そんな戦闘を、茂みからただ観察しているだけの者がいた。
「ぺこらさんが右手から火薬、それをフレアさんが踏んで爆発」
それが呟くと、戦況はその通りに変化していった。ぺこらが出した火薬を、フレアが踏んで爆発したのだ。
観察している者ラプラスは、自身の能力が発動するまでの待つのと、久し振りに封印解除されて使えるようになった力に体が慣れるまで茂みに隠れてやり過ごそうとしていた。
「しかし、なっかなか落ちねえな」
ラプラスは左腕の封印具を見て呟いた。しかしその時であった。突如としてその左腕の封印具が外れ、下の砂に落ちたのだ。その現象は怪奇現象でもなんなかの奇跡でもない、ラプラス自身の能力であった。
「時間が経つごとに封印具が外れる……その時間ってのが気になってたが……未来視でも見れないとはな……」
ラプラスの未来視は完璧でない。何故なら、それはあくまでも現在確定している未来を見るものだから。チャキ丸の動きはいろはが考え、動かしているものであり、そのいろはの思考が零にならない限り読みきれる。そのため、完全な乱数であるなら読むことはできない。つまり……
「封印具の解除はランダム……」
ラプラスは一つ溜め息をついた。
左腕の封印具が外れたことで、できるようになったことがある。それは原子の操作である。ラプラスが左腕をあげると、掌の上で名も無き金属が生まれ、それが金、銀、プラチナ等の金属に形と材質を変形させる。原子の操作とは、無から原子を作り、それをいのままに操れたり、既にある原子の移動や消去も可能となる。
「割れながら、強いよなぁ……」
現に今、戦っている三人、ないしは島の中にいる全員の心臓や脳等に何かしらの異物を作れば、その時点でほぼ勝利は確定する。しかし、ラプラスは絶対にそれをしない。何故なら、とても詰まらなくなるからだ。
「ゲームは楽しまねえとな」
ラプラスは封印具を右腕と首に作り上げた。原子レベルで同じものをだ。それにより、先程まで見えていた動きの予定が視界から消えた。
ラプラスは背後から誰かの気配が近づいてきたのを感じた。その気配と聞こえてくる音から、ラプラスは誰が来たのかを理解した。
「よお、よく分かったな」
一筋の刀身がラプラスの居た場所を切る。ラプラスは既に避けていた。
「ようやく見つけたでござる」
「おつかれさん。後吾輩、今後ろに下がると先輩方の迷惑になっちゃうな」
「そんなの知らない」
いろはは容赦なくラプラスを切りつけるが、ラプラスは一時的に腕を霧のように散らせ、刀を避けた。
やっぱ、ラプラスは強くしたい。種族からして強そうですし
初登場能力
存在否定された悪魔
時間が経過するごとに封印が外される