魔物の提督と艦娘達の深海討伐録   作:カプコモルゥ。

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やあやあ我こそはカプコモルゥ。であるぞ
決戦の始まり、恐らくまともな艦娘vs深海棲艦の戦いの描写、そして僅かな謎恋愛(?)
この物語はあと少しで終わる(やっと)
というわけで今回もゆっくり見に行ってね!!!


第十二話【決戦の時 前半 〜大襲撃 VS.北方棲妹〜】

『全ては 深海提督から闇の力を奪って自分の力を取り戻す為──』

決戦の準備を着々と進めていくタク提督達。自分自身や艦娘達の訓練も終え、後日自分の鎮守府に深海棲艦の全勢力が襲撃してくる旨を他の鎮守府の提督に伝える為、暗黒星雲三姉妹に伝言を託して残すはタク提督が秘密裏に開発を進めているとある道具の開発を終えるのみ。その協力をしてもらう為に明石の工廠に行き、事情を話し──

明石「元々大昔に魔界にあった、人間に対して使用する残忍な道具を艦娘用にアレンジ?」

タク「そそ! 勿論、残忍性を全て省いた上で。艦娘に適応させたり実験するには魔界でやるよりこっちでやった方が良さそうだしね」

 タク提督曰く秘密的で常識に囚われないお楽しみ兵器な道具との事で、まるで工作を楽しむ子供のようにウキウキになりながら明石に頼み込み、2人でその道具製作に取り掛かる──

作業中、近くを通りかかった艦娘達に実験に協力してもらいながら半日も経たない内に完成する

明石「さて、完成しましたね! 予備も含めてざっと15枚。これを提督自身は司令深水女王との決戦用に、カーラさんにも何枚か持たせるんですね?」

タク「んむ! カーラには3枚持たせておけば充分かな。きっと役に立つはず! これをどうするかは後日作戦会議時に伝える」

 頭の中で考えていた道具が完成して満足げなタク提督。

その頃、暗黒星雲三姉妹はそれぞれ佐世保の鎮守府や舞鶴の鎮守府、そして初めてお目見えする横須賀鎮守府の提督にもご挨拶に行っており──

白美「さてっと、あたしは横須賀? ってとこの提督に事を伝える担当にされたけど、他2つと違って今まで1回も世話になってないからしっかり交渉しないといけないらしいわね。……なんでその担当があたしなのっ! 他2人が社交性難ありの次女と見た目が人間的に子供に見える三女ってのもあるだろうけど、ってもう到着しちゃったし……」

 番人も配置されている門から恐る恐る入ろうとすると案の定警戒される白美

呉鎮守府の提督の使いであるという証拠品もしっかり持って来たのに信用してもらえず、どうしたもんかと悩んでいると鎮守府から出て来た見知らぬ艦娘が白美の事を知っていると証言し──

???「あの人は大丈夫な人です! 私が迷子になって、たまたま呉鎮守府付近に居た時に呉の提督さんや艦娘さんと仲良くしていたのを見ましたしっ……!」

 余程信用されているのか、見知らぬ艦娘のこの発言により門を通してもらって更にその艦娘により提督室に案内される──

???「てぇとくぅっ、呉鎮守府の提督さんの使いが何やらご用みたいですよ〜!」

 提督室に居た横須賀提督は非常に珍しい女性提督であった

??「初めまして、横須賀鎮守府へようこそ、私の名前は紅葉(もみじ)。勿論これは偽名だけどね。さて、この子……五月雨が言うには私に用があるらしいけど、どんな用かな?」

白美「初めまして、私は闇野白美。偽る必要もないからバチバチの本名よ。貴女へのご用事は至極簡単、私達への協力よ」

 ダウナーイケメン系の女性提督、紅葉提督に協力して欲しい経緯を説明し──

紅葉「なるほど、呉鎮守府に全ての深海棲艦が襲撃か……そういう事なら是非協力させてもらうよ。ここ最近この辺りは平和で暇をしていたしねぇ」

白美「話が早くて助かるわっ! 後日こっちの鎮守府にもあるドローンとかモニターを送らせてもらうから、時が来たらまた色々説明させてもらうわね」

五月雨「あ、ではそちらに協力する私達の艦隊をご紹介しますので! 私に着いてきてくださいっ!」

 言われるがままに五月雨に着いて行き、横須賀に所属する艦娘を紹介される。

他の鎮守府ではあまり見かけない艦種もおり、中には実は陸軍艦娘だという山汐丸という艦娘も居て、彼女曰くかつて深海棲艦に騙され他の陸軍艦娘も行おうとしていた提督暗殺を漏れなく彼女も行おうとしていたが、紅葉提督にバレた挙句実力で色々と分からされたらしい──

