「やってんなぁ」
俺は少し遠くのビルからシャーレ付近から上がる煙と銃撃の音にそう呟く。我ながらこの世界に染まったなと感じる。
ここキヴォトスは前世ではありえない程の銃社会。ちょっとした喧嘩だとしても銃を取り出すほどだ。前世の人達が聞けば『あらヤダ野蛮!』と言いそうな程やばい。
一番ヤバイのはゲヘナ学園であり「自由と混沌」を校風としているのは別に良いのだが紛争地帯どころか世紀末だ。活動を認められていない違法なサークルがいくつもあり、美食研究会や温泉開発部などといったテロリスト・危険集団として悪名が他校にまで広まっている部活もある。部活がテロリスト認定ってどんなだよ!と思うかもしれないがやってる事はまじでテロリストなので間違いが何一つ無いのが悲しい。
あら、静観してるうちに先生来ちゃった。へ〜、この世界の先生は女性か…………これは百合が見れるのでは?┌(┌'ω')┐ユリィ…
我百合大好き侍!性癖に従って助太刀する!!
我が愛銃B&T SPR300の出番である。そして黒い人型を俺に纏わせるように出すと俺の姿が周りからは見えないようになる。本来ならこんな事しても防御力の向上程度しかならず俺が透明になる事は無いのだが俺の場合はキヴォトスの神秘由来の為か黒い人型により俺だけは透明になる。
てか黒い人型て呼びにくいな、亜人で呼ばれていたInvisible Black Matterを略したIBMと呼ぼう。IBMくん。
これで完全に姿を隠して支援する。これをするだけでだいぶ安全になる。まあ、ゲヘナ風紀委員長のヒナは自身の固さを利用して撃ち込まれた銃弾の角度で狙撃手を発見する、なんていうとんでも方法を使うのでヒナだけにはあまり意味が無い。他の奴らには効果抜群なんだけどね。あと多分、正義実現委員会委員長のツルギ他キヴォトスの上澄みにもヒナと同じ対処されそうで怖いんだよなぁ。恐るべしキヴォトス。
目に付く暴れている不良生徒達を片っ端から撃ち抜いていく。銃声もなく突然倒れていく仲間達に困惑しているのか動きが鈍る。その隙をついて先生達が進んでいく。
「おー、流石先生と言った所かな」
素人目に見ても凄まじい勢いで不良生徒を鎮圧しながら進んでいく先生達は凄まじい。こっちの攻撃に気付いているのかそれすら利用している。
「えっと、確かワカモが居たはずなんだけど」
スコープから見える戦場で不良生徒を撃ち抜きつつワカモも探す。あ、シャーレの建物に入って行ったな。先生ももうそろそろシャーレに到着するな、俺も行くか。
銃をベクトゥラに収納してビルから躍り出る。ビルの外壁をIBMくんを利用して削りながら降りていく。あと少しで地面という所で壁を蹴り跳躍する。そしてシャーレの真ん前に着地する。ふっ、我ながら完璧な着地だな。
「な、なんだぁ!?」
「空から降ってきたぞ!?」
「ファッ!?」
「ちくわ大明神」
「今変なのいなかったか!?」
今変なのいなかった?まあ、良いか。
「kill or be killed。怪我は勲章、死は名誉。進む先は地獄なり、なんてカッコつけてみたりして」
俺は残り少ない不良生徒達を垂直二連式のソードオフショットガンで沈めていく。まあ、一発打ったら薬莢取り出してのリロード式だから撃つ回数よりも銃自体で殴る回数の方が多いけどな。
「女子を傷付けるのは心苦しいが――」
「それが心苦しい事してるやつのこうどうk――」
「心苦しいのですが」
「ヒィ!?」
「アイツ銃撃で物理的に黙らせやがった!」
ええ、大変心苦しいですよ。ただ――
「死ぬのは嫌いなので」
じゃあこんな戦場突っ込むなよって話ですけど、どうせ生き返るんですから嫌いよりも大事な事しなきゃいけませんよね〜。
そのまま残り少ない不良生徒を沈め終わったころ、先生がやって来た。
「お疲れ様〜」
「やっぱりヤマトくんでしたか」
俺の言葉に真っ先に反応したのはゲヘナ学園風紀委員、火宮チナツだった。
「やあ、チナツ」
この場にいるのは先生、チナツにミレニアム学園セミナーの会計、早瀬ユウカ、トリニティ総合学園正義実現委員、羽川ハスミ、同じくトリニティ総合学園トリニティ自警団、守月スズミの4人か。
「他のみんなもこんにちは。そっちの人は初めましてだね」
俺は先生に近付くと名刺を差し出す。
「このキヴォトスで便利屋をしている骸夜ヤマトだ。ただの雑用から護衛まで、幅広く仕事を請け負っている。先生も何かあれば依頼してくれ、黒い依頼じゃなきゃ格安で受けよう。よろしく頼む」
「よろしくね」
流石先生、この適応能力、キヴォトスで先生をやれる訳だ。
「話はそこまでにして、早くシャーレに入るわよ」
ユウカがみんなに急かすように言うが俺はストップをかける。
「ちょっと待った。さっきワカモがシャーレ内に入ってくのが見えた、先にワカモ追い出してからだ」
「面倒ですね」
「安心してくれすぐにすむ」
「あ、ちょっと!」
俺はシャーレの入口に立つと大声でワカモの名前を呼ぶ。
「ワカモォォォォ!!」
それから三秒程すれば。
「ヤマト様ぁぁぁぁぁぁ!!」
俺の名前を呼びながらワカモがシャーレから飛び出してくる。
「帰るぞ」
「はい!」
その様子に他の面々は驚きの表情をしている。
「じゃあ、また後日」
「皆様、さようなら〜」
驚き固まった面々を置いて俺とワカモはシャーレを去った。
ちなみに実はこの世界のワカモは主人公の被害(曇らせ)に既に晒されております。そのうち過去編とか書こうかなぁなんて思ってたりもします