個性:英霊召喚   作:金属粘性生命体

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青年期その10

 

 

 

「よっーす」

「「「「生きてたー!!!」」」」

「うるさっ、何?怖いんだけど」

 

 休校日を挟んで登校ができるようになり登校するとこれである。え、何?何があったん?

 

「いやいや、何もお前だけが気絶したって聞いてたんだよ!」

「脳無?とか言うやつが4体お前に襲ってたじゃんか、相手をしてたお前が気絶したって言うからどんだけヤバいやつなのか、無事なのか……めっちゃ心配したんだぞ!」

 

 瀬呂と上鳴が疑問に答えてくれた。

 

 あぁ、なるほど。あの日気絶したのは俺だけなのか、一応相澤先生からは大きな傷を負ったやつがいないとは聞いていたし。そら心配するか。

 

「なんだ、心配してくれたのか。ありがとな」

「それで藤丸ちゃん、何があったのかしら?大きな傷もなさそうだし。もしかしてヴィランの個性のせい?」

「いんや、ちょっとね……色々とあって個性が変化しちまってな」

「個性が」

「変化?」

「そ、ヴィランの個性だかなんだか知らないけどリカバリーガール曰く俺の個性因子が若返ったみたいでなぁ。それで変化があったわけ」

 

 そういうと1拍の沈黙の後、大絶叫が教室中に響いた。至近距離で上鳴や瀬呂などのメンツの大声を直撃したので耳がキーンとなってしまう。

 

「……はぁああ!?!?」

「それ大丈夫なのかよ!?」

「個性は?個性は使えるの!?」

 

 BOMB!!!

 

「やかましいぞモブ共!!」

 

 そんな中爆豪が爆音を鳴らし全員の意識を爆豪へと向けさせる。おかげで口々と喋っていたクラスメイトが口を閉じてくれる。

 

「おい、藤丸ゥ!」

「なんだ」

「聞くがよ、弱くなった、って訳じゃねぇだろうな!?」

「……それを聞いてどうしたい?」

「どうもこうもあるかよ、越えなきゃいけねぇ壁が勝手に低くなってんじゃねぇって言ってんだ!」

 

 ……不器用な心配、って所か?いや、違うかもな。とりあえず本人としては真面目に俺を越えようとしてたからな、その壁が低くなるのが気に障るのだろうな。

 

「それなら心配ないよ、俺が弱くなったとしても爆豪、お前が強くなったわけじゃないし」

「んだと?」

「それに総合的に見れば弱くなったけど、俺という単体で見れば強くなってるからさ」

 

 集団という意味では弱くなっても、藤丸立香という個体で見れば強くなっている。そう俺自身は判断する。

 

「嘘じゃねぇだろうな?」

「もちろん」

「はっ、じゃあせいぜいその位置から転落しないように気をつけろよ……その自信ごとぶっ壊してやるからよォ」

 

「おはよう、朝から元気だなお前ら」

 

 そんなこんなで相澤先生が来る。負傷はあまりしてないようで絆創膏程度か、オールマイトが居るだけでかなり変化があったようだな。というかシンプルに相澤先生が強すぎるな、何だこの人。肉体だけならほぼ無個性と変わらないのにあの人数相手に単騎で勝ってんのか。

 

「さて、まず伝達事項だが。この時期だ、お前らもわかってるんじゃないか?」

 

「この時期の雄英つったら」

「アレね」

 

「そう、雄英体育祭が迫っている」

 

「「「クソ学校っぽいの来たああ!!」」」

 

 うるさ。相も変わらず仲がいいなこいつら、そんなに息が合うことあるか???

