『なんか藤丸のやつ増えてるぜ!?』
『アレも今藤丸が纏っているネモという英霊の能力のひとつだ。増えすぎると全員の能力が下がるそうだがな』
「あーもう、なにがなんだかわからないが──やらなきゃならないってのは分かる!2人は登ってくるやつを叩き落としてくれ!」
「そうそう、その調子ィ!」
グレートラム・ノーチラス、胴体の真ん中あたりから上が出ていて、なおかつその上は騎馬から騎手がおりても大丈夫な特殊なエリアとなった。そのお陰で次々と乗り込んでこようとするが、ネモマリーンがタル爆弾を叩き込みながら妨害しており、簡単に上がれないようになっている。
ただ、それでも空中を経由してくる奴ら相手には俺自身で対応するしかなく、爆豪、轟、あとついでに跳躍で緑谷が突っ込んできている。他にもチラホラと……取蔭切奈とかB組の奴らもいるな。
「爆豪ゥ!」
「死ィねェやァ!!!」
ネモ、ライダークラス。神霊トリトンと海底二万里の主人公ネモが複合した英霊。その特性上真っ向勝負というものが苦手だが、俺自身というアドバンテージを含めばそこそこやれる。
上空から爆豪の高速回転のかかと落としが降ってくる、それを両腕を盾とすることで受け止める。
なんつう威力だ、今地上に出ている船体の内半分ほど沈んだぞ?それを生身で出しやがるって──咄嗟に取り出したトライデントで背後に迫る氷を砕く。爆豪の足を掴みながら後方にいるであろう轟へと思いっきり投げ付ける。
神霊トリトンはポセイドンの息子であり、当然トライデントも所有している。そのためトリトン単体ならばランサーの適性も持っているので、そこの逸話から本来なら持ちえないトライデントを引っ張り出す。これで近接戦はできるな。
それと同時に法螺貝も取り出し、思いっきり吹くことで出る音波攻撃で緑谷の動きを阻害。シンプルにうるせぇだろ。
一旦の膠着へ介入するように3人を囲むように迫ってくるネモマリーン、結構な人数を出しているからか俺自身も割と弱体化しているがそれでも今必要なのはシンプルな物量。十分の一くらいのステータスになってはいるが、それでもそいつらはサーヴァントの端くれ。オマケにトリトンは複数の人魚の総称という逸話を用いてネモマリーンへ新たな解釈をねじ込む、半分がトライデントを持ち残り半分が法螺貝を持ち的確に妨害していく。彼らも含めて我らはトリトン、故に同じもの持ってなきゃおかしいよなぁ???
「クソ、がァ!うるせぇんだよぉ!!!」
「スマァァッシュ!!!」
「近づくんじゃねぇ……!」
1人につき4人以上。土方歳三が編み出した集団剣術、草攻剣を用いて嬲っていく。
爆豪相手には爆豪が攻撃しようとしたネモマリーンを囮に他のネモマリーンがちまちまと削りながら、隙を狙って1000万を取りに行く。
緑谷相手には法螺貝で常に爆音に晒し続け、足元を中心に狙い続けることで動きを阻害し続ける。時折頭上からも攻撃をすることで上下を常に意識させる。
轟相手には氷を法螺貝で破壊し、あくまで呼び出した物という特性を活かして投げて、手元に呼び出す、といったふうに投槍で常に遠距離から攻撃する。一気に凍らされたら如何にサーヴァントと言えど分身しすぎて弱体化しているのでその対策だ。
だが俺が狙うのはただ1つ、1000万だけだ。
俺自身も敵として参加しているが主にするのは権能による水の操作。ここは水場という訳では無いので魔術で生み出した水を操作している。轟の方面には向かわせず、主に爆豪の爆破を軽減する目的で扱っている。まぁたまに緑谷を奇襲させたりしているけれど。
爆豪は今ノリに乗っている、爆破で水を弾き飛ばしながら常に迫ってくるネモマリーンを相手に大立ち回り。視界に映るのは己が越えるべき俺の姿だけ。
