半分少女のヒーローアカデミア   作:Akafuku2000

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梅雨ちゃんの震えた声、声優さんの演技がスゴすぎる。

6話のUAが1万件を超えました、ありがとうございます!


半分少女と寮生活2

半分少女のヒーローアカデミア

 

各々の荷解きが終わり、すっかり日も落ちた夜にて、私たちはクラスメイトの部屋を回っていた。芦戸さんの提案で突発的に始まったお部屋披露会である。

 

先発に選ばれたのは緑谷くん。

 

「おぉ〜!」

「オールマイトだらけだ!」

「オタク部屋だ!」

「さすが緑谷くん!」

「憧れなんで……恥ずかしい。」

 

彼の見事オールマイト一色な部屋を衆目に晒されている。彼はもうかわいそうなくらい顔が真っ赤だ。確かに趣味全開な部屋を他人に見られるのは恥ずかしいな。

 

「やべぇ……なんか始まりやがった。」

「でもちょっと楽しいぞ、これ。」

 

男子勢も少し乗り気になってきたらしい。

 

次の部屋は常闇くんだ!

 

普段の彼を見ていたらだいたい予想着いちゃうけど……

 

「黒っ!」

「怖っ!」

「暗黒だ。」

「貴様ら……」

 

部屋の前に陣取り、何とか披露会をかわそうとした常闇くんだが、芦戸さんに押し切られ、現在部屋に入り込まれている。

 

思ってた通り、思春期特有の病な常闇くんは黒い物、男子的かっこいい物で溢れかえっていた。

 

「このキーホルダー、中学んとき持ってたわ!」

「お土産屋にある謎アイテムじゃん!」

「男子ってこういうの好きなんねー。」

「出ていけ……」

 

まずお土産屋によく並んでる、ドラゴンとか剣とかのキーホルダーを晒され。

 

「剣だ!かっこいい!」

「出ていけーー!」

 

次に飾られた模造剣を緑谷くんに発見されたところで、我慢の限界に来た常闇くんに追い出されました。

 

お次は青山くんの部屋、彼も何となくどんな部屋か分かってしまうけど……

 

「アハハ〜!」

『眩しい!』

「ノンノン!眩しいじゃなくて、まばゆいって言って!」

 

案の定、キラキラ好きの青山くんの部屋はキラッキラしてて眩しかった。

 

まぁあまりにも予想の範疇だったので、一瞬で興味を失ってみんな離れていった。彼ってこういう扱いのとこあるよね。

 

「楽しくなってきたぞー!あと2階の人は……」

「……ハァ、ハァ、入れよすげぇの見せてやんよ。」

「3階行こ。」

 

なんか不審者が血走った目でこちらを見ていたので、努めて無視する。あの部屋に入ったら何見せられるかわかったもんじゃない。危ない人には近づいちゃダメって言われてるからね。

 

 

続いて3階は尾白くんからだけど……

 

「わぁ〜!普通だー!」

「普通だ!すごーい!」

「これが普通なんだね!」

「お手本みたいな部屋だ。」

「……言うことないならいいんだよ。」

 

あまりにも普通普通言いすぎた……ごめん。

 

次は我らが委員長、飯田くんの部屋

 

「難しそうな本がズラっと……さすが委員長だね!」

「すご、ヒーロー史の現代版じゃん!全巻揃ってるけど、これ全部読んだの?」

「もちろんさ!ここにある本は全て読破している。俺の部屋にはおかしなものなど何もないぞ!」

「でもメガネ、クソある!!!」

「何がおかしい!?激しい訓練での破損を想定してだな!」

 

委員長らしい真面目な部屋だったけど、真面目すぎて壁にメガネのスペアを飾ってる変な部屋でした。

 

面白いので少々メガネを拝借した。どう?似合う?

