魔物の提督と艦娘達の深海討伐録   作:カプコモルゥ。

7 / 13
どうも、私です。これは限りなく私に近い物です
……キャプションに書く事があんまり無いけど、今回はとりあえず基本的には休日回となっております
ではゆっくり見て行ってね


第七話【演習、実戦訓練、旅行、そして……】

……………

??「北方棲姫……港湾棲姫……失望しタわ。まさか陸の生物でアる人間や艦娘と共存しタいなドト言い出すとは」

 

北方棲妹「ソウダソウダ!! 人間ヤ艦娘ト共存シタイッテ話題ヲ何度モ何度モシテイルノヲ聞イテ、録音シテオイテ良カッタヨ。オ陰デ女王様ニ確実ナ報告ガ出来タ!!」

 

港湾棲姫「ヒッ……モ、申シ訳ゴザイマセン……シカシ私ハ人間サンヤ艦娘サント仲良クシタラキット誰モ傷付カズ平和ニ暮ラセルノデハナイカト、ホッポト話シテイタダケデソレヲ実行ヲシヨウトハ……」

 

??「言い訳は無用。貴女達はモう処刑する事に決定してイるかラ」

 

北方棲妹「残念ダヨ……。ソモソモソウイウ事ヲ考エルカライケナインダヨッ!!」

 

北方棲姫「オ姉チャン……」

 

港湾棲姫「……ホッポ、貴女ダケデモ……逃ゲナサイッッ!!」

 

北方棲妹「港湾アネキガ、アネキヲブン投ゲタ……!?」

 

??「逃スな!! 追っテその場で殺セ!!」

 

………

 

北方棲姫「オ姉チャンニ逃ガシテモラッテドウニカ深海ニ出レタケド……追手ガドンドン来テル……。魚雷ガイッパイ飛ンデ来テル……ドウシヨウ」

 

深海棲艦A「アソコダ!! 逃ガサナイワ……!!」

 

深海棲艦B「裏切リ者ノ首ヲ取リ、女王様ニ褒メラレルノヨ……!! ウフフフ……」

 

北方棲妹「逃スワケナイデショ、イノチオイテケ!! 裏切リ者ノアネキ!!」

 

北方棲姫「マズイッ……イモートノ攻撃……避ケラレナイ……ッ!! オ姉チャン……ゴメンナサ……」

 

………

 

 

深海棲艦A「流石ハ北方棲妹様……!!」

 

深海棲艦B「アーン!! 私ガ倒シテ女王様ニ褒メテモラウ予定ダッタノニィ……」

 

北方棲妹「アリャ……殺シタ後ノ死骸ハ、モウ二度トアンナ事ヲ考エラレナイ様ナ深海棲艦ニ改造シテモラウ予定ダッタンダケド……死骸ヲ弾ケ飛バシチャッタカナ、見当タラナイヤ……。仕方ナイ、ミンナ撤退ダヨ!!」

 

……………

しばらく深海信者の討伐依頼は無く、艦娘を指揮して深海棲艦の討伐、演習にて艦娘の特訓に励むタク提督

ある日の朝、大淀から報告があると呼び出され──

 

大淀「提督、近頃の艦隊の指揮による深海棲艦討伐や深海信者討伐が評価されたのか本部より大佐へ昇格とのご報告がございます!!」

 どんな提督でもきっと喜ぶ、昇格報告が大本営から来たらしく、提督よりも先に大淀が喜んでいたが肝心のタク提督は驚きつつも階級についてあまり気にせず活動していたらしく、臨時の代理提督アンドロイドであるエリーに階級はしっかり気にして活動しましょうと釘を刺される

そんなエリーにも同日に昇格報告を秘書艦の夕立から受けていた様で、彼女は中佐へと昇格。この辺りはエリーの方がしっかり気にしており、昇格に喜んでいた

タク「これからは気にする様にするけど、私の目的はあくまで深海提督を倒してその闇の力を貰う事だけ……提督としての階級は正直なんでも良い」

エリー「でもどんどん昇格して行っていずれ最上位の階級になったら、私のデータの中にある佐世保の提督……明地照休さんやその艦娘も自由に手駒に出来るかもしれませんよ??」

