個性:英霊召喚   作:金属粘性生命体

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 な、難産すぎる。シンプルに描写というか、キャラが一気に増えるんで脳内でそれぞれがそれぞれで大暴れし始めて辛い。

 あと他にも描きたい作品もできたって理由もある、マジで。


青年期その2

 

 

──ズーン

 

 会議室、審査室から諸々の審査が終わったので最後の問題に取り掛かるために腰を据えて相談ができる場所へと移動していた教師陣。

 だがその最後の問題の映像を見れば見るほど異常であり、このままでは他の受験生との差が開きすぎてしまうことが判明してしまい、会議室は少しだけ気落ちした空気となっていた。

 

「では今計測が終わりましたので報告します」

 

 セメントス、そう呼ばれるコンクリートを操る複合異形系個性を持つ教師が3つ画面で行われていた計測を終え、統合した結果をホワイトボードに書き出していく。

 

「ヴィランポイント、174ポイント。救助ポイントが……243ポイント。合計417ポイントになります」

「……分かってはいましたが、やはり救助ポイントが異常ですね」

「彼が呼び出した存在が優先的に他者を助けていたからなのさ」

「でも半分くらいは最後の0ポイントヴィランを迎撃した際のポイントですね……いえ、あそこまで巨大な存在を呼び出せるだなんて思いもしませんでしたけど」

 

 ヴィランポイントが思ったよりも控えめだった、そう思ったのはイレイザーヘッドこと相澤先生と根津校長だけだった。

 それもそうだろう、並のヒーロー以上の力やスピードを持つ存在が並のヒーローでは足元に及ばない技量で余すことなくその力を十全に使うのだ。もしかしたら全ての仮想ヴィランを排除されていた可能性すらあった……なのにそうはならなかったということは。

 

「彼がセーブしたってことですか」

「将来有望なのさ、他者の事を慮って他にもできることを模索した結果。なら彼のおかげで他にも有望な受験生が合格出来たことに感謝をした方がいいのさ」

「でもこれでは他の子との差が明確に開いてしまいますが……」

「仕方ない、と思うしかないのさ。彼は制限された力の中で最高のパフォーマンスを見せてくれた、しかも確か筆記試験はほぼ満点なのさ」

 

 筆記試験における答案用紙ももちろん持ち込まれており、そこの紙にはほぼ全ての科目において90点以上、中でも歴史の分野においては100点を叩き出している。

 

「ここまでヒーローになれるほどの素質を見せられたら彼だけを特別措置でポイントを低く見積るのは大人としてやってはいけない事さ──」

 

──コンコン

 

「失礼、私が来た!」

「オールマイト!」

「大遅刻なのさ、オールマイト」

「あ、すみません。ちょっとヴィラン退治をした後に困っていたお婆さんを助けていまして……HAHAHA」

 

 丁度、と言うべきか。今一番意見が欲しい人物が結構しょんぼりとしながら来た。どうやらヴィラン退治をした後に困っていたお婆さんを助ける過程で、ファンとの交流も混ざったせいで余計時間がかかったようだ。それはそれでどうなのかと思うが。

 

「それで、教師陣総勢で何をしていたんです?」

「これを見てほしいのさ、確か君は彼のことを知っていたよね?」

「彼……?」

 

 実技試験のビデオを最初から流してオールマイトへ見えるようにする。その映像が始まった時は怪訝そうな顔をしていたオールマイト、だがある一点を見つけその一点こそが今回の議題の少年であった。

 

「藤丸少年!ちゃんと彼は雄英高校に受験しに来てくれたんだな!」

「オールマイト?まさか知っていたのですか?」

「知っていた、と言えばそうだ」

 

 彼が言うには数年前に彼の召喚した存在が接触してきたそうだ。その際に色々と、そう色々と一悶着があったそうだがそれでも雄英高校へ入るという意思表示をオールマイトへしていたそうだ。

 

