リコリス・リコイル -運命の邂逅-   作:銀の匙

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MISSION 4 Everyday Life ― 日常の終わり ―

 

新木場の訓練施設で訓練を終えてから、数週間が過ぎた。

 

八馬人はアパートで静かな日々を送っていた。

 

スマートウォッチの点検。

 

拳銃の整備。

 

分解、清掃、組み立て。

 

リュウジに教わった手順を何度も繰り返し、今では目を閉じてもできるほどになっていた。

 

「よし……異常なし。」

 

ケースへコルトガバメントを戻し、小さく息を吐く。

 

「でも、これを使う日が来ないのが一番なんだけどな。」

 

実弾を撃つということは、相手を傷つけるということ。

 

その重みだけは、訓練を終えても変わらなかった。

 

時計を見る。

 

午前十一時四十五分。

 

「……暇だ。」

 

ソファへ寝転び、天井を見つめる。

 

「任務はまだ来ないし、このままじゃ本当に引きこもりになりそうだ。」

 

テーブルの上には一枚のカードが置かれていた。

 

---

 

Alliance Freedom Treat

 

NAME:YAMATO KINAMI

 

Affiliation:TOKYO JAPAN

 

---

 

訓練最終日に黒木から渡されたAFTの身分証だった。

 

『これで君は、公的任務に限り拳銃を携行できる。』

 

その言葉を思い出す。

 

同時に、リュウジの忠告も頭をよぎった。

 

『街でベージュ、ネイビー、レッドの制服を見かけたら、周囲をよく見ろ。』

 

「あれ、どういう意味だったんだろうな……。」

 

考えても答えは出ない。

 

「よし、気分転換に出掛けるか。」

 

八馬人は財布とスマートフォンを持ち、部屋を出た。

 

近くの公園で缶ジュースを飲みながら、ベンチに腰掛ける。

 

平和な昼下がり。

 

子どもたちは遊び、会社員は昼休みを過ごしている。

 

「やっぱり仕事は探さないとな。」

 

生活には困らない。

 

だが、この世界で生きていく以上、普通の日常も必要だ。

 

そう考えた八馬人は、錦糸町駅近くのハローワークへ向かった。

 

求人票を眺めながら、いくつか気になる仕事を手に取る。

 

「そうだ。銀行口座も作っておかないと。」

 

手続きを済ませるため、近くの銀行へ向かう。

 

その途中だった。

 

「……ん?」

 

制服姿の女子高生が視界に入る。

 

ベージュ。

 

一人ではない。

 

二人。

 

三人。

 

さらに向こうにも。

 

「まさか……。」

 

八馬人の脳裏に、リュウジの言葉が蘇る。

 

『ベージュ、ネイビー、レッドの制服を見かけたら、周囲をよく見ろ。』

 

「何か起きるのか……?」

 

胸騒ぎを覚えながらも銀行へ入る。

 

受付で口座開設を申し込み、書類を書き始めた、その時だった。

 

「動くなッ!」

 

怒号が銀行内に響く。

 

次の瞬間――

 

パンッ!

 

乾いた銃声。

 

「きゃあああっ!」

 

悲鳴が銀行中に響き渡る。

 

八馬人はゆっくり顔を上げる。

 

覆面をした男たち。

 

手には拳銃。

 

人質となる客たち。

 

そして、銀行の外へ視線を向けると、一瞬だけベージュの制服が見えた。

 

「あれが……。」

 

「リュウジさんの言っていた"ベージュ"……!」

 

八馬人はようやく理解した。

 

自分が今、リコリスたちが動く事件の真っ只中にいることを――。

 

この終わり方なら、**MISSION 5**で主人公と錦木千束や井ノ上たきなが初めて接触する展開にも、自然につなげられると思います。

 

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