尚彼女は陸軍でもかなり初期からこちらに送られていたので神州丸も存在を知らなかったか忘れていたのではないかと白美は予想する

そして彼女が保有する強力な艦隊が待機する専用の部屋に案内され──

五月雨「この方達が我が艦隊でも指折りの実力者達です! 正規空母の雲龍さんに航空戦艦の伊勢さん、最初期からの実力者の愛宕さんに鬼怒さん、そして仲の良い山風ちゃんと江風ちゃんと海風ちゃんですー!」

愛宕「ぱんぱかぱーん♪ その人はお客さんですか〜〜?」

白美「そうよ! あたしの名前は闇野白美、偉大なる暗黒星雲(ダークネビュラ)一族で最高の魔力を持つ三姉妹の長女で1番の美人カッコ自称、よ!」

江風「……何言ってンのかは分かンねぇけど凄そうなのは伝わったぜ」

 彼女達にも事情を伝え、やる事も終えて時間も押してきているので別れの挨拶をして白亜香へと帰宅する白美

他の姉妹達も無事に伝え終えたようで、白美が戻った頃には夜も更けて魔亜夜も紅香も既に戻っていた後だった

タク「おっ、おかえり〜〜、横須賀の提督さんは協力してもらえそうだった?」

白美「無事協力してもらえそうよ。話の分かる良い女だったわ、ダウナーな割に肉食系っぽそうだったけど。……あっ、ところで神州丸ちゃん、山汐丸って子は知ってるかしら? 横須賀に居た陸軍艦娘の子らしいけど……」

神州丸「山汐丸……はッ! すっかり忘れていました……もしや彼女も偽の将軍殿に騙されてあちらの提督を……!?」

 当時止めるのを忘れていた為、焦る神州丸。

特に何事もなかったしバレて逆に色々されたらしいと白美が伝えるととりあえず殺害されなかった事に安堵して、そして色々されたというのは何をされたのかを神州丸に問われるもはぐらかす白美であった──

白美「……ま、とにかくこれで決戦への準備は粗方整ったって事で大丈夫なのよねっ?」

タク「そうだね。艦娘達の育成も完了して他鎮守府に協力も要請したし素敵な道具も完成した。あとは各鎮守府にドローンとモニターと送って作戦会議してその翌日には……」

神州丸「いよいよその時が間近に迫っているのですね……」

 決戦までの時は近い、この日は夜も遅いのでしっかり眠りにつき──

翌日、再び暗黒星雲三姉妹が今度は次元の穴を経由して各鎮守府に赴いてそれぞれにドローンとモニターを渡し、それ越しで決戦への作戦会議が始まる──

タク「これより深海棲艦との決戦の為の作戦会議を始める!! 奴らは時期に我が鎮守府に襲撃を仕掛けるとの事。その宣言をされたのが2日前だけど……先日魔亜夜姉が侵入した深海鎮守府にあったスケジュールによると明日に予定だけ決まっていてまだ空白の場所があったとの事。もしかしたらそこに襲撃すると書かれる予定で、明日実行されるかもしれないのだ」

魔亜夜「確証は無いけどねぇ。でも分かる範囲ならここが1番あり得そうかなぁって」

 秘書艦の大淀が補足も入れつつ、会議は着々と進んでいく──

タク「仮に深海棲艦の襲撃が明日じゃなくてもこちらから逆に仕掛けに行く。襲撃がしっかり来た前提の話だが、その際の攻略手順は各鎮守府の提督達とエリー、海翔に海上に蔓延る深海棲艦の討伐を行う艦娘達の指揮をしてもらう。ドローンやカメラによって艦娘とお互いの顔が見えて声も聞こえる状態でな。出来る限り倒してもらい、海上の安全がある程度確保されたら私が最高速の島風に乗り、物凄いスピードで半日も経過させずに深海鎮守府……アイアンボトム・サウンドに向かう」

