個性:英霊召喚   作:金属粘性生命体

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 会長の名前はオリジナルです


幕間「ヒーロー公安委員会(後編)」

 

 

 

「現在ヒーロー公安委員会の会長と副会長はかの存在を危険視しております」

 

 休憩が終わり、軽く振り返り程度のことをした後。ようやく本題へと入っていく。

 

「うむ、確かに理解したぞ。この個性は非常に危険だ──」

「危険では済まされないぞ」

 

 現ヒーロー公安委員会会長たる一統(いっとう)(みちる)が発言をする。この会議中始まってからずっと黙っていたその存在が、ようやく声を出したのだ。必然として視線がそちらは集中する。

 

「既に我々ヒーロー公安委員会は敗北している」

「は?」

「記帳くん、先程の説明足りないものがあるな?」

 

 その言葉に反応してプロジェクターを操作しある画面を表示する記帳。そこに映っていたのは七つの駒。

 

「えぇ、こちらのことですね?」

「……?それはなんだ?我々が持つ資料には載っていないようだが」

 

 ペラペラと、先程まで見ていた資料を覗く東風。だがそこにはプロジェクターに表示されているものが載っておらず、説明どころかその存在すら知らされていなかった。

 

「こちらに写っているものは、()()()を表す象徴だと思ってください」

「クラス……?」

「先程会長が発言したことに繋がる事です。こちらは藤丸立香より送られた資料には載っておらず、ラグドールの個性に判明した内容であり、その詳細が判明していない情報になります」

 

 まず剣を持ち眼前で掲げている駒が見せられる。

 

「こちらはセイバーと呼ばれるクラスを象徴する駒になります」

「駒、か。まるでチェスのようではないか。これがなんだと言うのだね」

「このセイバーのクラスを元に説明させていただきます、が。あくまでこの情報は未確定ですので資料にも載せていませんでした」

 

 プロジェクターが切り替わる。説明文が表記された画面へと移され説明が始まる。

 

「クラス、こちらはいわゆるサーヴァントを区別するための代物、らしいです。あとは人が呼べる規格にまで英霊を堕とす機構だとか」

「区別、か。確かにサーヴァントの数が数なだけあって何かしらの識別は必要なのか」

()()()()()()()()()()()が時間が惜しいので会議が終わった後、個別で聞くこととします」

 

 一息。

 

「このクラスとは言ってしまえば得意分野、でしょうか。こちらのセイバーはその名の通り剣士。もしくは騎士でしょうか、その通りでここに区分されるものは剣を扱うもの、騎士といった英霊が分類されるようです」

「ふむ」

「例えば世間一般的に伝説上の騎士と言われればアーサー王物語の主人公、アーサー・ペンドラゴンが上げられますね」

「なるほど、では侍である宮本武蔵などもセイバーなのか?」

「そうですね、確かにかの大剣豪ならばセイバーと呼んで間違いありません。と、このように英霊達の持つ逸話や伝説などがクラスの基準となるそうです」

 

 次に他の6つの画像が表示され一気に説明される。

 

「弓を持つ駒がアーチャー、弓兵や遠距離攻撃の逸話を持つ英霊のクラス

槍を持つ駒がランサー、槍兵や素早いなどの逸話を持つ英霊のクラス

杖を持つ駒がキャスター、魔術などの逸話を持つ英霊のクラス

綱を持つ駒がライダー、騎兵やなにかしらに騎乗した逸話を持つ英霊のクラス

角が生えた化け物の駒がバーサーカー、なにかしら狂ったことのある逸話を持つ英霊のクラス

 

 そしてこちらが問題のクラスになります」

「問題?それが我々ヒーロー公安委員会が敗北した理由のクラスなのか?」

「えぇ、この存在こそが我々を敗北へ叩き落としたクラスになります」

 

 短刀を2本持った駒はアサシン、暗殺の逸話を持つ若しくは──アサシンの語源となった暗殺教団の英霊のクラスとなります。

 

 

「暗、殺者……?それがどうしたのだね」

「このクラスは文字通り暗殺やそれに繋がる情報戦が得意なクラスであり──このクラスの存在によって我々ヒーロー公安委員会は敗北いたしました」

「ん、な!馬鹿な!我々より情報戦に長けた存在だと!?そんなふざけたことが!!!」

「事実です、事実我々より上なのです」

 

 絶句。思わず会長の方へ視線を向けるものが大多数の中、その肝心要の会長は悔しげに歯を食いしばっていた。無言の肯定、否定することの無い事実だということがその姿が何よりも語っていた。

 