 

「しかしつい先日ヴィランに襲撃されたばかりです、大丈夫なんでしょうか?」

「問題ない、と言うよりも警備が磐石だということを示すためにも雄英体育祭をするんだ。警備も例年の5倍以上ほどに増やす予定だし、問題なく行われるだろう」

「なるほど、分かりました!」

 

 やはりと言うべきかヴィランに襲撃されたことを意識してしまう。彼らの才能は高く、そこら辺のチンピラ風情に負けることはなくとも本物の悪意には弱い。その悪意の塊とも言える脳無を見てしまった彼らはその存在が脳裏にチラつくようになってしまった。

 多少相澤先生の言葉により安堵することができても……転移系の個性持ちが逃げてしまっていることを知っている。もしかしたら・あの時に・これから、奴らがまた現れるかもしれない。そんな恐怖とも言えない不安が生徒たちの表情に現れてしまっていた。

 

「……お前らの懸念は分かる、だが俺達のことを信じて欲しい」

 

 それでもここは雄英高校。ヒーロー達の育成場所であり、ヒーロー達が集まる場所だ。

 真っ先に守るべき生徒達の不安を解消してやるのもヒーローの役目だ。

 

「本来なら俺自身が保証してやるべきだが……安心できるというのなら多少の情報は開示できる。聞きたいか?」

「……申し訳ありません」

 

 代表として飯田は周りを見回して、その言葉を出す。

 

「はぁ……まぁいい、今後はお前達にはもっと厳しくいかないとダメそうだが、今回の失態は俺達のせいでもある」

 

 溜息が漏れ、少し全体を睨みつけるように視線を動かす相澤先生。いや分かるよ、どうしようと俺たちはヒーローとなる為に来ているのだからいずれは慣れなきゃいけない。でも、である。俺みたいなイレギュラーならまだしもまだこいつらは15~16のガキ共だし、多少は見逃して欲しいものだ。

 

「警備に関しては例年以上と言ったが具体的に言えばトップヒーロー達や新進気鋭のヒーローを招集することとなった」

「アァ?」

「トップヒーローからオールマイト、エンデヴァー、ベストジーニスト以下数名、いずれもビルボードチャートにのるヒーローを招集している。並大抵のヴィランじゃあ襲撃をしようなどということも考えられん戦力を雄英高校は用意した」

「まじ!?」

「トップヒーロー達を生で見れるんすか!!」

「そこは知らん、運だろ」

 

 なんか原作より警備増えてね?これもしかして脳無が増えてた影響か?安全に越したことはないんだが……他の地域の安全大丈夫か?情報漏れてたりしたら──いや、漏れないか。アサシン達に一応公安委員会でもできるスパイ対策を教えるよう指示してたし、数日程度じゃあスパイも潜り込む事はできないだろうし……問題は無いか。

 

「そういう訳だ。お前達の役割は雄英体育祭において全力を尽くす、それだけだ。わかったな?」

「「「はい!」」」

 

 

 

 

 

 

 

 

「な、ななな何事だぁ!?」

「何だよ出れねぇじゃん!何しに来たんだよ!」

 

 放課後、授業が終わり下校しようとした時である。やはりと言うべきか教室前に人だかりができているのだ。

 

 普段なら生暖かい目で見守ろうとするのだが今は問題山積みであるのでできるならばどっかいって欲しいのだが。

 

「敵情視察だろザコ」

 

 そう暴言を吐きながら爆豪は教室の出口へ足を進め、目の前に立つ人集りを睨みつける。

 

「敵の襲撃を耐え抜いたヤツらだもんな、体育祭の前に見ときたいんだろ。そんなことしたって意味はねぇ、努力しようとせず遠巻きから見ることしか出来ねぇモブどもだ。退け」

「知らない人のことをとりあえずモブっていうのやめなさい!!」

 

 そんな中1人の生徒が前に出てくる。

 

「噂のA組、どんなもんかと見に来たが随分と偉そうだよなぁ。ヒーロー科に在籍するヤツは皆こんななのかい?」

 

 心操人使、個性:洗脳。問いかけに応対した場合に洗脳され指示に従わせることが出来る個性。作中ではヴィラン向けとか言われてたっけか、だからか多少ひねくれた性格をしているが……

 

「こういうの見ると幻滅するなぁ。普通科とか他の科ってヒーロー科落ちたから入ったって奴結構いるんだ」

「……」

「そんな俺らにも学校側はチャンスを残してくれてる。体育祭のリザルトによっちゃヒーロー科編入も検討してくれるんだって。その逆もまた然りらしいよ」

「「「!?」」」

「敵情視察?少なくとも俺はいくらヒーロー科とはいえ、調子に乗ってっと足下ゴッソリ掬っちゃうぞっつー宣戦布告しにきたつもり」

 (((この人も大胆不敵だぁ!!)))

