吾郎の妹ポジになった転生者   作:とくめいです

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今回は初めての人がフィーチャーされます。一体誰が(使い古された構文)



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 ほんとうに世の中の連中は分かってない。アイの本当の凄さが分かってないし、育児と仕事を両立させるスーパーレディだって理解してない。あ、それは理解されちゃダメか。なるほど、難しい。

 

 わたしの名前は、星野瑠美衣。今をときめくB小町の不動のセンター、アイの娘だ。あ、今は活動してないからセンター誰だっけ。ま、すぐに入れ替わるから待っとけや♪

 

 元々はさりなって女の子だったんだけど、気が付いたらアイの娘として生まれ変わってたみたい。なんか、ヒロインぽくない? いやー、照れちゃうなぁー↗ アイ譲りの容姿と物語になりそうなシチュ、コレはもう未来のアイドル確定でしょ。勝ったな、ガハハw

 

 まあ、おふざけはこれくらいにして。でも、この奇跡は本当に嬉しかった。人生の殆どを病院のベッドの上で過ごした私には、考えられない事だから。本当はまだ生きてて、ベッドの中で寝てる間の夢なんじゃないかと思っちゃうくらい。

 

「ルビー。おっぱいのむ?」

「あうぅ」

 

 アイがそう言って抱き上げる。余人が見たことのない至高の乳房にむしゃぶりついて、乳首から出る母乳を吸い上げていく。なんとも濃厚なママの成分が染み渡るぅ♡

 

『くくく……見てる見てる』

 

 こちらを覗いては目を背ける、まるで思春期の坊やのような行動をしてるのはわたしのお兄ちゃん、愛久愛海(あくあまりん)。なかなかにパンチの効いた名前だと思う。たぶん一度聞いたら忘れない、絶対。

 

 このお兄ちゃん、マセてるのかアイの母乳を飲みたがらないのだ。初めはなんでそんななんだろうと思ってたけど、最近理由が分かった。コイツ、たぶん童貞だわきっと(←意味分かってない)

 

 そんなわけでママのお乳をひとり占めした私はご満悦で愉しんでいる。こうやって煽っても飲まないんだから本人のせいだよ、私は悪くない。

 

「アクアくん、ミルクですよ」

「あう」

 

 そんな彼にハルちゃんが哺乳瓶でミルクをあげはじめた。……ま、いいけど。

 

 ハルちゃんこと、ハルナちゃんは私が居た病院、宮崎総合病院の医師、雨宮吾郎せんせの親戚だ。正確には再従姉妹だっけ? いまいち詳しくは分からないけど。

 

 病院で見た時はまだちっちゃかったけど、もうさりなの頃と同じくらいに成長してた。儚げ系美少女とでも言うのかな? お人形さんみたいでとても可愛い。髪の色は薄い栗色なんだけど、瞳の色はせんせと同じ琥珀色。親戚だって言われて納得だ。

 

 ハルちゃんがここに居る理由は知らないけど、知った顔が居るのは素直に嬉しい。ほんとはせんせが居てくれた方がいいんだけど、お医者さんだから無理なのかも。

 

 でも、わたし。生まれ変わったんだ。せんせとも結婚出来るようになったよ。年の差が結構あるけど、そこは愛の力で乗り越えよう。

 

「はーい、ごちそうさまー」

「けぷ」

 

 そんなこんなで飲み終えた私は、はしたないけどゲップを一つ。どうしても出ちゃうんだよね。

 

「アクアも飲む? おっぱい」

 

 ぶんぶん。あんなに頭振って大丈夫かな。たしか乳児って頭の座りが良くないとか言ってた気がする、せんせが。

 

「アクアくん、どうも苦手みたいで。私のも拒否したくらい」

「えっ、ハルちゃん試したの?」

「い、いえ。近づけただけです。そしたらそっと戻されて……」

「そーなんだよね、なんか私もこないだ戻された♪」

 

 ええ……なんか逆にヤバくない? だって乳児なんだよ? 本能を止めるって、出来るの?

 

「アクアはシャイなんだね」

「シャイ……ですか?」

 

 ……それも違うと思うのママ。シャイってつまり恥ずかしいって思ってるわけで、赤ん坊が恥ずかしがるわけないんだもの。

 

 ハルちゃんは不承不承だったけど、いちおう納得したようだけど。私の目は誤魔化されないわ。

 

 ぜったい、正体暴いてやるっ!

 

 

 

 

 と、意気込んではみたものの。声が出なくては確かめようもない。ママが寝付いてから、少しずつ声を出す練習をしていた。日々のレッスンで寝付きの良いママは、滅多なことでは起きない。よく考えたらママだってまだ十代の子供だ。寝るのは悪いことじゃない、よね?

 

「あ、い、う、え、お」

 

 これは言えた。ちょっと舌足らずな感じだけどカワイイからヨシッ!

 

「くぁ、くぃ、くぅ、くぇ、くぉ」

 

 子音が入るとやっぱり難しい。でも、何とかなりそう。ゆっくり言えば伝わるかも。

 

 何日か繰り返すと、自然に言えるようになってた。やっぱ天才じゃない、わたし?

