吾郎の妹ポジになった転生者 作:とくめいです
そう言えば試写会行ったの、いつぶりだろ?
いつの間にかお気に入りが600を突破してましたっ! 読んでくださる皆様に支えられてます、モチベーション的に。ついでに評価や感想なども頂けると嬉しいな♪
ヽ(=´▽`=)ノ
『安楽椅子探偵 黒の事件簿スペシャル 【シェフ多すぎ!? 子供になった名探偵。でもそんなの関係無いわ、正義は勝つっ!!】』……確か正式な邦題はこんな感じだった、ハズ。長過ぎじゃない? これが流行り? 子どもの文化って、やっぱ分かんねぇわ(笑)
まあ、それはそれとして。
映画の公開は秋ごろと決まった。
普通、こういうのは春休みとか新春とかを狙うんじゃないの? え、? そういうの、流行ってない? なんか、凄いギャップを感じちゃうな……これが現代のサブカルなのか。
「ほら、アーくん」
「う、うん」
ハルナが紙コップを差し出してるので、ストローを口に含む。オレンジジュースの爽やかな味が口内をリフレッシュしてくれる。
ハルナの膝の上でスクリーンを眺める。ある意味特等席だ。今回は試写会なので、抽選に当たった人か、招待された人しか観ることは出来ない。
俺は隣に座るミヤコとルビー、そして珍しく引率を買って出た社長を見た。
……映画見るときくらいサングラス外せよ。そういや、外したトコは見たことないな。そんなに目が悪い訳でもないのに頑なに外さないその姿勢は、ある意味尊敬に値する。キャラって大事だよね。
左隣には有馬親子の姿もある。やはり招待されたのだろうが、二人ともめかし込んでいた。
「どきどきする……」
「お前も緊張とかするの?」
いつも平気な顔して演技してるから緊張なんかしないと思ってたら、変な顔された。
「するに決まってるでしょ。わたしをなんだと思ってたの」
「(演技の)鬼」
「はあっ?」
「まあ」
あ。ぽろっと本音が漏れてしまった。有馬は目をひん剥いて怒り、有馬の母は少し驚いた顔をしてる。さすがに失礼だったかと謝ることにした。
「ごめんなさい。演技の鬼、という意味です。芝居に対しての姿勢が凄すぎたので」
有馬親子に向けた謝罪に、ハルナも頭を下げる。
「申し訳ありませんでした。後でよく言ってきかせますのでご容赦を」
「いえ。そこまで気にしなくても……」
ハルナの謝罪に有馬母はそう答えた。
けど、俺の方を見て不思議そうにしている。
「……もしかして。アクア君はもう漢字読めたりします?」
「え? ……朝に新聞を読むのが楽しいようです」
「わたしも読むわ。マンガが面白いの」
「毎日気になりますよね」
「……」
ハルナがはぐらかしたのは、流石というべきか。まだ幼稚園にすら入らない幼児が新聞を読むわけがない。かなの発言もナイスなフォローだ。
でも。有馬母はこちらをガン見してる。
ミスったかなぁ?
「うあーん」
と、そこに泣き声があがった。あげたのは俺達と同じくらいの子供で、母親と小学生くらいの子供がいた。上の子はゆるふわな髪をしてるけど泣いてる幼児の方は黒髪で癖がなさそうな髪質。どちらかと言うと母親は下の子と似ている。
そう言えばここに集められたのは招待客と抽選枠。どちらかと言うと招待客の方が割合が高いように見える。つまり、招待される理由のある人間が多い。たぶん、芸能人か、それに近い人なのだろう。顔面偏差値の高さからそう思えた。
「ハルねー、トイレ行きたい」
「はい。失礼します」
有馬親子の横を俺を抱いて通り過ぎるハルナ。
「ハルねー、ありがと」
「どういたしまして」
中座するいいチャンスが出来たのでトイレへと離脱。有馬母の追求を少し逸らそう。
と、思ってた自分は浅はかでした。
「うう……」
「はい、どうぞ」
抱き上げられて、下半身を曝け出された。
義妹に。
久々の羞恥に顔が赤くなるが、やらねば来た意味もないし、実のところ催してはいたので仕方なく……早く大人になりてぇなぁ(切実)
なお、女子トイレというのも非常に宜しくない。
「私も」
「あ、外に居るよ」
「? 一人でお外にいるのは危ないですよ?」
ハルナは疑問にも思わない。そりゃそうか。今のオレ、幼児だし。恥ずかしいとか思うわけ無いもんな。
でも、俺は恥ずかしいんだっ!