大淀「て、手駒という言い方は少々アレですが……ともかく最上位の階級、元帥になれば色々な話が円滑に進む……かもしれません」

 手駒に出来るかも、話が円滑になるかも、そう聞いて納得タク提督は本当にこれからは気にする事に心決める

タク「あ、大淀さんこの後の予定はなんだっけ? 確か第六駆逐隊と雪風以外の一部艦娘の演習だったり実戦で鍛える話だったはず」

大淀「そうですね、本日は霞さんを旗艦に曙さんと秋雲さんに風雲さん、あと榛名さんと龍驤さんが演習。他の艦娘はそれぞれ制圧済みの海域にまだ残る深海棲艦の残党を狩りつつ特訓。残党狩りをしない組は遠征に向かわせ、神州丸さんはカーラさんと共に深海信者との戦いの訓練を、第六駆逐隊は近頃多忙でしたので休暇を与える話です。雪風さんも近頃の多忙による休暇ですが佐世保の時雨さんとちょっとした旅行に行く……と報告が入っております」

タク「流石、いつもまとめありがとうね。とりあえず残党狩りの指揮は私がするとして、演習組はエリーに任せるか。残党深海棲艦といえども、油断は出来ないからいつも通りしっかり透明化ドローンで状況確認もしなくちゃ」

エリー「かしこまりました上官様♪ では早速演習組を演習させて来ますね!」

 タク提督と違って浮遊して直接艦娘の相手をする独自の演習はエリーは出来ないので佐世保からやり方を拝借したペイントボール式の演習を自軍で行う

深海棲艦の残党狩りに関しては過去に同じ事をした際に夕立が圧倒的な力で無双をしてしまったので、特訓にならないとお留守番兼エリーの秘書をする事に。戦えない事に頬をぷくーっと膨らませる夕立であった

神州丸は白亜香鎮守府の現状を彼女の言う将軍殿へ報告し、それが終わるとすぐにカーラの元へ向かい訓練を始める

そしてその頃、旅行中の時雨と雪風は舞鶴へと来ていた。バスに揺られる中、何故旅行先を舞鶴にしたかと時雨が問いかける

雪風「今こっちの鎮守府に来てるゴトランドさんとその旦那さんが元々舞鶴鎮守府で提督をやっていたみたいで、跡を任せてる弟によろしく伝えといてほしいって言われちゃって! あとここの温泉が気になっちゃってね♪」

時雨「なるほど……その持ってる写真に写ってる人が呉鎮守府……じゃなくて、白亜香鎮守府に来てるゴトランドさんとその旦那さんかな?」

雪風「そうそう! ホントは弟さんの写真も貰いたかったんだけど、持ってないって言われちゃったから会うのがちょっと楽しみ!」

 なんて会話をしながらバス停からバスを降り、そこから徒歩で舞鶴鎮守府へと向かい、到着

恐らく秘書艦の吹雪にお出迎えされて提督室へと案内される

そこに居たのは年端も行かない、推定10歳前後の男の子だった

時雨「えーっと……君は迷子……?? でも提督の格好をしている……どういうこと??」

吹雪「驚きました? この子が今の提督なんです! 年齢の割にとっても賢く、お兄さんである前提督からの推進もあって提督として着任しているんですよ!」

雪風「ゴトランドの旦那さんでもあるあの人からの推進なんだ…! お名前はなんて言うのっ?」

弟提督「ひみつだ!! 提督(てーとく)になったら他のひとに軽率(けーそつ)に本当の名前を教えちゃダメって兄ちゃんが言ってた!!」

 思っていたより秘密主義な事に苦笑いする雪風。しかし佐世保の明地照休は普通に自分の名前を教えていたけどと言うと時雨がアレは偽名を名乗っているだけで本当の名前は電すらも知らないと言い、普通に本名を教えている自分のところのタク提督(アイテンタクル)やエリー提督はなんなんだと思う雪風だった

弟提督「と、とりあえず僕のところの艦娘さんを兄ちゃんに自慢する為に、兄ちゃんが提督をやってた頃より後から来た艦娘さんを今から紹介する! だ、だから着いてこいっ!」

雪風「はーいっ♪」

吹雪「ふふっ……提督、頑張って強い口調使っていて可愛いです……♪」

 言われるがままに案内され、まずは駆逐艦の寮に到着

お客が来るから予め自分が直接艦隊に加えた艦娘で統一してと言っていたのか、扉を開けると如月と朧だけが中に居た

すると時雨が如月の姿を見るや否や、驚いた顔をしてすぐに走り、肩をガシッと掴み──

時雨「き、如月……君は如月なのかいっ……!?」

如月「え、えっとそうだけど貴方とは初めましてだったはずよね? ……と思ったけれど、初めましてのはずなのに見覚えがある様な気がするわ……?」

吹雪「おや、うーん……もしかすると夢の中で会ったりしました?」

時雨「そ、そうだった……かも。うん、ごめんね……?」

 夢で会った事になり、如月もきっとそうだわと言う。しかし時雨の中ではこう結論付いていた、半年前のとある戦いの時に佐世保鎮守府に所属していた如月は沈んだが、ここに居るのは再建造されてたまたま如月が生まれただけだと

