ひろがるスカイ!プリキュア~スーパーヒーローズ~ 作:のぞむ
「どうかな?」
ある日の虹ヶ丘家で、ソラとましろはヒロお手製のクッキーを食べていた。
「う~ん!とってもおいしいです!」
「うん!流石お兄ちゃんだよ!」
「そっか、ありがとう!」
クッキーを誉めてくれたソラとましろにヒロがお礼を言う。
「あの、ヒロくん…」
「ソラちゃん?どうかした?」
「い、一緒に食べさせ合いっこしませんか?」
「え…えぇっ!?」
ソラからの提案にヒロは声を出して驚いてしまう。
「ダ、ダメですか…?」
「あ、嫌ってわけじゃ…ぼ、僕、ちょっと鳥さんにクッキー渡してくる!」
ヒロはクッキーを3個ほど持ち、逃げるようにその場を離れる。
「さ、流石にグイグイ行きすぎました…」
「…ソラちゃん、やっぱりお兄ちゃんの事が好きなの?」
「はい…」
先程ヒロに逃げられたのが余程効いたのかソラは少し落ち込んでいた。
「…私、今まで男の人を好きになったことがないので、どのように想いを伝えて良いのかわからないんです…こんなことでは、ヒロくんに想いを伝えることができません!未熟です!」
「…大丈夫だよ」
ましろはソラの手に優しく触れる。
「ましろさん?」
「焦らなくても大丈夫…少しずつでも前に進んでからソラちゃんの想いを言ったら、きっとお兄ちゃんに伝わると思うよ?」
「…はい!ありがとうございます!ましろさん!」
「どういたしまして!…私ね、嬉しいんだ」
「何がですか?」
「ソラちゃんが、お兄ちゃんの事を好きになってくれたのが!」
ましろは笑顔でそう口にする。
「お兄ちゃんがソラちゃんと仲良く話してるのを見てると、ちょっと羨ましいって思っちゃうけど…それ以上に、大好きなお兄ちゃんに好意を寄せてくれてる子がいることが嬉しいんだ」
「ましろさん…」
ソラはましろの言葉を聞いて照れくさくなったのか、ほんのり顔を赤くする。
「そ、そういえばヒロくん、あのクッキーを鳥さんに渡してくるって言ってましたよね?どういう事なんでしょう?」
「きっと、あの黄色い鳥さんに渡しに行ったんだと思う」
「もしかして、よく屋根の上にいる鳥さんですか?」
「うん。お兄ちゃん、あの鳥さんとよくお話してるんだ」
「鳥さんとお話…もしかして、こっちの世界の鳥さんもスカイランドの鳥達みたいに言葉を話せるんですか!?」
「ううん、それはないけど…スカイランドの鳥さんって、人間の言葉を話せるの?」
「はい!スカイランドでは人間と鳥さんは大の仲良しなんです。背中に乗せて飛んでくれたり、荷物を運んでくれたり、中にはモデルの仕事をしている鳥さんもいるんです!」
「う~ん…こうして改めて話を聞くと、ソラちゃんってファンタジーな世界の住人なんだね…」
「私から見ればこっちの世界の方がファンタジーです!」
「確かにソラちゃん、初めてこっちの世界に来た時に凄く驚いてたもんね…」
ましろは苦笑いをし、ソラの話を聞いていた。
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「あっ、いたいた!」
その頃、ヒロは2階の廊下にある窓の外にいる黄色い鳥を見つける。
「はいこれ。クッキー作ってみたんだ。食べてみて」
ヒロは窓辺にクッキーを3個置き、黄色い鳥はそれを手に持って一口食べる。
「ハハッ、君ってホントに器用だね!それでどうかな?ましろとソラちゃんはおいしいって言ってくれたけど…」
「…」
黄色い鳥は何も言わず2個目のクッキーを食べ始める。
「その感じだとおいしかったんだね!また今度持ってくるよ…それにしても、最近なんかソラちゃんが積極的に話しかけてくるんだよね…君なんか知ってる?…って、君に聞いてもしょうがないよね。それじゃあ、またね!」
そう言ってヒロは黄色い鳥から離れていく。
「…」
黄色い鳥は去っていくヒロをジッと見続けた。
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あっという間に夜になり、ヒロは自室で明日の学校の準備をしていた。
「よし!これで準備OK!」
準備を終えたヒロは眠ろうとベッドに向かっていく。
「あなた誰なんですか!?」
「ソラちゃん?」
突然ソラの叫び声が聞こえてくる。何かあったかもしれないと感じたヒロは急いでソラの部屋に向かっていった。
「ソラちゃん!どうしたの!?」
ヒロがソラの部屋に入るとエルのそばにオレンジ色の髪の少年の姿があった。
「ヒ、ヒロさん!これはその…」
「えっ?何で僕の名前を…?」
「気を付けてくださいヒロくん!もしかしたら、カバトンの仲間かもしれません!」
ソラは警戒しながら少年を睨む。怖くなったのか少年は窓から飛ぼうとし、そのまま落ちていった。
「ヤァーッ!」
すかさずソラは窓から飛び降り、少年を捕らえる。ヒロも窓から飛び降り、地面に着地する。
「…って、君は!」
「お兄ちゃん!ソラちゃん!どうしたの!?」
騒ぎを聞いたましろが自室の窓から2人に聞く。
「ましろさん!怪しい人を捕まえました!」
「怪しい人って…?」
「ソラちゃん、その子をよく見て」
