森林に生えるとある一本の大木、そこからある者が偵察を行っていた。ワイシャツを着用し、下は黒のホットパンツとタイツ、そして大きなコートを羽織った、頭に羽の生えた秘密結社の幹部、鷹嶺ルイだ。
彼女にはとある探し物があった。それ自体は既に発見してはいるが、問題は取得の方法。厄介な者の手に渡ってしまっていたのだ。
探し物の名は「魔法の弾丸」、長い銃身を持ち、文字通りあらゆるものを撃ち抜く。最初、ルイはこの武器の存在をしらなかった。だが、彼女が能力で「どこでも相手を撃てる銃」の場所を調べた際、偶然発見したものだ。
「……まぁ、頑張ろ」
ルイは呟き、自慢の羽を伸ばしてその銃を現在所持する者の元へと向かった。
場所は変わりとある高台、登ることの厳しい断崖絶壁の上に成り立っている足場に所持者はいた。白い長髪に長い尾、万物を怯ます王たる鋭い目を持つ獅。手には例の銃が握られている。
「お、誰かと思えばルイルイじゃーん。ここに来たってことは……そういうことだよね?」
ぼたんが銃口をルイに向けると、青色の魔方陣がルイを見つめる。そして、そこから放たれる弾丸は、魔法陣を破壊し、空気との摩擦からか電気を帯び、凄まじい速度でルイのそばを過ぎ去った。
「……ぼたんさんが外すなんて、明日は雪ですかね」
「いや、ちゃんと当てたよ? 後ろを飛んでた鳥」
ルイは真偽を確かめるためか背後にある地面を「鳥の死体」を対象にして眺める。しかしそんなものは一つも見つけることはできない。そんな時、背後から聞こえてきたのは発砲音と凄まじい電気が放出される音であった。
「なーんて、嘘だよ」
沈みゆく意識、ボヤける視界、シャットダウン前に聞こえたのはその言葉であった。
ルイの目が覚めると、周囲は木々で囲まはの擦れる音と鳥の鳴き声等のみが聞こえてくる。当たりを見渡すと、先程ぼたんがいた高台からはかなり遠のいており、ルイは少し安堵した。立ち上がろうとするも、片腹の傷が痛んでしょうがなく、立ち上がれなかった。
「……運が良いんだか悪いんだか……」
ルイは痛む片腹を抑えながら四つん這いとなり、周囲の木の皮や蔓を集め、軽い止血のようなものを行った。止血に充分かどうかは不明だが、精神の安定には一役買うだろう。本当はビニール袋やテープが欲しいところだが、今はそんなものなど都合良く存在しない。
そのままルイは安静にし、傷の回復を待つことにした。幸い、彼女はヒトではない。傷の治りは早い方だ。恐らく。
頑張ります