あと、何故か今日凄くたくさんの方が読んでくれて日間総合ランキング19位、二次創作12位に載ってて泡吹くかと思いました。まさか10位代にまで上るとは思ってもみなかったので嬉しい限りです。
なので、読んでくださった方々に感謝を込めまして、1話ですが更新します!
半分少女のヒーローアカデミア
季節も冬に入ったかと思えばあっという間、年の暮れも見え始めた今は12月。
そして日付は12月24日、きよしこの夜。
──そう、今日こそは!
『メリー!クリスマーース!!!』
パンパンとクラッカーが弾け、紙吹雪が散る。
A組みんなでクリスマスパーティーだ!
テーブルにずらりと並んだ料理の数々が誇らしい。めちゃくちゃ作りましたから、えぇ。砂藤くんを初めとして、調理ができる人達と一緒に作りまくりました。家でやるなら少し大きめの料理を2、3品ってところだけど、クラス全員分となるとまぁ大変なこと。
それでもみんなで今日のために頑張って色々準備したからね!パーティーグッズと飾り、食料品の買い出しもしたし、プレゼント交換用のプレゼント選びもあれでもないこれでもないと悩んだし。
けど、寮に住んでなかったら絶対に出来ない経験だった、超楽しかったからOKです。全員でサンタ服着てパーティーモードだ!
「うおお!食うぞーー!」
「フライドチキンいただき!一番でっけぇの!」
「あぁ!上鳴お前、それ俺が狙ってたやつ!!!」
「早い者勝ちなのだよ、瀬呂く〜ん?」
「まぁまぁ。他にもいっぱいあるから。これどうぞ。」
「こっちの方が美味そうじゃん!なんか取ってもらって悪いな。」
「いいっていいって……あ、切島くんはがっつきすぎないでね。喉詰めるよ。」
「おー!」
「もう頬張ってる……」
速い、速いよペースが。これが男子高校生の本気の食欲、世のお母様お父様の苦労が偲ばれる。そんなに急がなくても人数分あるから……あるよね?足りるよね?
あと、勢いよく取って行ったけど、そのフライドチキンは。
「上鳴くん、それ辛いやつだよ。」
「言うのがおぜぇ゛!!!」
「食いしん坊にバチが当たったな。」
「ほら、ジュースでも飲んで。」
「ありがど……」
涙目でかわいそう。ちょっと辛くしすぎたかな。
好きなのを選べるように、3つの味付けを用意したけど。ノーマルなスパイスハーブと中華風、そして上鳴くんに直撃した辛めのやつ。最後のは激辛が好きな人に心当たりがあったので少し作っておいた。
林間合宿の経験から食べ物1つでドタバタする気がしてたので、テーブル前に立ってて正解だったな。あの時、こういうの嫌いじゃないって思ったし満足です。
「このピザは、いやこのピッツァは美味い……だが足りない!」
一口齧ったピザを片手に峰田くんが語り出す。生地以外、全部市販品で作ったものに足りないって言われても困っちゃうぞ。
「むぐぐ、ん……なんだよ峰田、普通にいけるぞ?」
「お前は窯焼きを食ったことがないから言えんだよ!香りが!香りが足んねぇんだ!このピッツァにはァ!!!」
「お、おぉ?」
凄い気迫、君ってそんなに食へこだわるタイプだったんだ。しかし、そこまで言うならばひと手間加えようじゃない。
サンタ衣装で身につけていた手袋を外す。
「窯焼きは無理だけど、炙るくらいならできるよ。する?」
「いいのか!?」
「うん。大したことじゃないし。軽く焦げ目が着けばいい?」
「頼む!特に耳のとこをカリッとな!」
「はーい。」
ガスバーナーの要領で指先から炎を出して炙る。生地に焦げ目が着いて、チーズも膨らんできたら完成。
「ん、いいよ!」
「来たー!」
目にも止まらぬ速さでピザを持って行った峰田くんは、喜色満面といった感じだ。グルメな君のお口に合ったみたいで良かった。
彼があまりにも美味い美味いと叫ぶので、気になった一部の子達によってあっという間に売り切れる。でも大丈夫、このピザは一発目。まだピザは残っている、二発目、三発目がね。ふふふ、加山水穂に抜かりは無い。
「水穂ちゃん、そっちは終わったかしら?チョコレートファウンテンの用意ができたみたいなの、一緒に行きましょ。」
「ほんと!やったーーー!」
いいね、甘いもの。食べるぞぉ。
メインの料理とは別に用意されたテーブルへ移動し、ファウンテンを眺める。うーん、ここからでも漂う甘い香り、最高。実は、このファウンテンマシン、意外と高かったので八百万さんに張り切ってもらったのです。というか、予算繰りでどうしようか悩んでたら率先して作ってくれた。
ありがとう、ヤオモモ。
チョコレートファウンテン食べたさに集まってきた他の女子組とも合流する。テーブルに並んだ色とりどりのフルーツへ串を刺し、チョコの中へ……いざ、実食。
「ん?」
「おぉ。」
「あら……」
お茶子さん、梅雨ちゃんと揃って口を抑える。
……美味い。
まず、チョコレートが美味しい。甘みは品があってクドくないし、香りも今まで食べてきたものはなんだったのかってくらい良い。フルーツも味が違う。私が食べたのは苺だけど、数を用意できるように安めのを手配したつもりだったのに、なんだこれは……
「にししし!」
「びっくりしてるね!」
「………」
何?そこのニヤニヤしてる三奈さんと葉隠さんは。そして横で恥ずかしそうにしてる八百万さん。
あ……ま、まさか。
「八百万さん、つかぬ事を聞くんだけど。もしかして、このチョコとフルーツ……」
「じ、実は、A組でクリスマスパーティーをするとのことでしたので、その、実家から……」
「取り寄せちゃったんだ。超がつく高級品。」
「……はい。」
だろうね!そりゃ、市販品なんか目じゃないくらい美味しいわけだ!そこの2人は知ってて黙ってたでしょ!買い物してきたって言う割に、なんか予算余ったなぁとか思ってた!あとでいいやってレシート確認してなかった私も悪いけどね!??
