天上の人類ーThe celestial mankindー 作:ピエロギ
エレベーターで5階に上がるとGHの兵士が待機していた。
「ついてきて下さい。応接室まで案内します」と後に付いていく。
GHのオフィスは複数の兵士とGHと関係のある企業らの職員が行ったり来たりしている。オフィス自体は広く、応接室が101、102、、、、と続き142と書かれている部屋の前で止まった。
「それでは、中にお入りください」と案内の兵士がドアを開け、中に入るように促す。
中に入ると長机が並んでおり、外が見えるガラス張りの窓に一人の男が立って外を眺めていた。
「足労をかけたね、ハンター」と言いながらこちらに振り向く。きちっと決めたビジネスマンらしながらもカジュアルな見た目と清潔感を持っている人だ。
「いえいえ、クライアントの要望には応えられるよう鋭意務めています。とはいえお気遣いいただきありがとうございます」と答える。
「3類討伐はこちらとしてもありがたい。HORDE(ホード)で被害を出すのは3類以上だから、可能な限りシティ近くの変異種は数を減らしておきたい」
.......HORDE........
周囲の変異種が近くのコロニーや人類が活動する拠点、資源や製造施設を一斉に襲撃する際、群れを成してくるためそう呼ばれている。襲撃の規模や脅威はその場所の人口、保有、使用しているエネルギー量に比例すると言われている。
「シティはここら一帯では最大の都市ですから‘引き込む’数が桁違いですからね」
「まぁ、知っての通り外縁の防御網でほとんどは死滅するんだけどね、生命力が強い個体だと突破することがあるんだよね」
「そうした個体を事前に狩るのも我々の仕事ですから」と言う。
「さて、今回の報酬だ。事前に取り決めた報酬としてクレジットとクリアランスをBからAに変更するぞ」
というと机の上にロゴが書かれたICカードが置かれており受け取るように促される。
「ありがとうございます」といってICカードを受け取る。さてここからが問題だ。
この場所に呼ばれた目的は何か知る必要がある。
「何か我々にご用ですか?」そう聞いてみる。
そうすると目の前の男の雰囲気が変わった。今までの柔和な態度と異なる張り詰めたものに変化した。
「今回の報酬の受け渡しはこれで終わりだ、ここからは仕事の依頼だ、君たちにはバンカーの掃討を頼みたい」
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「バンカーに行くことになるとは思わなかったな」とレオがタンブラーグラスを傾けて黄金色の酒を飲む。
「全く、GHは本当に人手不足なんだな、俺たちに自分たちが保有する軍用バンカーの掃除を頼むなんてな」とサービジョン越しに会話する。外部に情報を流さないためだ。
__俺たちはGHのオフィスビルから離れて歓楽地区の飲み屋、オアシスに来ていた。角のテーブルに座って飲んでいる。二人で静かに飲んでいると背の高い一人の女性が近づいてくる。
深紫色の長く整えられた髪とシックで洗練された漆黒の服が体のスタイルを際立たせている。しかし、一番目を惹かれるのは彼女が背負っているクロスボウ、いや弩と言ってもよいほど巨大な武器である。
「奇遇ね、最近の調子はどうかしら」と艶っぽく聞いてくる。
「あっ、エレノアさん、お久しぶりです!」とレオが快活にあいさつし
「エレノアさん、お久しぶりです。今日帰ってきました」と落ち着きを持ってあいさつをした。
「レオくんは相変わらず元気ね、依頼は無事に達成できたみたいね、最近は依頼が多くある分、危険性が高いものが混ざっていることがあって死亡率が高くなっているのよ」
「そういうエレノアさんも今日が帰りですか?」とレオが聞く。
「えぇ、シティに運搬予定だった物資を運ぶコンボイの護衛についていたわ。大物はいなかったけど数が多くて大変だったわ」といいながら席に着く。
「護衛の任務は運搬しているものによって引き込む数が変わりますからね、大物向けですよね、その武器」と言うと
「今回は出番ほとんどなかったわ、他のメンバーに助けられたわよ」と少し不服そうに言う。
「でも、大物向けの武装がある安心感は他のメンバーの力になっていますよ」とレオが励ます。
「ありがとうね、あとそうそう、君たちバンカーの依頼受けた?」と予想にしない質問をされた。
「クリアランスがレギオン公認のオフィスかレギオンの隊員がやる仕事ですよ、バンカーは」 と咄嗟に嘘をつく。
「嘘をつかなくても良いんだよ、GHのオフィスビルの応接室にいったでしょ。GHには知り合い多いんだ」という。
「レギオンの情報って意外にガバなのかな、レオどう思う」
「そんなことないと思うぜ」と返ってきた。
「そうよ、これは重要性が低いから簡単に手に入ったわ、私にだって分からないこともあるわ」
「例えば、どんな情報ですか?」と聞いてみる。
「うぅ~ん、そうね、今GHとかのレギオンが東部にどうして設備や人材を移しているとかね」とさらっと俺たちも知らない情報が出てきた。
「やっぱり、ガバなのかもな」とレオが言った。
「あなたたちは外部から来た人たちでしょ、私はここで育ったから情報網があるのよ。だからこそ、あなたたちのような放浪者について知りたいのよ」
「例えば、何ですか?」
「そう、あなたが持っている〈アーク〉とかね」と俺を指して言ってきた。