基本的に爆豪、緑谷、オールマイト以外で三人称視点になることは少ないので、爆豪緑谷を重点的に描写していきます。
飯田との対戦が終わり、その後も順調に試合は進んでいった。
切島vs八百万、結果は切島の勝ち。
序盤は八百万優勢で進んだ、閃光手榴弾やトリモチ、トラバサミなどのトラップを利用して動きを阻害して隙を見て場外にする、といった作戦だったのだろう。ただ切島とこの試合形式が噛み合いが良すぎた、あと八百万の容赦のなさが足りない。途中から切島は大したダメージを喰らわないことを察してしまい「漢気ィ!」などと叫びながら個性頼りで罠の数々に突っ込んでいったのだ。
そこで八百万が創造の個性を利用し対抗しようとした、が選択ミスをした。寄りにもよって筋トレバカ相手に近接を挑もうとしたのだ、多少鍛えていてもなお勝てない力勝負に挑んだのが八百万の敗因だ。
では次の試合、緑谷vs常闇。どちらもかなりのパワータイプの個性、なかなか迫力のある試合だった。
──side:緑谷──
『第2試合!破壊力がえげつねぇぞ!緑谷出久バーサス!意外とパワータイプな個性、常闇踏陰!』
「──全力で行くからね、常闇くん」
「あぁ、俺も遠慮はなしでいこう」
『START!!!』
「すぅー……──スマァァッシュ!」
「ダークシャドウ!」
『アイヨ!』
全身に力を込めて、でも強くし過ぎない程度に流動的に体を動かす。深く呼吸を入れる事で心身共に引き締めながら冷静に闘争へ精神を暖めていく。それと同時に両腕を使って卍のような形になるよう伸ばしながら立ち、腰を少し落として重心を下げる。体は横を向かせ顔で前を見据えるように構える。
八極拳の基礎である
その強力な連打を目の前に迫る常闇くんの個性、
でも僕はそんな光を出すような個性なんて持ってないし、一応できなくもないけれどそれは魔術だ。でも僕はそういった魔術は得意じゃない、得意なのは解析に関する魔術と身体に関係する魔術だ、だから出来たとしても懐中電灯くらいの光しか扱えない……あと魔術師としてやっていくには余りにも脆い魔術回路しかないらしいし。
「っぬぅ、なんてデタラメな威力だ」
『イテェヨ!』
「手加減、なし、なんでしょ!!」
常闇くんに当てずに連続で腕を振るい続ける、空中に向けて振るって発生する風でダークシャドウの動きを牽制し続ける。ダメージは無いみたいだけど、予定通り動きを止められた。
ダークシャドウの弱点は常闇くん自身、彼は結構小柄だからこの暴風の中でまともに立っていられない。そしてそんな彼を守るためにダークシャドウは常闇くんを包み込むように守るしかない!
『うおおお!!凄い、凄すぎるぜ!まるで人間台風だ!フィジカルがすごいからってそこまでできるかよフツー!』
『普通ならな、だが緑谷は独自の武術を扱える。
『なんじゃそりゃ!空気の面ってどういうことだァ!』
え!?なんでそんなすぐに分かるんですか相澤先生!
『オールマイトが感覚的だが似たような事を言っていた。極まった増強型個性ならできるんだろうな、確かフィジギフヒーロー・フシグロの得意技が空気の面を捉えての空中歩行だったはずだ』
『世の中イカれてやがるぜ!キッショ!』
『一応全国放送だ、言葉は慎め、山田』
『山田言うな!』
『だが緑谷はそこまで熟達していない。何かやっているな?』
そ、それもバレてる。
空気の面を壁に見立てる事でインパクトを空中に放出する事が出来る。空気が押し出される事で勢いだけで発生させる暴風より押し出す力が強いんだ。りっくんと戦っていた時に偶発的にできたんだけど、便利だからってメディア先生と共に必殺技にまで昇格されちゃったんだよね。
空気の面を捉えているのは解析の魔術のおかげなんだけど……毎ミリ秒毎に変わり続ける状況を解析しなければこんなに連続で空気の面を叩くことは出来ない。デメリットだけど毎ミリ秒情報が更新されるし、その情報量は視覚や感覚だけじゃ分からない温度や空間の歪みとかも読み込むから脳が疲れるんだよね。多分あと10分くらい続けたら鼻血出るくらいかな*1。
「ぐっぬぅ……!」
『ドウスンダコレ!』
「相性が!悪すぎるかッ……!だがこのまま動けないままでいる訳に──」
「これが僕なりの!TEXAS──SMASH!!」
舞台を震脚で踏み砕く。本来なら踏み込みのための技なんだけど、今回は地面を悪くすることが目的だ!
