半分少女のヒーローアカデミア   作:Akafuku2000

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ちょっと開きましたね。水穂と爆豪の試合をどう書こうか悩んでたらこんな季節になっていました。申し訳ないです。


半分少女とトーナメント3

半分少女のヒーローアカデミア

 

試合会場の廊下、控え室に向かって歩く。道中考えるのは忌々しいアイツら……

 

俺には昔っから気に食わないやつが2人いる。最近もう1人増えて腹立たしいことこの上ない。その気に食わないやつというのはデクとクソメッシュのことだ。前者はクソナードで大して何もできねぇ、あまつさえ無個性だったはずのくせにヒーローなんて一端の夢を語りやがる。後者は中学ん頃いきなり現れて、生意気にも俺に張り合ってくる。加えて事ある毎に突っかかってきて鬱陶しい女だ。

 

次の決勝戦はクソメッシュと当たる。アイツを打ちのめして完膚なきまでの1位を取る。

 

「あ?」

「ん?あぁ爆豪か。」

 

控え室のドアを蹴り開けた先に居たのは、あの気に食わないクソメッシュ。てかなんでコイツがここにいんだ?控え室は選手で別だろうが。

 

「ッア!ここ2の方かよクソが!」

「………」

 

俺の方を見て少し口を開いたかと思えばずっと黙ってやがる。なんだコイツ……嫌に静かだ。いつもならギャーギャー減らず口叩いてくんだろうが!舐めてんのか!?

 

「おいクソメッシュ、随分スカした態度だな。テメェ、半分野郎に勝ったからって調子乗ってんのか?俺のこと舐めてんだろ!アァ!?」

「別に……」

「戦う前に勝った気かよ……ふざけんじゃねぇぞ!!!」

 

苛立ち紛れに目の前で机を爆破してやる。してやったのに眉1つ動かさねぇ。まるでコイツが半分野郎になっちまったみてぇだ。

 

「いいか!テメェと半分野郎に何があったかは知らねぇ、興味もねぇ。ただ半端は許さねぇ。本気で来い、それを俺がねじ伏せてやる。」

「うん……」

「チッ!」

 

力任せにドアを閉め、控え室を後にする。クソッ!気色悪ぃ……最後の表情も意味不明だろ、なんであんな申し訳なさそうな顔しやがる。誰に?俺にか?今まで散々ふざけた態度してきたが、今回のは特別ふざけてる。

 

決勝でやりあえばいい。あの腑抜け面をぶん殴って本気にさせてやる。

 

 

※ ※ ※

 

『雄英校体育祭もいよいよ大詰め!1年生の頂点がここで決まる!やろうぜ決勝戦!ヒーロー科 加山水穂!バーサス!!ヒーロー科 爆豪勝己!』

 

さっきと変わらねぇ湿気た顔が対面に現れる。この土壇場でまだそんな顔出来んのかよ。

 

まぁいい、それよりもアイツが初手からどう来るかだ。クソメッシュはうぜぇが雑魚じゃねぇ。個性も強えがそれに頼りきらない身体能力もある。そして得意技はあの水蒸気爆発による加速……向こうも俺が長期戦に強えって知ってる、柔な遠距離戦は仕掛けて来ねぇはず。

 

なら、来るのは急加速による接近戦

 

『今!スタートォ!』

 

「なっ!!」

 

水流?クソメッシュ……近接戦を避けやがった。半分野郎が同じ手を取るならやる価値はあるが、何考えてやがる。

 

……ふざけんなよ

 

「半端なことすんなって言ったよなあああ!?」

「ダメか!」

 

爆破で飛び上がり、一気に距離を詰める。

 

……平面に展開してた水流が収束して蛇みてぇにおってきやがるな。そもそも俺の爆破とアイツの水は相性が良くねぇ。まともに食らえば汗を流される。けどな

 

「遅せぇよ!!」

「こなクソ…!」

「それも甘ェ!!!」

 

掴みかかる寸前で下から別の水流が突き上げてくるが、それも読みの範疇だ。方向転換し後ろに回る。掴んだ、クソメッシュは水流の操作に意識を割かれてる、反撃できねぇよなぁ?

 

「バカにしてんじゃねぇぞ!!!」

「やっば…!」

 

場外目掛けてぶん投げる!