エリー「なるほど、この為に島風さんにひたすらスピードを高める訓練をさせたのですね」

島風「この前試しに乗せて走ったけど、提督は魔法で体重を軽くしているのか殆ど違和感なく走れましたっ! 風が気持ちよかったです……!!」

大淀「そして、深海棲艦と同じく人類に仇なす存在……深海教への対処は暗黒星雲三姉妹の皆様とカーラさんが行います。場合によってはあきつ丸さんと熊野丸さんにも協力してもらう予定ですので明日までにこちらに来てもらいます。なのでそれぞれの鎮守府にいる魔亜夜さんと紅香さんはお二人を抱えて戻って来てくださいね」

白美「ちなみに横須賀(こっち)に居る山汐丸ちゃんは戦闘向きじゃないっぽいから深海教との戦いには不参加よ。他の戦いには出る可能性もあるけどねっ」

神州丸「本艦は深海教と戦うグループではなく、提督殿にお供させてもらう。新たに開発されしこの道具を使ってな」

 その後も会議は進んでいき、戦闘中に艦娘の補給が可能になる補給用ドローンなるものを飛ばす話が出たり、アイアンボトム・サウンドに向かう艦娘は神州丸と島風の他には数隻だけといった話をしたり──

タク「そういう訳で直接例の海域に行く艦娘以外にはアイアンボトム・サウンドでも動く装備を持たせないが万が一あの海域の支配がこちらにまで来た時用に明石には予備を作ってもらっている、万が一が来たらこれもまた魔界で作ったドローンで装備を速やかに変える予定さ。ほっぽちゃんや港湾棲姫も海上に蔓延る深海棲艦との戦いに参加してもらうから支配が来ていてもまだなんとかなるであろう想定だ。そして最終決戦、奴らのボスの司令深水女王に関しては根性勝負。多分出てくるであろう深海棲艦の部下に関してはこの道具を使って連れて行く艦娘に倒してもらうが、アイツ自身との戦いは私とアイツのどちらが先に死ぬかの戦いになるから……頑張るしかない。あとは細かいところを言っていくが……」

 海域戦闘中の艦娘の配置の話や新開発の道具についての補足、誰を優先的に出撃させるかの話、戦闘開始の合図はエリーに通信してエリーから発信させる、そして島風の動きについてなどの細かい話を行い、そして会議は終わる──

あきつ丸と熊野丸はそれぞれ魔亜夜と紅香に抱えられ、次元の穴を経由して白亜香へと赴く

決戦の前夜、睡眠が必要な人間や艦娘は寝不足にならぬよう眠りについていたがただ1人神州丸だけはまだ起きており、バルコニーで夜風に当たるタク提督の元へ向かい──

タク「んぁ、まだ起きてたの?」

神州丸「提督殿こそまだ起きていた……って魔物は睡眠する必要があまりないんでしたね。いえ、決戦の前夜……もしかしたらこれが最後の夜になるかもしれないと思うと、提督殿と少しでも共に居たいな……と」

 敗北してしまえば言わずもがな、勝利したとしても司令深水女王から闇の力を奪った後は元の魔界に帰る予定のタク提督

ならば後悔の無いようにと、言いたい事を全て言うらしく──

神州丸「あの日。将軍殿に成り代わっていた深海棲艦に、将軍殿の為と思って提督殿の情報を送ってしまっていたと判明しても許してくれたあの日から、提督殿に特別な感情を抱いていました。もしかするとそれ以前から少しずつ抱いていたかもしれませんが。心の広いお方だと、共に任務をこなしていて楽しいと、こうして会話をしているだけでも……とても楽しいと、そう思えるのです」

 心に秘めた想いを曝け出す神州丸。魔物であるタク提督も多少は動揺しており

神州丸「ま、まぁ1番はあの時ただの一般人かつ身寄りの無くて暴漢に襲われていた本艦を救ってくださり艦娘適性があると言われ艦娘にしてくださった将軍殿ですがねっっ。……でも提督殿は将軍殿にかなり近しい2番目……いえ、もはや1.1番目と言っても良いのかもしれません」