「え?…と、鳥さん!?」
なんと先程ソラが捕まえた少年が黄色い鳥に変わっていた。そこにヨヨがやって来る
「ソラさん、その子を放してあげて…」
「で、でも…」
「知り合いなの、私の」
「…ソラちゃん、ひとまず放してあげよ?」
「…はい」
渋々ではあったがソラは黄色い鳥を放す。
「…僕はツバサ」
「鳥が喋った!?」
立ち上がった黄色い鳥はツバサと名乗る。鳥が喋った事でましろは驚きの声を上げてしまう。
「言葉を話し、人間に変身できる鳥さん…あなたはもしや、スカイランドのプニバード族!?」
ソラの声掛けにツバサは頷いて答える。
「とにかくさ、ツバサくんだっけ?中に入って君の事を聞かせてもらっても良いかな?」
「はい…」
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一同は家の中に戻り、ツバサの話を聞く。
「…1年とちょっと前、僕はこの世界に落ちてきました」
ツバサの話では嵐の日にこの世界に落ちてきたらしい。それ以来ツバサはヨヨにお世話になっているらしい。
「1年前って…私とお兄ちゃんがこっちに引っ越してきた頃だよね?ずっとただの鳥のフリをしてたって事?」
「信じてもらえないと思ったので…」
「ターイム!!」
「わっ!?」
ソラの声にビックリしたツバサは人間の姿になる。
「戻っちゃった…」
「ビックリするとつい…」
「話を逸らさないでください!私とエルちゃんがこっちに来た後なら、いつでもスカイランドの事を話せた筈です!なのに黙ってた!どうしてですか!?」
「怖い顔になってるよ?ソラちゃん…」
「ワン!」
「ソラちゃん犬みたいだね…それよりツバサくん。もしかして、何か話せない事情でもあるの?」
「…」
ヒロの問いかけにツバサは何も言わずに俯く。
「…わかった!なら何も聞かない。ツバサくんの事も信じるよ!」
「ヒ、ヒロくん!?」
ヒロの言葉にソラは驚いてしまう。
「だってさ、誰にだって話したくない事はあるでしょ?無理矢理聞いてもツバサくんを傷つけるだけだしね。まぁ気にならないわけじゃないからさ、もし話したくなったらいつでも言って。強要はしないからさ」
「ヒロさん…」
ツバサはヒロの名前を呟く。
「…わかりました」
ソラは納得してなさそうだったが一先ずツバサを問い詰めるのをやめる。夜が遅い事もあり、一同はそれぞれの自室に戻っていった。
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「う、う~ん…」
ヒロが自室で眠っていると部屋の外からノック音が聞こえてくる。ヒロはベッドから起き、部屋のドアを開ける。
「ソラちゃん…?」
「ヒロくん…夜遅くにすみません…」
部屋の外にはエルが眠っているゆりかごを持っているソラの姿があった。
「…とにかく入りなよ。話聞くからさ」
「ありがとうございます…」
なんとなくではあるがソラの心境を察していたヒロはソラを部屋の中に入れる。
「…ツバサくんの事だよね?」
「…今回はなんともありませんでしたけど、もしツバサくんがカバトンの仲間だったらエルちゃんは…そう思うと怖いんです…」
「…もしかして、ずっと起きてたの?」
「はい…エルちゃんの事が心配で…」
「でもそれだとソラちゃんが寝れないじゃん…大丈夫!エルちゃんがここにいることはカバトンは知らないでしょ?もしあいつに仲間がいてもここがバレない限り安心しても良いと思うよ?」
「…ヒロくんは強いですね」
「そうかな?」
「はい。身体だけではなく、心も強いです…そこに関しては、自信を持っても良いと思います」
「…なんだか照れちゃうなぁ」
ヒロは照れくさそうに頭をポリポリする。次の瞬間、ソラはとんでもない事を口走ってしまう。
「ヒロくん。お願いがあります…」
「お願い?」
「い、一緒に寝ても良いですか…?」
「…も、もう一回言って」
「で、ですから…一緒に寝ても良いですか…?」
ソラの言葉を聞き、ヒロは硬直してしまう。しばらくするとヒロは顔をみるみる赤くしていく。
「な、何言ってるのソラちゃん!?そんなの出来ないよ!」
「ど、どうしてですか?」
「どうしてって…ほら、年頃の男の子と女の子が一緒に寝るのってちょっと恥ずかしくないかな?」
「私は平気です!…どうしてもダメですか…?」
ソラは上目遣いでヒロに聞く。
「わ、わかったよ…今日だけだからね」
流石にソラを可哀そうだと思ったのか、ヒロは一緒に寝る事を承諾する。
「ありがとうございます!」
ソラは嬉しそうに返事をする。2人は同じベッドに入り、ソラがヒロの左腕を抱きしめる。
「ちょ、ソラちゃん!?」
「ん~、ムニャムニャ…」
ヒロがソラを見るとソラは既に眠っていた。女の子特有の甘い匂いや腕に当たっている部位…それでドキドキしないほどヒロは朴念仁ではない。
(落ち着け僕!ソラちゃんとはあくまでも友達なんだ!落ち着け!落ち着くんだ…!///)
ヒロは落ち着いて眠ろうとしたが結局一晩中眠れなかったのであった…。
最近ソラがヒロに積極的になってますね…。
次回も楽しみに待っていてください!