 

『加山!水流で場外アウト回避ィ!ウォータースライダーって楽しいよなぁ!?』

 

ダメか……ただ投げただけじゃ粘られる。さっきの時、爆破の2、3発食らわせてやりゃ効果はあったかもな。

 

見るに水流の勢いそのまま突っ込んで来る気だな。俺に有効打を与えるには近づくしかねぇ、そこをカウンターでぶちかます!

 

「死ね!!!」

「やーだよ!」

「クソッ……!」

 

真似やがった!ぶつかる直前での方向転換、俺がやったのと同じ…!初手に使ってこなかった水蒸気爆発をここで使ってきやがった。何が来る?俺は既に体を振り切ってる、避けらんねぇぞ!!!

 

「…………は?」

 

『爆豪のやつ、戦うほど強くなっていくな。個性の微調整、発動タイミング、それを組み合わせた格闘。ほんと戦闘センスの塊だよ。』

『なるほどなるほど。』

『それに対して加山の方は……轟戦まではいい線行ってたんだが、今回はイマイチだな。多分アイツ……』

 

いつまで経っても来ない攻撃に振り返れば、真っ青な顔で膝に手をついているアイツがいた。尋常じゃない汗と呼吸の荒さ、この戦闘で息切れしたとかじゃねぇ。

 

まさか、まさかお前……!!!

 

「キャパオーバーか!?」

「へ、へへ……うっ!!」

 

なんで今にも吐きそうですって顔で口元を押さえてんだよ!どうして気づかなかった!?誰だって個性使えば疲弊する、コイツだって例外じゃねぇ。半分野郎相手にあんな火力ぶっぱなして余裕でいられるわけが……!

 

あぁ、控え室で様子がおかしかったのも、中途半端に水流ばっか使ってきたのもそういうことかよ……

 

「ふざ、ふざけんじゃねぇ!!!」

「……ごめ、」

「ごめんで済むかよ!俺が欲しいのは完全な1位つっただろ!!!んなボロボロのカスに勝っても意味ねぇんだよ!!!」

「分かってる。」

「分かってねぇよボケがッ!!!デクより上に行かねぇとなんねぇんだよ!そんな……そんな!立ってるのもやっとみたいなやつが俺の前に来んじゃねぇ!!!」

 

前々から腹の立つ女だったが、今が1番最悪だ!舐めプの半分野郎以上の舐めプ女がァ!俺とは真正面から戦う気もねぇってのか!?

 

「勝つために来たんだろ?勝つ気ねぇなら俺の前から消えろ!!!」

 

もういい、話してるのもバカバカしいわ。こうなったらボコボコにぶん殴ってでも本気を出させてやる。

 

『加山!俺に全力で来いつったのはお前だろ。なら爆豪にも本気で当たれ!』

 

舐めプ女に向かって走り出した時、応援席から声がかかる。半分野郎か……目の前のクソメッシュがハッと顔を上げるのが見える。

 

ふん、半分野郎も役に立つじゃねぇか。そうだ、その顔だ!本気で来いよ、それを叩き潰して俺は勝つんだ。キャパオーバー?限界?知らねぇよ、俺の前に来たんなら、勝つことしか考えんじゃねぇよ!!!

 

溜めろ!溜めろ!!!半分野郎ん時みてぇな超爆風を撃ってみろ!俺の爆破がねじ伏せてやるからよ!!!

 

「ハウザァァァ!インパクトォ!」

 

『決めたあああ!麗日戦で見せた特大火力と勢いを加えた人間榴弾!!!

加山も轟戦で見せた超爆風を撃ったようだが勝敗は果たして!?』

 

「…………おい。」

 

アイツは撃った、確かに撃ったあの超爆風を。爆風と爆破がぶつかる手応えがあった。……けど途切れた。

 

アイツ!あの女!!!……気絶しやがった!!!!