突然大声を出したり肩を掴んだりして謝罪する時雨だったが気にしていないわと寛容な如月だった

朧「そういえば、朧も夢の中で綾波型の妹達……、曙と漣、潮と一緒に居る夢を見た……かも……です」

雪風「あ、今言った3隻、こっちの鎮守府に全員いるよっ! 今度来る??」

弟提督「僕も兄ちゃんに会いたいから……じゃなくて、そっちの鎮守府がちゃんとしているか確認したいから今度行かせてもらう!」

 朧と弟提督が白亜香に来る事がぬるっと決まった瞬間であった

そして次は潜水艦の寮に行き、扉を開けた瞬間に唯一居た伊19が提督に抱きついて少々危ない絵面になり、秋雲が残っていたら興奮していそうだと、たまたま側を通りかかった兄時代から居る艦娘がボソッと言う

最後に揚陸艦……というよりその他の艦娘の寮へ。元々は神州丸の為に用意された部屋らしく、中に入ると同じく揚陸艦の熊野丸と……何故かタク提督が創り出した髑髏の魔物、ダークボーンがふよふよ浮いていた

時雨「ひっ……な、何その化け物……!?」

熊野丸「あぁコレか? コレはつい最近舞鶴に現れて矢鱈と俺の周りに着いてくる奴だ」

弟提督「この化け物、朧さんがやたら怖がってたから早く逃してって行ったのに……」

雪風「へー、朧さんが……」

 実は過去に雪風は青葉からタク提督が髑髏型の魔物を創ったと聞いていて、その魔物の材料はかつて霞や夕立、曙達が所属していた鎮守府の提督の死骸から創り出された事を知っていた

それを考慮して雪風の中で、もしかしたらその鎮守府には朧がいてその生まれ変わりがここの朧……とか考えたがあくまで妄想の域を出ないし化け物と呼ばれてる魔物を創り出したのが自分の提督だと言ったら話が面倒な事になりそうなので心に閉まっておく事にしたのだった

弟提督「……とりあえず! これで僕の時代から仲間にした艦娘達は以上だ! ……あ、あとは演習でも行おうと思っているのだがどうする?」

雪風「お、やるやるっ! こっちの子がどのくらい強いか知りたいからねー♪」

時雨「そうだね、ユキがやるって言うのなら僕も」

吹雪「ふふっ、ありがとうございます♪ では演習場へ行きましょうか」

 こうして演習が始まった頃、深海棲艦残党狩りをしている白亜香鎮守府側は──

夕張「久々にこっちに出た時に限って……!」

島風「あの深海棲艦すっごく強い……他の軽巡ト級とは違う……っ!」

加賀「あのオーラはflagshipね……。 でもどうして、残党の中にあんな個体が……」

 物凄いオーラを放つ謎の軽巡ト級flagshipに襲われていた。実力は他の軽巡ト級やflagshipをも上回っているが──

ゴトランド「あ、あんな深海棲艦ダーリンや私が現役の時代にも見た事ない……! 軽巡ト級のflagship……最近生まれたのかな、復帰後の初出撃にいきなりこんなのと遭遇しちゃうなんて……」

青葉「大スクープ……ではありますけどこんな状況じゃ撮影も……」

比叡「ひえぇぇ……でも取り巻きはよく居るタイプの弱い深海棲艦ですし、さっさと弱いのを倒してからアイツに集中砲火すればきっと勝てます……!!」

軽巡ト級f「……ギュリャグモォォォォ!!!」

 恐ろしい鳴き声を上げると取り巻きと共に艦隊への攻撃を始める。取り巻きは大して強くもなく、簡単に倒す事が出来たがやはり軽巡ト級flagshipは難敵で、他の深海棲艦とは明らかに異なる俊敏な動きを見せる。そして隙を突いて艦娘に砲撃を放つ──

島風「お、恐ろしく速い動き……私じゃなきゃ見逃しちゃうね」

夕張「こんな状況でイキらないでくださいっ! 砲撃カスってはいるんですから!」

ゴトランド「でもどうする…? 言動はイキりだけどあの動きからの急な砲撃はスピード自慢の島風ちゃんじゃないと避けられなかったかも、それ程アイツは素早い……」

 残党狩り組が苦戦している頃、透明ドローン越しに艦隊を見守っているタク提督達は──

大淀「苦戦していますね……。あの素早い新種の深海棲艦は島風さんであってもギリギリ避けられない砲撃を放って来ます……」

タク「……作戦が3つある! 一つは透明ドローンを犠牲にして全員退避させる、ト級に急に突撃させれば驚いて逃げる隙は出来そうだし。二つはエリーを向かわせ……彼女に搭載したスピードアップの魔法を艦隊にかける。三つは私が直接アイツにしがみついて動きを鈍くさせて自分ごと撃たせる。出没海域はそう遠くも無いし演習で忙しいエリーを向かわせないで済む最後が安定しそうだな……よし行くか」

