遊戯王GX~もう一人の融合使い~   作:風森斗真

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というわけで入学試験
まぁ、文字数のわりにさっくりあっさりと終わってしまうのですが……
もしルール上の効果等に関して過ちがありましたら、ご指摘いただけると幸いです


1年生編
入学試験


 伝説の決闘者(デュエリスト)、海馬瀬人の提案で彼がオーナーを務める決闘者養成を主眼に置いた高等学校デュエルアカデミアへ進学し、生徒たちの起爆剤となってほしいと頼まれた。

 相応の報酬を約束されたこともあり、これからに備え、遊人はその話を受けることにし、K.Cから帰宅後、準備にいそしんだ。

 夜光や月光といった、ミニオンズの家族からの協力を受けつつ、数か月を過ごし、遊人は筆記試験に臨んだのだが。

 

――いやいや、一般教養はまだいいよ? けどなんだよ、これ。通常モンスターのフレーバーテキストなんてわかる人いるのか?! てか、第1回決闘都市(バトルシティ)大会で行われた予選の対戦記録なんていちいち気にしないぞ?!

 

 予想の斜め上を行く問題内容に苦戦を強いられていた。

 だが、どうにか試験問題のすべてに答えを記入することはできたのだが、記入を終えた時点で試験が終了し、ろくに見直しをすることができず、筆記試験は幕を閉じる。

 

――うわぁ……どうなるんだろ、これ……

 

 と、遊人が不安を抱えていたことは言うまでもないが、数週間後、遊人宛てに届いたデュエルアカデミアからの郵便物の中に、実技試験の試験番号が記入された受験票と案内が届いたため、ひとまず、筆記試験はクリアしたらしい。

 

 

 

 そうして、実技試験当日。

 遊人は受験番号五十番までの受験者の列に並び、試験を待っていた。

 

「次は、受験番号五十番の方、どうぞ!」

「はいっ!」

 

 番号を呼ばれ、遊人は試験官の前に立ち、決闘盤(デュエルディスク)を構えた。

 その顔に緊張が走っていることを知った試験官は笑みを浮かべ。

 

「大丈夫、試験といっても普通に決闘してくれればいい。勝敗に関係なく、その内容によって点数がつくから、リラックスして臨んでくれ」

「……わかりました。ありがとうございます」

「ふふふ、ではこれより実技試験を開始します!」

 

 試験官のその言葉で、決闘場(デュエルフィールド)の脇で待機していた審判が手をあげると同時に、決闘開始の宣言を行う。

 

決闘(デュエル)開始(スタート)っ!!」

「「決闘(デュエル)っ!!」」

 

<遊人>

LP4000、手札5

 

<試験官>

LP4000、手札5

 

 

「先攻は受験者だ」

「わかりました。では……ドローっ!」

 

<遊人>

LP4000、手札5→6

 

「俺は手札から『霊獣使いの長老』を守備表示で召喚! 長老が召喚に成功した場合、このターン中に1度だけ、『霊獣』モンスターを追加召喚することができる」

「ほぉ? いきなり大量展開か」

「とはいえ、一度きりですがね。手札から『精霊獣カンナホーク』を追加召喚!」

 

<遊人>

LP4000、手札6→4

フィールド:霊獣使いの長老(☆2/DEF1000)

      精霊獣カンナホーク(☆4/ATK1400)

 

「攻撃力1400か。なかなかのステータスだが、第1ターンは攻撃することはできないぞ?」

「わかってます。俺はカンナホークの効果を発動! 1ターンに一度、デッキから『霊獣』と名のついたカードを除外。この効果を発動してから二回目のスタンバイフェイズにこの効果で除外したカードが手札に加わる! コーリングハウル!」

 

 カンナホークが甲高い声をあげると、カンナホークがまばゆい光を放つ。

 その光に誘われ、一枚のカードが遊人のデッキから飛び出してくる。

 飛び出してきたカードをつかんだ遊人は、決闘盤を操作し、除外用のスペースを開き、セットした。

 

<遊人>

LP4000、手札6→4

フィールド:霊獣使いの長老(☆2/DEF1000)

      精霊獣カンナホーク(☆4/ATK1400)

除外:『霊獣の騎襲』(カンナホークの効果による。手札に加わるまで2/2)

 

