吾郎の妹ポジになった転生者   作:とくめいです

13 / 68
アクア(吾郎)視点でお送りします。

お気に入り200突破、UA10000突破ありがとうございます。


13

「ふぁー、あうあんぁー(あー、ハルちゃんだー)」

「えへ、ルビーちゃん。こんにちわ~」

 

 ハルナに挨拶するように声を出すルビー。人懐っこい子みたいで、特に違和感なく受け入れてる様子だ。

 

 ハルナは中学校から戻ってきて制服から着替えたと思ったらすぐにミヤコの手伝いに入る。彼女が勤勉だとは知ってはいたけど、立場が違うと非常に申し訳無く感じる。ゴメン、赤ん坊で。

 

「ハルナちゃん居てマジ助かったわ……一人だと詰んでたわ、コレ」

「一人でも大変なのに双子ちゃんですから」

 

 ついさっきルビーのオシメを替えたミヤコ女史はかなり疲れた様子。その前は俺が面倒かけたし、本当にスマヌ。

 

「ミヤコさん、お疲れなら休んでていいですよ?」

「そう? なら事務所に行ってるからあとお願いね。アイならいつも通りに戻ると思うから」

 

 ミヤコは経理の仕事までしてるので実のところかなり忙しい。B小町の活動に社長が付き添うとその間の仕事は全部彼女がやる羽目になる。

 お疲れ様です。

 

 ハルナはルビーをあやしながらミルクの用意をしている。卒のない動きに少し感動だ。

 

 ハルナはこっちの中学校に進学した。授業が終わったら育児の手伝いにやってくる。寝泊まりするのは斉藤社長の家で、そちらはここから近くのようだ。ひょっとしたら同じ棟内にあるかもしれない。

 

 事務所とやらは多少離れているらしいが自転車で行き来できる距離だとか。おかげで運動できるとミヤコは喜んでいた。

 

「アクアくーん。げんきないですか?」

 

 おっと。考え事してたらハルナがこっちに来てた。にへらと笑うとハルナが嬉しそうに笑う。

 

「よかった。少し眠いのかな?」

「あぁら、ひおーい(やだ、キモーイ)」

 

 抱かれているルビーがなんか言ってるけどよく分からん。ハルナがやんわりと抱き上げてくれるとルビーとの距離も近くなる。

 

「ひあおん゙あ、ひお(近寄んな、キモ)」

「あ?」

 

 なんかディスってないか、コイツ。いや、まさかな。にらんでやると出来もしない口笛吹く様子までする。顔はいいのになんか残念でアホな気がする。アイの子だからアホなのは少し納得がいってしまうけど。

 

「まぁま、まぁま(ママ、まんま)」

「お腹すいたかな? アクアくん、ちょっと待っててね」

 

 俺をベッドに置いて、台所に行くと用意していた哺乳瓶を手に取る。手首で温度を確かめてからルビーの口元に当てた。

 

「う、う、」

「ルビーちゃん、あわてないでね。ゆっくり、ゆっくり」

 

 角度を調節して一度にいっぱいいかないようにしてあげてる。飲み終わったら、背中をとんとんと叩いている。けぷっとゲップを出すルビーは、先ほどと違って可愛く見える。

 

「あうあぁん゙?(ハルナちゃん)」

 

 ニンマリと笑ってハルナの胸を触るルビー。

 

「ひゃっ? ルビーちゃん、私はまだ出ないのよ?」

「あうあう〜(ま、そうだよね〜〜)」

 

 あのヤロウ……。ハルナにセクハラしやがった。……落ち着け、相手はガキだ。殺しはしない。

 少し顔を赤らめたハルナがルビーをベッドに置いてこちらを見た。

 

「あ、アクアくんも、いるかな?」

「あう」

 

 この身体は一気にミルクを飲めないので一日に何度も飲むことになる。アイは現場復帰のために朝から居なくて、夕方帰ってくるのでその間の授乳は哺乳瓶ということになるのだ。

 

 ちなみに。

 アイの母乳は意識の無い頃はともかく、今は断ってます。理由? そんなの決まってる。推しの乳房に貪りつくとか解釈違いも甚だしいわっ!

