魔物の提督と艦娘達の深海討伐録   作:カプコモルゥ。

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どもども、今回も限りなく私に近い存在です
攫われちゃったエリーちゃんの捜索をしたり前回ひっそり登場していた港湾水鬼が本格的に……!
どうでも良いんだけど、夜更かしして音楽聴きながらコレ書いてると頭が貧血気味なのはなんでなんだろう、対策すべきかな。
では今回もゆっくり見に行ってね!!!


第十話【堕ちる者ども 〜自我無きマシンと再臨の水鬼〜】

深海信者の大本部に誘われ、罠にハメられたタク提督達。最大のピンチと思われるも提督が古くからお世話になっている暗黒星雲三姉妹に救われて事なきを得る

しかしその間に鎮守府を襲撃していた北方棲妹によってエリー提督が誘拐されてしまい、周辺の深海信者のアジトを捜索していたが──

タク「私が知っている全てのアジトを捜索したが……残党が数人いる以外は何もなしか」

神州丸「ふぅ、ここの残党も殺しておきましたよ。 しかし肝心のエリー殿は確認出来ず……どうしますか?」

 これ以外のアジトの場所を知らないが故にどうする事も出来なくなったタク提督、ならば更にアジトの場所を知ろうと深海信者を倒すための組織、深海教討伐組織の創設者である内海に話を聞きに行く事に──

内海「事情は理解した、しかし其方達に教えていない奴らのアジトか……。すまない、これまで教えたアジトが私の知っている全てのアジトなんだ」

タク「え、マジで……? 今まで2〜3個くらいのアジトしか教えられてないけど……」

神州丸「んむぅ……となると危険過ぎる故、まだ捜索していなかった大本部にエリー殿はいるのか、それとも内海殿さえも知らぬアジトにいるのか、まだ存在を特定出来ていない深海の鎮守府にいるのか……」

 結局分からず終いになってしまい、二人はまだ未捜索であり数時間前に痛い目に遭った深海信者の大本部を調べる事に──

少し時間が経ってその場所に到着し、先程の深海棲艦が誰もいない事をしっかり確認してから捜索を始めるも、そこにも何も無かった──

タク「はぁ嘘だろ、ここにもいないのか……。じゃあもう選択肢が深海の鎮守府だけに……、唯一のこちら側であるほっぽちゃんに聞いてみるしかないなこれは……」

 一度鎮守府に帰り、水遊びをしている最中だった北方棲姫に聞いてみる事に──

北方棲姫「ウーン……深海鎮守府……、覚エテイタラ当然教エタンダケド……アッチ側ダッタ時アンマリ艦娘サント戦ッテナクテ、海ノ上ノ景色ヲ覚エテナイヤ……。コッチニ流レテ来タ時モ気絶シテテ、ドウ流レタノカモサッパリ……役ニ立テナクテゴメン……」

タク「ほっぽちゃんも分からないとなるといよいよ八方塞がり……どうするべきか」

 途方に暮れているタク提督、そんなタイミングで唐突に客人が訪れて来たと大淀から報告が。とても忙しいが追っ払う訳にもいかず、とりあえず中に入れて──

大淀「こちらのお方はどうやら私達の鎮守府に居候させているゴトランドさんの提督の弟さんみたいです。お名前は教えてくれませんでしたが……」

弟提督「は、初めまして。舞鶴の提督だ、よろしく頼む」

吹雪「しっかり自己紹介が出来て偉いですよ提督♪ 初めましてタク提督さん、私は吹雪と申します!」

熊野丸「よぉ魔物の提督! 久しぶりだな!」

タク「んぁ、熊野丸じゃん! そういえばこの前は君にしか用事がなかったから他の子達とは会ってなかったっけか……。それにしてもこの幼き人の子が提督か、才能持つ人間はやはり恐ろしくも凄いな」