 

呑気に場外で倒れ込んでるところ駆け寄って、胸ぐら掴む。いよいよ吐いたのかすえた臭いが鼻をつくがどうでもいい。

 

「うぁ……」

「半端なことすんなって言ってんだろ!?意味ねぇんだよ!こんなカス以下の1位なんてッ!!!」

「ごめん、ごめんね。私、が後先考え、ないから。爆豪とちゃんと勝負、出来なかった。」

「謝ってんなよ!」

「私も、中途半端なら、諦め、ようかと思っ、た。でも、爆豪との試合、逃げたく、なくて。……ごめんなさい。」

「だから謝ってんじゃねぇ!おっせぇんだよ!全部終わっちまった後によォ!!!」

 

ふざけんなふざけんなふざけんな!!!こんなもん完膚なきまでの1位なんかじゃねぇ……デクより上……なん、て。

 

『加山さん場外!よって爆豪くんの勝ち!!!』

 

 

※ ※ ※

 

「どうするべきだったのかなー」

 

会場裏のベンチで独り言ちる。とっくに表彰式は終わって夕方も近い。式中はそれは酷いもんで私は頭痛と吐き気でフラフラだし、爆豪はカンカンにブチ切れてて収拾がつかなかった。オールマイトが色々言葉をくれてたけど、なんて言ってたか……

 

体育祭を振り返ればめちゃくちゃやってしまったと自分が自分で嫌になる。轟くんは緑谷くんのおかげで前を見ることができた。私も少しは彼のためになれたならいいなとは思うけど、結局のところ引っ掻き回して轟くんを傷つけただけだ。彼の傷に触れること、人にされて嫌なことはしちゃいけませんって小学生でも知ってるのにな。

 

爆豪にも酷いことしてしまった。私がつまらない意地を張ったせいでろくな試合にならなかった。爆豪が1番にかける思いは並々ならぬものがあったのに。いっそのこと棄権すれば、轟くんと入れ替えで試合組んでくれたり色々やりようはあったかもしれない。

 

「はぁ……」

 

でもあの時の轟くんは見てられなかったし、彼の事情を知る者としては自分を認めてあげて欲しいと思わずにはいられなかった。爆豪との試合だって、ここまで来て棄権すればそれまでに戦ってきた人たちの努力を無駄にしかねないし、それはそれで爆豪のプライドを踏みにじっていた。

 

言い訳がましいというか言い訳そのものなんだけど、そんなことが頭から離れない。穴があったら入りたいとはこの気持ちのことかと考えていると、下がっていた目線に2つの人影がさす。

 

「ん?……爆豪と轟くん!?」

「こんなとこにいたのか、探したぞ。」

「手間かけさせんなクソが!」

「ははは……ちょっと風に当たりたくて。」

 

目線を合わせられない、気まずすぎる。というか探してたってなに?私を?

 

「えーっと、何か用事?」

「調子は?」

「良くなったけど……」

「来い。」

「おい、爆豪。」

「うっせぇ、俺が先だ。」

 

何がなにやら分からないけど、爆豪が顎をしゃくった先は屋外演習場があったはず。なんだろうそこで私をぶん殴るとかだろうか?いやでもさすがに……けど爆豪怒ってたしなぁ。だけど轟くんがいるなら止めてくれたりしない?まぁ本気なら甘んじて受けよう。

 

ズカズカ歩いていく爆豪に私はトボトボついて行く。そうすれば当然目的地には着くわけで、爆豪に「そこに立て」と言われて大人しく立つ。爆豪の方は少し離れて私の対面に立っている。

 

「あのー爆豪、これなに?」

「あ?やり直しに決まってんだろ。」

「やり直し……やり直しってまさか!」

 

爆豪の顔が意地悪く歪む。うわ〜あの顔久しぶりに見たかも。

 

「俺のハウザーインパクトとお前の超爆風、決着がついてねぇ。」

「いやいや私負けたし!」

「黙れや。俺が認めなきゃ意味ねぇだろ。」

「……それはおっしゃる通りで、」

「だから構えろ。」

「怒られるよ?」

「構えろ。」

「あぁもう!」

 

これ絶対お説教じゃすまない……

 

言うが早いかお互い溜めに入る。私は炎を限界まで昂らせ、ありったけの水を用意する。爆豪は小刻みに爆破したかと思うと、大きく飛び上がり体に回転を加える。

 

今度は本気も本気だ。ていうかそれこそここで生半可なことしたら本当に爆豪に殺される。

 

「ハウザアアア!インパクトォ!」

「吹っ飛べえええ!」

 

轟くんにしたように全力で水流と炎を叩き込み、発生した水蒸気を掌握して爆豪へぶつける。どっちが押してるのか押されてるのか、爆音と白煙で全く分からない。

 

数瞬の押し合いの後、晴れた視界で私は引かれた白線の外にいた。爆豪は私の目の前、けどしっかり演習場のコートにいる。押し合いどころか完全に押し切られちゃったか。

 

