺の脳天を弾丸が通り抜け、体は崩れ落ちた。

 

「あふん」

「逃げるな」

 

 その弾丸はカンナの手の中にある第17号ヴァルキューレ制式拳銃から放たれたものだった。

 

「……え?なにが?」

 

 突然の出来事に部屋にいた全員がかたまる中、カンナは再生途中の俺の首根っこを掴み逃げれないようにして。

 

「……へっ、へへっ。お代官様あっし何か悪い事しましたかねぇ」

「取り調べ室行くか?」

「あっ、すいません」

 

 この冗談を許さぬ姿勢といい頭を即座にぶち抜いた事といい、何徹したんだカンナは。てか頭にゴリゴリと拳銃押し付けないで!普通に痛い!

 

「カヤ防衛室長からの言葉を先にお伝えしますね?『仕事を増やさないで欲しい』との事です。それと『ありがとうございます』との事です。あと、こちらが請求書ですね」

 

 カヤ、お前も立派な社畜になってと思いつつ俺が逃げ出した理由である請求書に目を通す。

 ゼロが1つ2つ3つ4つ5つ6つ7つと来て俺はそっと請求書を畳んだ。これ以上は精神に良くない。

 

「今回の出来事を誤魔化すのは大変だったんだからな?こちらにも準備というものがあってだな」

「……はい、すいません。この度は誠に申し訳ありません」

 

 未だに状況が飲み込めていない先生達を放置してお説教の第二ラウンドが始まった。

 

 その説教は数時間に及び終わる頃には俺はエガタシナシナアジンと化していた。正論ばかりをぶつけるのはやめてください死んでしまいます、精神が。

 

「おや、もうこんな時間ですか突然失礼しました。失礼します」

「あ、うん」

 

 いつの間にか席で座ってお菓子を食べていた先生たちに声を掛けてカンナは早足に部屋を後にした。

 

 残された俺は正座により痺れた足の痛みとの格闘を始めたが。

 

「ん、大丈夫?」

「ガッ!?つ、つつくのはやめてくださいシロコさん死んでしまいます」

「ん、ヤマトは生き返るから大丈夫」

「そ、そういう問題では──ガッ!?ホシノ=サン!?ユメ=サン!?その手に持っている棒は何ですか?笑顔のまま無言で来ないで!イヤッ、イヤッ、イヤー!?俺のそばに近寄るなァ!」

 

 その後ピクピクと痙攣する俺と満足そうに笑うホシノとユメ先輩がいた。体罰は僕良くないと思いますぅ〜。

 

「あれ?もうこんな時間ですね」

 

 ユメ先輩がそう言って時計を見ると午後の5時だった。もう学校は終わり帰る時間だ。これ幸いと俺は荷物を手に取りさようなら〜と外に出ようとしてホシノに肩を捕まれる。

 

「どこ行くの?」

「あ、その、もうこんな時間ですし帰ろうかなと……」

「逃がさないよ?」

 

 お慈悲は無いのですか?あ、無いそうですか。

 

「それじゃあ私達は先に失礼するね」

「さようなら〜」

「ん、骨は拾う」

「あ、えっと、が、頑張ってください!」

「ふんっ!いい気味だわ」

「ヤマトくん!ファイト!」

 

 ホシノと俺以外が教室を出ていく。

 

「今日はおじさん、君の事寝かさないよ」

 

 その日の夜アビドスの校舎で起きた事はあえて語るまい。一つ言えるのはこの俺、骸夜ヤマトの尊い犠牲の数々にアビドスには少しだけ平和が訪れたのだった。

 

 




実はこの世界のカヤはヤマトくんに脳を焼かれています。手足が吹き飛びながらも戦う存在は超人だよね!

ちなみにこの後ヤマトとホシノが夜の校舎でナニをしていたかは読者諸君が手を胸に当てて考えてね!きっと答えがわかるよ!

ちなみにヤマトくんの初体験はマコト様です。初体験が拘束プレイなんて珍しいねヤマトくん!
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