ダリウスが怪物すぎてワロタ
「ふぅ」
全身が軋んでいる、ギリシャ神話において一二を争う速度を誇る人類最速の英雄アキレウスの力。如何にその身をサーヴァントのそれへと変化させると言えどこの身はただの人、エネルギーは問題ないだけで器が持つ訳でもない。
オールマイトとの試運転により判明した軽いデメリット、それはサーヴァントの力を引き出す際に
例えば絆レベル5のサーヴァントの力を引き出した場合、元の肉体になんの負荷もなく引き出せる限界の力は50%程だ、レベル1上昇する事に10%上昇する。その際に負荷を考えなければ、という言葉が着くが限界以上の出力を出すことは出来る。原理としては限界以上の出力を負担するのはサーヴァントの肉体ではなく元の肉体に直接かかる、ということだろうか。
絆レベル5なら50%まではサーヴァントの肉体が出力し、それ以上の足りない分は生身が直接出力しているのだ。生身の人間が、サーヴァントの10%分の出力を再現する。音速戦闘が基本の彼らの10%だ、トップアスリートですら終わったあとは全身肉離れで動けなくなる。肉体派の魔術師ですら軽い気持ちでやれることでは無いだろう。
今回使用したアキレウスは絆レベル8、80%程の出力だ。そして出した出力はアキレウスの最速であるマッハ3以上を出す為の100%だ。つまり残り20%は自身で負担している。生まれてから今日まで鍛え続けてきた肉体に強化魔術をかけていた、だがそれでも多大な負荷が特に脚にかかっている。
(治癒の魔術をかけ続けてはいるが──騎馬戦は少しキツイか?トーナメントまでには全快するだろうが)
軽く走る程度ならできるだろうが、それでも悲しいほどに動けなくなる。まぁ別にそれは想定内だ、次が騎馬戦だと知っているからな。もし誰かに誘われたなら彼らを足にすればいいし、誘われなくてもライダークラスを使用すればなんの問題も無い。
────ドゴオオオン!!!!
ゴールで一息ついていたら後方から爆発音が聞こえた。どうやら既に障害物競走は終盤となっていたようで、地雷原に先頭集団が辿り着いたようだ。
視界をそちらへ移すとやはりと言うべきかそこに居たのは爆豪と緑谷の2人が居た。轟はいない、冷たいことを言うが今のあの二人に追いつけるほど轟は強くない。
圧縮した爆破で空中を物凄い速度で加速しながらミサイルの如くゴールへ突き進む爆豪。オマケにその圧縮爆破で緑谷へ攻撃をしている。
地雷原を全部無視して速度に任せて爆発する前に、いやむしろ爆風を利用してえげつない速度で爆豪に猛追し、その速すぎる速度で地面から剥けた地雷を爆豪へ投げつけていた。
両者共に拮抗し、しかし最終的に軍配が上がったのは瞬間的な判断能力に優れた爆豪だった。
真下に両手を合わせた爆風、ロット
その勢いのまま上手く着地を決めた爆豪の隣を爆速で緑谷が駆け抜けていった。
えぇ……?あの足止めらってなおほぼ同時で辿り着くってどんだけ速いんだよ緑谷。
「あと少しだった、本当に、あと少しだった」
「てめぇ……!」
「かっちゃん、前にも言ったでしょ、足元を掬うって。もう手が届くとこまで追いついてるんだ。いつまでも木偶の坊のデクじゃないぞ!」
「……そうかよォ、だったら俺はてめぇらを纏めて潰すだけだッ!」
視線で緑谷と俺を捉えた爆豪はその目を爛々と輝かせその闘志を内で燃え上がらせているようだ。
原作よりも早く緑谷は爆豪に迫り、爆豪は強さのみを追い求めオールマイトを超えるという意思が固い。原作ほどの執着は全てが俺を越えるという妄執になっている。