「だから私は期待して待っていたんだ。ただ、予想よりハッチャケてたみたい」

「……はっちゃけてた、ですか」

「一度テレビ通話で顔合わせしたことがある、本人は幼いながらに大人のような応対をこなしていて、喋っているこちらからすると社会人を相手にしていたように思えた。そのことを踏まえると……どうやら彼が、というより彼の頭脳担当のサーヴァントがはっちゃけてこのメンツを選択したらしいね」

 

 多少なりとも交流があったからかかなり高い評価をしている様で、本人が選別するならちょっとふざけすぎたメンツを選択したらしい。

 

「ということはその頭脳担当とやらがそれでも問題ないと判断を下した、と」

「事実その通りになってんだから、リスナーの頭脳担当とやらは頭がいいのか、それともサーヴァントが規格外なのかどっちなんだか」

 

 そんな話の中、ミッドナイトがあることを思い出した。

 

「そういえばこの子、生身で瓦礫を吹き飛ばしていませんでしたか?個性がサーヴァントとやらを召喚するものならおかしいとは思いません?」

 

 ごもっともな意見が出てきた。その言葉にそういえば、と映像を巻き戻していくセメントス。その映像の中では体に光る線を浮かび上がらせながら亜音速の速度で0ポイントヴィランへ近づく藤丸立香の姿が映し出されていた。

 

「確かに、この規格外の個性のせいで違和感を覚えなかったが……これでは強化系個性なみの力を持っていることになる」

「それに試験前にはなかった全身に光る線があるぜ、これがなにか作用しているんじゃねぇか?」

 

 もしかしてヤバめな道具かなんか使ったのでは、そう思われたり。

 

「違うのさ、このシーンをよく見るといいさ」

 

 と、根津校長は最初からずっと藤丸立香のことを見ていたが故に覚えている事を皆に見せるために更に映像を巻き戻していた。

 そのシーンでは巨大な角を持つ少女、巨大な姿へと変身したその人物が藤丸立香へ何やら呟いた次の瞬間に体に光る線が浮かび上がってきていた。

 

「詳細は分からないけれどこの少女が藤丸くんへ何かを施したのが伺えるのさ」

「なるほど……」

「他者の力を上げることも出来る、本人も近接はもちろん中遠距離にも対応出来る声での衝撃波。挙句の果てには巨大化までできるって……規格外ね、プレゼントマイク。あなたのお株が奪われたようよ?」

「そんなわけないだろ!声の綺麗さでは──」

「圧倒的にこっちの方が綺麗だぞ、山田」

「山田言うな!!!」

 

 まぁなんやかんやごちゃごちゃとあったが教師陣の結論は、力を制限され他人に配慮した上でここまでの高得点を叩き出しているのだから遠慮なく首席にしよう、という話で纏まった。

 

 

(ううむ、確かに来てくれるとは言っていた……それでもここまで目立つことはしないと思っていたのだが、何かあったのかな?)

 

 ただオールマイトは少しの疑念を抱いていた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「立香〜、雄英から配達よ〜」

「あいよー」

 

 お母さんからの言葉でついに合否結果が来たことが知らされた。自室から飛び出す際に足元で丸まって寝ているキャットを踏まないように軽くジャンプしながら部屋を出る。

 二階にある自室から1階のリビングへ移動し、お母さんが持つその封筒を受け取る。

 

「これが例のアレ、ねぇ?」

「アレって何か知ってるの?」

「ん、何か映像投影式のメール?らしいよ」

「へぇ……どれ、どんなもんなのかしらね」

 

 中身を取りだしてそのコインみたいな見た目をしたそれを起動する。

 光が溢れ出してそこに映し出されたのはオールマイト……ではなく根津校長だった。

 

(予想と違ったな、てっきりオールマイトかと思ったんだけど……)

 

『やぁ藤丸立香くん、僕は根津、雄英高校の校長をやっているお喋りなネズミさ!』

 

『本来なら合否判定を告げる役割はオールマイトにやってもらう予定だったんだけど……話したいことがあって代わってもらったのさ。少し君について込み入った話をするつもりなのさ』

 

「へぇ?」

 