八百万さんはサプライズ的に用意したこれらに気づいてもらえるか、ずっとドキドキしてたのね。
「お味の方はいいかがでしょうか?好みに合えば良いのですが。」
「うん、いや美味しいよ?すっごく美味しい。私、こんなに美味しいチョコとフルーツ初めて食べた。」
「まぁ!それは良かったです。」
「ただ……」
「ただ?」
「そうね、お茶子ちゃんが……」
私たちを除いた3人の目がお茶子さんへと向く。そこには椅子に項垂れ、真っ白に燃え尽きた彼女が居た。余程美味しかったのと、食べたのが庶民には手が出ないお高級な品だったことに撃沈されたっぽい。
この子、ブルジョワジーなものに弱いから……
『………』
「南無南無。」
合掌。
このままにしておくのも可哀想なので、気絶して動かなくなったお茶子さんを抱きかかえ、空いてるソファに寝させる。多分、プレゼント交換までには起きるよ。
そんなふうに私たちがコントをやっている間にも、パーティーは恙無く進行していく。クリスマスはまだまだ始まったばかり。
※ ※ ※
「インターン行けってよ。雄英史上、最も忙しない1年生だろこれ。」
「ねぇ、忙しすぎるよねぇ。」
年の暮れ、一年を振り返った感想を零す切島くんへ、私はしみじみと相槌を打つ。
食事のペースも落ち着き、みんなが思い思いに集まって雑談している。ちなみにお茶子さんも復活した。今は、最近決まったインターン再開の話題だ。死穢八斎會のことがあって以降、インターンの実施は留め置かれていた。元々、消極的な実施だったので致し方ない。しかしそれが近々再開されることに決まった。
根津校長が消極派だったのに、急な方針転換は何故だろうと思う。雄英のトップである根津校長でさえも意見を変える、強い要請があったってことかもしれない。例えば公安とか。
「緑谷くんと加山くんはどうするんだい?ナイトアイ事務所は。」
「あそこはセンチピーダーが引き継いでるんだろ?久々に会えるじゃねぇか!」
「うん、僕もそう思ってたんだけど……」
「サーの抱えてた仕事量がえげつなかったらしくて。まだインターン生を受け入れられる状況じゃないんだって。」
「そうかぁ、じゃあ仕方ねぇな。」
2人で何回か電話してやっと連絡が着いたくらいには忙しかったみたい。書類仕事はもちろんのこと、依頼やらなんやらでひっきりなしに鳴ってるであろう事務所の電話、私たちからの連絡に対応してる時間が無い。実際、電話口からでも、冷静沈着なセンチピーダーの余裕なさやバブルガールの悲鳴が分かったし。
「グラントリノも忙しいみたいで無理だったし、今は宙ぶらりん。」
「私もー」
「でも、任意参加だった前回と違って今回は課題だから学校が紹介してくれるって。」
「ほぉ、おぉじゃあ爆豪はジーニストか!」
「あ゛ぁ゛!?」
急に話題を振られた爆豪、がなる。今のは爆豪語で「なんだ?」的な意味だ。さっきから三奈さんたちにサンタ服を着せられそうになってて機嫌が悪い。そしてたった今、帽子を被せられた。
ジーニストは良いインターン先だと思うけど、職場体験で彼は散々な目にあってるからなぁ。行くのかな?
「………決めてねぇ。」
「そうなのか?でもまぁ、お前体育祭で指名たくさん貰ってたし、行きてぇとこ行けんだろ!」
「今さら有象無象に学ぶ気ねぇわ。」
「ほーん。」
「その知ったふうな顔やめろ。帽子のボンボン引きちぎるぞ。」
「べっつに〜?……あと後ろね。」
「あ?………ッ!?着せんじゃねぇ!!!」
「もうちょいだったのにー!」
爆豪と三奈さんの応酬は置いといてと。爆豪のやつ、ジーニストのとこ行く気だったんだ。八二分けにされたときはブチ切れてたけど、考え変わったかな。ジーニストはインターン受け入れ実績、サイドキックの教育力に優れたヒーローとも聞くしね。
「おい!きよしこの夜だぞ!いつまでも学業に現抜かしてんじゃねぇ!」
「斬新な視点だなおい。」
「まぁ、峰田の言い分も一理あるぜ?ご馳走を楽しもうや!」
『料理もできるシュガーマン!!!』
良い色に焼けた丸鶏を持った砂藤くんへ歓声が飛ぶ。彼の方がスイーツを作ってくれる機会が多くて、料理人のイメージがあっちに傾いている。私のお株をちょっと奪われた感……!