 舞鶴の幼き弟提督が今日このタイミングで彼らが遊びに来た訳は舞鶴の前の提督である兄に会いに来たのと、朧を曙達に会わせるのが目的との事で、大淀は朧を、タク提督は弟提督をそれぞれが居る部屋に案内し──

タク「ほら、ここがお前の兄貴が居る部屋だ。ゴトランドも居るよ」

弟提督「ゴトランドさん……兄ちゃん……!」

 二人の居る部屋に入ると弟提督は真っ先に兄の元へ走って行って膝の上にちょこんと乗っかり、そしてゴトランドに撫でられる──

ゴトランド「相変わらず可愛いなぁ、前より大きくなったんじゃない?」

ゴト旦那「そうだな、身長も勿論だが提督業を経験したからか心も大きくなった気がするぞ。立派になったな……!」

 褒められたり撫でられたりでニッコニコな弟提督。自らの艦隊の事もお話しして、そして先輩であり兄でもある提督にもっと凄い提督になる為のアドバイスも聞いていた。

話が終わったところにタク提督が、結局二人の名前は何なのかと聞くと兄弟揃って同時に提督なので本名は教えられないと答え、呆れるタク提督と仲の良さに萌えるゴトランドであった

タク「……んでもさ、本名は無理でも偽名とか呼び名はないの? 毎回ゴトランドの旦那さん呼びだと長いし……」

ゴト旦那「まぁそれは確かに……考えた事も無かったが、特に決めてもいない……どうするべきか」

ゴトランド「そうだよ! 嘘の名前でも呼び方を決めてもらわなきゃ……ね?(2人でイチャイチャする時に呼び合えないしね?)」

 旦那の耳元で囁く様に言うゴトランド。ゴト旦那は思わず顔を赤くして照れる……

タク「君達の惚気はどーでも良いとして……良い名前が無いと勝手に決めちゃうぞ。こういうの名付けるのが得意そうな秋雲さんならすぐ浮かびそう」

ゴト旦那「確かに、アイツならこういうのが得意だろうし……頼んでみようか」

 こうして4人は秋雲の居る部屋兼、作業室に向かう──

秋雲「お、お二人の仮称ですか……ず、ずっと前からもう既に考えておりまして……」

タク「いやなんでそんな敬語なんだよ」

 何故かおどおどしながら対応する秋雲。とりあえずその仮称を聞くと、苗字が小野(おの)で名前は兄が海翔(かいと)、弟が(なぎ)だと言う

秋雲「い、いいい良い名前じゃないですか? ねぇ?」

ゴトランド「海翔……なるほど次からはこの名前で……早く夜にならないかな」

海翔「ゴト? と、兎に角ありがとう、秋雲。既に名前を考えていたなんて流石だよ」

凪「もともと兄ちゃんの艦娘さんだった秋雲さんはすごいや……」

風雲「あら、別に凄くないわよ。だってこの名前は昔秋雲が描いたびー……もごごこごご!」

 何かを言おうとした風雲の口を秋雲は咄嗟に塞ぎ、焦る様に提督達を部屋から出す秋雲。疑問に思いながらも素直に部屋から出ていく提督達であった

秋雲「……行ったかな、ふぅ……全く、これだけは絶対バラしちゃいけないんだって……!」

風雲「ごめんごめんっ、まさか自分の元上司である提督とその弟でBL描いてたなんて口が裂けても言えないわよねー、あの名前もそのBLで決めた名前だしね?」

 部屋から出た提督達はゴトランドと海翔の部屋に戻り、呼び名が決まった兄提督の海翔にタク提督から頼み事があると言い──

タク「そういえばさ、お前も"元"とはいえ提督じゃん。ご存知の通り今エリーが攫われてしまってサブ提督がいないわけ。だから戻って来るまでの間サブ提督を代わりにしてもらおうと思うんだけど、どうかな?」

