島を蹂躙しながら動き回るハトタウロス。何人ものメンバーが挑んでは少しの傷しか与えられずに撤退を余儀されていた。そんな中、一つの影がハトタウロスの目の前に現れた。まさしく夜の王たる威厳を醸していそうなその影の正体とはそう、メルであった。
「そろそろ体力も削れてきてるんじゃないかな?」
メルは手の上に赤で満たされたアセロラジュースの玉を浮かばせながらハトタウロスに向けて呟く。メルは玉をハトタウロスの胸前まで浮かばせ動かす。瞬間、玉は巨大な槍のような形と変化しハトタウロスの胸、その中の心臓を貫いたように見えた。ハトタウロスは小さめの口から血を吐きだし、足元の森を赤く染め上げると共にメルを手で払おうとした。しかしながらその手もアセロラジュースでできている巨大な手が抑えたためにメルに当たることはなかった。
満月を背景としたその光景は宗教画のようで、程程に美しい。そんな絵の中に突如として花火が打ち上がった。瞬く間広がった光を予測することなどできるはずなく、メルの目はその光によって使用が拘束された。ハトタウロスも例外ではなく、体勢を崩しかけている。
何事かとメルが回復してくる視力で発射源を確認すると、そこには桃色に靡くロングヘアーを持ち、獣特有の尻尾や耳の生えた白衣があった。手には十を越える試験管が存在しており、中身がおどろおどろしい色をしている。メルはその白衣に向けてアセロラジュースの槍を射出するが一向に当たる気配がない。いや、むしろ槍が白衣を避けているようであった。そうして遠距離からの狙撃を行っていると、別方向からも狙撃音がして、また別方向からは冷気を纏う塊が飛んでくる。メルによるハトタウロスへの致命することのない強力すぎる一撃が、漁夫の利を狙う者達の大きな目印となってしまったのだ。
大混乱の始まる予感が漂う中、メルは早急に止めを刺そうとハトタウロスの方に視線を向ける。すると視界にはハトタウロスと共に、巨大な彗星が視界に入り込んできた。メルは彗星に向けて何百もの槍を飛ばすが、彗星が纏っていた高温が槍を蒸発させた。
島をも吹き飛ばす規模の彗星は、更には巨大な光線によって跡形もなく消し去られた。そしてその光線の発射元は今まさにメルの真横にいる。
「どう? かっこいいでしょボク!」
そう話すは体の至るところが機械に置き換わった少女、ロボ子さん。ロボ子は普段と変わらぬ喋り口調だったが、腕が巨大な砲台の形をとっていた。そして、その砲台は今ハトタウロスに向けられた。
一体どうなる! ハトタウロス!
初登場能力
高性能な腕
腕を好きな形に変形できる