「ぬるいんだよォ!」
そろそろか……?いや、まだか……まだ、まだ、まだ……
「……ここだな」
一部の水の動きを変える。既に策は伝えてある、じゃああとは頼むぜ?ヒーロー。
「なぁ、爆豪勝己。いつもそんなに怒って疲れないのか?」
「ア゛ァ゛────」
洗脳が決まった。
俺がずっとすきを見計らっていた爆豪への洗脳、それが決まった。洗脳さえ決まれば俺たちはほぼ勝ち確と言ってもいいからな。
念話を用いた会話で心操には隙を作るから、水中から洗脳を決めて欲しいと頼んでおいたのだ。
本来ならただ水中にいるだけじゃばれるので、光を多大に屈折させることで爆豪からのみ姿を隠すことにした。多分緑谷と轟は普通に気づいていただろうが……ま、爆豪しか狙ってなかったから支障はない。
あと空気は普通に呼吸できるようにさせていたからモーマンタイだ。
洗脳された爆豪から全てのハチマキを受け取っている心操に近づき残り時間一杯の俺の行動を伝える。
「じゃ、残りを詰めていくか」
「なに?次は何をする気なんだ?」
「んー、いやだって1000万取るだけとか……面白くないじゃん?取れるだけとっちまおうや」
「は?本気で言っているのか?」
「本気だよ、じゃ心操は爆豪使って暴れてなよ。強いぞ?」
そう言い残し、残りの生徒へと襲い掛かる。ネモマリーンは登ってくる奴らと緑谷と轟を相手するために全員割いているので、本体が行動するしかないわけなんです。いやー大変だねー。
「本っ当になんなんだよあいつ……まぁいい、俺も吹っ切れた。狙えるもんは全部狙ってやるよ。爆豪勝己、緑谷出久と轟焦凍の攻撃が当たらないように避けながらあいつらに攻撃してハチマキを奪え」
「え?かっちゃん!?」
「クソ……!俺がこんな簡単に……!」
未だに登り切れてないヤツらへ襲いかかる。実にフィールドの3分の1を占めるこの潜水艦は邪魔であり有効活用さえすればかなりのものだからな。
そして俺は一応騎馬、なので地上におりて行動することが出来る──
『心操チームは潜水艦から降りてはダメよ』
っと、ミッドナイトから制限を貰ってしまったな。では、ということで爆撃を続けているネモマリーンを下げ消すことでステータスを多少戻す事にしよう。
上へご案内だ。
「来たな?行くぞ!」
「ッ!しゃこぉい!」
「わっ!こっち来たぁ!」
爆豪チームの残り3人、切島、瀬呂、芦戸へ襲いかかる。
前衛として飛び出してきた切島へフルスイングを腹部へお見舞いしてやる。こいつは割と硬いから力を込めなければ弱体化している今じゃ少しキツイかもしれない、ただやれることを考えりゃまだマシか。
フルスイングを耐え、少し後退りながらも切島は反撃をしてくる。甘かったか──
振るわれる右腕、掴み取るために咄嗟に伸ばした左腕は突如として放たれたテープにより絡め取られ、反対からは芦戸がこちらを狙っている。
(行けるッ!)
「おおおおおおお!」
「アシッドショット!!」
だがまだ届かん。切島の拳をバックステップをすることで回避し、左腕は巻き付くテープを逆に巻き取ってやりながら思いっきり芦戸の方へ振り回してやる。放たれた酸性の弾は水を壁とすることで受け止める。
「ッ、まだァ!」
「アシッドベール!」
「すまん芦戸!」
攻撃を失敗したことを悟った3人は即座に対応してくる。切島は諦めず前進を続けていて、芦戸は飛んできた瀬呂を粘性を下げたアシッドベールで体表で滑らせることで回避に成功させ、瀬呂はテープを地面へ張りつけ遠くへ行くのを防いだようだ。
(おい!藤丸、こっちに戻ってこい!襲ってきたぞ!)