海翔「……そうだな、エリーさんがいないとアンタも目的遂行が出来ないんだっけ? 居候させて貰ってる恩もあるし……その願い、承った!」

ゴトランド「提督が提督してる姿をまた横で見れるの……!? 最高過ぎる……秘書艦は当然私よね?」

 こうして再びゴト旦那、もとい海翔が提督業を一時的に始めるのだった──

その頃、曙達の部屋に向かった大淀と朧はというと……

曙「お、おぼ……ろ……? い、いや違う。朧は朧だけど、あの時一緒にいたあの子とは違う……」

漣「んでもでも、雰囲気はちょっと似てる希ガス……まさか転生……?」

 どうやらかつてブラック鎮守府に所属していた時に全く同じ朧という艦娘が居たらしく、彼女達とは内密な関係であった

しかしある時ブラック提督による所業に耐えられなくなった朧は自らの命を絶ってしまった……その事は提督と曙、漣、潮のみが知っている

朧「転生……なのかなぁ、生前の記憶が全然ないんだけど……でも会った事ないのに7駆のみんなと過ごしているリアルな夢をよく見るんだよね」

 腕を組み、うーんという顔をしながら言う。その夢に見るからにチャラくて暴力を振るいそうな男は登場しているかと潮が聞くと、普段は登場しないが1度だけ登場した事があり、その時はその者に顔を叩かれたり蹴飛ばされ、最終的に自分が首を吊ろうとしていたところでハッと目が覚めたという──

曙「暴力を振るわれて首吊り……あの時の光景と同じね……。前に私達の鎮守府に居た方の朧は本当に首吊りで命を……」

潮「曙ちゃんっそれは…!」

朧「大丈夫。…‥寧ろその発言のお陰で私が本当に生まれ変わったんだなって思ったし! …‥記憶はないけどこうしてまた会えたんだし、これからもずっと仲良くやってこうねっ…!」

 皆で勿論と頷いて良い話で纏まり、ここから積もる話をしながら女子会でも開かれるのかとそう思った矢先、鎮守府内の放送で深海棲艦の襲来と近くの街に深海棲艦の様な謎の女剣士が現れたと青葉の声で放送される──

この良い話の少し前に吹雪と凪、ゴトランドが見守る中、タク提督が海翔提督と作戦会議を開いていた頃、青葉が切羽詰まった表情で報告に来ており──

青葉「て、敵襲ですっっ!! 先日も現れた港湾水鬼が近くの海域に!! それと近くの街に北方棲妹と深海棲艦の様な謎の女剣士がっ!!」

タク「深海棲艦の様な剣士……港湾水鬼の方は海翔に任せるとして、私はそっちに行った方が良いか。神州丸とカーラを呼んでこなきゃ。しかし北方棲妹もいるなら、一つ面白い作戦を思い浮かべたぞぉっ……」

 その後鎮守府内の放送で青葉が敵襲を伝えたのち、海翔は白亜香の艦娘と北方棲姫、そして弟である凪が連れて来ていた吹雪を指揮し、港湾水鬼の居る海域に艦娘を向かせ、タク提督は神州丸とカーラを呼びだし、神州丸と同じく陸での戦いに慣れている熊野丸と共に3人を抱えながら、最初から悪魔の様な翼を生やした本気形態になりながら深海棲艦の様な剣士が現れている街に飛び立つ──