 

メガネを装着したまま上鳴くんの部屋へ。

 

「チャラい!」

「手当り次第って感じだな。」

「ヒョウ柄の毛布ってどうなの?」

「えー?良くね?」

 

全体的にチャラチャラしてる。でもThe多趣味って感じで上鳴くんらしい部屋だと思う。

 

次なる部屋は口田くん。

 

「うさぎいる!」

「可愛い〜!」

「目に優しい……」

「ペットはずりぃよ、口田あざといわ〜。」

 

口田くんの部屋は緑を基調とした穏やかな部屋だった。うさぎ可愛い、ていうか寮ってペット可なんだ。

 

さてさてだいぶ男子の部屋は見回ったわけだけども……

 

「ていうかよ、釈然としねぇな。」

「奇遇だね、俺もしないんだ。」

「そうだな。」

「僕も。」

「男子だけが言われっぱなしってのは変だよなぁ?お部屋披露大会っつったよなぁ?なら当然!女子の部屋も見て決めるべきじゃねぇのか!!?誰がクラス1のインテリアセンスの持ち主か、全員で決めるべきなんじゃねぇのかぁぁ!!?」

 

部屋を覗かれ好き勝手言われた男子たちから不満の声が上がる。俺らの部屋見て散々言ったんだから女子の部屋も見せろと。

 

……まぁ最後に焚き付けた峰田くんは下心だろうけど。

 

「いいじゃん!」

「うん、やろうか。」

「え゙?」

 

私の部屋に見られて困るものもないし、ばっちこいである。

 

「じゃあ誰がクラス1のインテリアセンスか、部屋王を決めるってことで!」

「部屋王?」

「別に決めなくてもいいけどさ……」

 

今、A組一番のインテリアセンス持ちを決める大会が始まる。

 

 

※ ※ ※

 

「男子棟4階に住んでるのは爆豪くんと切島くんと障子くんだよね?」

「爆豪くんは?」

「ずっと前に「くだらねぇ、寝る」って部屋行った。俺も眠い。」

「どおりで静かだと思った。」

 

知らない間に爆豪いないじゃん。アイツはこういうの絶対参加しないタイプだし、早寝早起きする健康優良児だから今頃静かに寝息立ててると思う。

 

「じゃあ切島部屋!」

「ガンガンいこうぜ!」

「どうでもいいけど、多分女子にはわかんねぇぞ?」

 

切島くんがそう言ってドアを開けた先にあったのは……

 

大漁旗に必勝、勝利の書道、炎柄のカーテン、サンドバッグの諸々。

 

「この男らしさは!」

「うん、わからん。」

「彼氏にやって欲しくない部屋ランキング2位くらいにありそう。」

「熱いね!熱苦しい!」

「かっこいい、のかな?」

「ほらな……」

 

悪くないと思うけど、私にはちょっと良さが分からなかった……

 

続くは障子くんの部屋だ。

 

「面白い物は何もないぞ。」

「面白い物どころか!」

「机と布団だけ!?」

「ミニマリストだったのか。」

「まぁ幼い頃からあまり物欲がなかったからな。」

 

本当に何もなかった……小物の1つもないとは。ここまでほとんどが趣味全開な部屋だっただけに割と衝撃かも。

 

あと峰田くんは部屋を物色しない。

 

5階に上がって瀬呂くんの部屋から。

 

「フッ、どうよ!」

「おぉ!アジアンだ!」

「素敵!」

「これはセンスあるね。」

「瀬呂こういうのこだわる奴だったんだ。」

「ヘッヘッヘ!ギャップの男、瀬呂くんだよ。」

 

家具から小物までアジアンに統一された拘りの部屋。部屋王を決める大会に相応しいセンスに溢れてる一室だ。この内装は憧れるかもしれない。

 

残る男子のうち、轟くんの部屋はどんなものか。A組を代表するイケメンボーイだし、期待できる。

 

「さっさと済ましてくれ、眠ぃ。」

 

その内容は……

 

「「うわっ!和室だ!??」」

「造りが違くね???」

「これ元洋室だよ!?」

「実家が日本家屋だからよ、フローリングは落ち着かねぇ。」

「理由はいいわ!」

「当日即リフォームとかどうやったんだお前!」

「……頑張った。」

「なんだよコイツ……」

 

全部屋同じ規格で造られてるはずなのに、彼だけ完全なる和室だった。どうやって改装したのか聞いても、頑張ったの一言を澄まし顔で言いきられてしまう。やはり格が違った……

 

男子最後の部屋は砂藤くんの部屋。

 