タク「なんだそりゃ。ならもう同率にしてくれよ、別にいいけども」

 少し笑いながら答えるタク提督。するとそろっと、神州丸がタク提督に近づき──

神州丸「ですが、将軍殿にも言わなかったあの言葉を……敢えて言わせて頂きます。……大好きです、提督殿」

タク「……ふっ、魔物ならざる者に言われたのはこれが初だなぁ。ありがたく受け取っておくよ、その言葉」

 余裕そうな顔を見せながら神州丸の想いを受け取るタク提督。もう夜も遅いからそろそろ明日に備えて眠りな、と伝えると袖を引っ張って共に添い寝をして欲しいと懇願する神州丸──

タク「……君そんなキャラだったっけ? 災いの魔物ってのは普段眠らない性質なんだけど……」

神州丸「寝たフリでも良いのです。今宵だけは、本艦と共に添い寝を……」

 これで眠ってくれてモチベも上がるなら仕方ないか、とでも言わんばかりの顔をしながら神州丸と共に眠るのだった──

 

翌日、決戦の日──

寝たフリの予定が案外本気で眠りについているタク提督

それよりも早くに目覚めた神州丸はその寝顔を堪能していて──

神州丸「……良い顔で眠りますね。魔物というのは案外皆こういう寝顔なのか、それとも提督殿が特別なのか……。……それよりも今、チャンスなのでは……?? い、いや何を考えている神州丸! 寝てる者にそのような事をするのは……! ……で、でも()()()になら……」

 眠るタク提督の頬へ、自身の唇を近づける神州丸。

心をドキドキさせながら少しずつ近づけさせ、いざ触れようとした瞬間、ドアの開く音とドデカい声が響き渡る──

白美「起ーーきろー!! アイテンタクル様ァーーっ!! 魔族なのに何眠ってん……って神州丸ちゃんじゃん、代わりに起こしに来てくれてたの?」

タク「んぁ……やべ本当に寝てた……白美姉にまた変な事されてないよな……?」

神州丸「あっおっおはようございます提督殿と白美殿……。そうです起こしておりました……というか変な事? またとは……?!」

 過去にも白美に変な事をされていたかもという事実が記憶に残りながら、神州丸のこっそり作戦はギリギリで失敗に終わったのであった──

少し時間が経過して艦娘達は各々配置に就き、いざ決戦の火蓋が切られようとしており──

紅香「アイテンタクル兄ちゃんっ! 遠くの海で深海棲艦達がこっちに向かい始めていたよ! やっぱり今日だったね……!」

タク「やはり来たか……。さぁ……そろそろ災いの魔物による最終決戦、その戦いの幕を開けようではないか!!」

 鎮守府の屋上にて、暗黒星雲三姉妹に見守られながら杖を上空に掲げると、杖の先から怪しいオーラが空高く昇り、世界中の空を魔力を持つ者にのみ見える紫のオーラに染め上げて──

魔亜夜「ふひひっ……あぁっ、この感覚っっ! 魔力が高まる……高まるよぉっ!!」

 

エリー「私の内なる魔力が高まる気配……他の提督には見えないあの空の色は……提督の皆様っ! たった今上官様から連絡がありました、決戦が始まった合図です! 気を引き締めて艦隊の指揮へと参りましょう!」

明地「了解だ! 前方の深海棲艦達は最前線にいる我が西村艦隊が倒す!」

海翔「おうよっ! 上空を飛んでる奴らは俺の嫁が1隻残らず撃ち倒すっ!」

凪「僕のすっごい艦隊も深海棲艦をいっぱいやっつけるからねっっ!」

紅葉「ふふっ、みんな頼もしいねぇ。さ、私の艦隊も行かせてもらおうか」

 

カーラ「……空を覆うあのオーラ、魔物じゃない普通の人間でも一応魔力って上がるんだ、ありがたいね。オーラが消える時、死んだ場合は張った場所……鎮守府から消え、自分で解除した時はその場所から消えるんだっけ。……さて、私は私の仕事を……って、もう現れたか……深海信者。1人残らず葬ってあげるから、覚悟……してッッ!」

 

タク「ククク……さぁ! 舞台は完ッ全に整った!! 最終決戦の……開幕だッ!!」

 

決戦の合図であると共に魔力を持つ者達が強化されるオーラを世界中に張り、ついに最終決戦が始まった──!!