 

 その言葉に動揺しているものが多い中、爆豪は冷めた目でその様子を眺める。そんな中またもや別の生徒が。

 

「おうおう!隣のB組のモンだけどよぉ!敵と戦ったっつうから話聞こうと思ったんだがエラく調子づいちゃってんなぁオイ!!」

(また不敵な人来た!!)

 

 ……なんだろうか、この奇妙な感覚は。こちらは一切悪いことをしておらず、むしろ被害を受けた側なのに。原作を読んでいる時点で思っていたことだが、こいつら、ヴィランの脅威を知らないのだろうか?

 

 とりあえず俺も爆豪の隣へと向かう、というか既に爆豪は動いていた。生徒をかき分けようと無理やり歩き出している。

 

「待てこら爆豪。おめーのせいでヘイト集まりまくってんじゃねーか!どうしてくれんだ!」

「関係ねぇよ」

「はぁ?」

「上にあがりゃ関係ねぇ。邪魔だそこどけ」

 

 そう言い残し教室を出ていく爆豪。追いかけるように俺も足を進める。

 

「ま、そういう訳だから。なんか文句あるんだったら体育祭で頼むよ」

 

 おっと、そういえば忘れてた。個性が変化した影響があったんだった、いつもの癖で爆豪と帰るところだったな。少し歩みを止めて、周囲を見渡す。注目されているが、人集りの奥でぴょこぴょこと飛んでいるその人物の姿を捉える。

 周りのヤツらが自然と避けてくれるのでそのままその人物の前に辿り着き声をかける。

 

「んじゃ帰ろっか、トガ」

「ちゃんをつけて欲しいです」

「分かったよトガちゃん」

「ふへへ」

 

 ということでトガヒミコと合流することに成功する。個性が変化した影響を受けた人物でもあるからね、今日はトガヒミコと帰ることとする。

 

 

 

 

 

 さてそんなこんなもあり、トガヒミコ宅へと着く。

 

 現在の彼女はアタランテ(アーチャー)の養子という事を前に話したが、個性が変わりアタランテは姿を消してしまった。そのせいでトガヒミコは多少不安定となっている、今まで自身を大切にしていた人が居なくなったのはその通りなのだが。

 

「それでそれで!」

「うん、話はいいんだけれど近くない?」

「なんです?」

「いやだから近いって。少しは離れて欲しいんだけど」

 

 玄関で靴を脱ぎ部屋の様子を確かめながらリビングへ赴いたのは良いのだが……なんでトガヒミコは俺の手をずっと握っているのだろうか。不安なのはわかるがそこまで好感度稼いだ覚えはありませんけど?ほとんどアタランテ任せだったんだが???

 

「……ダメ、ですか?」

「そう、言われたら弱いなぁ……不安か?」

「……帰ってきた時誰もいない家だったんです。見捨てられたのかと……」

 

 困ったな。俺の責任、とは言いずらいが要因ではあるからなぁ。とりあえずまだやる事があるのでそちらに集中したい。

 

「分かった、じゃあしばらく俺もこっちで住むことにする」

「え?」

「一人暮らししているとはいえ俺も多少寂しくなったところだからさ」

「……ふへ、お揃い、ですね」

「そうだね、じゃあ少し待っててくれないか?荷物取ってくるからさ」

「分かったのです!すぐ帰ってくる?」

「一応近場だからね、1時間くらいかな?」

 

 漸く手を離してくれる。未だに彼女は一人暮らしができるほど情緒が育っていない。最近判明した変身の副作用ともいえる治癒の効果を学ぶためにリカバリーガールに教わっていることも合わせてもまだ幼い様子があるみたいだ。だったらその不安定な部分をこちらが支えてやるしかないだろう、最悪何かしらで暴走する可能性もあるからな。

 

 ひとまず何とかなったので荷物を取りに行くために家を出る。それに伴い携帯を取りだしある番号へ電話をかける。

 