 大淀が止める間もなく無茶な作戦を実行しに空中浮遊で飛び立つ提督、そしてその頃艦隊はというと軽巡ト級flagshipの攻撃を回避するのに精一杯だったが──

夕張「持って来ておいて……と言うか置いて来るのを忘れてて良かったわ。明石と共に開発と改修をした、とてもすごーい新型高温高圧缶! これを島風ちゃんが付ければアイツの速さにも抗えるはず……!」

島風「そんな物が! よーし……じゃあ連装砲を片方預けてっと……」

 戦いの最中でありながら装備を瞬時に交換し、更なる速さを手に入れた島風。高速で動き回る軽巡ト級flagshipに唯一速さで追い付いて、一瞬の隙を突いて砲撃して見事命中、大ダメージを与える事に成功

すると不気味な声を上げながら海に沈んで……逃げて行った

ゴトランド「逃げ出す深海棲艦なんて珍し過ぎっ……!?」

島風「うぉーいっ! まだ勝負は付いてないのにっ!」

加賀「……兎に角何とかなって良かったわ、けれど逃げて行った以上また現れる事を考えなければ……」

夕張「……なんか、逃げてく時にト級には無い左手が見えたような……、キラッと何かが……?」

 戦いが終わり、帰還する最中に切羽詰まった表情で空中に浮かぶタク提督に遭遇し、戦いに勝ってた事に戸惑うタク提督と何故ここに提督が居るのか頭の中がハテナで埋まった艦娘達であった

そして時雨と雪風は舞鶴鎮守府の現提督への挨拶、演習も終えて温泉旅館行きのバスに乗り──

雪風「いや〜、みんな強かったねぇ……でも流石グレ! 英雄と呼ばれし提督の最強艦隊の一隻である時雨改三は舞鶴の強い艦娘達をも物ともしないね!」

時雨「ふふっ……ありがとう、ユキ。でもユキだって熊野丸さんを倒したり、僕が苦戦してた大和さんや武蔵さんにも大ダメージを与えてくれた……流石だよ」

雪風「えっへへ〜、毎日演習や実戦で訓練してるからねっ♪ しれえからも頼られてるっ!」

時雨「いつか僕達の艦隊とも共闘出来ると良いね、僕達が協力すれば敵無しさ……♪ ……あ、もう旅館に着くみたいだ、降りようか」

 舞鶴の素敵な旅館に着き、美味しいご飯を堪能した後は目的の温泉に入浴。リラックスしながら入浴していると話題は佐世保、舞鶴、そして呉……白亜香の三大鎮守府に唐突に陸軍の艦娘が着任した話に。どうやら佐世保の鎮守府にも新たにあきつ丸が着任していたらしく──

時雨「舞鶴の熊野丸さん、呉……じゃないや、白亜香の神州丸さん、そして佐世保のあきつ丸さん……。陸軍の三隻がこの鎮守府に急に着任したのには何か理由があるのかな……」

雪風「うーん、たまたまだと思いたいけど、あの子が言ってた着任時期とグレが言ってた着任時期、そして神州丸の着任時期があんまり差が無いんだよねぇ。もしかして深海棲艦が再び現れたから陸軍さんが全面協力してくれてて、自慢の艦娘を派遣してもらってるのかも……?」

時雨「それもあるかもしれないけど僕が少し疑ってるのは……スパイなんだ。陸軍と海軍は正直余り仲が良くない。だからこっちの情報を探って何か得ようとする為に陸軍艦娘を送って来ているのかも。まぁ僕の妄想の範疇だし、気にしなくて良いよ」

雪風「もしスパイだったら大変だけど……少なくとも神州丸さんはしれえに全面協力して悪〜い深海信者さん達を一緒にやっつけてるみたいだからスパイじゃないと思う……!」

時雨「なら安心……あ、そういえばその深海信者って……」

 陸軍の艦娘に関するあれこれを会話した後は時雨が前々から気になっていた深海信者や深海教に関する話題に。そしてその頃……よりも少し前、まだ日が明るい時間の第六駆逐隊の4隻は──