『もしそこに聞かれたら困るような人が、例えば家族が居るのならば個室に移動するのをおすすめするのさ!』

 

「お母さん」

「うん、いいわよ」

 

 映像を一時停止する。共に見ていたお母さんに聞こうとしたらすぐに了承をもらった。少し寂しそうではあるけれど、これは俺のこれからの部分だ。すまないが今は配慮してあげられそうにない。

 

 すぐに自室へ移り、寝ているキャットを布団に放り投げて映像へ集中する。その際、後ろにキャストリアが姿を現した。

 

「込み入った事を話す、何を話すつもりなんでしょうね?」

「んー、分からん……」

 

『恐らくだけどこの間に自室か個部屋へ移動してくれたと思うのさ。まず君については我々はヒーロー公安委員会から知らされていたのさ』

 

「まぁ妥当だわな」

「結構喧嘩売るようなことしてましたからねぇ、多分良い報告は無いと思いますよ」

 

『まず試験結果については、もちろん合格なのさ!筆記試験は総合765点、内歴史の科目は100点満点なのさ!』

 

「ホッ……」

「良かったですね、これでエルメロイ二世から折檻の類はなさそうですね……エルメロイ二世、()()()

「おっとその話はやめだやめ。地獄の課題の山は二度とやりたくねぇ」

 どこぞの小悪魔系義妹が銀色のメイドを従えて悪〜い笑みを浮かべている想像をしてしまい身震いが止まらない。

 

『そして実技はヴィランポイントが174ポイントなのさ!だけど我々が見ていたのはそれだけでは無いさ、救助ポイントと呼ばれるどれだけヒーローとして行動できたかを評価するポイントもあるのさ!そして君の救助ポイントは243ポイント、総合ポイントは417ポイントなのさ!』

 

「うわぁ」

「うわぁ」

 

 感覚でしかバサスロ、キャット、ティアマトに指示をしてなかったせいでどれほど仮想ヴィランを倒していたのか、どれだけ他者を助けていたのか把握していなかったが……予想より高すぎる結果うわぁとしか口に出せなかった。

 

『第二位のポイントをほぼ二倍近く突き放して、君は首席合格なのさ!歴代最高ポイントを超えてもいるさ!』

 

「……ん?2倍?」

「てことは2位の人は200近くのポイントを持っていた、ということですか。十中八九あの二人のどちらかでしょうね」

 

 爆豪と緑谷、両方の話を聞くとどうやら2人とも0ポイントヴィランを打倒しているらしい。片や進むべき道に出てきた壁を壊すために、片や誰かを救う為に力を振り絞って。

 両者共にその実力はプロ並、爆豪は多少の疲労感のみを残して少々物足りなかった様で試験が終わった後普通に喧嘩売ってきた。緑谷はその受け継いだ個性を強化魔術を使い限界の許容値を上げることに成功していた、そのお陰か全身むち打ちや肉離れ程度のダメージしか負っておらず、オマケに原作では手も足も出なかった仮想ヴィランを八極拳でしばき回っていたらしい。

 

「しっかり結果を出してくれてるようで何より」

「すんごい親目線みたいになってますよ、おじさん臭い」

「ひでぇ」

 

『ここまでが前置きなのさ』

 

「お、本題か」

 

『我々雄英高校教師としては君の事を受け入れる、そのことについては異論は無いさ。ただ……君は少々強すぎるのさ、尋常でない強さを持つ存在を百超える数呼べるその個性、そんな彼らから教育を受けてきた君は既にプロヒーローと遜色がないのさ。むしろ今からでもトップヒーローに食い込めると我々は想定しているのさ』

 

「……」

「妥当ですね、七つの特異点、七つの異聞帯を攻略してきた我々は世界を相手にしても勝てないとは言えませんから」

 

『それを踏まえて僕は君にぜひ来て欲しいと思っているのさ!確かに君は優秀で強者で、だけれどヒーローとしてはまだまだ卵なのさ!だから君には雄英高校でヒーローとして学んで欲しいのさ!』

 

「凄い、そんな事を言えるなんて……彼らはできた大人ですね」

「あぁ……かっこいいな」

 