ゴトランド「索敵索敵っと……」

北方棲姫「オ姉チャン……マタココニ襲イカカッテ来タ……。ドウニカシテ正気ニ戻シタイ……デモ、倒スシカナイ……ノカナッ……」

夕立「死なない程度にボコったら僅かな可能性はあるけれど、果たして死なない程度に戦う余裕があるかどうか……っぽい」

赤城「雑談している暇はありません、現れましたよ!」

 取り巻きの深海棲艦を複数匹連れた港湾水鬼が艦隊の前に現れる──

港湾水鬼「艦娘……沈メル……ワタシノ……使命……」

吹雪「あれが港湾水鬼……怖そうな見た目をしていますね」

金剛「ノープロブレム! 私達ならどんな深海棲艦も倒せマース! アイツも良い感じに気絶させますネ!」

北方棲姫「オ姉チャン……前ハアンナ感ジジャナカッタノニ、イモートカ女王様ニ何ヲサレタノ……。オ姉チャン……死ナナイ程度ニボコボコニ……スルッ!!」

赤城「艦載機のみなさん、用意は良いですか? ……第一次攻撃隊、発艦です!」

 敵艦隊との開幕航空戦を行い、味方側にも少し被害はあったものの敵艦隊の取り巻きの半分の撃沈に成功──

夕立「まずは周りの残ったザコから! っぽーい!」

 取り巻きの深海棲艦の一隻に向かって勢いよく砲撃する夕立、見事命中して一隻撃沈。続く吹雪の砲撃で残りの取り巻きも全員撃沈──

金剛「グッジョーブ!! さて後はボスの港湾水鬼だけデスが……」

港湾水鬼「コノ子達ヲ……引キ連レテモ……スグコウナル事ハ……分カッテイタワ……。大丈夫……貴女達モスグニ……海ノ底ヘト……沈メテアゲル!!」

 殺意を全開にした港湾水鬼は無数の艦載機を発艦させ、艦娘達へ猛攻撃を仕掛ける──

ゴトランド「きゃぁっ! こんのっ……」

夕立「流石改装された姫級っぽい、取り巻きなんて必要無いくらい攻撃が激しくて強い……じゅるり、やりがいを感じるっぽい……!」

 二隻それぞれ小破してしまったが、傷を付けられた事によって夕立の闘争心が刺激される──

夕立「ガルルッ……この前のデッカい深海棲艦と違って海の上で私と戦った事が運の尽きっぽい。……ぽいぃぃぁあっっ!!」

 気合いを込めた雄叫びを上げつつ、港湾水鬼に砲撃、小破までダメージを与えながら装備を破壊──

金剛「流石ポイーヌ! さぁて私も行きマスヨー……! てぃやっ!」

 夕立に続き金剛も戦艦の超火力を港湾水鬼に立て続けに浴びせ、大ダメージを与えながら装備もどんどん壊していく──

他の艦娘達もどんどん攻撃していき、港湾水鬼を中破させるまでに至った

港湾水鬼「ナカナカ……ヤルワネ……デモ、ココカラガ本番……」

 本気を出した港湾水鬼は壊形態へと変貌し、彼女の壊れていない装備から普通の艦娘ではとても避けられない無数の砲撃と爆撃機を立て続けに放ち──

吹雪「きゃあうっ! こ、こんなの無理ですっ……!」

 戦艦故の耐久の高さで攻撃をくらってもなんとかなっている金剛、並の艦娘の数倍は高い身体能力で躱した夕立、深海棲艦故に海に潜って回避出来る北方棲姫以外の艦娘は皆大破してしまいピンチに──