海上では明地提督が指揮する西村艦隊が早速深海棲艦と戦っており──

時雨「前方! 深海棲艦第一陣、襲来! 更に前方には第二陣と第三陣がこちらに向かってるよっ!!」

山城「こんな数の深海棲艦と戦うなんて、ほんと不幸だわッ!」

 最初はイ級やホ級といった弱めの深海棲艦が群れを成して大量に襲いかかり、不幸にイライラしながらもしっかりと砲撃を当てて行く山城

白亜香の艦隊もそれにしっかり援護して、特に夕立が遠くから魚雷を発射して遠い位置の第二陣と第三陣の深海棲艦を狙撃

夕立「狙い通りっぽーいっ!!」

時雨「まだまだ油断出来ないよっ! 雑魚達が終わって今度は軽巡に雷巡……くっ、艦載機に空母ヲ級まで……!!」

ゴトランド「艦載機はゴトに任せて! あぁいうのを倒すのに向いてる装備にして来たからっ!」

赤城「目には目を、空母には空母を、ヲ級の対処はお任せくださいっ!」

 空飛ぶ艦載機を見事に撃ち落とし、直後に赤城の艦載機が空母ヲ級を攻撃し、撃沈

取り巻きの軽巡や雷巡はそれぞれ吹雪と江風が砲撃し、撃沈

江風「お、あの距離の軽巡を狙撃するたぁなかなかやるじゃンか!」

吹雪「えへへっ、ありがとうございますっ!」

エリー「油断なさらぬように! 次が来ます……相手は重巡ネ級の群れと……うわっ、戦艦レ級もいっぱい居ますね……気を引き締めてっ! よーく見たらelite個体も居ますよ!」

紅葉「こりゃ厄介だ……ん?」

 無数に現れた戦艦レ級は自分達の障害になるであろう西村艦隊を優先的に攻撃し始め、動きを止めつつダメージを与えていき──

時雨「くっ……これじゃ反撃も出来ないっ……!」

榛名「ここは榛名達にお任せください! それっ!」

 狙われていない白亜香の艦娘達がレ級達を狙撃し、少し数を減らして相手の弾幕が減って生まれた僅かな隙を突いて西村艦隊の怒りの反撃が戦艦レ級eliteに命中、撃沈──

最上「ふぅっ、一旦なんとかなったけど……」

叢雲「最上さん後ろ! あぶないっ!」

 こっそり最上に近づいて一発即死させようとしていた重巡ネ級を砲撃して撃沈。その後残るレ級達とネ級達を次々と撃沈させていき──

時雨「一旦深海棲艦の波は収まった……?」

エリー「モニターにも映ってはいませんね、一時の休息で……」

紅葉「いや、下だよ。やれ……鬼怒、山風」

 紅葉に命令されると対潜兵器を放つ鬼怒と山風、すると海中に潜んでいた潜水艦タイプの深海棲艦が次々と倒れて行く──

時雨「僕としたことが、海上の群れの戦いに夢中で気付かなかった……!」

山風「大丈夫だよ……あたしも提督に言われるまで気付かなかったし……」

紅葉「2人ともよくやった。ご褒美に更に深海棲艦が来るみたいだね? さて、そろそろこちら側の深海棲艦達のお手並みも拝見したいところだけど」

北方棲姫「言ワレナクテモ……!」

港湾棲姫「見セテヤル……!」

北方棲妹「アネキ! ソシテアネキノアネキ!! 完全ニソチラ側ニ寝返ッチャッテサァ……!」

 無数の深海棲艦を率いるボス、そして2人と因縁のある北方棲妹が艦載機に乗りながら現れる──

北方棲妹「少シ様子ヲ見ニ来テミタラ、ヤハリ下級ノ深海棲艦ハ戦艦レ級以外使エナイネ。デモ安心シテ、ココカラハ姫級トflagshipノオンパレードダカラネエッ!! 戦艦レ級ノオマケモアルヨッッ!!」

