個性:英霊召喚   作:金属粘性生命体

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 個性:英霊召喚の弱点その1
 シンプルな物量戦に弱い(なお数十程度では無意味)


少年期その4

 

 

 

 

 

 

 予想外、いや、ある意味予想の範疇だがその規模感がいかれていた。

 

「オラアァ!!!」

 

 まさかこちらの個性に対する対抗策を用意していたとは。しかも凄く見覚えのある個性で。

 

「こいつらキリが無さすぎるぜマスター!!!他のやつをとっとと呼び出しな!!」

 

 朱色の槍が基地に迫るヴィランを貫く。その左右から尖った氷柱が飛んでいき着弾地点周辺のヴィラン共を凍りつかせる。

 

「警戒してなかった!!後々ヴィランになるからと、放置してたのがいけなかったな──トゥワイスゥ!」

「あら、マスター。叫んでる暇があるのかしら、早く次のサーヴァントを呼んだ方がいいのでは無い?」

 

 その凛とした言葉を聴きながらも内に潜むサーヴァント達を呼び出す。玉石混合、こんなふうに大規模な襲撃を食らったのは初めてで未だに精神に関しては一般人。常に安全圏から見ていたのがいけなかったのか危機に関しては未だに脆弱。

 

 なのに無警戒でいた俺が悪いだろう。

 

 

 

 

 

 

 

 オールマイトがAFOと対峙するその日。その日は神殿と化した我らが基地の中にこもりシャドウサーヴァントを召喚し、陳宮に託した後、その様子を確かめるために使い魔を放つ瞬間にそれが起こった。

 

「っ!マスター君!基地周辺に空間の歪みを検知したよ!こ、れは──」

 

 観測部隊の1人である、ライダーの方のダ・ヴィンチ。通称ロリンチが機器で測定した所緊急の事態だと叫んだ。

 

「ヴィランだ!しかもこの反応……同じ存在が多い?AFOが送り込んできたヴィランの大群だとしてもおかしいぞ!」

 

 基地には現在十数騎程のサーヴァントしかいない。しかもそのほとんどが技術系であり戦闘が可能な程のサーヴァント居ない。そしてモニターに映し出された光景は──森周辺や森の中の中の大量のヴィラン。この基地内には転移阻害があるから問題ないと判断していた油断を突かれた。

 

 しかもだ、襲ってきたヴィランたちはどうにも同じ姿のヤツらが沢山いた。この現象は見覚えがあった。個性『2倍』だ。恐らくだが分倍河原仁の、トゥワイスの個性が奪われたのだろう。その即興で軍隊を作れる個性が使われ、数百以上のヴィランがそこに居た。しかもまだまだ転移してきている。

 

 

 

 

 

 

 

 「クー・フーリン、アナスタシア、牛若丸、アーラシュ、エミヤ、ひとまず足止めと撹乱を頼む」

「おう!」

「私?まぁいいけれど」

「首狩りですね!」

「牛若の嬢ちゃん……相変わらずだねぇ」

「私を使うのに魔力は大丈夫なのか?マスター」

「あぁ、一応な」

「なら遠慮なくやらせてもらおう」

 

 次々と来るヴィランに対抗するためサーヴァントを召喚する。あまり大量に呼ぶことが出来ないのが俺の弱点ではあるが──ひとまず技術系サーヴァントは送還し、ロリンチと共にモニターに齧り付く。

 

「まずい状況だよマスター君。どうやら市街地にもヴィラン達が向かっているようだ、遊撃を呼ばないと被害が広がるよ!」

「チッ……パーシヴァル、ガレス、レオニダス、マンドリカルド、ゲオルギウス、玄奘三蔵、コンスタンティノス。タゲ集中持ちの君達はカバー出来る距離で森を囲むように散ってくれ!タゲ集中を使ってヴィランの目を集めるんだ」

「了解ですマスター。ガレス、貴方は私の隣のエリアを頼みます」

「はい!」

「では俺はこっちに行くっす」

「ゲオルギウス殿は街への道を頼みますぞ、私は基地に近い方を守ります」

「分かりました」

「ふふん!ありがたーい説法を説く機会ね!」

「私は反対の街道を守ります」

 

 更に呼び出したサーヴァントを配置する。この時点で既に15騎のサーヴァントを呼び出しており現状フルスペックでサーヴァントが戦える限界値となっている。

 

(マスター!なんで私をそちらに呼ばないんですか!?)