そんな追加の料理の登場に場が再び盛り上がっていると、玄関が開き来客者がやってくる。
「悪い遅くなった。もう始まってるか?」
「トリックオア……トリート?」
「違う、混ざった。」
そう、相澤先生とエリちゃんである。
『サンタのエリちゃん!!!』
私を含む元インターン組は喜び勇んで駆け寄っていく。だってサンタ服を着たエリちゃん……
「か、可愛いー!」
「似合ってるね!」
「鬼は外!鬼は内!」
「節分?鬼が出入りしてるけど。」
「違う、それは2ヶ月先。」
なんか色々季節のイベントが混ざってるらしい。
「通形先輩はいないんすか?」
「通形はクラスのみんなと過ごしてるよ。ほら、エリちゃんも行っといで。」
「うん!」
エリちゃんに優しい表情をする相澤先生と、それに元気な返事をするエリちゃんを見てると昔を思い出す。
多分、この頃の私たちも周りから見たらこんな感じだったんだろうなって。懐かしい気持ち9割と、今になって思う相澤さんが、子供にこういう顔してるの初めて見たら頭打ったのかと思うよねが1割。
ギャップって凄いんだなぁ。
「見て、卵に絵描いた。」
「それはイースター!」
お茶子さんの見事なツッコミ。エリちゃんがポシェットを漁って取り出したのはイースターエッグだった。まだ何個か勘違いしてるよ、これ。
そして次はA組の面々に呼ばれ、私たちの側を離れて行く。お菓子やジュースを貰ってるみたい。夜に甘いものは良くないけど、今日はクリスマスなので!
楽しそうなエリちゃんを眺めていると、自然と相澤先生、緑谷くん、3人になった。
「角、また大きくなってますね。」
「あぁ。でも前向きだよ、緑谷の言葉をちゃんと受け止めてる。加山っていうある意味、自分の先輩みたいな存在いるのも安心するみたいだ。」
「へへ〜、なんか照れます。」
「だから、情けないとこ見せるなよ。」
「もちろんです。」
クリスマスで浮かれ気分ではあるが、そこは真剣に答える。
私は父と相澤さんの背を見て走って来た。そして今、私にも自分の背を見てくれる子ができた。
けどまだまだ私は未熟者だ──
話もそこそこに向こうで始まりつつあるクリスマスパーティー第2部に私達も混ざりに行く。
──それでもあの子に恥じない人になろう。
※ ※ ※
すっかり夜も更け、料理もケーキも片付いた頃。パーティーの締めである後片付けにA組一同は追われていた。飾り付けの回収や全員分の食器を洗うとバカにならない作業量である。
私はもちろん皿洗い、唸るよ!私の家事スキルが!
エリちゃんの方はプレゼント交換をしたあと、もう寝る時間だと早めに帰って行った。ちなみに当たったのは常闇くんチョイスの謎の大剣です。彼女の身長の倍くらいある剣を引っさげた絵面は中々インパクトが強かった。
それを抜きにしても、あのプレゼント交換はかなり凄かった。基本的に当たり障りのない物を選んでるのがほとんどだったけど、一部は自分のブロマイドや金塊を入れていた(金塊????)。私は飯田くんが選んだメガネだった。何となく今もかけながら皿洗いしてます。
あと、私が入れたプレゼントを当てたのは爆豪。中身はこの日のために作った特製イレイザーヘッド人形だ。袋を開けたときの爆豪と相澤先生の渋面と来たら……丹精込めて作ったのに微妙な顔しないで、悲しい。
そんなことを思い出しながらご機嫌に皿洗いしていると、轟くんが爆豪、緑谷くんに話しかけているのが聞こえてきた。
「緑谷、爆豪、もし行く宛てがねぇなら……俺らと来るか?ナンバー1ヒーロー、エンデヴァーのインターン。」
あー、エンデヴァーのインターンか。轟くんの紹介なら行けるね。私もお願いしようか、な……?
うん?
俺「ら」?
轟くん、らって言ったよね???
「あ、」
ショックに危うく皿を落としそうになる。
忘れてた!!!
前のインターンのとき、冬になったら受け入れてるから来ていいよって言われてたのすっっかり忘れてた!
ごめんなさい、エンデヴァー忘れてて。
ごめん轟くん、君は一緒に行くつもりだったのに忘れてて。
マジ、ごめんなさい……置いていかないで。
ここまで読んでくださりありがとうございました。
繰り返しになりますが、日々読んでくださる方々に感謝を。ランキングに載るというのを再び達成できたことも含めてありがとうございます。
また、もしよろしければ、感想、お気に入り、評価いただけますと嬉しく思います。