遊戯王GX~もう一人の融合使い~   作:風森斗真

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いよいよ決闘島に入るのですが、決闘は今回もしません!
というか、ブルーとの絡みがまったく浮かばないのでどうしましょう?!(オイ


いざ、デュエルアカデミアへ

 入学試験を無事にクリアし、遊人は合格者にのみ郵送されてきた入学案内に従い、必要となる物品をそろえ、全ての準備を終わらせてから数日後。

 遊人はデュエルアカデミア行きの船に乗っていた。

 のんびりと海を眺めながら航海を楽しんでいると。

 

「お! いたいた!!」

「え?」

 

 突然、背後からオールバックの精悍な顔つきの男子が近づいてきた。

 よほど苦労してきたのだろうか、同い年のはずなのによほど大人びて見える。

 

「いや、突然すまない。実技試験の時に君の決闘を見ていたんだが、なかなか面白いデッキだったから声をかけさせてもらった」

「あ、あぁ……そうか、見ていたのか。1ターンがかなり長かっただろ?」

「そうだな。だが、あれはキーカードを引き出すために必要なことなんだろう?」

「そんなところだ。ほんとうはもう少し省略できなくはないんだろうけど、何枚か確実に手札に引き込みたいからな」

「そうだな。俺のデッキは現在、そのあたりのことを考えて調整中なんだが、やはり勝利を引き込むためのカードは確実に手札にくるようにしたい」

「それだったら……」

 

 突然に話しかけられたにもかかわらず、遊人は男子との会話に花を咲かせていた。

 ふと、目の前の男子の名前を聞いていなかったと思い出し。

 

「そういや、まだ名前を聞いてなかったな。俺は近藤遊人だ」

「あ、あぁ。すまない。三沢大地だ。よろしくな」

 

 そう言って、二人は互いに手を差し出し、握手を交わす。

 すると。

 

「いたいた! やっと見つけたぜ!!」

 

 少し離れた場所から声が聞こえ、どたどたとした慌ただしい足音が近づいてくる。

 足音の方へ視線を向けると、オールバックに似た髪型をした、幼さが残っているためか天真爛漫であることがその顔から伺うことができる少年が歩み寄ってきていた。

 

「よっ! お前だろ? 試験会場で面白いカード使ってたのは」

「え? 面白い……のか?」

「そうだな、俺は面白いと思うが」

「だって融合カードなしで融合召喚できるなんて、あんまないだろ。俺も結構いろんなやつと決闘(デュエル)してきたけど、お前みたいな決闘者(デュエリスト)は見たことがないぜ?」

 

 天真爛漫な少年は目を輝かせながらそう語る。

 もっとも、この少年が遊人のような特殊なデッキを扱う決闘者に出会ったことがないというのも無理のないことだ。

 遊人のデッキははるか未来の世界に存在するはずのものが変異したもの。

 出会うことなどあるはずもない。

 だからこそ、面白いと感じ、決闘してみたいと思うこと。興味を持つことは、決闘者として正しい反応と言える。

 とはいえ。

 

「なぁ、いますぐ俺と決闘しようぜ!」

「いや、なんで?」

 

 いきなり決闘を申し込まれることに納得できるわけはない。

 あまりに唐突なその申し出に、遊人はぽかんとした表情を浮かべてしまう。

 が、その反応に対し、目の前の少年は。

 

「だってあんな面白そうなデッキ使うんだ。きっと楽しい決闘になるって! そう考えたらもういてもたってもいられなくてよ!!」

 

 と、話してくる。

 どうやら、決闘に憑りつかれていると言ってもいいほど、決闘に魅了されているようだ。

 その気持ちは遊人も、隣にいる大地もわからないでもない。

 だが。

 

「海風でカードが飛ばされたら目も当てられないから、島に到着するまで待ってくれ」

 

 船内にテーブル形式で決闘を行うことができるスペースがないわけではないが空きがなく、かといって船外で決闘を行おうにも海風がそこそこあるため、カードが飛ばされてしまう危険性がある。

 入学初日からカードをなくした、などということは避けたいため、遊人は少年からの「いますぐ」という申し出をやんわりと断ると。

 

「それもそうだな。なら、上陸して最初の決闘はお前とだ! よろしく頼むぜ、えっと……」

 

 ここにきて、この少年は互いに名乗っていなかったことを思い出し、何と呼べばいいのかわからず、口が止まる。

 その様子に、名乗るのなら先に声をかけてきたそっちではないだろうか、という感想をのど元で抑え。

 

「近藤遊人だ。遊人でいい。こっちはさっき知り合った」

「三沢大地だ。よろしく」

「俺は遊城十代。十代でいいぜ、よろしくな二人とも!」

 

 十代と名乗った少年は太陽のような笑みを浮かべながら右手を差し出してくる。

 遊人と大地も右手を差し出し、その手を握った。

 

「あのぉ……アニキ、僕のことも紹介してほしいッス!」

「え? あ、悪ぃ悪ぃ」

「悪ぃって……ひどいっすよ!!」

 

 空のように明るい青色の髪をした眼鏡をかけた少年が涙目で十代に抗議する。

 悪かったって、と苦笑を浮かべながら十代は少年に謝罪し、目の前の少年のことを紹介し始めた。

 

「こいつは丸藤翔だ。なんか、俺のことをアニキって呼んでるけど、別に兄弟ってわけじゃないぜ?」

「丸藤翔っす! よろしくお願いするっす!!」

 

 翔と名乗ったその少年は礼儀正しく頭を下げる。

 その後、四人は船が目的地に到着するまで、しばらく甲板の上で談笑をしていた。

 

 

 

 数十分後。

 船が港に到着するとそれぞれの支給された制服の色で割り振られ、遊人と大地は十代と翔の二人とは別行動となった。

 二人が向かった先はラーイエローの寮であったことから、先ほどの割り振りがデュエルアカデミアにおいて所属することとなる寮の割り振りであることをすぐに察することができたと同時に。

 

――十代も翔も、そんなに成績悪かったのか? 十代はともかく、翔はそんな感じしなかったけどなぁ

 

 決闘大好き少年、という印象を強く受ける十代なら、筆記が赤点ギリギリだったとしても、実技で盛り返したであろうことは、想像に難くなかった。

 だが、十代とは正反対の性格のように感じられらた翔も、落第者ギリギリの人間が多いというオシリスレッドに所属することになったとは、全く予想外だったらしい。

 だが。

 

――ま、そのうち上がってくるだろ

 

 あの二人に無関心、というわけでは決してないのだが、手を差し伸べたところで自分にできることは限度がある。

 差し出した手を握るか振りほどくかは、差し出された本人にゆだねられるべきことである、という価値観をミニオンズとの生活の中で築いてきたためか、遊人はひとまず、そのことについてあまり気にしないことにするのだった。

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