「クラスの中にはクラススキルというものがあり、サーヴァントはスキルと呼ばれる力を持ちます」

「な、なんだねそれは。まだ何かあるのか!」

「他のクラスは全て省きます。アサシンのクラスのみの説明をさせていただきます」

 

 気配遮断というスキル。名前そのまんまであり、自身の気配を断ち何者にも感知されないようにさせる力。それがこのアサシンクラスに()()()()されている。

 

「そ、それがどうしたというのだね!探知系の個性でなら対抗できるだろう!確かにそういった気配を消したり姿を消したりする個性は存在するが、対抗できなかったことは無い!!」

「そう思いましたが、事実探知することが出来ませんでした。レディナガン、貴方の個性は探知系とは言えませんがそれでも歴戦のヒーローだ。アサシンと戦ったことのあるあなたの意見が聞きたい」

 

 扉の前に立つレディナガンへ焦点が当てられる。この部屋の中で唯一サーヴァントと交戦したことのある存在である、しかも議題に上がっていたアサシンクラスの存在と。

 

「……二度、出会ったことがある。一度目はビル街の屋上で。その時は真っ向から戦い、敗北した」

 

 驚愕の声が上がる。少なからずレディナガンの能力は真っ向勝負が得意とは言えない個性だが、それでも戦い慣れている。ヒーロービルボードチャートjpに上がるヒーロー達に見劣りしないどころが1部は上回る力がある。

 

「そして二度目だ。二度目はもっと酷いぞ、眼前にまでアサシンのサーヴァントが来ていたのに気づかなかったんだ」

 

 文字通り()()()()サーヴァントが接近していたにもかかわらず気づきもせず、声をかけられて初めて認識した。あの時の恐怖は今まで経験してきた中でもトップ3どころが一番上へ来るほどだと。

 

「その事を踏まえた上で我々は探知系個性を使い公安委員会内部を調べました」

 

 結果としては、わざと残された侵入の痕跡が公安委員会内部のあちこちに散らばっていた。しかも明らかに個性の産物によるものだとして。その時探知系個性の持ち主が感じたモノの中に、藤丸立香が纏っていた不思議なエネルギーと同じ力の残滓さえも残っていたという。

 

「つまり既に公安委員会内部にサーヴァントの手が入っているのです。これが我々の敗北でなくてなんというんでしょうか?」

「そ、んなバカな……?ヒーロー公安委員会だぞ……?今の社会の基盤だ、そんな我々が喉元にナイフを突きつけられたような状態に気づかなかっただと?たかが、小学生の子供に……?」

 

 会長が立ち上がる。

 

「危険どころでは無いのだ、かの存在は。既に我々は敗北し、生殺与奪を握られている。いわばこの会議は危険性の周知と今後の対策だ」

 

 拳を握り机に叩き付ける。

 

「既に取れる手段は取っている、1時間に1度探知をし、異変があった箇所は複数に渡り改良を行っている──確かに我々は負けた」

 

「だから負けたままではいかん、舐められたままではいかん。我々はいわば社会の根底だ。我々が揺らいだら社会が揺らぐ、我々が潰れれば最悪ヴィランの時代となる」

 

「だからこそこの会議を有益なものとしたい。君達もこの説明によりどれだけ危険な存在が溢れているのか理解してくれたと思う」

 

「だから頼む」

 

 そこには頭を下げる会長の姿が、そしてその隣で同じく立ち上がって頭を下げる副会長の姿があった。司会役である記帳すらも頭を下げていた。

 

「君達の知恵と力が必要だ、協力してくれ」

「「「お願いします」」」

 

 

 

 トップ直々の頼み事、それを断る術を──危険を知った彼らにはなかった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

(ふぅん?元々ちょっかい出す気はなかったけど。いい傾向だな。これならもしもオールマイトが引退したとしてもやっていけそうだな)

(そうですなマスター。彼らの目は既に信念が宿っています、俗物が多いと思っていましたが──そんな奴らですら考えを変えている)

(これが一統(いっとう)(みちる)の個性『カリスマ』か)

 

 

 

 

(確かこいつ呪腕とかいうやつだったよな。なんで私には姿見せてるんだよ……!)

(牽制、ですな)

(ヒッ!?)

 

 

 

 







※原作よりヒーロー公安委員会内部の団結が上がり、AFO信者が減りました。
※原作より現状の状態を鑑みるようになりました。
※オールマイトに頼りきりの社会に危険を覚えました。

他者視点欲しい?

  • オールマイト視点とか委員会視点とか
  • 別にいらんくね
  • 作者の好きなようにしてくれ
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