木曾が現代に紛れ込んでしまったようです   作:ビクトリー

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今回は少しタイトル詐欺になるかもしれません。


買い物 前編

買い物 前編

 

 

「宗太、起きろ朝だ」

 

「もう朝か」

 

眠い、だけど今日は木曽の服を買いに行かなければいけないばならない。

だけど、その前に朝飯か。

 

「木曾、ちょっと待ていてくれ。今朝飯を作る」

 

今日の朝は何を作ろうか?

フレンチトーストでも作ろうか。

 

「朝飯は俺が作っといたぞ」

 

え?

木曾が俺のために?

てか、その前に...。

 

「木曾って料理できたんだ...」

 

「ああ、姉さんたちに料理は任されていたからな」

 

まあ、確かにあの人たちが料理ができる気はしないけど、

木曾も料理が出来たとは驚きだ。

 

「冷めないうちに食べてくれ」

 

テーブルの上には、おいしそうなフレンチと-ストが置いてある。

匂いが食欲をそそる。

 

「じゃあ...」

 

「「いただきます」」

 

二人であいさつをして俺は、フレンチトーストを食べる。

 

「どうだ?美味いか?」

 

口に入れた瞬間に優しい風味が広がる。

...凄い美味い。

 

「美味い、どうやったらこんなおいしくできるんだ」

 

はっきり言って、木曾の作ったフレンチトーストは俺の作るのより遥かにうまい。

これから料理は木曽に任せようかな...。

 

「木曾、これから料理をやってもらっていいかな?」

 

「いいぞ」

 

これで、毎日木曾の料理を食べれる。

木曾と出会う前の俺が、この状況を見たら嫉妬するだろうな。

さて、そろそろ買い物に行きますか。

 

まあ、その前に準備さなくちゃいけないんだが。

まずは財布だな。

たしか、この戸棚に...あった。

次は、スマホか。

テーブルの上に置いてあったスマホをポケットに突っ込む。ついでにその隣に置いてあった車のかぎも一緒に突っ込む。

 

「木曾そろそろ行くからついて来てくれ」

 

「わかった。少し待ってくれ」

 

そう言いながら、木曾は帽子をかぶる。

そう言えば木曾は、改二になっても帽子をかぶってたな。

なんでだ?

 

「なんで帽子をかぶるんだ?」

 

「いや、これがないとどうも落ち着かないんだ」

 

特に理由はないのか。

まあ、逆になんか理由があっても対応に困るが...。

 

「とにかく車に乗ってくれ」

 

そう言って俺は木曽を車の助手席に乗せ、

俺は運転席に乗る。

 

「ずいぶんと新しい車だな...」

 

木曾は車に乗るなり、周りを見渡す。

まあ、俺が大学に入ったそのお祝いとして買ってもらったものだからな。

 

「ちゃんとシートベルトを締めてくれよ」

 

「ああ、わかってる」

 

もし、捕まったりしたらいろいろめんどくさいからな。

 

「できたぞ」

 

さて、木曾もシートベルトを締めたし、

行くとしますか。

 

「シートベルトも締めたようだし、車出すぞ」

 

「わかった」

 

木曾の返事は素気なかったが、しっかりと返事をしてくれた。

 

「どうだ、外の景色は?」

 

俺は、外を見ている木曾に話しかける。

 

「住宅が多いし、人もたくさんいる。俺の世界も平和になればこんな感じになるのか...」

 

ちょっと質問を間違ったかもしんない。

...どうしようこの空気。

 

「空気悪くしちまったな。すまない」

 

「いや、木曾は悪くないよ」

 

実際変な質問をした俺の方にも非がある。

木曾一人が悪いわけじゃない。

 

「俺を気遣ってくれたのか...ありがとう」

 

そういって木曾は笑顔を見せる。

なんか...かわいいな...っていったい俺は何を考えているんだ!