 宣言通りの恐ろしい強豪深海棲艦達の群れを嗾ける北方棲妹。強大な深海棲艦の対処に追われる艦娘達──

夕立「むぅぅぅ……いくらなんでも数が多すぎるっぽい……! でも、これもてーとくさんの為……全員沈めてあげるっぽいッ!」

エリー「それぞれグループごとに対処しましょう! 私達の艦隊は飛行場姫が仕切っているグループを迎撃します」

明地「西村艦隊は集積地棲姫を!!」

海翔「俺らは空母水鬼をボコボコにするぜっ!!」

凪「ぼ、僕たちは……吹雪姉ちゃんの近くにいる駆逐棲姫をやっつける!!」

紅葉「んじゃ私らは潜水新棲姫でも、丁度対潜兵器装備させてるしね。さ、深海棲艦のお2人は余った重巡新棲姫と戦って私にその強さを見せてごらんよ」

 それぞれの艦隊が姫級とその取り巻きとの戦いを始める──

西村艦隊が抜群の連携で集積地棲姫をあっという間に撃沈させ、立て続けに取り巻きも撃沈させていく──

白亜香の艦隊も飛行場姫に攻撃を仕掛け、多少の被弾を貰うもののソロモンの悪夢、夕立によって取り巻き諸共殲滅──

他の姫級もそれぞれの艦隊が全員撃沈させ、残るは北方棲姫と港湾棲姫が相手する重巡新棲姫のみ──

北方棲姫「アレッテ確カ1番最新ノ深海棲艦……! デモ深海棲艦同士ナラタトエ最新ノ深海棲艦ダロウト……!」

港湾棲姫「ソウネ、一気ニ片付ケテヤリマショウ、ホッポ……!」

 姉妹特有の連携で一度も被弾せぬまま、そして周りに被害も出さずに重巡新棲姫を追い込み、トドメに一斉に砲撃して重巡新棲姫を撃沈させる──

紅葉「ほーぉ、やるじゃん。さっすが深海棲艦」

北方棲妹「マダマダァッ! オ次ハflagshipトeliteナ戦艦レ級ノフルコースダッ!」

 更なる深海棲艦を嗾けると、flagshipの内の1体が他艦隊を無視して猛スピード白亜香の艦隊の方に突進して行き──

北方棲妹「確カソノ子ハ前ニモ世話ニナッタ事ガアッタネェ、マタ君達ニ会エテ嬉シソウダヨ!」

ゴトランド「こいつ! 確か前に逃げて行った……軽巡ト級flagship!!」

軽巡ト級f「……ギ……ギギ……ギシャァア!!」

 奇声と共に過去に戦闘した時のように高速で海を泳ぎ回り、砲撃を放つ──

ゴトランド「んもぅっ! あの時は島風ちゃんが居たけど今回速い子誰もいないよっ……!?」

夕立「直接速度では追いつけないけど補足する事くらいならっ……!」

 しっかり目で追いかけて、移動先を読み切って砲撃を放つもギリギリで避けられてしまい、逆に砲撃を当てられてしまう夕立──

軽巡ト級f「ギ……ム……ムラギュゴォォ!!」

叢雲「ん? 今私の名前を……?」

 叢雲の名前を呼ばれた疑惑を持ちながら戦闘再開し、他個体のflagshipやレ級eliteの大群は他艦隊が少し苦戦しながらも着実に倒して行くものの、ただ1体しかいない軽巡ト級flagshipはやはり圧倒的な速さで艦隊を翻弄しながら攻撃をし続け──

赤城「くっ……一体どうすれば動きを補足し、攻撃出来るのでしょう……」

 このままではいずれジリ貧でやられてしまう、そう考えていたその時、突然ト級が直線上に居た叢雲目掛けて砲撃準備をしながら突撃して──

夕立「叢雲さんあぶないっっ!!」

 叢雲はとても避け切れそうにもなく、大破か、あわや轟沈か、そう思っていたら叫び呼ばれた叢雲の名前を聞き、目の前に居る存在が叢雲と認識すると砲撃の準備を辞め、その場で静止して──

軽巡ト級f「…………ムラ……グモ……?」

北方棲妹「ンァ? ドウシタノダ? ボーットシテナイデ早ク叢雲ヲ沈メロヨ」

叢雲「なっなによアン…タ……え……その左に付けているそれって……」

夕立「オシャレのつもりなのか指輪でも付けてるっぽい?」

 何やらその指輪に見覚えがある様子の叢雲──

港湾棲姫「アレ、コノ子ッテ確カ……元々呉鎮守府ノ提督ダッタ人ヲ改造シテ生ミ出シタンジャナカッタッケ? マダ深海棲艦陣営ニ居タ時ニソノ話ヲ聞イタ気ガスルワ……」

叢雲「そうよ……そうよ! 忘れるはずもない……前の呉鎮守府提督、青木提督! そして……私のケッコン相手!」

エリー「あ、あの深海棲艦が……?!」

明地「なんだとっ!?」

海翔「アイツなのか!!?」

北方棲妹「ンナッ!? オイウソダロ!? マサカ生前ノ記憶ヲ取リ戻シテ……!?」

 かつて鎮守府を襲った相手は、前の呉鎮守府提督にして叢雲のケッコン相手だった──

軽巡ト級f「ムラ……グモ……オボエテ……イルカ……コンナスガタニ……ナッテシマッテ……スマ……ナイ……」

叢雲「勿論覚えているわよ……! あの襲撃にあった日、自分を犠牲にしてまで私を逃がしてくれた大バカもの……こんな姿になっちゃって……っ。でもまた会えて良かった……ほんと……」