「まぁ、つまんねぇ部屋だよ。」

「轟のあとは誰でも同じだぜ。」

「ていうかいい香りするの、これなに?」

「ああっ!忘れてた!部屋作り早く終わったんでよ、シフォンケーキ焼いてたんだ。みんな食うかと思ってよ……食う?」

『食うーー!』

「「模範的意外な一面かよ!!!」」

 

砂藤くんはスイーツ男子だった。しかも自分から作るタイプの。

 

目の前に美味しそうなスイーツを出され、女子一同は釘付けである。かという私も……

 

「美味し!」

「あまーい!」

「瀬呂のギャップを軽く凌駕した!」

「素敵なご趣味をお持ちですのね、砂藤さん。私の紅茶と合わせて見ません?」

「私もお菓子作り好きなんだけど、今度一緒に作ろうよ!」

「おぉ……こんな反応されるとは。」

 

女子受けが良くて照れてる。いや、ほんとこのシフォンケーキ美味しいんだけど?ちゃんと売り物なるレベルだと思う。

 

しかしこれにてお部屋披露会、男子部門は終了だ。

 

※ ※ ※

 

お部屋披露会、女子部門開幕。一番手は私から!

 

いざ見せるとなると緊張するな……ええい!ままよ!

 

「どうぞ、ご覧ください!」

 

勢いよくドアを開け、みんなを招き入れる。

 

「小説がいっぱい!」

「料理系の本もあるな。」

「これでもごく一部なんだよね。」

「本の虫かー。」

 

上鳴くんをジロリと睨む。誰が虫か、せめて読書好きと言って欲しい。

 

みんな、私の部屋を見て色々感想を言ってくれるけど、やっぱり恥ずかしいなこれ。

 

「わー!これ相澤先生、イレイザーヘッドのグッズでしょ?ほとんどメディア露出しないから凄いレアなんだよ!」

「さすが緑谷くん、お目が高い。グッズ制作会社からのサンプル品を私がそのまま貰ったんだ。」

「そうなんだ、羨ましいなぁ。あれ?でもこのぬいぐるみだけ少し質感が違うような……」

「あ、それは私が作ったやつ。」

『作ったぁ!?』

「へへーん、結構上手でしょ?」

 

自作イレイザーヘッド人形は何体か作ってる。一番出来のいいやつを持ってきたのだ。相澤さんは私が作る度に微妙な顔してる。多分照れてるだけ、うん。

 

まぁ、私の部屋はそこそこにして、次は耳郎さんの部屋だ。

 

「思ってた以上に楽器楽器してんな!」

 

部屋に入って飛び込んできたのは、視界を埋め尽くす楽器たち、ギターにベースにドラム。壁一面にバンドのポスターがびっしりだ。内装も装飾されてて、なんだかライブハウスみたい、実物は見たことないけど。

 

「耳郎ちゃんはロッキンガールなんだねー!」

「これ全部弾けるの?」

「まぁ一通りは……」

「凄い凄い!楽器弾ける人ってかっこいいよ!」

 

本当に音楽が大好きって伝わってくる部屋だと思う。自分の好きなものへの愛に溢てるなぁ。

 

「女っ気のねぇ部屋だー。」

「ノン淑女。」

「あ、バカ!」

「「あががががが!!!」」

 

デリカシーのないというか、人として浅い失言をした上鳴くんと青山くんがイヤホンジャックで処される。

 

……人の好きなものに間違ってもそんなこと言っちゃいけません。

 

ロッキンガールな耳郎さんの次は葉隠さんの部屋。

 

「どうだー!」

「お、おぉ……」

「普通に女子っぽい、ドキドキすんな。」

 

男子たちのピュアな反応が面白い。

 

いくつかのぬいぐるみとパステルカラーで合わせた家具たち。年頃の女の子って感じだ、可愛い!

 

「スンスン……Plus ultra 」

「正面突破かよ!峰田くん!!!」

「はぁ……そろそろダメだね。瀬呂くん、お願いします。」

「任せろ、A組から犯罪者出したくねぇからな。」

 

さらば、峰田実。

 

次の三奈さんの部屋に行こう。

 

「じゃーん!可愛いでしょうが!」

『おぉ〜!』

「ピンクだねぇ、すごく三奈さんらしい。」

「だろだろ〜!」

 

部屋一面のピンクピンクピンク、彼女の部屋だと一発で分かる。こういう自分のカラーに合わせた部屋っていうのもいいなぁ。

 

次はお茶子さんのとこにGO!