「さらに、長老とカンナホークをゲームから除外することで、融合デッキから『聖霊獣騎』モンスターを融合召喚できる!」

「『融合』を使用しない融合召喚だとっ?!」

「俺は、長老とカンナホークを除外し、『聖霊獣騎カンナホーク』を融合召喚!」

 

<遊人>

LP4000、手札4

フィールド:聖霊獣騎カンナホーク(融合/☆6/ATK1400)

除外:『霊獣の騎襲』(カンナホークの効果による。手札に加わるまで2/2)

   精霊獣カンナホーク、霊獣使いの長老

 

「カンナホークの効果! カンナホークは融合デッキに戻ることで、除外されている精霊獣と霊獣使いを守備表示で特殊召喚できる! カンナホークをデッキに戻し、フィールドに舞い戻れ! 長老! カンナホーク!!」

 

<遊人>

LP4000、手札4

フィールド:霊獣使いの長老(☆2/DEF1000)

      精霊獣カンナホーク(☆4/ATK1400)

除外:『霊獣の騎襲』(カンナホークの効果による。手札に加わるまで2/2)

 

「ふむ……だが、なぜ戻す必要が?」

「こうするためです! 精霊獣カンナホークのモンスター効果を再び発動!」

「むっ?!……なるほど、カード名による発動制限がないからか!!」

「そういうことです! 俺は再び、デッキからカードを1枚除外!」

 

<遊人>

LP4000、手札4

フィールド:霊獣使いの長老(☆2/DEF1000)

      精霊獣カンナホーク(☆4/ATK1400)

除外:『霊獣の騎襲』(カンナホークの効果による。手札に加わるまで2/2)

   『精霊獣アペライオ』(カンナホークの効果による。手札に加わるまで2/2)

 

「そして再び、長老とカンナホークを除外! 『聖霊獣騎カンナホーク』を再び融合召喚!!」

 

<遊人>

LP4000、手札4

フィールド:聖霊獣騎カンナホーク(融合/☆6/ATK1400)

除外:『霊獣の騎襲』(カンナホークの効果による。手札に加わるまで2/2)

   『精霊獣アペライオ』(カンナホークの効果による。手札に加わるまで2/2)

   精霊獣カンナホーク、霊獣使いの長老

 

「カンナホークのモンスター効果を発動! 1ターンに一度、除外されている自分の『霊獣』モンスターを墓地に戻し、デッキから『霊獣』カードを手札に加える! 俺は長老とカンナホークを墓地へ戻し、デッキから『霊獣の騎襲』を手札に加える!! カードを2枚伏せ、ターンエンド!」

 

<遊人>

LP4000、手札4→2

フィールド:聖霊獣騎カンナホーク(融合/☆6/ATK1400)

魔法・罠:伏せ2

除外:『霊獣の騎襲』(カンナホークの効果による。手札に加わるまで2/2)

   『精霊獣アペライオ』(カンナホークの効果による。手札に加わるまで2/2)

 

「では、私のターン! 手札から『グリーン・ガジェット』を召喚。グリーン・ガジェットが召喚に成功したことで、デッキから『レッド・ガジェット』を手札に加える」

 

 試験官のフィールドに巨大な緑の歯車が胴体になっているロボットが姿を見せる。

 さらに、試験官はデッキを取り出し、その中から枚のカードを手札に加えた。

 

<試験官>

LP4000、手札5→6→5→6(1枚はレッドガジェット)

フィールド:グリーン・ガジェット(☆4/ATK1400)

 

「さらにカードを2枚伏せ、ターンエンド」

 

<試験官>

LP4000、手札6→4

フィールド:グリーン・ガジェット(☆4/ATK1400)

魔法・罠:伏せ2

 

 だが、試験官がターン終了を宣言した瞬間、遊人は(トラップ)発動を宣言する。

 

「この瞬間、伏せ(リバース)カードオープン! 罠カード『霊獣の騎襲』!! 自分の除外されている、または墓地に存在している『霊獣使い』と『精霊獣』を1体ずつ、自分のフィールドに守備表示で特殊召喚する!」

 

 だが、遊人はさらに伏せているカードを発動する。

 

「チェーン発動! 永続罠『マクロコスモス』! 墓地へ送られるカードはすべて、ゲームから除外される。チェーン処理により、俺は墓地の『霊獣使いの長老』と『精霊獣カンナホーク』を特殊召喚!!」