暁「ふっふっふ……、ここが私が前々から当たりを付けていた秘密のバカンス場っ! 前に出撃した時の帰りにたまたま見つけたのよ!」

響「人もいないし景色も良い、場所も鎮守府からそう遠く無い場所だから深海棲艦もいない……くつろいだり遊んだりするにはもってこいだね」

雷「暁に言われて買って来た水着とかスイカとか……あと色々海の遊び道具をちゃんと持って来たから目一杯遊ぶわよ〜!」

電「日々のストレスを解消なのです。司令官(アイツ)がいないとホンット気が楽なのです……♪」

 駆逐艦サイズの可愛らしい水着を着て泳いだり砂遊びをしたり、ビーチバレーやビーチフラッグで遊んだり、疲れた後は2組に分かれてスイカ割り対決をして、美味しいスイカを食べた後はビーチチェアでくつろぎながら会話して……と満喫

そろそろ暗くなるからと片付けを始めていると響が浜辺の遠くの方に何かがいると言う

近づいてみるとそこに居たのは……力無く倒れている小さな深海棲艦だった

暁「ぴゃぁぁぁあ! こ、これ深海棲艦じゃない…! ここなら安全だと思ったのに……!」

電「でも弱っていますね……トドメを刺すなら今なのです。荷物には艤装もあるので()れます」

雷「あ、待って動き出したわ……」

響「私達を見てどう反応するか……」

 目を覚まし起き上がる深海棲艦。暁達を見るや否や焦り出して近くの岩場に隠れてしまう

しかしひょこっとこちらに顔を覗かせる深海棲艦。大丈夫よと雷が言うと深海信者自分が何者かを名乗り──

????「……ワタシハ……北方棲姫……トアル理由デ、深海ノ鎮守府カラ逃ゲテ来タ……」

雷「に、逃げて来た……?!」

響「どういう事なのか、言える範囲で教えてくれるかい……?」

 いきなり出会った艦娘に逃げた訳を話す事に少し躊躇いを見せたが、目を見てこの人達なら大丈夫そうだと判断して逃げた訳を話し出す──

北方棲姫「ワタシハ元々オ姉チャンノ港湾棲姫ト共ニ艦娘ト仲良クナレル世界ヲ望ンデイタ……。2人デ良クソンナ世界ニナッタ事ヲ話シテイタンダケド、アル時ニ深海棲艦トシテノ仕事ヲ全ウシテ艦娘ガ嫌イナ妹ノ北方棲妹ニコノ事ヲ女王様ニオ話シサレチャッテ……迫害サレタノ。オ姉チャンハワタシヲ逃ス為ニ犠牲ニ……ウゥ……」

響「……嘘を付いている目はしてない、多分本当にそういう事があったんだろう」

暁「だ、だとしたら可哀想……! 秘密の会話を聞かれた挙句にお姉さんを……!」

電「立場を私達に変えると、艦娘の身でありながら深海棲艦と共に暮らしたいって言ってるみたいなものですが……だとしてもただの望み、妄想の段階でそこまでするのは……可哀想過ぎます」

雷「大変……だったのね」

 泣き出した北方棲姫を慰める雷、しばらくして泣き止むと自分はこれからどうしようかと北方棲姫が言う

住処たる深海の鎮守府を追い出されて帰る場所が1つも無い、かと言ってこの場に放置しておくのも幾ら人が余りいない秘密のバカンスだとしても危ない。そこで雷が一つ提案して──

雷「なら、私達の鎮守府でこっそりこの子を匿わないっ? 私達の寮のあんまり使ってない押し入れをこの子の部屋にすればきっとバレないはずよ……!」

電「危険なのです。そういうところにも掃除が入って見つかるかもしれないですし……見つかったら一航戦の2人や深海棲艦への憎しみがある明石さんや夕張さん……それに最近来たカーラちゃんも深海棲艦への憎しみがありますし……バレたら絶対その場で迫害、私達も何されるか……」