会場全体が少し揺れるほどの威力で地面がめくれ上がる、常闇くんはそれに対応しきれず宙に浮いている──更に力を込める。OFAの出力を
「決着ッッ!常闇踏陰場外!よって緑谷出久が2回戦進出!」
その言葉と同時にフッと全身の力を抜く。そして吹き飛んで行った常闇くんの元へ走る。
「だ、大丈夫!?思いっきり吹き飛ばしちゃったけど!」
「問題ない……負けた、か」
「……」
「悔いは無いと言ったら嘘だが──上を見ることができた。次は負けんぞ、緑谷、いや。出久」
「う、うん!」
「青いわね!!!」
──side:out──
とまぁこんな感じでやべぇ技を覚えた緑谷の勝利だったわけだ。てかどこぞの世界のフィジギフがこの世界にいること自体がおかしいとは思うが……まぁ俺という異物もあるんだ、少なくとも原作とは違う世界線だからあまり気にしないでおこう。
でだ。爆豪VS塩崎……これに関しては相性が悪すぎた。特にこう、描写する程がないほどに塩崎は圧倒的差で負けた。
茨の壁を張ろうと、地面から茨で攻撃しようと無駄だった。茨の壁は無造作に放たれた爆破で剥がされ、地面から出てきた茨は空中に飛び上がる事で無効化し、捕らえようと飛んできた茨も爆破で散り散りに。
空中からの爆撃を行うことで徐々に舞台の端まで追い詰められた塩崎は降参を選択し、爆豪が勝利した。
「ひでぇ」
「酷すぎる!」
非難轟々。特にB組から批判の声が上がっているが、観客からもぽつりと一部から批判の声が出ている。ま、その全て無視して
「……いや、絵面が誘拐犯なんだよな」
「あ、あはは。多分保健室に連れていったんだろうけど……確かに誘拐犯にしか見えないね」
「塩崎ちゃん、大丈夫やろか?」
「ケロ」
「大丈夫だろ、見た目ほど爆破の火力は高くなかった、ただ爆風は凄かっただろう。それに当てないように塩崎の周辺をじわじわと爆破してた、
「あれ虚仮威しなん!?」
「虚仮威しじゃなかったら今頃舞台はボッロボロだよ。見てみろ、煤が多少残ってる程度だぞ?」
見た目だけ派手にした爆風、主に爆発した際の煙が強いスモークグレネードみたいなものだな。威力も多少あるとはいえそれだって爆竹程度だ。当たった所で茨で防げば塩崎にはダメージはなかったはずだ、それでも負けたのは見た目にビビって後退し勝てないと悟ってしまった塩崎のせいだ。
それに爆豪としてはやり辛い試合だっただろうな、あいつ常に全力で戦っているようなもんで手加減をした試合というものをしたことが無いんだよな。こう言っちゃあれだけど弱者に対する対処の仕方をあまり知らないわけだ、あるとしても緑谷程度だし……
ま、そんな状態でも勝てたのは爆豪の頭がいいからって部分もあるだろう。勘で爆破の威力を調整してたしな、ただ最初の茨の壁をぶっ壊した時なんか少し目が見開いていたから威力調整ミスったんだろ。そこから徐々に爆破の威力を調整して最終的に空中に飛び距離をとることで爆破の威力を軽減し、尚且つ向ける爆破を弱める事で当たっても無事な威力を探り当てたって所か。それでも試合後は不安だったから無理矢理保健室に拉致した、と。
「思考がわかる分見た目とのギャップで笑いそう」
「そうだね」
「ところで出久や、2回戦目が爆豪との試合だけど余裕だね?」
「あ」
「対策練っとけよ〜」
次の試合が始まるアナウンスを聞きながらケラケラと笑ってやる。
・フィジギフヒーロー・フシグロ
アングラ系ヒーローとして有名であり、尚且つ金にがめつく、賭博が好きな事で知られる。ただその見た目はオラオラ系であり一部の女性陣に人気である。彼のヒーロー事務所はおよそ80%が女性であり、その大半と肉体関係を持っている事からどんな男なのか大体察せるだろう。
個性は『天賦の肉体』フィジギフと名乗っている通りかなりの筋力を持っているが、その個性の能力は五感及び肉体の性能の向上。普通では見えない空気の面や音の面、一部の電磁波等も見ることが可能で、それらを活用する事で空中歩行さえ可能となる。
テクニック版OFAといえる個性。天候を変えるような力はなくともそのテクニックで数々のヴィランを捕縛している、それと同時にヴィランにカツアゲしている。あとアングラなのはシンプルに若者に悪影響を及ぼすから、ビルボードチャート89位。
※今後登場する可能性はあるが、ほぼ一発芸のキャラである。