「もしもし、今大丈夫そう?」

『……大丈夫では無いが、ひとまず何とかなっている。一体何があった?無断でサーヴァントを戻すなど君に何かがあったようなものだが』

「あれ、報告いってないの?俺個性変化しちゃったんだよね、その影響でサーヴァント出せなくなっちゃったんだよ」

『何?では……あー、約束はどうなる?』

「どうなるも何も……今更あんたらがサーヴァントのことを危険とか言えないでしょ?さんざっぱら仕事でお世話になってたんでしょ?」

『それもそうか』

 

 電話の相手は公安委員会会長だ、個性変化の影響その2。派遣していたサーヴァントの消滅した委員会がどうなっているかの把握をしなければならない、本当なら昨日のうちにやりたかったが安静と言われていたのでなんとも。

 

「で、今どんな感じ?」

『襲撃の件か?』

「それもあるけど、あんたならわかってんじゃないの。AFOが動いてるって」

『そうだな……まず委員会は無事だ。ただ、水面下だが複数のヴィラン組織が動いている、AFO関係だろうな』

「それ俺に言っていいの?」

『何を今更。藤丸くん自身にサーヴァントの彼らが報告していないはずがない、ならば今更情報を絞る必要は無い』

「それならいいんだけど……何とかなりそうかな?」

『何とかできる、できないじゃない。何とかする、如何にサーヴァントが強力だろうとその実態は子供の個性だ。子供に心配されるほど落ちぶれていないつもりだ』

「そうか。じゃあ何か聞きたいことはある?」

『ふむ……個性が変化したと言っていたが、元の使い方はできないのか?』

「あー……今は無理そうかな。なんか今後何とかなりそうな気がするけど」

『……いくら超常的といえど個性は身体機能だ。体調に変化がないのならば大丈夫か。分かった、少なくとも今は無理なんだろう?』

「あぁ」

『じゃあ君は安静にしてヒーローをめざしたまえ。仮免試験後のヒーロー免許取得も問題なくこちらで進めておく』

「いいの?」

『問題ない、私の独断だろうと無理やりにでも許可を出す。言ってはなんだが君の個性はオールマイト級だ、一本の柱に頼りきっている今の日本を変えるための布石にさせてもらう予定だからな』

「……それならいいけど」

『では切るぞ。仕事が溜まっているんだ』

「分かった。また今度電話かけるよ」

『いや、かけn──』

 

 なんか言っていたが無視をする。とりあえず会長は俺の事を無理やりヒーローにするつもりらしい、日本のためだとか言っていたが……大方AFO対策だろうな。

 んで次。家に着いたので荷造りしながら別の所へ電話をかける。

 

『はい、こちらU.L.Kコーポレーション代表、シドゥリです』

「あ、シドゥリさん?今会社どうなってる?」

『あぁ藤丸殿でしたか。問題なく会社は回っています、この分なら数ヶ月は持つかと』

「数ヶ月しか持たないか〜」

 

 U.L.Kコーポレーション。子ギルが建てた超巨大企業だ、かなり幅広くやっておりヒーロー関係の仕事はもちろん飲食系や建築、最近だと宇宙にも手を伸ばしている。ここ数年ほどでできた新規企業だ。

 でこのシドゥリさんはどういうことかと言うと、子ギルだと見た目的にも会社を設立することが出来なかったので、宝物庫に眠ってたホムンクルスを改造しシドゥリさん似の人物を生み出し代わりに社長に仕立てあげた、って感じ。どうやら現実に即した感じになっているようで子ギル事消えなかったようだ。

 このU.L.Kコーポレーションから出たお金で基地がある森を購入できており、俺の生活費となっている。つまり俺は御曹司、規模だけで言えば八百万の所並かそれ以上だろうか。

 

 ひとまず数ヶ月は何とかなるようなのでそれまでにサーヴァントを出せるようにならなければ不味いことになるな。子ギルが優秀すぎたか、ほとんどの事業の原案を考えていたりしていたからな。今は溜めに溜めていた情報で持たせているようだし。

 

「うん、分かった。何とかするよ」

『お願いしますね』

 

 とりあえずこれでなんとかなったな。基地は知らん、一応自動修復機能あるって言ってたしなんとかなるだろ、危険な研究させてなかったし……なんか不安になってきたなぁ。

 

 

 






 なんかU.L.K(U.L.C)にあてはまりそうないい感じの英語無いかな。
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