次に目が覚めたのは白い空間。そこでわたしは椅子に座っていた。
まず目に付いたのは目の前の机、そしてその上の紙束。
やたら丁寧な文字で"RULE BOOK"と書かれているそれは、
その名を名乗るには少し薄すぎる気がする。
椅子から降りて辺りを見回す。とりあえず罠や敵の気配はない。
それどころか、周囲には何も無い。
「仕方ないか、少し乱暴にやろう」
そう言ってわたしはナイフにありったけの力を込めて、一閃を
─── 多分だけど、意味ないよ
振ろうとした瞬間に頭に直で声が聞こえる。
驚いて当たりをもう一度見るがその声の主は決してここにはいない。
少なくとも肉体的には。
そしてわたしは不思議と笑みを浮かべていた。
『いたのか、
フリスク』
それは
─── …久しぶりだね
彼はそう言うとわたしの右手に入り、ナイフを元の位置に戻した。
そしてわたしは彼と会話を始める。
彼と話すのは久しぶりで正直居ないかと考えていたので嬉しかった。
と言っても
『意味が無いとはどういうことだ、いまのわたしには…』
─── 確かにLOVEはあるよ16ほど
『…16?なら足りるだろお前のも足せば』
確かに世界を壊すことは簡単では無い。
やるには
アズのように7つ分のニンゲンのタマシイを使うか、
ニンゲンがLOVEを20集めるか、
あるいは
しかし、わたしは何度もやってきた。
(わたしが16ならフリスクも16だろう。ならば足りる)
─── わたしと合わせてね
その考えは次の一言でかき消された。
「...読むしかないのか」
気が進まないが事態を進めるにはこれしかあるまい。
そう考え、わたしは目の前の紙束に手を出す。
一応罠のことも考え、ケツイをいだいて
普段通りならばと場所も確認できるかとすこし考えたが黒塗りで読めない。
まあ
さて、目の前の紙束をめくる。そして後悔する。
中身は小難しい表現と意味のわからない単語、そして母さんがアズに言っていたような魔法に関する単語がほとんどだった。
─── 今見た感じだけど、おそらくこれはバトルロイヤル形式。
─── たくさんの人が同時に会場に出で最後の一人まで戦うものだと思う
『よく知っているな、そんな単語。聞いたこと無かったぞ』
─── む、昔やっていたゲームに似ていたから
まぁそうだろう。
こいつが知っていてわたしが知らないということはわたしが地下に落ちてからのものなのだろう。
───で、どうするの?
『どうするも何もここから逃げるに決まってんだろ』
─── …話聞いてた?多分無理だよ
─── 相手が誰かは知らないけど多分試合に出させたいんだから
『なら出ればいい。どうせこんな意味のわからない試合に出てんだ。
どうせみんなろくな奴じゃない』
─── まさかとは思うけど…
わたしは何度も繰り返した記憶を手繰り寄せる。
そして、一言。
『なぁに、
───ほんとやると決めたら早いなぁ
そこからは本当に早かった。ルールを読み、持ち物はを確認する。
この大会の仕組みやレギュレーションについて説明しようとしたが
『わたしは魔法を使わないし、どうでもいい』
と一蹴されてしまった。
ルールに関しては持ち物持ち込みOK、能力の使用OK、
と言った感じでその他はふつうのバトロワだ。
肝心な人数については書いてなかった。
いわく、ゲーム開始時に連絡するらしい。
一通りルールを確認したので、
バタースコッチパイを食べようとする彼女ををなだめつつ、
装備を確認する。
武器は一通りあるが、防具はロケットのみ。
その他は
…正直と多い気がする。
パイはともかく、ケツイをどこでも抱けるのならば、
サンドイッチとお茶は不要だろう。そう言ったが、
『こういうのはあればあるだけいいんだろ』
と言われては何も言い返すに気にはなれない。
はぁとため息をつく。
まぁでもこんな状況でも彼女は自分が負けるとは思っていない。
そう言う雰囲気だったからこそ僕は彼女にタマシイを預けたのだろう。
『さて、行くか』
そしていつの間にかできていた扉に手をかける。
───ああきっと彼女なら、
わたしは扉の光に包まれながらそう考えた。
前置きが長くなってしまいました。
次回から本編です。