金剛「Shit……殆どの艦娘が大破してる……。大破組は下がってくだサイ! まだ戦える私達でアイツを倒しマス!」

吹雪「すみません……あとは頼みました……」

港湾水鬼「フゥン……マァ良イワ……マダ無事ナ貴女達モ大破サセテカラ……後ロニ下ガッタ子達含メテジックリ沈メテアゲルカラ……」

 再び砲撃を行おうとする港湾水鬼、すると彼女の砲台が謎の爆発を起こして──

港湾水鬼「ッ……!? コレハ……魚雷? イツ誰ガドコデ……マサカ私ノ攻撃ヲ全テ躱シタアイツガ……」

夕立「よし当たったっぽい! 私くらいになると回避しながら雷撃も出来ちゃうっぽーい」

金剛「さっすがデース! あとは私とほっぽチャンで……! バーニング・ラァァァブッッ!」

 先程の砲撃を躱しながら放っていた夕立の雷撃で隙が出来た港湾水鬼にすかさず金剛による最大パワーの砲撃を港湾水鬼に浴びせて大破させ、そして──

北方棲姫「オネガイ、オ姉チャン……、目ヲ……覚マシテェッッ……!!」

 北方棲姫特有のたこ焼き型の航空機を港湾水鬼の頭に全速力で脳天にぶち当てて撃沈する事なく、気絶させる事に成功──

北方棲姫「ウマク……イッタ……?」

夕立「まだ息はあるっぽい。ここから元に戻るかは分かんないけど……とりあえず気絶させる事には成功してそうっぽい!」

金剛「あとはコレを鎮守府に頑張って運ぶ作業……。……大破組には先に帰って貰って、新たな増援を呼んできてくだサーイ……深海棲艦を3人で運ぶのは流石に骨が折れマス……」

 海上に現れし港湾水鬼との戦いを終わらせた艦娘達。一方、この戦いが始まる少し前にタク提督側でも謎の女剣士と邂逅しようとしており──

タク「街の荒れ具合から見て、この辺りに北方棲妹とか例の剣士とやらが居そうだけど……」

神州丸「一体どこに……あっ、前方上空、居ましたっ!」

カーラ「……! あの剣士の影はまさか……」

北方棲妹「アハハ、思ッテタヨリモ早ク来タネェ? 見テ、アレガ君ノ元上司ダヨ、エリーチャン」

 上空を見上げるとそこにはたこ焼き型の航空機に乗ってこちらを見下す様に微笑む北方棲妹と、姿は角が生えた以外に殆ど変わらないものの、色合いと立ち振る舞いが大幅に変わってしまったエリーが浮遊していた──

タク「北方棲妹……お前うちのエリーに何した?」

北方棲妹「何ッテ、モット強クナレル様ニ改造シテアゲタンダヨ。マァ完全ニ我ラ深海棲艦陣営ニナッチャッタケドネ! アハハハッ……ヤレ、エリー」

深海エリー「かしこまりました。戦闘モード起動」

 北方棲妹が命令を下すと即座に剣を構えてタク提督に斬りかかる。予め薙刀状にしていた杖で即座に対応するも格段に上がったパワーに圧倒されて少しよろめき──

タク「おわっ、これが深海棲艦の改造による力か……凄いパワーだ……」

深海エリー「その程度ですか。では、これならどうでしょう」

 手に持つ剣を勢いよく振りかざし、真空波をタク提督に飛ばして来て、かなりの速度で飛んで来た為迎え撃つ間もなく被弾してしまう──

タク「くっ……こんな攻撃は作成時には無かったはず……」

北方棲妹「オー、ジャアコノ改造ニヨッテ何個カ新シイ技デモ覚エタノカナ? アハハハッ、色ンナ攻撃デオ前ヲ死ニ至ラシメル事ガ出来ルネ!」

カーラ「あんまりやりたくなかったけど……ここは一度エリーお姉さんに攻撃を加えて倒すしかなさそう……」

神州丸「熊野丸よ、本艦らも上空で見下しているあの深海棲艦を討伐及び奴がエリー殿の援護をせぬ様、妨害を行い提督殿やカーラ殿の援護をするぞ」

熊野丸「了解だ! 北方棲妹め、覚悟しろっ!」

 地上からの攻撃で北方棲妹を砲撃する神州丸と熊野丸。北方棲妹も2人を迎え撃つ為に高度を下げて砲撃を行う──

北方棲妹「チッ、ウザッタラシイ艦娘ダナァ。ソッチノ魔物トガキハ任セタヨ、エリーチャーン。私ハコノ艦娘達ヲ先ニ殺シテオクカラ」

深海エリー「了解です、そちらの艦娘さん達は北方棲妹様にお任せいたしますね。私はこちらの対象、アイテンタクルと人間の魔法使いの殺害を開始いたします」

 剣に氷を纏わせて斬りかかろうとタク提督に向かって突撃するエリー、距離を取りつつタク提督も雷の魔法を放って応戦するも的確に避けられどんどん距離を詰められてしまうが、カーラの支援魔法攻撃によりダメージを与えつつ動きを止める──