暁「そ、掃除なら私達が全部やるって強く言っておけば勝手にされないで済むかもしれないし、バレちゃったらちゃんと訳を話せば多分受け入れてくれるわ……! 多分っ…!」

響「……まぁ、嘘を付いていない上、艦娘と共存を望む深海棲艦をここに放置する訳にもいかないしね。どうにか匿おう」

 こうして北方棲姫を第六駆逐隊の寮にて匿う事に──

丁度その頃バカンスの遠くの方で軽巡ト級flagshipとの戦いが終わった艦娘が帰還している姿が見え……上空に浮かぶタク提督にだけ北方棲姫の姿を見られていた

持ち帰る際には荷物入れに隠してなんとかバレないように寮に入れる事に成功

その夜、押し入れをチョチョイと住みやすい様に模様替えして北方棲姫も満足の部屋が完成

食事は余りを寮で食べると言って北方棲姫に分け与える形で行い、夜中になって帰還して入渠をしている艦娘を除き皆就寝

寮にて第六駆逐隊と北方棲姫がいざ眠ろうとしていると寮のドアがギィッ……と開き──

神州丸「……アイツですか、提督殿が言ってた"第六駆逐隊と話していた深海棲艦"とやらは」

雷「司令官に神州丸さん……!?」

暁「こ、これには訳が……!」

 ムッとした表情をする神州丸に何とも言えない不気味な表情を浮かべるタク提督

タク「なぁに、案ずるな……殺しはしない……。こんな死ぬ程使える奴をただ殺して終わりにする訳無いだろう。対抗手段の無い深海棲艦(カモ)を持ち帰ってくれたんだ、暁達にはとても感謝している……。まぁ、こっそり迎え入れた事には言いたい事はあるが……何か言いたそうだしその言い訳だけ聞いてからコイツに色々問い質す事にするさ」

 怖い顔を浮かべるタク提督に怯える北方棲姫、こっそり迎え入れた訳を暁達は提督にしっかり話す、さっき北方棲姫が言った事を教えるとタク提督の態度が真逆になり──

タク「お前そんな可哀想な事になってたのか!! ごめんな怖い顔して!! 艦娘と共存したいって思っただけでボスに殺されるとかブラック過ぎるわ!! 魔界の歴史でもそんな理由で死刑された魔物はいなかったぞ!!?」

 すんごいヨシヨシを北方棲姫にしながら謝罪するタク提督

自分達含め特に処罰されそうになくてホッとする第六駆逐隊とあまりの態度の急変っぷりに目が点になる神州丸だった

北方棲姫「ポ……顔怖カッタケド、ソレハ本来提督ト呼バレル人ガワタシ達深海棲艦ニ向ケルニハ相応シイ顔……。ナントモ思ッテナイカラ大丈夫……、イカヅチ達ノ提督サンナラ信頼出来ル……」

タク「良い子だなぁこの子!! ……あ、ただ堂々とここに深海棲艦がいる事をバラすと問題ありそうだし、暁達の当初の予定通りここでこっそり住ませてやってあげて。飯の提供は提督権限でどうにかする」

神州丸「住まわせる気満々なんですね……まぁ、私も黙っておきます」

雷「ありがとう司令官……! 大好き!」

電「……この子を置かせてくれてありがとうなのです」

 タク提督は北方棲姫の事を大事にする事にしてお世話は第六駆逐隊にお願いしつつ、この事はこの場にいる7人だけの秘密にする事に。それはそれとして深海棲艦のあれこれについて質問はする予定ではあるタク提督だった

しかしこの現場を青葉はこっそり覗いていて……北方棲姫の事について涙を流し、堂々と鎮守府に居れる様にこの事を書いた新聞を作る事に

翌日、朝より少しだけ遅い時間に第六駆逐隊が目覚めて寮から出ようとすると鎮守府の殆どの艦娘とエリーが並んでおり──

暁「な、何この状況っ……!?」

衣笠「これが青葉の言ってた例の深海棲艦ね……?!」

霞「ふーん、これが私達と共存を望んでいる……。小さくて可愛いわね」

響「ば、バレてる上に悪評じゃない……?」

北方棲姫「ドウイウコト……? アオバッテ子ガナントカシテクレタノ……?」

 青葉の北方棲姫に関する新聞は観る者の心を打たれたのか、深海棲艦が鎮守府に居るという事に皆寛容的であった

明石と夕張は非常に強い興味を持ち、過去に沈みそうになって深海棲艦に少しはトラウマを持っているだろう白露すらも目を輝かせて北方棲姫を見ていた

だが1人と1隻だけがこの事に寛容的ではなく、朝から提督室にてタク提督と側にいた神州丸に色々申しており

大淀「あれは私に仇なす深海棲艦ですよ!!? 匿うなんてもしも上層部にバレたりでもしたら……あぁ恐ろしい……」

カーラ「……魔物さん、あれはどういう事? ……幾らあんな理由があったとしても……信用ならない。いつ私達に害なすか……」

神州丸「……大淀よ、それに関しては私も同感ではあるが……奴の事を話した第六駆逐隊は本当の事を言っている目をしていたし提督殿の意向だ」

タク「あれを野放しにするなんて可哀想だし……。それに完全にこちら側に付いてくれれば深海棲艦という強力な戦力が加わるし相手側の情報も知れる、万が一反乱を起こしたとしても単体なら全員で叩けば良い。ほっぽちゃんの姿は決してバラさせないし私の魔の力を駆使すれば少しだけ他人の記憶を消す事も出来るから大丈夫さ」