 ケッコン相手のあまりの変わり様に驚きつつも最愛の人との再会の感動に戦闘中であるにも関わらず、抱きついて泣き出す叢雲。それを横目に他の深海棲艦は全員撃沈が完了しており──

紅葉「泣いてるとこ悪いけど、そろそろまたあのおチビさんが新たな深海棲艦を出すかもしれないから戦いに集中してもらわないと……」

北方棲妹「イ、イヤ……本来ハ最終的ニ軽巡ト級flagshipノ速サデオ前ラヲ翻弄シツツ、私モ加勢シテ命ヲ奪ウ予定ガ……アアナッテシマッテハ女王様ニ助ケヲ求メルシカナイ! 逃ゲ……」

北方棲姫「誰ガ逃スッテ? イモート……」

 またしてもピンチになって逃げ出そうとする北方棲妹を捕まえる姉、北方棲姫。これまでの恨みの一撃を港湾棲姫と共に与えまくってついに北方棲妹が撃沈される、断末魔の叫びと共に──

北方棲姫「ゴメンネ、デモコウスルシカナカッタ。モシ生マレ変ワッタラ、今度ハ仲良クシテイケルトイイナ……」

港湾棲姫「ソウネ……」

エリー「……さて、これで無数の深海棲艦も討伐しましたししばらく海域の安全は確保されたはず……。聞こえますか上官様、行くなら今かと!」

タク「よし来た、了解……行くぞ島風! お前のスピードを見せてやれ!」

 深海棲艦との遭遇リスクの少ない今、ついにアイアンボトム・サウンドへ向かう……前に叢雲の前で立ち止まる軽巡ト級fの様子を見に行き──

エリー「あ、上官様そちらの深海棲艦はどうします? 見たところ叢雲の姿を見て敵意を完全に無くしたらしいですが……それに元々呉鎮守府の提督だとか」

タク「安全そうなら鎮守府に連れ帰って保護でもしてやれ。叢雲的にはこんな姿でも大事な旦那さんなんだろうし死なす訳にはいかない。 ……それに、魔界のアレを使えばもしかしたら……。とりあえず今は保護を頼んだ! 今度こそ出発だ、島風!」

島風「全速力で発進(はっしーん)!!」

 かくしてアイアンボトム・サウンドへ向かい出したタク提督と島風。 

超スピードで海上をしばらく駆けていくと、僅かに残る深海棲艦の残党がタク提督達の行く道を邪魔しに現れ──

タク「近辺の深海棲艦を倒してある程度安全確保したとはいえ、やっぱりアイアンボトム・サウンドに近づくとまだまだ居るな……躱しながら行くぞ!」

島風「任せてくださいっ! 速きこと、島風の如しです!」

しかしそんな物も島風のスピードには敵わない、全てを躱しきり、更に駆けていくと赤い海域が見え始める──

タク「あれが噂のアイアンボトム・サウンドってやつかな。不気味〜な雰囲気、しかしこのスピードでも結構時間かかっちゃったな……まぁこんだけの距離があれば仕方ないか」

島風「ですねぇ。しかし流石に怖いです、ここ。……それで魔亜夜さんが行ってた場所ってどこですかぁっ?」

 不気味な赤き海域アイアンボトム・サウンドで目的の深海鎮守府を探すタク提督。しばらくの間探しているとついに──

島風「あ! あの異様な建物……あれじゃないですかっ!?」

タク「おー! あれだあれだ! やっと見つけた……ご苦労だった島風! じゃあ決戦までの間は休んでてくれ。 ……さて、魔亜夜姉は海中から侵入したんだっけ。……先の見えない長い潜水は私にゃ無理だし建物を上から壊して入るしかないなぁ、やるかー……。そういやカーラも鰐淵の討伐、上手くやってるかな? まぁいくらあの子が普通の人間だとしても仲間が4人か7人も居りゃなんとかなるだろう、がんばれっ」