「うー、おそとでまつーっ!」
扉をトントンと叩いて駄々をこねると、仕方なく扉を開けて外のベンチまで連れてきてくれた。ベンチに持ち上げて人差し指を立てて一言。
「じっとしてて下さいね」
「分かった、ハルねー♪」
訝しげな顔をしながらも女子トイレに消えるハルナを見送り、俺は内心汗を拭っていた。
『さすがに目の前でそれを見るのはダメだろうっ!』
今のオレは幼児だけど、中身は大人の男なのだ。目の前で排尿行為とか見せるなんて……ヤバいだろう。それはマズい。倫理的に。
「ふう……ん?」
そこに、先ほどの親子連れがやって来た。
母親は小さい娘をあやしてて、そのスカートの裾を握る少女。
「ボク、ここ、いいかしら」
「どうぞ」
と言って端の方にずれる。すると母親は少し驚いたようだ。
「あら。それじゃ、失礼して。ころも、座って待っててね」
「うん」
ああ。オムツね。確かにそりゃあムズがるわ。俺らと同い年だとしても外れてる可能性は半々くらいだ。俺達が早かっただけで一般的にはそんなものだろう。
「きみ」
「え?」
隣に座る少女が声をかけてきた。
「カッコイイね」
「あ、ども」
「それに落ち着いてる。フリルとは大違い」
「フリル?」
フリル……あれか? 服飾の一つでひだ飾りとかいうやつか? この子の着てる服も確かにフリル多いけど、それじゃ意味が通らないな。
「あ、私の妹ね」
「あ、名前か」
なるほど。
ヒトの名前か……またキラキラネームか。この子は確か『ころも』とか言ってたよな。キラキラネーム流行ってんのかよ。育ったあとのこと考えてくれよ、親御さん(諦め)
「あ……」
と、彼女は顎に手を当てて考え始めた。
すると、ぽん、と手を叩いた。
「ヲタ芸の双子ちゃんだ」
「やっぱその話出んのか〜」
どんだけ広まってんだよ。
「あと、東松屋のコマーシャルにも出てた」
「おおう……」
それは俺のトラウマだから。上半身裸で歩き回るとか、なんの羞恥プレイだよ。ちなみにルビーはちゃんと上着着てた。ジェンダー差別だと訴えたい。
「あっちの女の子はいないの?」
「中にいるよ。俺はトイレ休憩」
「なんだ、残念」
あからさまに肩を落とす少女。まあ、俺なんかよりルビーの方が可愛いしな。それは当然か。
と、思ってたら。
少女はこちらを向いて顔を寄せてきた。
「な、なに?」
少女の赤みがかった瞳がこちらを伺う。
顔がめっちゃ整ってるし、距離も近いしで緊張してきた。
「目がきれいだね」
「え、ああ。ありがとう」
「濃くないけど深みのある青……吸い込まれそう」
そう言って、じっと見てる。視線を逸らそうと顔を動かしたら両手で挟まれた。
「うぐ?」
「すごく、きれい……」
「あ、あの?」
そこに救いの女神が現れた。
声を掛けられた瞬間、弱まった所を抜け出してハルナの元にダッシュ。ハルナは普通に受け止めてひょいっと持ち上げてくれた。
「むう……逃げられた」
「助かったよ、ハルねー」
「あの、どういう状況なのですか?」
「あっ」
少女は先程より大きな声で指を指す。
「ハルだ。本物だぁ」
ぱあっ、と明るく微笑む少女。ファンサは大事だと言われてるハルナは、軽くポーズをとって応える。
「『STARRY the Moon』のハルです」
「ほわぁー♪」
少女は、ただのファンと化していた。
「うちのコがすいません……」
「お気になさらずに」
「ハル、ありがとお♪」
サインを貰ってご満悦の少女。母親の方は恐縮しきりである。トイレに来てる人間が少なくて良かったよ。大騒ぎになるかもしれないからね。
「不知火さんがいらっしゃるとは思いませんでした」
「斉藤さんも事務所構えたんですね。挨拶にも行かないで申し訳ありません」
「いえいえ。気にせんで下さいよ」
そんな会話をしてる社長と母親。どうも知り合いらしい。戻らない俺達を気にして来たらしいけど、知り合いなら話くらいするか。
「はる、ちゃん?」
「はい、ハルですよー」
「いいなぁ。ハルに抱っこ……」
母親さんは大事な子供(フリルちゃん?)をハルナに任せてていいの? まあ、子どもの扱い方凄い上手いけどさ、ハルナは。
そしてハルナに興味の移った少女の方は、俺を放置してハルナばかり見てる。楽になったから結果オーライだ。
そこに構内放送が入った。上映時間らしい。
慌てて戻る俺たちに少女がちょいちょいと手招きする。ハルナは無視出来ない性格なので、俺を抱えたまましゃがみ込んだ。
「ね、名前おしえて?」
「ええ、やだよ……」
なんでいきなり名前教えなきゃなんないの。リスクヘッジだよ。
「ぶぅー、私の名前、聞いてたくせに」
「ぐっ」
そう言われると弱い。仕方ないのでアクアと答えた。本名なんて言うわけ無い。
「ふぅん、アクアか。いい名前だネ♪」
「どうも」
くす、と笑ってばいばいと手を振る。あれは将来とんでもないタマになるな。男を手玉にとるタイプだ、くわばらくわばら。
「可愛い子でしたね」
「ハルねーのがかわいいよ?」
「……アーくん。そういう事はほいほい言ってはいけませんよ?」
あんまり言ってないと思うけど?
有馬くらいじゃないかな?
ともかく会場に戻る俺たち。社長がネクタイを緩める姿を見えた。
「そーいえば壱護さん」
「ん? どうした」
「あのお母さんと知り合いだったみたいだけど誰なの?」
「ああ……」
社長は少し遠い目をしていた。
「不知火
そう答える社長の顔は、苦いものを飲み込んだような顔をしていた。
星野アクア
女子トイレで下半身をさらけ出すとか、字面がヒドイ(笑) とはいえ子どものうちはよくあることなので……強く生きてとしか言えないw
星野ルビー
今回は無言なルビー。ミヤコに抱かれるのも存外悪くないと気付いたのか。
斉藤ミヤコ
こちらも無言。まあ、試写会とはいえ喋るのは関心しないので正解ですね。
雨宮ハルナ
アクアの椅子になる。それで全然満足だし、彼らの活躍を見れるのならいくらでもオッケー。伊達眼鏡を掛けただけなので分かる人には分かります。それでもアイに比べたら知名度は低いので。
不知火親子
かぐや様からオリ設定発動。ころもは小学校低学年、フリルは同い年。母親の花緒さんは元アイドルという事にしました。
斉藤壱護
不知火母とは知り合いの模様。