「場外、だね。」

「あれが本気だったんか?」

「もちろん、爆豪に嘘はつかない。」

「そうかよ。ハッ、次舐めた戦いしてみろ、ぶっ殺す。」

 

これでいいのだろうか?と内心首を捻るけど、あれだけ怒ってた爆豪が少し満足気だし、多少鬱憤は晴れたのかな。それに爆豪の手をよく見れば不規則に震えてる。限界まで爆破を使った証拠だ、それをちゃんとぶつけられたらしいから爆豪としてはOKなのか。

 

にしても今度下手を打ったら爆豪にマジで殺される可能性が出てきた……せいぜい彼に負けないよう頑張るしかない。

 

もうさっきまでの憂鬱さと今の感情がごちゃ混ぜになってよくわかんない。嫌な気持ちなのかどうなのかモヤモヤしてると、見物人に徹してくれていた轟くんから声がかかる。

 

「加山、話がある。」

「う、うん。」

 

この場面で轟くんから話があるとすれば、まぁ間違いなく家の話だろう。しかし爆豪のいる前でしていいものかとチラ見すると、盛大な舌打ちと共に少し離れてくれた、察してくれたらしい。爆豪としてはなんでコイツらに気を使わねぇといけねぇんだ!って思ってそうだけど、そこは何も言わずにいてくれるあたり気遣い上手だ。

 

「試合ん時も言ったが、加山と緑谷のおかげできっかけを貰うことが出来た。」

「私も言ったけど、それは緑谷くんのおかげ。」

「あぁ。でもやっぱり緑谷のおかげでお前が大事なことを言ってたってわかったんだ。加山も俺を救けようとしてくれてたんだ。」

「無神経なこと言ってただけだよ私は。」

「いいんだ。俺が勝手に感謝してるだけだ。」

 

勝手に感謝してるだけ、か。私の身勝手で怒らせて、けど轟くんはそれは結局自分のためになったと言ってくれている。

 

なら、

 

「……ふっ、あはは!じゃあ私もウジウジ悩んでるのはやめ!轟くんの感謝をちゃんと受け取ります。」

「なんだ?お前なんか悩んでたのか?」

「え?そういう流れだったんじゃないの?」

 

「流れ?」と不思議そうな轟くん。まぁいいや置いとこ置いとこ、それよりも話の続き。

 

「お前らのくれたきっかけで少し吹っ切れることができた。」

「そう。」

「でも俺が吹っ切れて終わりじゃねぇ。清算しなきゃいけないことがたくさんある。」

「そっか!じゃあ頑張らないとね。」

「……頑張ってみるよ。」

 

多くは聞かない、これ以上は轟くん家の領分だろう。轟くんはこれから置き去りにしてきたもの、見ないようにしてきたものに向き合うつもりだ。すごいことだ、彼の受けてきた仕打ちを考えれば、それは一生恨み続ける権利があるくらい重い。だけど轟くんはそれを置いて、紐解こうとしてる。そのきっかけの1つに私がなれたと言ってくれるなら、それはきっと良い事だ。ああすればよかったなんて考えるのはやめにしよう。

 

よし!じゃあそろそろ良い時間だし、帰ります……か?おや、爆豪のではない影が見える。

 

『よぉお前ら、楽しかったか?』

 

なんのホラーだろうか。

すぐそこに布でぐるぐる巻きにされた人が落ちている、うごめいてる。少し除く金髪は爆豪か。

すぐ目の前にはモサモサヘアーで目つきがとても悪くて、黒いヒーロースーツの人が立っている。見間違えるはずもない、相澤先生だ。

 

「ずいぶん派手にやったな。無断での演習場利用、無断での個性使用、及びそれを看過したこと、どれも立派な校則違反だぞ。」

 

シュルリシュルリとこちらにも捕縛布が伸びてくる。

 

「きっちり絞り上げてやる。覚悟しろ。」

 

この後、事情を隅々まで吐かされ、メタメタにお説教を受けたのは言うまでもない。高校生にもなって怒られて泣きそうになるとは思わなかった。

 

お土産も付いてきて、私と爆豪は反省文10枚、轟くんは5枚。明日までに書いてこいとすっごく怖い顔で睨まれました。

 




うーんこれでよかったのだろうか。多分これは修正入ります。

小説って難しい。
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