爆豪ならばサーヴァントに追いつく、そんな事も可能だと思う。大英雄クラスのサーヴァント相手だと苦しいだろうけど、それでも並大抵のサーヴァントならば爆豪のその力は勝ち星をもぎ取ることができるだろう。
だって、AFOという悪の象徴にまで辿り着いた
(眩しいな、俺とは違って与えられたものではなく勝ち取ったモノで進める姿は)
だからこそ俺は証明をしたい。俺が得たこの個性こそが最強であると、最愛のものたちが最高であることを。
だって俺のサーヴァントは最強なんだから。
(いつか、彼女を呼べるようになるのかな)
出来れば平穏な時に呼び出したい──まぁその前に個性を戻さなきゃ無理なんだけども。
次は騎馬戦だ。気を抜かずにやっていこう。この後ろから迫りくる才能の塊に負けないように。
「1000万ポイントか」
さて、どうしたものか。ひとまず足が無ければ何も出来ない、かと言って候補がいるかどうかだな。まず緑谷と爆豪は除外、あと2人はこちらを越える為に戦いを挑んでくるだろうからな。
んで、シンプルに戦闘力という面で見れば俺一人で足りる。が、妨害された時がな。如何にサーヴァントの力が飛び抜けていようと一部の個性は普通に効く場合がある。
例えば骨抜柔造の場合、個性【柔化】は触れたものを柔らかくする、地面を柔らかくされれば騎馬が動きづらくなり機動力がなくなり、最悪こちらの武器が柔らかくなることでダメージが軽くなるかもしれない。まぁその状況はもはや近接戦だから殴れば済む話かもしれないが。
例えば峰田実、個性【もぎもぎ】は超強力な接着材であり血は出ることになるが無尽蔵に出てくる。その接着力は凄まじく地面と足を結び付けられたら面倒だろう、まあその接着面ごとぶっこ抜けば支障はあれど動くことは可能だろうが、その一瞬の隙を突くことが出来るヤツらもいる。
例えば黒色支配、個性【
たった少しだけとはいえサーヴァントでさえ足元が救われる可能性がある。そんな彼ら相手に知っているとはいえ慣熟していない力で戦わなければならない、そう考えれば油断はしていられないだろうな。
「……ま、なんとかなるか」
それでも敵わないのがサーヴァント、英霊というものだ。文字通りの理不尽、例え身体能力と技量だけで勝てぬのならばスキルや宝具という超常で乗り越えればいい。
「ひとまず仲間だな、おーい!」
という事で求める仲間は俺の隙を埋められる個性を持つもの。索敵が苦手なので索敵系、騎馬が騎馬自身を守れるようにある程度の戦闘系、後は……移動系か?
「瀬呂〜、一緒にやろうぜ〜」
「あー、すまん。爆豪に誘われててよ」
「マジか、じゃあ誰にすっか」
「なら俺と組むか?」
「おん──?」
あ、心操人────
『もう!マスターったら油断しすぎよ、存在自体は知ってたのにそれを忘れちゃダメでしょう?』
『ははは、あれでもマスターは只の人だからね。僕みたいなただの蟲とは違って真っ当な人生を歩んでいるんだ。大目に見てあげなよ?』
『貴方が言うと皮肉にしか聞こえないわ』
『一先ず起こしてあげないとダメだな。全く、最強とかうんたら言ってたくせに……試合は未だ半ば。でも終盤に差しかかるかどうか、だ。ヘマをこくなよ、マスター?』
朧気な意識が元に戻る。パチパチと周囲を確認しながら瞬きをする。とりあえず状況は──ふむ、俺が騎馬になってその両脇に尾白と庄田二連撃がいる、と。んで騎手は……
「なっ、解除された……?」
「心操人使、個性は洗脳。ま、所謂扱いやすい個性だわな。油断してた」
そりゃこいつからしたら俺は魅力的か。