 記憶を消せるなら……と、渋々納得する大淀。確かに利用も出来るし万が一があっても1人だけなら大丈夫かという事で許す事にしたカーラであった。そして神州丸は北方棲姫の事をナチュラルにほっぽちゃんと呼び、もうそんな渾名を付けているのかと呆れに近い感心をした

色々話していると北方棲姫が提督室に入って来た。みんなに自己紹介したいし、逆にみんなからも自己紹介をされたいからみんなをどこかに集めて欲しいとタク提督に話してとりあえず提督室にみんなを呼ぶ事に

全員が集まると各々が淡々と自己紹介を済ませる。そして神州丸の番になり、唯一の陸軍である事を報告する。すると北方棲姫が何やら反応を示して──

北方棲姫「陸軍……? ……ソウイエバ女王様ガコンナ事ヲ言ッテタノ思イ出シタ。陸軍ノ将軍ト呼バレル人ヲ殺シテ成リ代ワッテ陸軍ヲ支配シテ、自分達ニ仇ナス艦娘ノ情報ヲ送ル様ニ陸軍ノ艦娘達ヲスパイトシテ鎮守府送ッテルッテ……。神州丸サンハドッチ……?」

神州丸「将軍と呼ばれる人を……殺……して……??」

 唐突な爆弾発言に唖然とする艦娘達と提督。そして将軍を殺してという発言に膝から崩れ落ちる神州丸

北方棲姫「エ、エット……ア! 確カ簡単ニ死ナサソウナ人ナラザル提督ガ居ルッテ報告ガ来テ、ソノ提督対策ノ武器ノ開発モ進メテルトカ言ッテタカモ……ソレッテモシカシテ……」

神州丸「そんなわけないそんなはずない将軍殿が死んだとか嘘に決まっているだって深海棲艦の言っていることだそれにもし真実だとしたら私は騙されていたことになるがでも真実なはずないだって将軍殿は俺は簡単には死なねえって過去わるい人に襲われ窮地に立たされたわたしをせいぎのてっついですくってくださったあのおかたが、そんな、しんでいる、わけ、ない…………」

タク「ど、どうした神州丸大丈夫……?」

 頭を抱え込んでぶつぶつと、真実を受け入れたくないのか涙を流しながら主に将軍が殺された訳ないといった事を言っている神州丸。

すると今度は北方棲姫を掴んで将軍殿が死んだのは嘘だよなと問いかけ──

北方棲姫「ウ、ウーン……ワタシモ他ノ深海棲艦カラ聞イタ事シカ知ラナイカラ絶対ニソウダトハ言エナイ……ケド、女王様含メテ全員ガ死ンダッテ言ッテタカラ死ンジャッテルト思ウ……事実陸軍ノ艦娘サン達ガ送ッタデアロウ連絡モ来テルシ……」

神州丸「あ……ああくそ……うそをついていない目をしやがって……しんじない……しんじたく、ない……うそだうそだ……しょうぐんどの、が……わたしの恩人……わたしのだいすきなしょうぐんどのが……しん……だ……う、うわぁぁぁぁぁぁぁんっっっ!!!!」

 深い深い関係であったであろう神州丸とその将軍。将軍が死んでしまったという真実を受け入れたくないが受け入れざるを得ない神州丸は……皆がいる提督室にて大泣きしてしまうのだった──

一旦自己紹介タイムは中止にし、各々持ち場に戻れとタク提督が艦娘達に命令を出し、泣きじゃくっている神州丸をソファに座らせる

その後も長い間泣いていて、ひとしきり泣き終えると少しずつ落ち着きを取り戻して行き──

神州丸「う、うぅ……す、すまない……自分でも自覚のない程取り乱していた様な気がする……。……本艦の大切な将軍殿は深海棲艦共に殺されていたのだな……。……そして成り代わって将軍を演じていて、本艦含めた陸軍の艦娘達を騙してスパイ活動を……本艦は取り返しの付かない事をしてしまったのだろうか。死を持って償うしか……無い……?」

タク「落ち着けそれ半分くらい将軍さんに会いたいだけでしょ。えーっと……偽の将軍さんに送った情報ってどんな情報がある?」

神州丸「……主に現在のこの鎮守府の状況や提督殿が魔物という人ならざる者であり、本気を出した後は疲労感に襲われてまともに動けなくなる事、エリー殿を作り出した事、あとはカーラ殿の事と深海信者と戦っている事辺りだ……」