「キャストリア、お前は母さんたちを守ってくれ」

 

 キャストリアは最近母親に料理を習っているようで、今日も家に居るはずだ。だからそのまま家を守るように指示を出し眼前へ集中する。

 

「マスター君、私の事は戻してくれても」

「頭脳担当を逃すかよ。それに俺は今──平静じゃない。見ろ、手を」

 

 AFOの手が既にここにまで迫っていた。その事実に恐怖を覚え、手が震える。先程の指示も声が震えていないか不安だ。

 初めての窮地。この基地だって確かに色々と対策を施してるが用途は研究目的だ、迎撃システムなんてディンギルを模した小型魔力砲しかない。それだって人一人殺すのに適してるだけでここまでの大軍を対応する程では無い。

 

「……うん、分かった。傍にいるからね」

「頼む、聖杯組は1人でも傍にいてほしい」

 

 聖杯組であり、絆レベル10組のひとりであるロリンチ。彼女は鬼一法眼の次に呼び出したこの世界に来た中でも古参とも言えるサーヴァント。俺がFGOを始めた頃にPUもあったりと最初から付き合いのある奴だ。信頼度で言えばキャストリアの次に高いと言える。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 数が多い。マスターの指示に従い外へ出た瞬間の感想だ。

 

「まだまだ増えてやがるぞ──弓兵、お前はどうするつもりだ?」

 

 隣に並び立つ宿敵(ランサー)を視界に入れず両手へ使い慣れた干将・莫耶を投影する。

 

「彼らがどのような個性を持つのか不明だが、複製された存在であり脆い命の紛い物で殺すことも厭わなくていいとの事だ。だから遠慮はしない」

 

 だが自重はしなくてはならない、魔力の問題ではなく被害の問題だ。ここは森と言えども市街地に囲まれた局所的な森であって完全な森の中では無い。つまり大規模破壊宝具は使えない訳だ、むろん壊れた幻想も論外だな。ということは少なからず必要になる手は──

 

(皆に今回の()()の終了条件を知らせるよ!)

「ッ、ダ・ヴィンチか」

「終了条件ですって?その様なモノが今回の事態にあるのかしら──発生元を止めなくてはならないのでは?」

(ううん、それは違う。この転移の個性を使用してる人物はAFOなんだよね、過去に観測したあいつの生命エネルギーが再度観測できた訳さ)

「……確か今日がオールマイトとやらがAFOとの決戦に望む日だったか」

(そう、つまりいずれAFOがオールマイトにかかりきりになればこのヴィラン達の流れも止まるはずさ!)

 

 つまりそれまでここを防衛し、1人たりともこの森から出さなければいい、と。

 

「ふっ……だが殲滅しても良いのだろう?」

「そうですよダ・ヴィンチ殿。彼らの首を全部刈り取れば問題ないでしょう?」

(そんな程度じゃないから言ってるんだけどなぁ……だってよくよく見てご覧よ。一回の転移で数百人は送られてきてるんだよ?数分おきとはいえ脅威だ)

 

 身体能力が一般的とはいえ侮れないか。数が数なだけある、シンプルな物量がここまで厄介だとは──私が言うことではないか。

 

「……分かった、大人しく守りに入らせてもらおうか」

「懐かしいな、メイヴに追い詰められた時を思い出す」

 

 足に力を込める。なにか過去に思いを馳せている犬が隣にいるが特に気にすることでもないだろう。

 

「行くぞ!」

「言われなくても!」

 

 

 






 次回オールマイト視点

他者視点欲しい?

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