 

 とはいえ、いきなり喋り始めるのもどうかと思うので少しだけ様子を見ることにした。それにあうあう喋ってるとママやハルちゃんが甲斐甲斐しくお世話してくれるから。

 

 疲れた前世の魂に、この優しさはすごく甘美。思わずずっと甘えていたくなる。ミルク飲んで、オシメ替えてもらって、おフロも抱っこで入れてもらえる。……あ、昔のこと思い出しちゃった。

 

 身体の自由の効かない私は、週に二回のお風呂も介護無しには入れなかった。看護師たちさんが悪いわけじゃない。私が居た堪れないだけなんだ。こんな私が生きてるから、迷惑をかける。そう思うことも多かった。

 

 だけど、今の私は赤ん坊。当然のように一人では何もできない。ある意味無敵なわけですよ。そんなわけでこの生活をエンジョイすることに私は決めたっ!(後のことは後で考える)

 

 夜毎の発声練習の必要がなくなると、次に私がやりだしたのはアンチとの熾烈なバトルだった。ママの携帯で調べたらアンチというのは何処にでもいる。これを駆除するのは私の責務だ。

 

 ちいさな手と指で携帯を操作し正論をかますと、アンチは目先を変えてディスり始める。それを一つ一つ潰していくのはまるでモグラ叩きのよう。あらかた潰した後に声がかけられた。

 

「なあ。お前もしかして俺と同じか?」

 

「え……赤ん坊がしゃべった? キモッ!」

 

 思わず出た言葉だった。それはそうだろう。私は悪くないっ!

 

 

 

 

 どうも、お兄ちゃんも私と同じ前世の記憶のある子らしい。珍しいこともあるもんだ。でも、あのキモい行動にも合点がいった。

 

 あいつ、前世は童貞でキモオタだ。

 

 おっぱいちろちろ見たりして。でも出されたら吸い付く度胸もない。堂々とむしゃぶりついてみろよ。アアン? 前世が女かとか聞いてきたから、うんと答えたら「まあ、ギリゆるせるけど」とか言ってきたので煽り散らかした。

 

 というか、前世の事に縛られ過ぎてない、コイツ。厄介オタクの素質あるわ。赤ん坊なったんだから、もう少し楽しめよ、深く考えんなよ。

 

「あー、ママかわいそう。私が一生守ろぉ」

「絶対お前の方がキモいよ」

 

 最後にそう返してきた。

 可愛げがないな。

 

 でも、意外といい気分だ。

 

 気軽にぽんぽん物が言える環境に無かったせいか、思ったよりも楽しいのだ。

 

 長い入院生活というのは軋轢の中で暮らすようなものだ。看護師さんやお医者さんの機嫌を悪くするなんて出来ない。

 

 自然と物分りの良い「さりな」を演じるようになった。そうして溜まったストレスは次第に大きくなった。いつか弾けてしまうかも。そう思うとさっさと死んでしまいたいと思うくらいだった。

 

 そのガス抜きを教えてくれたのがせんせなのだ。アイドルという存在を教えてくれて、どハマリすることで私はかなり救われていた気がする。

 

 もちろん、素のわたしなんて見せられないけどね。幻滅されちゃうもの。

 

 せんせ、どうしてるかな?

 ハルちゃんがこっちにいるってことは、ひょっとして結婚? ダメダメダメ、絶対ダメーッ

 

「お、どうした急に」

「お、オムツ交換したいからあっち行って」

「はいはい」

 

 おんぎゃーと泣くとミヤコが来てのそのそとオムツを交換する。多少疲れが見えるけど、平気?

 

「はー、ハルナちゃん居るとはいえ、昼間は私がやんなきゃなんないのよね。私、社長夫人なのに」

 

 独り言をぶつぶつと言ってる。まあ、分からなくもないけど。すると、すっと抱き上げられた。

 

「しゃあないかな。私より若い子が頑張ってるのに、私が弱音吐くのは格好悪いものね」

「あう?」

 

 よしよしと頭を撫でてくれるミヤコ。うん、ママに尽くす幸せを甘受できたようで何よりだ。これからも尽力するように。

 

 

 

 

 

「時に、ハルちゃんのこと知ってるの?」

「い、いや。社長の子どもじゃ、ないの?」

「はー……ま、いいわ」

 

 詳しく説明しても意味無いもの。知らないならそれでいい。ハルちゃんがここに居るって事はせんせは今はフリーだし。

 

 もし結婚してても略奪してみせるっ!

 それが私の生きる道よっ!




星野瑠美衣(ルビー)

言わずと知れた推しの子ヒロイン。なんと今まで十話以上あるのに一度も作者に推されてなかった。タヒれ(ごもっとも)。
自由奔放、天真爛漫を地で行く愛されキャラ。さりなちゃんの頃からの反動でこういう感じになった。何も出来ない人生もあるんだよ→何でも出来る、ヤッター♪

星野愛久愛海(アクアマリン)

もういい加減フルネーム書くのやめるか、面倒だし。ルビーの感想はすごく分かる。インパクト凄いよね。ルビーの事をさりなちゃんだとは微塵も考えてない。
『いや、あれは厄介オタク女だよ、間違いない(迷推理)』

星野アイ

翌日、携帯の電池切れ気付かずに出掛けて連絡取れずに困り果てた。ルビーは充電を覚えた!

雨宮ハルナ

ルビー的にはハルちゃんの知ってる情報はそんなに多くない。なので社長がアイドルとして見初めて連れてきたくらいに考えている。お胸を叩いたのはスキンシップのフリしたセクハラ……ではなく成長を確認してたらしい。
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