 

<遊人>

LP4000、手札2

フィールド:聖霊獣騎カンナホーク(融合/☆6/ATK1400)

      霊獣使いの長老(☆2/DEF1000)

      精霊獣カンナホーク(☆4/DEF600)

魔法・罠:永続罠『マクロコスモス』

     伏せ2→1→0

除外:『霊獣の騎襲』(カンナホークの効果による。手札に加わるまで2/2)

   『精霊獣アペライオ』(カンナホークの効果による。手札に加わるまで2/2)

   『霊獣の騎襲』

 

 終了宣言を行ったとはいえ、まだ試験官のターン。

 にもかかわらず、遊人のフィールドには3体のモンスターが並んだ。

 その状況に、試験官は目を見開いていた。

 だが、遊人はそんな試験官の様子を気にかけることなく。

 

「俺のターン!」

 

 デッキからカードを引き抜いた。

 

<遊人>

LP4000、手札2→3

フィールド:聖霊獣騎カンナホーク(融合/☆6/ATK1400)

      霊獣使いの長老(☆2/DEF1000)

      精霊獣カンナホーク(☆4/DEF600)

魔法・罠:永続罠『マクロコスモス』

除外:『霊獣の騎襲』(カンナホークの効果による。手札に加わるまで1/2)

   『精霊獣アペライオ』(カンナホークの効果による。手札に加わるまで1/2)

   『霊獣の騎襲』

 

――さぁて、どうすっかな……『ガジェット』ってことは、あの伏せカードはストロング・フォールドか機械族モンスターに関する何かってことになるか? けど、あのカードはグリーン、レッド、イエローの3体がいないと脅威にはならない

 

 だが、試験官の伏せカードが気になり、なかなか動くことができなかった。

 とはいえ、いつまでもこうしていられない。

 

「臆せず動くか! 精霊獣カンナホークのモンスター効果! デッキから『霊獣』カード1枚を除外し、2回目のスタンバイフェイズに手札に加える。『霊獣使いウェン』をデッキから除外!」

 

<遊人>

LP4000、手札3

フィールド:聖霊獣騎カンナホーク(融合/☆6/ATK1400)

      霊獣使いの長老(☆2/DEF1000)

      精霊獣カンナホーク(☆4/DEF600)

魔法・罠:永続罠『マクロコスモス』

除外:『霊獣の騎襲』(カンナホークの効果による。手札に加わるまで1/2)

   『精霊獣アペライオ』(カンナホークの効果による。手札に加わるまで1/2)

   『霊獣使いウェン』(カンナホークの効果による。手札に加わるまで2/2)

   『霊獣の騎襲』

 

「さらに、長老とカンナホークを除外し、『聖霊獣騎アペライオ』を融合召喚!」

 

<遊人>

LP4000、手札3

フィールド:聖霊獣騎カンナホーク(融合/☆6/ATK1400)

      聖霊獣騎アペライオ(融合/☆6/ATK2600)

魔法・罠:永続罠『マクロコスモス』

除外:『霊獣の騎襲』(カンナホークの効果による。手札に加わるまで1/2)

   『精霊獣アペライオ』(カンナホークの効果による。手札に加わるまで1/2)

   『霊獣使いウェン』(カンナホークの効果による。手札に加わるまで2/2)

   『霊獣の騎襲』、『霊獣使いの長老』、『精霊獣カンナホーク』

 

「『聖霊獣騎』……ということは、そのカードも」

「えぇ。アペライオを融合デッキに戻し、除外されている長老とカンナホークを再びフィールドに呼び戻す!」

 

<遊人>

LP4000、手札3

フィールド:聖霊獣騎カンナホーク(融合/☆6/ATK1400)

      霊獣使いの長老(☆2/DEF1000)

      精霊獣カンナホーク(☆4/DEF600)

魔法・罠:永続罠『マクロコスモス』

除外:『霊獣の騎襲』(カンナホークの効果による。手札に加わるまで1/2)

   『精霊獣アペライオ』(カンナホークの効果による。手札に加わるまで1/2)

   『霊獣使いウェン』(カンナホークの効果による。手札に加わるまで2/2)

   『霊獣の騎襲』

 