深海エリー「へぇ、なかなかやりますね。ではこうするとどうでしょうか?」

 そう言うとエリーは無数の大きくて鋭利なツララを飛ばす魔法をカーラに放ち、その傍らでタク提督に突撃を再度行い──

カーラ「くっ……こんな魔法もあるなんて……避けきれないっ……」

 何個かのツララが肩や腕に被弾してしまい、血を流すカーラ。そしてエリーはついにタク提督にその剣で斬りかかるが寸前で飛び立つ事で回避し、降下と共に背中に蹴りを加えながら至近距離で雷の魔法を浴びせ──

深海エリー「あ゙あ゙ぁ゙ぁ゙っ゙っ゙ぁ゙あ゙あ゙っ゙っ゙!!」

タク「このまま気絶するまでっ……」

北方棲妹「オット、ソウハ行カナイヨ?」

 エリーの背中の上から魔法を浴びせ続けるタク提督目掛けて砲撃を行う北方棲妹、やむを得ず背中から離れて回避をするが北方棲妹がタク提督側に意識が向いたその一瞬を突いて神州丸と熊野丸が彼女目掛けて一斉砲撃、本体と乗っている航空機のどちらにも命中し大ダメージを与える事に成功する──

熊野丸「よぉーし!」

北方棲妹「チッ……フザケルナ! 戦艦デモナンデモナイ、揚陸艦娘如キガ……!」

深海エリー「北方棲妹様っ……! このっ……!」

 北方棲妹にダメージを与えた艦娘二隻に先程カーラにも放ったツララの魔法を放つエリー。しかしこちらも別の方に意識が向いた瞬間に透かさずカーラが拘束魔法をエリーにかけて──

