偽・伏黒宿儺in呪術廻戦 作:宿儺は許さん。
※この作品の主人公は才能が桁違いに化け物です。
俺の名前は撫子深夜。
1987年5月20日生まれで、現在八歳。
俺はいわゆる転生した人間で、前世で若くして死んで神さまに会うことなくこの世界に赤子として自我を持っていた。
そしてこの世界がどういう世界なのか、すぐに分かった。
普通の人には見えない、この気持ち悪い生物の感じを俺は一つしか知らない。
『呪術廻戦』
この世界に転生して、俺は見える側の人間として生まれたわけだ。
しゃぁっ!
前世では毎週ジャンプを立ち読みして、楽しく読んでいた。なお休載は許すけど合併号は許せねぇ。
その中で一番楽しく読んでいたのは呪術廻戦で、死んだ心残りがそれだし、赤子になってずっと続きがどうなるのか気になっていた。
俺が読んでいた最後の話は宿儺と魔虚羅と嵌合獣の三対一をドヤ顔して五条を攻めていたところで、最後のコマは無制限の「虚式」と五条が笑って終わった話だ。
いや、無制限ってなに!? 全開じゃなくて無制限? なんだそれ!?
俺が別の世界に行っていたなら、このモヤモヤを背負って生きていたところだ。
だがっ、呪術廻戦の世界ならその先を観戦することができるのだ!
でもな、俺は考えた。
この世界がそんな甘い世界ではないことは分かっているし……何よりこの作品死ぬ人多いんだよ! それを防ぎたいという気持ちがこの世界に来て溢れ出てきた。
ま、俺がそんな力があるかどうかは知らないけどな。
でも、もし、そんな力があったとして、助けれるとしたら、原作が改変されるし、俺が望んだ光景、五条VS伏黒宿儺は見れないかもしれない。
それは力があれば、という仮定だからそんな都合よく力を持っているわけがない。
今は最初から操作できる呪力や、もしかしたら持っている術式を使えるようにしよう。
「おい、おいおいおいおいおいおいおいおいおい……マジか」
まさかのことで、伏黒パパみたいなことを言ってしまったよ。
でもこれは言わないといけないだろ。
「ワン!」
「ワンッ!」
俺の目の前にはアニメやマンガで初期に見た玉犬黒と白がいた。
「十種影法術……!」
禪院家相伝の術式、十種影法術。
原作では伏黒恵しか持っていなかった術式だが、俺が持ってしまったのか……。
てか、術式ってこういう感じなのか……それを理解したから、まだ術式を持っているのを理解できた。
「解」
修行のために呪霊がいそうな廃病院にいて、玉犬二体を影に戻して周りにいる呪霊に術式を使うと綺麗に斬れた。
「マジかぁ……」
間違いない、俺は伏黒宿儺の力を持っている。『■開』ができるのも分かる。
俺の今の呪力量がどれほどのものか分からないから原作で五条と戦っている状態の伏黒宿儺状態なのかは分からないけど、術式だけは確実に同じだ。
……えっ、俺は宿儺なのか? いや、いやいやいやいやいやいやいや、術式が同じなだけでそれを判断するのは早いだろ。
それに宿儺の力を持っているだけなら、十種影法術はどういうことだって話だ。
伏黒宿儺は宿儺が虎杖から伏黒に尻捲って逃げた結果だ。俺が十種影法術を持っていて、宿儺の指を取り入れたのか。
そんな記憶はないけど。存在しない記憶もどういうことか知りたいけど。俺が虎杖と会ったらもしかしたら存在しない記憶が出てくるかもしれない。
てか、何で宿儺なんねん。俺、宿儺の力とかは好きだけど宿儺自体は嫌いだし。
あいつは虎杖をバカにした挙句、伏黒に逃げていったんだ。しょうもない奴だ。
ハァ、この力を持っているということは、これから死ぬ人を助けることができるということだ。それだけの力だ。
……まあ、助けないという選択肢はない。
死んでほしくないところで死ぬ人がいっぱいいるんだよな、この作品。だからファンとしては全員が生きている未来を見てみたい。
宿儺がたくさんの人を殺しているのだから、宿儺の力でたくさん人を助けてやる。
それが宿儺への一番目の嫌がらせだ。
よしっ! やる気が出てきた! 呪霊を祓いまくるぞ!