「なるほど、そしてもう一度、カンナホークの効果を使用し、デッキからカードをサーチするわけだな?」

「はい。というわけで、カンナホークの効果を使用し、速攻魔法『霊獣の相伴』を除外」

「だが、そのカードが加わるまで2ターンが必要となる。それまでにどうにかできるのかな?」

「どうにかします。手札から、もう一体の『霊獣使いの長老』を守備表示で召喚! そして、長老の効果で『精霊獣使いウィンダ』を攻撃表示で召喚!」

 

<遊人>

LP4000、手札3→1

フィールド:聖霊獣騎カンナホーク(融合/☆6/ATK1400)

      霊獣使いの長老(☆2/DEF1000)

      精霊獣カンナホーク(☆4/DEF600)

      霊獣使いの長老(☆2/DEF1000)

      精霊獣使いウィンダ(☆4/ATK1600)

魔法・罠:永続罠『マクロコスモス』

除外:『霊獣の騎襲』(カンナホークの効果による。手札に加わるまで1/2)

   『精霊獣アペライオ』(カンナホークの効果による。手札に加わるまで1/2)

   『霊獣使いウェン』(カンナホークの効果による。手札に加わるまで2/2)

   『霊獣の相伴』(カンナホークの効果による。手札に加わるまで2/2)

   『霊獣の騎襲』

 

 遊人のフィールドに長老が姿を現すと、今度は翡翠のような長髪を持つ白い杖を手にした美少女が姿を現す。

 ウィンダが召喚された瞬間、ウィンダは遊人の方へ振り向き、笑みを浮かべてウィンクをしてきた。

 だが、遊人は首をかしげ、ターンを進行する。

 

「『聖霊獣騎カンナホーク』と『霊獣使いの長老』、『精霊獣カンナホーク』を除外融合! 大地司る雄々しき獅子の力を授けられし精霊獣を駆る騎士よ、ここに!! 『聖霊獣騎ガイアペライオ』を融合召喚!!」

 

 長老がカンナホークの足をつかみ、聖霊獣騎カンナホークとともに上空へ舞い上がり、姿を消す。

 すると、上空に閃光が放たれ、その中から、白い兜をまとい背に大樹を背負った巨大な獅子とその獅子を駆る金髪の少女が姿を現した。

 だが、遊人はさらに。

 

「『精霊獣使いウィンダ』と『霊獣使いの長老』を除外!」

「なに?……そうか、ウィンダは霊獣使いではなく精霊獣(・・・)使い……」

「はい。よって、この2体を除外し、『聖霊獣騎』モンスターを融合召喚できます! 湿原の一族の翼を駆りし乙女をここに! 『聖霊獣騎キムンファルコス』を融合召喚!!」

 

<遊人>

LP4000、手札1

フィールド:聖霊獣騎ガイアペライオ(融合/☆10/ATK3200)

      聖霊獣騎キムンファルコス(融合/☆6/ATK1800)

魔法・罠:永続罠『マクロコスモス』

除外:『霊獣の騎襲』(カンナホークの効果による。手札に加わるまで1/2)

   『精霊獣アペライオ』(カンナホークの効果による。手札に加わるまで1/2)

   『霊獣使いウェン』(カンナホークの効果による。手札に加わるまで2/2)

   『霊獣の相伴』(カンナホークの効果による。手札に加わるまで2/2)

   『霊獣の騎襲』、『霊獣使いの長老』×2、『精霊獣カンナホーク』、『聖霊獣騎カンナホーク』、『精霊獣使いウィンダ』

 

 長老とウィンダが向かい合い、互いにうなずくと手にした杖を掲げ、交差させる。

 その瞬間、杖の宝玉がまばゆい光を放ち、二人を包み込んだ。

 その光の中から、巨大な翼とその翼に乗る人の姿が出現する。

 閃光がやむと、上空には新緑のような鮮やかな緑色の翼を持ち、牙のような突起が複数ついている鎧と兜をまとう大鷲と、その大鷲に乗るウィンダが姿を現した。

 

「キムンファルコスは除外されている自分の『霊獣』カード1枚につき、200ポイント、攻撃力と守備力が上昇する! 現在、除外されている俺の『霊獣』カードは10枚! よって、2000ポイント上昇!!」

 

