便利屋にオリ主を突っ込んで曇らせる話   作:ナマス

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Your name

 ズキリと響くような頭痛で目が覚めた

 硬い地面にひかれている布団の上で、どこか知っている天井を眺める

 痛む頭を触ってみれば小綺麗な包帯が巻いてある

 自分より頭三つ高いところにある小さな窓からは日光と思わしき光が漏れ、時計のないこの部屋に今の時間を知らせていた

 

 自分は風紀委員に捕まったのだ。そう思わせるには十分だった

 この体じゃあ脱獄もなにもできたものではない。しばらくやることもなくがらんとしたこの部屋でボーっとしていると

 コンコンと、控えめなノックの音がした

 

「入るわよ」

 

 ドアを開けて入ってきたのは自分を捕まえた張本人、ヒナだった

 

「........風紀委員長とあろう者がこんなところで水を売って大丈夫なのですか?」

 

「平気よ。風紀委員だって何もワンオペで回しているわけじゃないの。30分くらい空けても問題ないわ。多分」

 

 多分という言葉が漏れているあたり今の風紀委員の仕事は昔と比べて大変なのだろうという想像は簡単にできてしまう。今のゲヘナは昔よりも活気があっていいとは思うが、こういうところで貧乏くじを引いている奴がいると思うと可哀そうだと感じた

 

「それで、一体全体自分に何の用ですか。何か処罰でもあるならば喜んで受けますが」

 

「別に、今日は風紀委員長としてきたわけじゃないの。あくまで私用よ」

 

「────あなたは『彼方ルイ』なの?」

 

 また、この質問

 

「.......前にも言いましたが、自分は『彼方ルイ』ではありません。あんな人間、もう死にましたよ」

 

「私はね、とてもそうとは思えない。死体を見つけたわけでもなければ、実際に殺されたところを見たわけでもないから。そして何より─────」

 

 ヒナは自分の頬に手をゆっくり添えて

 

「────その生き写しのような存在が、今目の前にいる。体も髪型も変わってしまっているけれど、私を退屈から連れ出してくれたその声色は変わってない」

 

「ねえ、もしあなたが『彼方ルイ』だとしないのならば、貴方は一体何者なのかしら」

 

 じっと、薄紫の瞳が自分の全てをさらけ出そうとするように見つめてくる

 その瞳をじっと見つめ返して

 

「自分は『入鹿タナ』です。『彼方ルイ』なんていう人間じゃありません」

 

 きっぱりとそう答えた

 ヒナは一瞬信頼していた人に突き放されたそような、捨てられた動物の目をしたがすぐに強い意志が宿り

 

「........私には、あなたが必要なの。だから」

 

「絶対にあきらめない」そう言い残すと、ヒナはこの部屋から出て行った




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