タク「おぉ結構言ってる……が、別にバレても何とかなる程度の情報か。私の本気モードの後のこととか深海信者のあれこれは気になるけど、深海棲艦相手ならどっちにしろだし深海信者なら神州丸やカーラと共にボコボコに出来る」

神州丸「……だが情報漏れしてしまった相手は深海棲艦……どんな処罰でも受けるつもりだ。死刑でも良い、奴隷として無理な肉体労働をしても良い、これは許されることじゃない……」

タク「うーん、まぁ騙されてたのもあるしねぇ。これからも私と共に深海信者をぶち殺したりカーラちゃんの訓練の相手になれが罰って事で」

 罰があまりにも軽すぎる事に驚いた顔をする神州丸。

神州丸「……そ、そんな罰で良いのか……?」

タク「勿論。大事な仲間を騙してた奴の方が悪いしそれに私の性格が鬼だったとしても強力なコマである神州丸を手放すわけにはいかない。神州丸だって大事な人を殺された仇を討ちたいはずだ」

神州丸「……そうだ、私にはまだ将軍殿の仇を討つ役割が残っていた……。……私の恩人たる将軍殿を殺した深海棲艦は絶対に、絶対に、絶対にこの手で殺してやる……。ただ殺すだけでは無い……私の悲しみと同じくらい痛み付けてから殺す……虐殺だ」

タク「ふふふ……その意気だ。恐らくは今成り代わっている奴が将軍殺害の犯人だろうけど……、他の陸軍はみんな偽物を本物と思ってそうだしまずはその説得から始めなきゃだね」

神州丸「……そうだな、まずは……この前あっちからの報告にもあった佐世保の鎮守府、舞鶴の鎮守府にそれぞれいるあきつ丸、熊野丸の説得から始めよう……。そして時が来たら提督殿にカーラ殿、髑髏の魔物に北方棲姫、陸軍艦娘を揃えた軍隊で犯人の深海棲艦をこの手で殺めてやる……!!」

 大事な将軍を殺した深海棲艦を絶対に殺すという殺意を胸に宿した神州丸。

復讐の為にまずは同胞たる陸軍の説得を行う事に、雪風が旅行している舞鶴の方から先に行った方が時雨にもついで教える事が出来て楽だから舞鶴から行こうとタク提督が言う

うむ、と返事をすると早く復讐をしたい神州丸は涙を手で拭きながら早速舞鶴へ向かう事に。

白亜香の仕事はエリーに任せ、タク提督は神州丸と、将軍が死んだ事の証人である北方棲姫を抱えて高速空中浮遊をして舞鶴へと向かうのであった──

 

 

〜次回へ続く〜

 

 

オマケtext

 

エリー「……留守を任されてしまいました。神州丸さんも何やら大切な方が亡くなってしまって大変でしたし……。しかし舞鶴に向かう前に見せてあげたかったです、戦いの経験が殆ど無かった曙さんが改への改装を果たしたんですもの……!」

曙「提督が帰ったら私の強くなった姿を自慢してやるわっ!」

 

……………

??「……なるほど、呉の雪風が佐世保の時雨と共に舞鶴鎮守府に訪れ、その後温泉旅館に寝泊まりとな……、了解した。…………ハァー、疲レル……コイツ(将軍)ノ真似事シテル時ダケソレッポイ口調ジャナイノイケナイノマジダリ〜。マァデモ……コイツノ真似事シテルオカゲデ私達ニ有益ナ情報ガ入ッテ来ルンダケドネ、アリガトウ熊野丸サァン♡ ……デ、呉ノ雪風ハトモカク佐世保ノ時雨ガ旅館デ寝泊マリ……コレハ襲撃ノチャンスネェ〜……深海航空機デモイッパイ向カワセチャイマショウカ、クッフッフ……。……デ、アキツ丸ノ方ハ、アッチノ提督ガ風邪ヲ引イタト……。私達ニハ風邪ノ概念ハイマイチヨク分カラナイケド、人間ガスゴーク弱体化スル現象ダッタハズ……コッチモ大チャーンス、ネ♡ コッチモ深海航空機出撃〜♡ オット、コノ事モシッカリ女王様ニ伝エナキャ……。ナンカ裏切ッタ奴ガ居ルトカ聞イタケドソイツノ始末ハ完了シテイルカナ確認モツイデニ聞コット」

 

……………

??「……最近よく聞く呉鎮守府の話題……、もしかして私の司令官が戻って来て鎮守府業務を再開してたり……?! ……そんな事は無いでしょうけど、行ってみる価値はありそうね。明石さんとか夕張さんもいるかしら……」

 

……………

 

  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。