2主:ショウ
坊:シェイ
城:ノースウインドゥ城
で書いています。
勝手なことをしたと思ってる。
「新たな国を作ってください」
そういうみんなの言葉に、
「それはできません」
そう言って、ぼくはノースウインドゥ城を飛び出した。
城を出る時、青いくせに常識人を気取っているフリックと、実は結構苦労しているらしい熊男が何かぼくを励ますようなことを言っていたけど、まあ、あまり気にすることではないだろう。
ぼくは、城を出てブラックバニーやターゲットレディーと戦ったりと、しばらくうだうだしていたが、思い立ってまた城に戻ることにした。それから、ビッキーの魔法も使わずに地下の港で船に乗って海を渡り、平原を歩いてトゥーリバー市を抜け、気がつくと、どこかで見た平原の細い道を歩いていた。もっと向こうには森もあるのだろう。
何でぼくはこんなところにいるのだろう。
頭の中はそんな言葉でいっぱいだった。
だが、ここで何かに出会えるような気がした。忘れてしまっているけど、ぼくにとって必要な何かが──だから、みんなの願いを振り切ってここまで来たんだ。
そう思いながら歩いていたら、何かの気配を感じた。人間ではない。魔物か?
ぼくは気配のした方向を振り向いてみた。すると、
「ムムムー」
青いマントをつけたむささびが一匹いた。敵意はない、のかな? ぼくがキャロの町にいた時、よく家に遊びに来ていたむささびのムクムクにそっくりだ。大きな目を、きらきらとさせて、ぼくを見ている。
「きみ……ムクムクの知り合い?」
まさか、と思うけど、とりあえず聞いてみることにした。
「ムッムッムムムー!」
ムクムクという名に、むささびは反応した。知り合いのようだ。
「へえ、そうなんだ」
言いながら、ぼくはムクムクのことを思い出した。赤いマント。ふさふさの毛。あと……何だっけ?
「まあ、いいや。君はマクマクだよね、多分」
「ムムムムー!」
いい加減に言ってみたのだが、どうやらそうらしい。
「いっしょについてくる?」
「ムムムー」
ついていってくれるみたいだ。
こうしてぼくとマクマクの旅は始まった。
しばらく歩いたら、また違う気配を感じた。僕は振り向いた。
「……ピンク?」
そこにいたのは、ピンクのマントをつけたむささび。
「ムムムムー」
マクマクがピンクのむささびの所へ行き、ぴょんぴょんと飛び跳ねた。
「ムムゥ」
「……今度はミクミク?」
「ムムムムー!」
やっぱりいい加減に言ってみたのだが、どうやらそうらしい。
「君もついてくるわけか」
「ムムー」
「じゃあ、行こうか。マクマク、ミクミク」
こうしてぼくとマクマクとミクミクの旅は始まった。
そして緑マントのメクメクと黄色マントのモクモクも仲間に入り、ぼくのパーティーは結構大所帯になった。シルバーウルフを倒したときの六人パーティーが懐かしい。
「……今は、一人と四匹だもんな」
あと一人分パーティーの空きはある。
「赤マント……。欲しいな……」
そう思い、ぼくは赤マント求めてまたたきの手鏡を天へ掲げた。
ぼくは酒場のカウンターを叩いた。カウンター向こうの店員は縮こまる。
「そんな! どういうことだよ!」
「いえ……、そんなこと仰られましても……。レオナさんは今買い出しで……」
「ぼくが城を飛び出る前からじゃないかよ! 戻ってこいよ!」
「そんな、無茶ですよぉ」
店員は半泣き状態だ。
だけど、ぼくも泣きたい。
レオナさんがいないと、ムクムクをパーティーにいれることは出来ないんだ。どうしよう。
俯いたぼくに、むささびたちはこう言う。
「ムムムムムー」
「ムムムムー」
「ムムムー」
「ムムー」
「……慰めてくれるんだね、ありがとう」
彼らもムクムクがいないとしまりがつかないのは分かっているだろうに、自分たちは平気だと主張している。健気だ。
彼らのために何としてでも赤マントを呼ばなくては。
赤マント……。
赤……。
赤い恰好……。
……赤い服?
「あ!」
ぼくはカウンターをもう一回叩いた。店員が縮こまっているが、気にしない。
「いる! いるよ! マントじゃないけど、赤が!」
「ムムッ?」
「心配しないで、マクマク、ミクミク、メクメク、モクモク! ムクムクの代わりはちゃんといるよ!」
「ムムムムーン……」
「平気平気。絶対にパーティーに入ってくれるさ!」
「ムムゥムー」
「そうそう。じゃ、行こう! まずはビッキーの所だ!」
むささび四匹と走りながら、ぼくは今までにない充実感を味わっていた。
そうだ。
僕は確信した。
ぼくが忘れていたのはこの充実感なんだ!
ビッキーが間違えて風の洞窟へぼくたちを飛ばしたので、やや時間がかかってしまったり、面倒な敵がいたのでとりあえず金を払って解決したりと色々あったが、ぼくたちは何とか目的の場所まで着くことができた。
そう──そこは、グレッグミンスター。