個性:英霊召喚   作:金属粘性生命体

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 今回はクッソ短め、いつもの半分(2000文字)くらいとなります。


青年期その11

 

 

 

 雄英体育祭当日。出場予定の生徒達は各クラスに分けられた部屋に待機して、入場時刻を待っていた。

 1-Aの待機室では、各個人が本番に向けた準備を行っているところで、柔軟体操で身体をほぐす者、緊張を抑えようと深呼吸を繰り返す者、友達と喋って気を紛らわす者、いつも通りふてぶてしい者など、様々。

 

「コスチューム、着たかったな〜」

「公平を期す為、着用不可なんだよなぁ」

 

 ヒーローコスチュームを使用するのは不可の為、ぶーぶー文句を垂れる芦戸。それを宥める尾白。コスチュームを着れれば確かに最高のパフォーマンスとなり今後控える活動に有利と言えるが、そうなってしまったら普通科などが勝つことなど不可能となってしまうので禁止されてしまう。

 まぁそんなもの圧倒的な成果で魅せてしまえば関係ないが、爆豪はそういった風に考えているしな、アイツ妙に意気込みが凄いのか()()()()しているし。スロースターターのあいつが今から体調を整えるとか……初戦からどんなやる気だっつうの。

 

 

 視線を少しずらし、緑谷の方へ。既に宣戦布告がなされているのかいい顔で轟を見ている、こちらもやる気満々だな。原作と違い既にフルカウルも使えるようになっているあいつはある意味鬼門だろう。身体能力という一点のみで見ればサーヴァントに匹敵するあの力、結構楽しみにしている。

 

「お前もだ藤丸」

「……」

「俺はお前に一度負けている、個性を使われずに。だからこの体育祭でお前に勝つ」

「分かった、また負かしてやるよ」

 

 言い返してやるとそれでいいと言わんばかりに頷いて離れていく轟。とりあえず選手宣誓、頑張ってやってみっか。

 

 

 

 

 

 

 つつがなく入場が終わった。まぁ他生徒の神経を逆撫でるようなことをいうマイクに非難じみた視線を向けはしたが、相澤以外気づいていないだろう。

 

『選手宣誓!選手代表、1年A組。藤丸立香!』

 

 舞台へ躍り出よう、恐らくここからだ。俺という異常が世間へ広がるのは。

 

 マイクを手に取る、後ろから会話が聞こえるが意識から外す。俺はここで宣戦布告をする。

 

「──今この場において俺こそが最も強い」

 

 全員の意識を高める為に、遥か高みへと彼らが目指せるように。個性という借り物の力と言えど積み重ねてきた努力はここにいるヤツらより遥か上だ。轟焦凍ですら追いつけぬ鍛錬を積んできた。

 

「普通科、経営科、サポート科、ヒーロー科、その全てにおいて俺に勝るものはいない」

 

「故にこそお前達にこの祭りで英雄(ヒーロー)とは如何なるモノか、先に進んだモノとして示そう」

 

「宣誓しよう。俺こそが最強という証明をすると」

 

 

 

 

 

 

 あぁ、言ってしまった。これで後に引けないな。

 

 覚悟は出来ている。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 異様な静けさとなった会場で、雄英生はその多くが顔を顰めていた。あぁ、あまりにも傲慢だ。だがヒーロー科A組だけは知っている、その言葉は真であると。あの爆豪でさえ越えるべき壁として認識して、その下にいると許容せざるを得ないほどに実力の差があるのだと理解していて。

 だからこそこの場にいる生徒全員は心の底でどこか……負けられないと少しだけ火が灯った。

 

 観客は多様な反応だ。面白そう、不快そうに、楽しそうに、興味深そうに、あらゆる感情をその男へと向けた。そう、まるで魅せられるかのように──

 

 

 既に第一競技は始まる寸前。妨害あり、個性ありの障害物競走。各々の生徒が準備を怠らず、その始まりを待っていた。

 

『スタート!!』

 

 号令が響き渡る。同時に氷が沸き立つ。

 

『ついに始まったぜ雄英体育祭1年部門! 実況はボイスヒーロー、プレゼント・マイク! 解説は抹消ヒーロー、イレイザーヘッドの2人でお伝えしていくぜ!』

『無理やり呼びやがって……』

 

 しかし、藤丸立香は動かない。最後尾に立ち、スタート位置のあたふた具合を眺めている。

 

『さぁ! スタートダッシュで先頭に立ったのはA組の轟だ! 更に氷結で後続を妨害!って、藤丸のやつ動かないぞ!どういうことだ、イレイザー!?』

『……待ってるんだろうな、ある程度先頭が進むのを』

『ってーと?なんでそんなことする必要あるんだ?』

『あいつの個性の出力は強大だ、入口が混乱する序盤に動けば多大な被害が出る。だからあいつは待っているんだ、隙間ができるのを』

 

 多くの生徒はその様子に今更怖気付いたのかと無視して進み出し──十数秒後、藤丸が動く。

 

夢幻召喚(インストール)

 

 金色に輝くカードが手に収められ。それが粒子状になり彼の体を囲む。

 

 そして光が収まる頃、その姿は戦士へと変化していた。

 

【ライダー:アキレウス】

「やっぱ速度ならアキレウスだよな」

 

 槍を持ち、前傾姿勢へ。地面を踏みしめ、大穴を開けるが如く力を込めて大跳躍。瞬きの間に入口を超え中へ、そしてその圧倒的速度は空気の面を捉えることができるので──空中を走り始める。

 

 

 1秒──既にマッハ3の速度に至った藤丸は速度そのまま巨大ヴィランロボのど真ん中をぶち抜きながら通り抜け。

 

 2秒──ザ・フォールは空中を走る為意味をなさず。

 

 3秒──地雷原ゾーンは、空中機雷もあったようだが爆発する前に通り過ぎていて。

 

 4秒──弾道ミサイルのごとくゴールへと藤丸は到着する。

 

 

 

『は──藤丸立香、ゴール!?!?!?』

『……今のは──そうか、本当に遠慮なく証明するつもりなのか』

 

 あらゆる全てを置き去りにして、藤丸立香はゴールをする。

 

 記録:32秒58

 

 雄英史上最も速い記録だった。

 

 






 マッハ3って秒速1キロなんすよね。
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