一回落ち着こう....。

 

......。

 

だいぶ良くなってきた。

だけど、俺はあの先輩のおかげでだいぶ度胸がついたが、

まだこういうのには慣れてないな...。

 

「宗太、まだつかないのか?」

 

俺がそんなことを考えるうちに、

いつの間にか近いところまで来ていたらしい。

 

「もうちょっとで着くよ」

 

そんな返答をしている間にスーパーが見えてきた。

 

「木曾、あれがスーパーだ」

 

「へえ、あれが...」

 

俺は木曽が外を見ている間に、

スーパーの駐車場に入り、車を止める。

 

「さあ、着いたぞ」

 

俺がそういうと木曾が車のドアを開け、外に出る。

そんなに、早くいきたいのか...。

俺も木曾に続いて車の外に出る。

 

「さて、行くとしますかね」

 

財布とかは持った。

忘れてる物とかはないな。

 

「ああ」

 

そうして俺たちはスーパーの中に入っていった。

 

「ずいぶんとでかいな」

 

「まあ、ここら辺で一番大きいスーパーだしな。ここに来れば大体の物が揃うぞ」

 

此処のスーパーはよく特売とか安売りするから財布に優しいんだよな。

そのおかげで自分の趣味とかにお金を回せる。

 

そんな俺の話は置いといてまずは、木曾の服かな?

確か、二階に安く買えるとこがあったはずだから...。

 

「木曾、二階に行くぞ」

 

「そういえば、金とかは大丈夫なのか?」

 

それに関しては親からの仕送りも来ているし、最悪あの人を頼ればいい。

...あの人に頼るのは、ほんとにヤバくなった時だけだ。

まあ、あの人は俺が呼んでいなくても勝手に来るんだけどな...。

 

「それに関して問題ない」

 

木曾と話をしながら歩いていたら、いつの間にか服屋の前に来ていた。

俺は木曽と一緒に店に入る。

 

「木曾、ここで服を選んでくれ。値段とか気にするなよ」

 

金は結構余ってるから多少は使っても構わない。

...というのは建前で、本当は木曽にかわいい服を着てもらいたいんだ。

まあ、そんなキザなセリフは言えないが。

 

そういえば、球磨型でスカートを穿いてるのって木曾とハイパーズだけだよな。

 

「分かった。じゃあ、好きなように選ばせてもらう」

 

そう言って木曾は、近くに合った服を見て行く。

今思ったけど、これ他から見たらこ...いや、変なことは考えないようにしよう。

これ以上考えたら、木曾と顔を合わせられなくなりそうだ。

 

「宗太、選び終わったから会計を頼む」

 

木曾の手には、服が数枚握られている。

さて、会計に行ってみようか...いったいどれくらいの値段なのかは今ここで見るのも面倒だし

見なくてもいいか、結局レジでわかるしな。

 

「よし、じゃあ会計をするか」

 

俺は、木曾と一緒にレジに並ぶ。

財布のなかにはだいたい5万ちょっと入っている。

 

これだけあれば余裕で足りるよな?

なんかちょっと不安になってきた。

 

「25680円になります」

 

案外服って高いな。

まあ、なんとか金額に収まり切ったからよかったけど。

だけど、やっぱり学生には痛い出費だよな。

 

「次はどこに行くんだ?」

 

次は下着売り場かな。

だけど、こればっかりは木曽一人で行ってもらわなければならない。

あそこは男が入ってはいけないオーラのようなものが出ている。

 

「ついてくればわかる」

 

確か下着売り場はこの近くだったはず......あった。

案外近いところに会ったな。

さて、俺は木曽に財布をわたして....。

 

「さあ、宗太行くぞ」

 

俺が木曾に財布を渡そうとすると、不意に木曾に腕を掴まれる。

あれ?

さっきの言葉とこの行動嫌な予感しかしないんだけど。

 

「木曾、なんで腕をつかんでるんだ?」

 

「宗太も行くからだが?」

 

はあ!?

なんで俺が下着売り場に入んなくちゃいけないんだ!

男子が女性の下着売り場に入るとか公開処刑でしかないから!

 

「いいだろ、俺とお前の仲じゃないか!」

 

「いやいやいやいや」

 

俺とお前の仲と言われても、俺たち会ってそんな経ってないからね!

そう思ってくれてることは純粋にうれしいけどさ!

 

「さあ、行くぞ」

 

「.....わかった」

 

覚悟を決めるか。

もうこうなったら行ってやる。




今回はここで区切らせてもらいます。


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