リコリス・リコイル -運命の邂逅-   作:銀の匙

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MISSION 8 First Mission, New Power and Weapon ― 初任務、新たな力と武器 ―

 

夜を目前に控えた東京。

 

リュウジの運転する車は、八馬人を乗せて静かに走っていた。

 

「リュウジさん、急な仕事って……まさか」

 

リュウジは真剣な表情で頷く。

 

「ああ。今夜、港の倉庫で武器取引が行われるという情報が入った。」

 

「僕たちの世界から流出した技術が関わっている可能性が高い。」

 

「君には、その武器の回収、もしくは破壊を任せたい。」

 

その瞬間、カーナビの画面が切り替わる。

 

黒木タケシだった。

 

『八馬人君。訓練を終えたばかりで不安なのは理解している。』

 

『だからこそ、今回はリュウジが全面的にサポートする。』

 

「了解しました。」

 

八馬人は深く頷いた。

 

「ただし、一度アパートへ戻ってくれ。」

 

『陣が新しい装備を送っている。確認してから現場へ向かえ。』

 

「分かりました。」

 

---

 

同じ頃――

 

**喫茶リコリコ。**

 

ミカは千束とたきなの前に立っていた。

 

「今夜、海岸の倉庫で武器取引が行われる。」

 

「未知の武器が持ち込まれる可能性が高い。」

 

「回収、もしくは無力化。それが今回の任務だ。」

 

「了解!」

 

たきなは静かに頷く。

 

一方、千束は腕を組んだ。

 

「えぇ~? そういうのってDAのお仕事じゃない?」

 

たきなが即座に突っ込む。

 

「私たちもDA所属です。」

 

「そうだった。」

 

ミカは苦笑した。

 

「準備ができ次第、出発だ。」

 

---

 

八馬人はアパートへ戻ってきた。

 

部屋の前に立つと、聞き覚えのある声がした。

 

「お待ちしていました。」

 

振り向くと、女神がにこやかに手を振っている。

 

「いつの間に!?」

 

「立ち話も何ですし、中へ入りましょう。」

 

女神に背中を押され、部屋へ入る。

 

リビングのテーブルには、新しい武器と一通の手紙が置かれていた。

 

「……ラブレターですか?」

 

「違います!」

 

八馬人は思わずツッコミを入れる。

 

女神は笑いながら続けた。

 

「今日は忘れ物を届けに来ました。」

 

「忘れ物?」

 

「転生するとき、あなたに授けるはずだった力です。」

 

八馬人は首をかしげる。

 

「あなた、生前にお願いしていましたよね?」

 

「身体能力を強化してほしい、と。」

 

その言葉で思い出す。

 

前世で憧れていた、圧倒的な身体能力。

 

女神は右手をかざし、静かに祈り始めた。

 

柔らかな光が八馬人を包み込む。

 

数秒後、光は静かに消えた。

 

「これで終わりです。」

 

「あなたの身体能力は大幅に向上しています。」

 

「では私は失礼します。本来、この世界へ長く干渉できませんので。」

 

そう言い残し、女神は光となって姿を消した。

 

八馬人はテーブルの武器を見る。

 

そこには、

 

**イチガンブレード。**

 

そして、

 

**レミントンM870。**

 

陣からの手紙には短く書かれていた。

 

『状況に応じて使い分けろ。』

 

時計を見る。

 

午後五時。

 

張り詰めていた緊張が切れたのか、八馬人はソファへ横になった。

 

「少しだけ……。」

 

そのまま、眠りに落ちる。

 

---

 

同時刻。

 

AFT本部。

 

陣マサトは大型モニターを凝視していた。

 

映像には、港の倉庫。

 

武器取引を行う男たち。

 

その中の一人を見た瞬間、陣の表情が凍り付く。

 

「嘘だろ……。」

 

思わず立ち上がる。

 

「なんであいつがいる……!」

 

画面に映っていたのは、本来この世界にいるはずのない男。

 

ヴァグラス幹部――**エンター**。

 

陣はすぐに通信端末を掴んだ。

 

「黒リン!」

 

「リュウジ!」

 

「予定変更だ!」

 

「あいつが現れた!」

 

「エンターが、あの世界にいる!」

 

その報告は、これから始まる八馬人の初任務が、想像をはるかに超える戦いになることを意味していた。

 

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