ホロライブ・アビリティバトルロイヤル・ゲーム   作:架空柿

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 のーこめ


限界値

 粉となって消えていくみこを見届け、二人は見つめ直す。片や斧をいつでも振れるように構え、もう片や何個ものピンを指に挟んで。

「へぇ、そっちもやるんだ。AZKiち」

「そりゃあ、勝ちたいからね」

 動かず、ただ静寂が流れるのみ。そして時は突然にして動き出した。空から小型の彗星が大量に落ちてきた。数にしておよそ二十。AZKiは大量の彗星に一つ一つピンを刺してゆき、適当な場所に投げたピンと位置を入れ替え続ける。しかし彗星は数を増やしていき、AZKiが対応しきれなくなってくる。

「はは、もうすぐ終わりなのかな?」

 事実、二人がいる山頂は少し、また少しと面積を減らしていっている。当然ながら、すいせいのいる位置を避けて。

 AZKiは減っていく足場を厄介と思っていた。当然である。しかしもう一つ、あることも思っていた。チャンスだと。AZKiは不意にピンの一つをすいせいの左腕に投げ刺した。刺さると同時に能力を発動させると、すいせいの左肩から先が消え去り、大量の血液が吹き出してきた。痛みを伴わずに。

「おぉ……成功した」

「……成る程。意外とそれ便利だね」

 すいせいはさらに彗星を増やす。それと共にAZKiも大量のピンを彗星とすいせいに向けて投げる。すいせいは襲ってくるピンを切ったり避けたりしなければならなくなり、自身で減らした面積の影響で難易度が跳ね上がっていた。当たったらアウトの二人。優勢だったのはすいせいだった。幸運にも、落としていた彗星がピンから身を守る盾になってくれていたからだ。AZKiの方は、一度に投げれる、ちゃんと刺さることができるピンの数が限られており、増えていく彗星に対処するのが精一杯であった。

「…………王手かけれたかな」

 すいせいの呟きを、AZKiが聞いたときであった。すいせいのいる方向ばかりを気にして気づいていなかった、ボウルをひっくり返したような形で上から彗星が落ちてきていた。それを認識して、AZKiが横へと逃げようとした途端、カーテンのように高速で落ちてくる小型彗星がAZKiを閉じ込めた。

「彗星の監獄。お洒落でしょ?」

 AZKiはピンを彗星カーテンに投げつけるが意味がない。何度も何度も投げるが、効果は無い。そしてとうとう、AZKiは地面に腰を下ろし、体育座りをした。

「……すいちゃんのいじわる……」

「残念、戦いっていうのはこういうもんなんだよ」

 そしてAZKiは頭上から降りてくる彗星達に押し潰された。




 彗星の監獄……文字で見ると格好良いな(自画自賛) 
 後そうそう、二ヶ月程前からやろうと思って忘れてましたが、実は二、三年ほど前からTwitter(X)アカあるんですよね。良かったら見てってください。休載情報とか流すので。(宣伝)
https://twitter.com/AsteroideaDiosp

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