「ねえ、高校に入ったらなにがしたい?」
入学式の前日、彼女は家にやってきて突然そんなことを聞いてきた
「何がしたい、ねぇ。これと言ってやることが決まっているわけじゃないけど、その時自分がやりたいことをやりたいね」
「私も早く高校生になって、もっと自由にやりたいことをやりたい」
「あと二年の辛抱だろ。我慢してくれ」
はあ、と彼女はため息をつき
「あなたがいない中学校なんてなんの面白味もないの。近寄ってくる人はみんな下心しかないし、誰も私に逆らわない」
「そりゃお前が強いからだろ。力を持つ奴の弊害ってもんだな」
ジトっとした目をこちらに向けて
「あなたに負けたのに?」
「あんなの初見殺しもいいとこだろ。あんなの勝ちに入らねーよ。タネが割れてる今戦ったら、絶対に負ける自信しかないね」
「どうかしら。逆に私はあなたに勝てるビジョンが浮かばないわ」
はあ、と彼女は自分に溜息をついて
「.........ねえ、私が高校に入ったらまた、私を楽しませてくれる?」
「当たり前だろ。中学に入学したての頃のあんなブスっとした辛気臭い顔にはさせないと約束するよ。なんなら高校は留年できるからな。中学は一年だけだったが、高校は二年、ワンチャン三年間ずっと一緒に遊べるぞ」
「当時の自分は忘れて頂戴。私もあの頃はかなり荒れてたのよ........」
「話かけただけで殺気飛ばされたときはやべえ奴に話かけたと思って焦ったからな」
「忘れて!」
赤い顔でポコポコ殴ってくる彼女に「悪い悪い」と謝りながら宥める
耳まで真っ赤にしたは自分にムスっとした顔を向けると
「じゃあ約束して。私がどんな立場の人間になっても、ずっと私を楽しませるって」
彼女が差し出した小指に迷いなく自分の小指を組ませて
「当たり前だろ。そんなこと言われなくてもしてやるさ。どんなに書類仕事に追われてたって外に連れ出してやるから覚悟しろよ」
そして彼女と『指切り』をして──────
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久しぶりに夢をみた。やはり地べたなんかよりも何十倍も寝心地がよいソファだからだろうか
彼女とはもう、自分は表立って会えない。約束を破って、あんな仕打ちをしたのだから
だから自分はこれでいい。裏社会でひっそりと暮らして、ひっそりと消えていくのが一番波が立たないだろう
窓から見える朝日は自分にはもったいないくらい透き通っていて、自分の中の濁りを露呈させていくような気がして、目をそらした
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R18版見てみたい?(書くかどうかは未定)
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見てみたい
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別に要らない
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それよりも本編を見たい