カーラ「……魔力拘束(マジックリストレイント)、魔物さん今だよ……っ!」

タク「エリー、バックアップの復元まで……少しおねんねしてもらうぞ!」

 タク提督の口が顔全体にまで広がりそうな程にガバッと大きく開き、そこから巨大な目玉を現すと死なない程度に大火力の巨大なビームを放ち……命中──

深海エリー「あ……ぅ……」

 拘束されたまま気絶し、拘束魔法を解くとそのまま地面にバタりと倒れ伏す──

カーラ「……さて、あとは北方棲妹……頑張って、神州丸さん……熊野丸さん……」

北方棲妹「エ、エリーガヤラレルナンテ考エテナイ……! チッ、私ノ被害モ結構酷イシ……ソンナガラクタ、クレテヤルヨ! 戦略的撤退、次ハ必ズ殺シテヤルカラ……!」

 典型的な捨て台詞を吐いて逃走を図る北方棲妹、しかし──

タク「次か、あると良いね?」

 逃走の為に後ろを向くと彼女の真後ろに真っ黒なガスの様な雲の様な、そして顔に相当する部位には怪しげな赤き瞳と裂けた様に笑う口のある謎の物質がおり──

???「逃 が さ な イ」

北方棲妹「ナッ……!?」

 気づいた時には時既に遅し、その黒き謎の物質は北方棲妹を覆い包む様に纏わりつき、身体中の穴という穴から体内に侵入していき、そして──

北方棲妹?「……ウヒヒッ、乗っ取り、成功……!」

 黒き謎の物質は一瞬の内に北方棲妹の身体を乗っ取ってしまう──

熊野丸「な、なんだアレは……?!」

タク「ふふふ、まさか目論見通り逃げて行くとは!」

北方棲妹?「……ぁは、アイテンタクル様、作戦通りこの子が逃げた隙に乗っ取り完了したよぉっ、うひひっ……」

 乗っ取った黒き謎の物質本人とタク提督以外、全員理解が追い付いておらず、タク提督に問いかかるとこの戦いを始める、この街に訪れる少し前にある作戦を取っており──

──今より少しだけ過去──

タク「……さて、私らは今から謎の女剣士が現れた街に向かう訳だが、一瞬だけ用事が出来たから待っててくれないか?」

神州丸「良いですが手短にお願いします。恐らく一刻を争う時代かと思われますので……」

 そう言って用事を済ます為にタク提督の元々居た地である魔界に戻り──

タク「魔亜夜姉! 居るーーっ?!」

魔亜夜「あれっ、アイテンタクル様〜、今日はどぉしたのっ?」

 タク提督が幼い頃からとてもお世話になっている暗黒星雲三姉妹の次女の闇野魔亜夜にある作戦を依頼しており──

タク「今日北方棲妹っていう深海提督に信頼されてるヤツと戦うんだけどさ。そいつを倒すかそいつが逃げそうになったら魔亜夜姉が大得意な憑依技で北方棲妹を乗っ取って欲しい。アイツの記憶をジャックすれば色々な情報が知れそうだからね……!」

魔亜夜「なるほど、そいつの記憶を覗いて深海棲艦側の色んな情報とか深海の鎮守府の場所を特定しようって魂胆だねっ? うひひっ、任せて……! 久々に私の"どんな生物であっても完全に憑依して操る事が出来る技"を使う時が来たかー……!」

 こうして北方棲妹との戦いの場にて、その辺の鳥に憑依して待機しつつ、北方棲妹が前の戦いの様に逃走しそうになったところを不意打ちで憑依をしたのであった──

──そして今──

カーラ「……あの時のご用事はそういう事だったんだね」

熊野丸「言ってくれりゃあもっと色々やれたのに、なんで言ってくれなかったんだ?」

タク「北方棲妹に決して察されない様にする為というのと大ピンチになった時には憑依作戦を辞めて不意打ちで救援に出れる様にする為でねー、すまないねぇ」

魔亜夜「えっへへー、何はともあれこれでアイテンタクル様が知りたいあんな情報やこんな情報が見れそう……! ちなみに今この子の本来の意思は私に凄く文句とか悪口を言って来てる……凶暴な子だね……」

 目を閉じて北方棲妹の記憶を覗く魔亜夜、すると当然色々な情報が出て来て──

魔亜夜「いっぱいあるから一旦優先が高そうな物から言うと、まずは深海の鎮守府! そこから呉鎮守府……多分白亜香の事かな、までの道筋が全て丸見え。あとはエリーさんをどう改造したかも分かる……上手くすれば改造前の状態に戻せるかも!」

タク「おお凄い凄い! これで私の目的の達成がかなり近づいた……! エリーを戻したりその道筋を地図とかに書く為に一旦鎮守府に戻ろうか」

 気絶して倒れているエリーと飛べない3人を抱えてタク提督は鎮守府に帰る為飛び立ち、魔亜夜は北方棲妹が乗っていた航空機に乗って鎮守府に飛ぶ──

そして鎮守府に到着し、気絶した港湾水鬼も無事に運び終えて安置所に置かれ、北方棲姫が心配する様にジッと見つめながらおり、エリーも一度そこに置く事に。魔亜夜は帰った直後に提督の会議室にて深海の鎮守府までの道筋を地図に書き始める──

魔亜夜「呉の地からすっごく遠いとこにあるみたいでね……。地名も分かるよ、イントネーションも区切りも分からないけど……あいあんぼとむさうんどってところにあるらしいよぉ」

海翔「な、アイアンボトム・サウンドだと……!? 確かそこは半年前に明地が制圧した場所じゃ……!?」

タク「へぇ……制圧したと思ったら出来ていなかったか、それとも人間達の油断を誘う為わざと制圧されたフリをしていたか……とりあえずそこに居るんだな、深海提督のヤツが……」