毎日真夜中になれば家を抜け出して呪霊がいそうな場所に向かっていた。
幸い、俺個人の部屋があるから両親にはバレずに部屋を抜け出せていた。両親普通の人で俺を愛してくれていることが分かるから、心配させないようにしている。
今日向かったのは小学校でガキ共が出ると噂していたボロマンションで、人の気配は一切ない。
誰かが秘密基地にしているであろう、お菓子のゴミが散乱している。
ここに呪霊がいることは気配で分かっているし、何なら人の死骸らしきものがある。キモ。
「玉犬」
玉犬黒を出して呪霊がどこにいるのか探してもらう。
ある部屋で玉犬が反応したから、すぐに突入してみるとうようよと同じ呪霊がいた。
俺は呪霊を祓い続けているが、呪霊の階級がいまいち分かっていない。誰かにこいつは一級とか言われないと分かりもしない。
でも今のところは苦戦したことはないから、俺が出会ってきたのは四級か三級くらいだろ。
それに十分に、十種影法術の式神だけでも強くて十分だからな。
うようよといる呪霊に白も出して二体の玉犬をぶつけ、俺も肉体で攻撃を開始する。
「おっ」
呪霊を殴った瞬間に黒い火花が散った。
「マジか!」
呪霊を祓い始めて日は浅いのに、黒閃を経験してしまった。
自分で言うのもあれだが、才能があるんだろうな。この体と言っておいた方が気持ち悪い奴じゃない気がする。
「ははっ……ハハハッ!」
すっげぇ気分がいい!
ゴミのようにいる呪霊を殴り飛ばしていくと、黒閃が気持ちよく何度も決まる。
こうして俺が本体を狙わずに戦っているのはただ経験値稼ぎをしているところだ。
同じ呪霊ということは分身しているようで、倒しても倒しても無尽蔵に出てくるからいい経験値稼ぎをしている。
俺には師匠がいないから、独力で、自身の才能を信じて戦うしかないからな。
だがしかし、戦っていると楽しくて仕方がない。
前世では普通の人間だったからこうしてファンタジー能力を持って戦えるのはマジで楽しい。
「こんなものか?」
奥に潜んでいる呪霊に対してそう言ってみる。
特級呪霊なら意思疎通が可能そうだが、こういう術式を持っている呪霊はどうなのだろうか。
「ッ!?」
うじゃうじゃいる呪霊から何かが来ると感じてすぐに玉犬を下げると、周りにいた呪霊が爆発した。
「っ……ジバクアリかよ」
玉犬を引かせておいて正解だった。呪力で軽くガードしたが、結構な威力だった。
おかげで軽く焼ける程度のやけどを負った。てか、これどうしよう。全身にかけてやけどしているけど、こんな状態で朝両親と会えるわけがないんだが。
「何してくれるんじゃい!」
御厨子で周りの分身をすべて斬り刻み、本体に黒閃をお見舞いしてやった。
こいつは何としても俺の拳で黙らせたかったからな。死に切れていなかった分身どもも本体が消えたことで消え去った。
「あー……どうしよ」
やけどはどうにも説明できないぞ。まだ打撲ならベッドから落ちたが通用するけど、やけどはどうしようもない。
そこら辺を考えながら戦っていたんだが、さっきの攻撃は予想していなかった。ただ分身するだけの術式だけかと思っていたが、それが爆発するとはな。
「……治れ!」
こういう時は反転術式をどうにか使えるようになるしかないな。
戦いに慣れてから覚えようと思っていたが、こんな時とは思っていなかった。
「……治ってるな」
呪力と呪力を衝突させるイメージをしていると知らないうちに治った。ということは反転術式を覚えてしまった、高等な呪力操作なのに。
……控えめに言って、この体チートだな。
まあ家入硝子も学生の時から反転術式を使えていたわけだし。小学生の時は知らないけど。
家入硝子と言えば、俺って虎杖たちとは同じ世代ではないな。確実に時代が違う。
今の年を考えても、五条たちと同世代になるのか。
懐玉編は確か2006年だったはず。懐玉・玉折編はアニメで見ていたから記憶は確かだ。あぁ、渋谷事変見たかったなぁ。原作では見ていたけど、やっぱりアニメで見たいよ。ただかなりリアルで命がけで俺は見ることができるんだけどね。
そうなると、今から11年後。俺は十九歳。五条たちは二年生で十七歳くらいだと思うから、二つ年上、庵歌姫と同じ学年か?
それは……いいな。歌姫と絡みたい。もちろん硝子ちゃんともね。
どうやって高専に入学するかだが、呪霊を祓っていればいずれはスカウトは来るだろ。
練習台として無限に湧き出る呪霊を祓っておけば誰にも文句は言われない。
さっ、楽しく修行をしますか。
呪術廻戦の疑問。
・十種影法術の調伏の儀で、他の術式を使えるのか。
・羂索が夏油傑の体を使えなかった場合、死滅回遊はどうなっていたのか。
ちなみにこの主人公が生まれたせいで、五条悟が生まれる前から世界の均衡が変わっています。