島の端にある砂漠地帯、水分も食料も存在しない過酷な場所で戦闘する者が居た。
「ねえそれずるくない!?」
「ずるくないもーん! こういうのは想像力でしょ?」
赤い液体の上に立ち、空中にいるのはヴァンパイアの夜空メル。それに対し、拳に炎を纏わせ、飴で作られた階段を昇るのは普通ではない人間、赤井はあとだ。
メル「そもそも火食べられないでしょ!」
はあと「人はでしょ! はあちゃま別に人の食材指定されてないしー!」
メルは言葉の意味が分からないのか首を傾げる。それを好機だと思ったのか、はあとはメルの頭上にココナッツを出したが、あと少しのところでメルに厚い液体を頭上に出され失敗した。
はあと「ヒクイドリって知らない?」
メル「知らな~い」
はあと「オーストラリアにも居たんだけど、めっちゃ危ない鳥なの」
メル「で、その鳥がどうしたの?」
メル「ヒクイドリの名前の由来がね、喉元にある赤い部分が火に見えて、そこから日を食う鳥ってことでヒクイドリってなったの」
メル「…………もしかして、だから火は食材って言いたいの?」
はあと「そゆこと~」
思わずメルは感心した。はあとの奇想天外な発想にだ。そして、能力の許容範囲の広さに。
メル「ならメルも……」
メルは手に液体を集め、圧縮し始め、整形する。そうして、メルはそれを剣の形にした。
メル「アセロラジュースの剣~」
はあと「強いのそれ?」
はあとは人差し指と親指のみを伸ばした、じゃんけんにおける最強技、拳銃を作り、メルに向ける。メルは剣を構えた。
はあと「なら試してやんよ!」
はあとは大声で「バン」と叫ぶと、人差し指の先からはパンが射出された。そのパンはただのパンではなく、超高密度に焼かれたパンであり、とても歯では噛めない物だ。そのパンは真っ直ぐメルへと飛んでいく。そして、パンが剣に接触した瞬間、パンは粉々に爆発した。
はあと「密度大きすぎた!」
そう、パンは体積に対して余りにも大きすぎる密度により、剣に触れた衝撃で自己崩壊を起こしたのだ。
メルははあとが頭を抱え、膝からくずれいる隙に、アセロラジュースで大量の槍を生成、射出した。はあとはそれに気がつくことはなく、無防備に突き刺さる。周囲にはアセロラジュースに混じって血液が飛び散る。その時であった。突然、はあとは砂のように崩れ去り、血も跡形もなく消えた。
メル「これが退場の仕方かな?」
その後、沈黙が続いた。
「ほんっと、メルちゃんって単純!」
メルにとって死角となる場所で、一人の赤い少女は静かに笑った。
はあちゃま復活おめでとう!
初登場能力
模擬血液
アセロラジュースを生成、操作できる。
清純で混沌な料理
無から食材を造り出せる