ゴトランド「あー、タク提督くんは知らないかもしれないけどね……アイアン・ボトム・サウンドってとっても恐ろしい場所で、艦娘の持つ艤装、装備品の能力が著しく下がっちゃって元から強い艦娘じゃないとまともに戦えなくなっちゃうのよ」

 能力が下がってしまう恐ろしい海域、アイアンボトム・サウンドにタク提督の目的である深海提督、司令深水女王が鎮座する──

しかしその際にはほぼ確実に艦娘を使役して深海棲艦と戦う場面があるはずなので能力が下がるという新たな問題に頭を悩ませるタク提督だった。そして魔亜夜は地図を書き終え──

魔亜夜「よーし、とりあえず書き終えた。コレで深海の鎮守府の場所はバッチリ分かるし、万が一コレを失っても私側の記憶にも残ってあるから安心! さて後は改造された子達の戻しだけど……これは特殊な深海艤装を外せば元通りになるみたいだからサクッとやっちゃお」

 港湾水鬼とエリーが置かれている安置所に行き、魔亜夜の指示に従うままに適切に問題の艤装を外して行くと港湾水鬼の顔色が怖く無くなっていき、エリーの色合いが元の色に戻って行き、そして角も無くなっていき──

北方棲姫「オ姉チャンノ雰囲気……戻ッテク……!」

タク「エリーも直りそう……。いざという時の為に用意しておいたバックアップ復元機能は…‥本人が復活してから行うとしてあとは気絶から戻るまで、傷が癒えるまでそっとしておくのが良さそうかな」

神州丸「それが良いでしょう、というかエリー殿にそういう機能があったのですね。……戻るまでは港湾水鬼から側を離れそうもない北方棲姫殿に見守ってもらって、本艦達は新たな課題の作戦会議を始めましょうか」

 

 無事にエリーを取り戻して尚且つ北方棲妹の手に入れる事に成功したタク提督達

課題はまだまだありながらも深海の鎮守府の場所を特定し、深海提督討伐への道に大きく進歩したのであった。

彼が闇の力を完全に取り戻すまでそう遠くないのかもしれない──

 

〜次回へ続く〜

 

 

オマケtext

 

タク「さて、深海の鎮守府も特定したが新たな大きな課題として艦娘がまともに戦えないか……どうするべきか。というかそもそも魔物もまともに戦えるのか?」

魔亜夜「うーん、そこも分かんないよねぇ。私が先に行って戦えるか確認して来るのもありだけど流石に危険かなぁ」

海翔「流石に危険だろう。もし戦えなかった場合、魔亜夜さんがそこで死んでしまう可能性だってある」

 艦娘が戦えない問題に頭を悩ませる提督達と魔亜夜。すると夕立と暁がふと思ったある事を発言して──

夕立「深海棲艦はさ、あっちでも普通に戦えるんだよね? だとしたらタク提督さんと暗黒のおねーさんは戦えると思うっぽい、魔物と深海棲艦の雰囲気が似てるっぽい」

魔亜夜「似た雰囲気だったらまぁ、戦える可能性の方が高そうだねぇっ」

暁「あとこっちには深海棲艦の味方、ほっぽちゃんもいるわ! あの子の艤装を参考にして深海の艤装と同じ材質の物を艦娘用に生産しまくれば問題も解決しそうじゃないかしら……?」

ゴトランド「確かに、深海棲艦は普通に戦ってたし彼女らの艤装と同じ物を使うのは一理あるかも」

タク「問題はコストがすげーかかりそうだし明石と夕張コンビでもそういうのが作れるのかはが分からない事だなぁ。まぁでもそれでやるしか無さそうでもある!」

 こうして艦娘が戦えない問題が少し解決しそうになったのであった

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