 

「味気のない部屋でございます〜。」

『おぉ〜!』

「そんなことないない。それ星座のポスターでしょ?可愛いよ。」

「そうかなぁ。」

 

お茶子さんの部屋はスタンダードって感じだ。確かに前の3人と比べると派手さはないけど、十分可愛い。私は豚の蚊取り線香のやつ好きだよ。

 

「次は蛙吹さん……」

「ってそういや、梅雨ちゃんいねぇな。」

「あぁ、梅雨ちゃんは気分が優れんみたい。」

「優れんのは仕方ないな。優れたときにまた見してもらおうぜ!」

 

梅雨ちゃん体調悪いんだ……昼間はそんな素振り見せなかったけど。まぁ林間合宿以降色々あったし、いきなりの引越しだし、今日も部屋作り大変だったろうし、体調を崩すこともあるか。あとで様子見に行こうかな?

 

「じゃ、最後は八百万か!」

「……それが、私見当違いをしてしまいまして……皆さんの創意あふれるお部屋と比べて、少々手狭になってしまいましたの。」

 

そう言って少し恥ずかしそうに戸を開けた先にあったのは……

 

「でっけぇ!狭っ!どうした八百万!?」

「こういうベッド本当にあるんだ……」

 

部屋の中央にドドンと佇むキングサイズのベッド。美しい装飾の施された天蓋付きのベッドは部屋の面積のほとんどを占めている。

 

「私が使っていた家具なのですが、まさかお部屋の広さがこのくらいだとは思っておらず……」

(((お嬢様すぎる。)))

 

お部屋披露会は八百万さんが圧倒的お嬢様っぷりを見せてオチが着きました。

 

 

※ ※ ※

 

みんなの個性的な部屋を見れた披露会は終わり、その頂点に輝いたのは砂藤くんだった。ちなみに全て女子票、ケーキ美味しかったからね。部屋関係ないじゃんと言うなかれ、美味しいスイーツを作る設備がある部屋という観点で見れば、これは立派な部屋王だ。

 

そんなこんなで結果が発表されて人も居なくなった共同スペース。その中で私は1人ソファーに腰掛けている。さっきお茶子さんに連れられて緑谷くんたちが出ていったのが気になっているからだ。

 

呼ばれたのは、あの日に神野へ赴いたメンツだ。彼らが出て行く前にチラリと外に梅雨ちゃんが見えた。体調が悪いと言って部屋にいた梅雨ちゃんが、わざわざ緑谷くんを呼び出す理由、それは分からない。けど当事者として何も知らない顔して眠る気にはなれなかった。

 

悶々とした気持ちの中、じっと待つ。そんな風にして30分ほど経った頃、入口が開き、緑谷くんたちが戻ってきた。

 

「あ、おかえり……って梅雨ちゃん大丈夫?」

「えぇ、もう大丈夫よ。」

「そっか。」

 

梅雨ちゃんが泣いていたのはびっくりしたが、彼女が大丈夫というなら問題ないんだろう。変に嘘ついたり、隠し事する人じゃないし。

 

けど私からも少し話をさせてもらいたい。

 

「梅雨ちゃん、ちょっと失礼。」

「どうしたの……あら?」

 

優しく梅雨ちゃんを抱きしめる。少し困惑してたけど、こっちを察して抱き返してくれた。

 

あの日、あの場所に緑谷くんたちがやって来るまで色々あったんだろう。具体的に何があったのかは深くは聞くまい、もう梅雨ちゃんたちの間で解決した話だ。

 

「私ね、ここに戻って来れたことが嬉しい。梅雨ちゃんに、みんなにまた会えて良かったと思う。」

「私もよ。」

「うん。大変なことはたくさんあったけど、これから一緒に頑張ろうね。私もみんなに心配かけないよう、もっと強くなるから。」

「そうね……頑張りましょう、水穂ちゃん。」

 

──私のヒーローアカデミア

 

ここには私を心から案じてくれる先生とクラスメイトがいる。一緒に同じ目標へ切磋琢磨する仲間がいる。これから今まで以上の苦難にぶつかるかもしれない。けどみんなとなら乗り越えられると、そう強く想えた。

 

 

 

 

 

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