 

 台所で用意をしてからこちらに来たハルナ。なんか手間かかってたけど、まあいいか。横抱きに抱き上げられて、哺乳瓶を咥えさせられるとこくこくとミルクを飲んでいく。かー染み渡るな、このミルクッ(イミフ)

 飲んでる最中に、ついハルナの胸元に目がいってしまった。ルビーが変に意識させたせいだ。

 

 ふむ……ま、慎ましくも育ってはいるようで。まあ、いいんでない? 俺、実は巨乳派だけど、微乳には微乳の良さもあるし。ちなアイは普通サイズ。

 

「あ、アクアくんも興味、ある?」

 

 その視線に気付いたのか、ハルナがそんな事を口走った。すっとボタンを外すと、そこには真っ白な柔肌と、、、

 

「ふぎゃー」

「わっ」

 

 慌ててシャツを被せて難を逃れた。というか見てしまったじゃないか。

 

「……アイさんじゃないから、無理かな」

 

 そうじゃない。いや、そうだけど、そうじゃない。

 

「はーい、よく飲めましたね」

 

 とんとんと背中を叩いて誉めてくれるハルナ。ある意味アイよりも手慣れてて世も末な感じがハンパない。いや、なんでそんな慣れてんだよ。看護師の連中、何教えてんの子供にさ。

 

「3ヶ月検診がこの日で、予防接種は……」

 

 それが終わると今度はスケジュールの管理を始める。サポートユニットが凄すぎて、アイ本人が段取る手間は何もない感じだ。まあ、アイは復帰に向けて体力作りとか練習とかもあるので余計な事をしている暇はないので已む無しという所だけど。

 

 その後、寝落ちした俺が起きたら、アイと話すハルナの姿が目に入った。すでに帰っていたらしい。

 

 

「ハルちゃんいてくれて助かった〜。ありがとね」

「いえ、そんな。責任を果たしてるだけなんで」

 

 ハルナはそう言って謙遜してる。すると、アイが抱きついた。

 

「ほんとに、ごめん。こんなことになるなんて、思ってなくて」

「……気にしないで、下さい」

「なるよっ だって、あんな」

「……ぐす」

 

 (こら)えるようなちいさな嗚咽。それはアイの方にも伝わって、やがて二人のすすり泣く声だけになった。

 

 

 

 

 ──俺が死んだのは不可抗力だ。

 

 不審者見つけて追っかけたら一緒に落ちただけの話で、間抜けにも程があった。だから笑えという訳ではないけど、そこまで悲観しないでほしい。

 

 ハルナにとっては唯一の保護者だったから落ち込むのは分かる。責任を果たせなくて申し訳ない。その件については社長達には感謝してもし切れない。

 まあ、病院長とか色々と頼りにはなっただろうけど、あんな山奥にずっと縛り付けるのは少々勿体ない。

 磨けば光ると思うんだ、君は。アイドルやれとは言わないけど、もっと選択肢を広げて欲しい。

 

 

 アイにとっては、まあ責任を感じるかもしれない。アイの事を知ってたアイツは、おそらくファンが高じたストーカー。それを知ったら自分のせいで俺が死んだと考えても不思議じゃない。

 でも、俺は彼女を守って死んだ訳じゃないのでそこは気にし過ぎだと思う。道端で死んだ猫のようなものと思ってくれて構わないんだ。

 

 

 

 まあ、推しと自分の妹分が抱き合って泣いてるとか。てぇてぇすぎて、悶死しそうになる。

 

 ちなみに、ルビーは健やかに寝ていた。

 平和だな。




星野愛久愛海(雨宮吾郎)

まだ、喋れない頃。なのでルビーが何か言っててもいまいち理解出来てない。身体が、ミルクを欲しているっ!(本能)

雨宮ハルナ

中学生になりました。制服は原作ルビーのものと同じ。つまりオナ中。ちょっとずつ成長はしている。たぶん。双子ちゃん抱いてる時はふにゃっとした笑顔になる。

星野瑠美衣(さりな)

同様にまだ喋れないのでコミュは取れてない。あうあう言っててカワイイね。アクアの事は百合の間に挟まる間男だと思ってる。ある意味正解。

星野アイ

アイドル復帰に向けて活動中。帰ってきた後の育児から夕食、朝食の準備までハルナがしてくれるので非常に助かっている。

斉藤ミヤコ

朝にアイが出てからハルナが帰ってくるまで育児を分担している。法的な手続やお医者さんにかかる時も彼女の分担。でも、ハルナがいなかったら早々に潰れていたのは間違いない。

斉藤壱護

出番なし。裏では頑張ってるはず。男は黙って背中で語れ。
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。