 ぶつぶつとカーラに対する応援を呟きながら侵入の為の作業を始める。そしてそのカーラの方はというと、深海信者達を次々と倒しつつ深海信者の本拠地へと向かっていた、そこへ──

カーラ「……本拠地へ向かって進撃しながら信者を倒してたら、ついに幹部出現って感じか。でもこっちのタイミングも良い……」

紅香「ごめんっ! 鎮守府からここまで結構遠くって……!」

白美「でも丁度良いタイミングだったり? そこのムカつく幹部達は私達が相手するから、アンタはさっさと奴らの本拠地に行ってワニなんとかって奴をぶっ殺しちゃいなさい!」

魔亜夜「あっ一度行ってみたかったセリフ言う……ここは私達に任せて先にいけーっ! なんて……ひひっ」

女幹部「ふふ、あの子を止められなければわたくし達の意味がほぼ無くなってしまいますわね。でも大丈夫ですわ、教祖様はとてもお強い方。普通の人間であるあの子だけでは勝てません! さぁ、行きますわよ。せめて皆様方をお討伐する事がわたくし達の使命……!」

巨漢幹部「……グオォォォ!!!」

 異形に改造されし巨漢の幹部と不思議な雰囲気の女幹部を申し訳なさを感じつつ三姉妹に任せて1人本拠地へ向かうカーラ。三姉妹の敗北をも想定して出来るだけ迅速に本拠地に向かうべく必死に走り、ついに再び到達──

カーラ「……さて、やっとついた。 暗黒星雲のお姉さん達は置いてきちゃったけど……少ししたらきっと来てくれるだろうし、私には魔物さんから貰ったこの道具……()()()()()って名前だっけ……これがあれば陸軍艦娘と共に戦える。……うーん……まだあの嫌な雰囲気が、私と魔物さんの瞬間移動の魔法を封じられていた時の雰囲気が残ってる……戦闘中に瞬間移動が封じられるのはイヤだし……まずはこの前苦しめられたあのマシンを探して破壊しなきゃ……」

 それぞれの目的地である敵の本拠地に辿り着いた2人

片や侵入経路の確保、片やいつぞやのマシンの破壊、それらをこなし無事戦いに勝つ事が出来るのだろうか──

 

〜次回へ続く〜

 

 

オマケtext

 

 

タク提督が島風に乗り、猛スピードで深海鎮守府に向かっていた頃、戦闘終了直後の白亜香付近はというと、青木提督だと判明した軽巡ト級flagshipを鎮守府に運んでいる最中であり、陸で歩ける器官の無い彼を運ぶのに苦労していて──

叢雲「こっちよ提督、今の呉鎮守府の提督してる人は良い人だから、こんな姿でも受け入れてくれるわっ!」

夕立「しっかし深海棲艦って運ぶと重いっぽい……もっと軽くあって欲しいっぽい……」

港湾棲姫「ソレデモマダ軽イ方ヨ。私トカハモット重イシ、更ニ重イ子モイルワ。逆ニ軽イノハホッポチャントカ北方棲妹トカカシラ……ッテアラ、北方棲妹ヲ倒シタトコロカラ泡ガ……?」

赤城「あれはまさか艦娘のドロップ現象……?」

 しばらく海中からぼこぼこと泡が立っていると、そこに見知らぬ艦娘が現れ──

??????「……なんだかすげぇ長い時間眠っていた気がするぜ……」

時雨「こんな時に新たな艦娘が……君、名前は?」

ガリバルディ「アタシはGiuseppe(ジュゼッペ) Garibaldi(ガリバルディ)だ! 長いからガリバルディで良いよ……ってそこの港湾棲姫はなんだっっ!?」

港湾棲姫「アーー……エット、信ジテクレハシナイデショウケド、悪イ事ハシナイカラ安心シテ。シカシマサカコンナニ早ク生マレ変ワッテクルトハ思ッテナカッタワ、ネェホッポチャ……アレ、ホッポチャンドコ?」

 

……………

 

北方棲姫「ポ……ポ……タク提督サンダケジャ女王様ヲ倒セルカ不安……私モ決戦ノ場ニ行カナキャ……遠イカラ急イデ行カナキャ……!」

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