んで、今インストールしてるのは──ヘラクレスか。視界が朱に染まっている、周りは一応
「なんて俺に命令したのか分からないが、大方暴れろ、とか言ったんだろうな。無意識状態の俺が選択する暴れられるカードは多数あるが、安全を取るならこいつになるな」
「なんっだよお前!お前も才能マンかよ、恵まれてんのかよ!」
「もうお前の個性は効かねぇぞ?耐性ができちまった」
「……クソ、なんだよそれ」
「ま、相性が悪かったと思って諦めてくれ──じゃあ、勝ちに行こうか」
「は?」
ヘラクレスの宝具
「は?じゃないんだよ、もう始まっちまってるし──お前の個性は有用だ。その個性、使い方を誤らなければ騎馬戦で1位になることは簡単だぞ」
「……気持ち悪く……ないのか?」
「使いやすい個性だなぁとは思うが、そこまで自己肯定を低くするほどかね……とはあんまり言えないか、お前がどういう道を辿ったかは想像が着く」
「……」
「ヴィランみたいだと、犯罪者のようだと、洗脳されると恐怖されたのだろう、虐められたのだろう、人を憎んだこともあったはずだな、親さえも一度くらいは恨んだこともあったはず」
なんか外野から攻撃が飛んできてるが全部腕を高速で振るってはじき飛ばす。そういや俺ら1000万持ちだから狙われ──あれ、1000万どこいった???
こいつ手放しやがったな、安全に、安定して勝ち進む為に捨てたなぁ???そんな面白くないことさせんぞ。
「それでもお前は雄英を目指したんだろうが、自己肯定できやしねぇやつがヒーローになれると思うなよ?自分に多少は自信を持ちやがれ」
「っ……ま……マジでなんなんだよ、おまえ……」
「んじゃ、切り替えてけ〜……1000万奪い返しに行くぞ」
「は?」
「最強だと証明するって言っちまったんだからよ〜、前言撤回するわけにゃ行かんのよ、ほら行くぞぉ!!!」
庄田二連撃と尾白と心操を同時に抱え込んで空中へ放り投げる。それと同時にライダークラスのカードを召喚。
「
【ライダー:ネモ】
「オラァ!大捕物じゃテメェらァ!」
「てめぇらが見るのは偉大なる海底二万里の大航海!それを彩る最高の潜水艦だァ!得と御覧じろ!
その言葉と共に地面が大きく揺れ、水など無いはずなのに大きく水飛沫を上げながら斜め上に向かって潜水艦が飛び出す。その上に先程上へ放り投げた3人が落ちてくる、キャッチするべきかと思ったが尾白を操って無事に着地していた。
『なんじゃそりゃぁ!?!?突如地中から巨大な戦艦が現れやがったぞ!!』
『海底二万里……キャプテン・ネモという存在の力か、どうやら潜水艦そのものを呼び出すことが可能らしいな、注意すべきはその船頭にある角だろう』
『あんなのありかよお!』
『あー……一応ありらしいな、地面についてない判定だとよ、文句ならミッドナイトに言ってくれよ?』
「それだけじゃねぇぞ、行くぞマリーン共、爆薬は持ったかー!?」
「「「「「おーう!!!」」」」」
その言葉と共に潜水艦のハッチからゾロゾロと俺に似た容姿の奴らが肩に爆薬が詰まった樽を持って現れた。
ネモの何者でもないという特性と神の特性により得ることが出来た分身能力だ、存分に使わせてもらおう。
「よっしゃー、目標、爆豪勝己!1000万のハチマキ、頂いてやらァ!!」
「上等だ召喚野郎ゥ!さっきまでの不抜けから直ったんだろうが、言い訳もできねぇくれぇにぶちのめす!!」
「投下ァ!!!」
「「「「「ヒャッハー!!!」」」」」
「死ねぇエエ!!」
ハッハッハッハッハッ!
うっるさ。
次回に続く(そんな予定はなかったんだけどな)