<遊人>

LP4000、手札1

フィールド:聖霊獣騎ガイアペライオ(融合/☆10/ATK3200)

      聖霊獣騎キムンファルコス(融合/☆6/ATK1800→3800)

魔法・罠:永続罠『マクロコスモス』

除外:『霊獣の騎襲』(カンナホークの効果による。手札に加わるまで1/2)

   『精霊獣アペライオ』(カンナホークの効果による。手札に加わるまで1/2)

   『霊獣使いウェン』(カンナホークの効果による。手札に加わるまで2/2)

   『霊獣の相伴』(カンナホークの効果による。手札に加わるまで2/2)

   『霊獣の騎襲』、『霊獣使いの長老』×2、『精霊獣カンナホーク』、『聖霊獣騎カンナホーク』、『精霊獣使いウィンダ』

 

「攻撃力3000を超えてきた?! くっ! 罠発動! 『機動砲塁パワー・ホールド』!」

(トラップ)モンスター!?」

「そうだ。このカードは発動後、機械族モンスターとしてフィールドに特殊召喚される。そして、特殊召喚が成功したことで、手札かデッキからレベル4の『ガジェット』モンスターを選択し、このカードに装備させる! 私はデッキから、『ゴールド・ガジェット』を選択し、パワー・ホールドに装備!!」

 

<試験官>

LP4000、手札4

フィールド:グリーン・ガジェット(☆4/ATK1400)

      機動砲塁パワー・ホールド(☆4/ATK0→3400)

魔法・罠:伏せ 2→機動砲塁パワー・ホールド(永続罠)

     ゴールド・ガジェット(装備魔法扱い:対象=パワー・ホールド)

 

 試験官のフィールドに巨大な大砲を構える、これまた巨大な歯車で作られたロボット兵士が出現する。

 そのロボットの空洞になっている場所に、金色の巨大歯車ロボットがはめ込まれ、回転し始めた。

 

「攻撃力が変動した? もしかして装備されているガジェットモンスターによって攻撃力が変動する?」

「ほぉ? そこに気づいたか。そのとおり。パワー・ホールドの攻撃力は装備したガジェットの攻撃力の二倍になる」

「なるほど」

 

 試験官の説明を聞き、さてどうしたものかと思案する遊人だったが、試験官の場にはカードが1枚も存在していない。

 つまり、妨害のようなことはできないということでもある。

 

――なら、このターンで決める!

 

 意を決し、遊人は手札のカードを発動させる。

 

「速攻魔法『決闘融合―バトル・フュージョン』を発動! このターン、自分の融合モンスターが相手モンスターと戦闘を行う場合、その攻撃力は戦闘を行う相手モンスターの攻撃力分上昇する!!」

「くっ!! 決めにかかってきたか!!」

「バトル! ガイアペライオでグリーン・ガジェットを攻撃! 山神の咆哮(キムンカムイポロイタク)!!」

 

 その宣言と同時に、ガイアペライオを駆る少女が杖を掲げる。

 杖が向く方向に従い、ガイアペライオはグリーン・ガジェットに牙をむき、かみ砕く。

 

<試験官>

LP4000→800

 

「続けて、キムンファルコスでパワー・ホールドに攻撃!! 風まとう大鷲の剣(レラカパッチリタム)!!」

「うおぉぉぉっ?!」

 

 遊人の攻撃宣言と同時に、キムンファルコスは上空へと舞い上がり、風をまといながら大砲を構えるロボットに向かって急降下してくる。

 ロボットも負けじと迎え撃とうとするが、その素早さに翻弄され、最後にはキムンファルコスの激突によって砕け散ってしまった。

 

<試験官>

LP800→0(-3000)

 

「……お疲れ様。これで試験は終了だ。しかし、自分からカードを除外する戦術が存在するとは思わなかったな」

「ありがとうございます。結果発表は……」

「それについては一週間後、インターネット上で行う。案内は送付されているから、詳しくはそちらを確認してくれ」

「わかりました。では、失礼します」

 

 遊人は試験官に頭を下げ、受験場を後にし、そのまま帰路に就く。

 こうして、遊人のデュエルアカデミア入学試験の全工程は幕を閉じ、一週間後、案内に記されていたホームページを確認すると、合格者一覧に自分の受験番号が記されていることを確認し、ひとまず、安堵した。

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