 自分たちを超える存在が居る、しかも教わりに来る。それだけで普通の人はストレスだし、どうすればいいのか分からないはずなんだ。

 だけど彼らは俺の事を()()としてちゃんと冷静に見ている、足りない部分があることも理解している。彼らもしっかりとヒーローなのだと、改めて理解できた。

 

『その上で君には頼み事があるのさ』

 

「うん?流れ変わったな」

 

『これに関しては雄英高校としての意向ではなく、ヒーロー公安委員会としての考えだと理解して欲しいのさ』

 

「あいつら……」

「調子乗ってますね」

 

『彼らは君が呼び出せるサーヴァントという存在をヒーロー公安委員会に何人か出向させて欲しいと言っているのさ』

 

「……あ゛?」

 

『彼らの思惑はだいたい想像つくのさ。君に一杯食わされたことを根に持っていること、君の個性を理解すること、その上で対策を練る為の情報を得る。君の個性を脅威に思っているからこそのこの()()なのさ』

 

「舐めてやがんな……?」

 

『この事を知っているのは僕とオールマイトだけなのさ。その上で僕の意見としては従って欲しいのさ。オールマイトは拒否してもいいって感じさ』

 

「……」

「……」

 

『今後君がヒーローとしてやっていくにはヒーロー公安委員会との付き合いは避けられないのさ、だからこそ君には彼らに自分の事を理解してもらう必要があるのさ!』

 

「はあ」

「なるほど?」

 

『人は理解できない存在を恐れる、君にはその理解を進めるために協力して欲しいのさ!』

 

「……言ってることは理解できるが、納得できるかどうかはまた別だ。それが分からない校長じゃない」

 

『もちろんタダでは無いさ!この話をする上で僕とオールマイトはヒーロー公安委員会に交換条件を出したのさ!』

 

『その内容はヒーロー公安委員会が行っている仮免試験に合格したら──その時点で仮免ではなく本免を交付する、と僕とオールマイトの名前で保証してもらったのさ!』

 

「はぁ!?!!?」

 

 いや、嘘だろ!?

 

『仮免というのはヒーローとして未熟だからプロヒーローの付き添いが必要な幼いヒーローに交付されるのさ!その点、君が今後ヒーローとしての心構えができて、尚且つヒーロー公安委員会が君が呼び出す存在が危険では無いと理解できたならば、問題なくプロヒーローとして行動できると僕とオールマイトは判断したのさ!』

 

 ヒーロー公安委員会は俺の個性の危険性を理解している。だが表面的な部分でしか理解していない。だからこそヒーロー公安委員会の手が多少入っている雄英高校に所属することになった今、出向という命令を用いて理解を進めようとしている、と。

 ただそれだけだと余りにも俺が不憫だかなんだか判断したのか分からないが……少なくとも公平ではないと判断した根津校長とオールマイトがヒーロー公安委員会相手に交渉して、力は元々あるからヒーローとしての心構えが出来たと判断できる仮免試験を合格したならばそのままプロヒーローとしての資格を交付する、と取り付けた。

 

「破格すぎんだろ」

「彼らがそこまでする理由はあるのかなぁ……」

「いや、あるだろ」

 

『僕らはヒーローなのさ』「彼らは英雄(ヒーロー)だ」

 

『そして雄英高校はヒーローになりたいと思う若者の為の学校さ。だからこそ君の輝かしい未来が大人の思惑で潰されることを僕は認めないのさ』

 

「彼らは子供達が無限の可能性を持っている事を知っている」

 

『君には君の道がある。僕らはその行く末や行きたい方向は分からない、けれどその手伝いをすることは出来るのさ!』

 

『さぁ来なよ!ここが君のヒーローアカデミアさ!!!』

 

「これが大人、か」

「かっこいいですね」

 

 あぁ、本当にかっこいいよ。ヒーロー(英雄)ってのは……

 

 

 

 

 








 ヒロアカ最新話見たワイ
「ば、ばくごー!!!!!!!!!」

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