追撃に出ようと姿勢を下げた瞬間、未だ繋げっぱなしの念話から心操の焦った声が聞こえてくる。少し舐めすぎたか。
前進してくる切島へ飛びかかりながら顔を掴み、甲板へと叩きつけることで行動を止める。瀬呂と芦戸には水の激流で押し流して距離を取らせる。
心操を襲っている奴らは数人。先程吹き飛ばしたはずの爆豪チームも居る、奴らは何とかして爆豪を取り返そうと奮闘しているが、心操は尾白と庄田を使いそれを妨害している。ただ、それでもやはり手数が足りない──
『イカセナイゾ!』
「ここで足を止めるんだ!」
「私のベイビーで──」
「邪魔ァ!」
『ナニィ!?』
「ぐぅっ!」
足止めをしに来たのかこちらへ向かってくるシャドウ、手元に出した水を
そして思いっきり握りつぶすことで、太陽の宝石という異名の通り手元に一瞬だけとはいえ太陽光並みの光を叩きつける。
なんかベイビーとか言って止めに来た発目明もいたがそちらはシンプルに水を浸透させることで中身からぶっ壊す。
「はいそこまでだよA組!」
「……物間か」
「あれ?僕をご存知だったのかい?こりゃ光栄だね!」
心操の前に辿り着いたので、そのまま槍を構えて迫り来るヤツらを見据える。その中にはもちろん物間寧人もいる。というかほとんどのヤツらがいるな。
「個性のコピーでもするか?」
「おや、いいのかい?」
「少し気になっててな、俺の個性が俺以外に使われるとどうなるか……知りたいんでな」
「強者の余裕と言うやつかな?まぁ、でも貰えるもんは貰っておこうか」
という事でコピーさせてみることに。かなり気になってたので、やってみてもらうとしよう。
水で周りを囲む奴らに牽制しながら物間に近づき手を差し出す、それと同時に手元にカードを召喚。
「頂き──」
「
瞬間足元にあった潜水艦が消え去る。俺自身だけは分かっていたので即座に心操を確保し再度空中へ放り投げる。
【ライダー:坂田金時】
「ゴールデンに行くぜぇ!」
エンジンを吹かし周りを見て……轟チームと、目を覚ましたブチギレ爆豪(とそのチーム)と目が合った。
「物間、多分俺の個性使えないから──どいた方がいいぜ?」
「は?どういう──本当じゃないか!?スカか!」
「そういう訳じゃないが」
飯田がなにか轟へ喋っているのが見えるが、多分そういうことだろう。
「──ついてこれるか?」
「勿論、追いついてみせるさ」
エンジンフルスロットル、これから始まるは試合終了までの一時的なレース。
空中を強烈な爆破で迫り来る爆豪を見据え、飯田がエンジンを吹かす。その足には氷が張り付いているのが見えるため冷却をすることで時間の限界を超えるつもりだろう。それに轟しか背負っていない、負荷も軽くする腹積もりだな。
「トルクオーバー・レシプロバースト!!!」
「行くぜ!」
「舐めたことしやがったなぁ!!!」
三者三様にスタートする。
『タイムアップ!!!』
結果としては追いつかれることなく終わることが出来た。その代償として心操はかなりグロッキーだが……さもありなんである。
1位はもちろん俺たち心操チーム。2位は安定して戦っていた緑谷チームで、爆豪が3位、轟チームが一応4位となっている。
轟チームは最終的に力尽きた飯田がスピードダウンして、結局他の奴らから獲物だと認識されていたが、時間一杯上鳴電気が放電することで取られることを阻止していた、なお放電しすぎて未だにアホ面から戻っていない。
ひとまず騎馬戦も無事に1位通過することが出来た。次のトーナメントのためにも体を少し休ませよう。
この話書いてて思ったんだけど、騎馬戦とは一体なんなんだったのか、もはやただのバトロワなんだよな……w
それはそれとして藤丸の手札が多すぎる、自分で設定しておいてなんだけどこれ弱体化してねぇよな……