ひろがるスカイ!プリキュア~スーパーヒーローズ~ 作:のぞむ
「…ねぇ、このトンネルの出口ってさ、スカイランドのどこに通じてるのかな?」
トンネルを通っている中、ヒロがそんな事を聞いてくる。
「確かに、どこに通じているんでしょうか…」
しばらくするとトンネルの出口が見えてきてヒロ達はトンネルを出る。
「え…?」
出てきたのはどうやらスカイランドのお城の中らしく、ヒロ達の真下には国王の姿があった。
『わぁぁぁぁ~!?』
ヒロ達は国王の真上に落下してしまう。
「す、すみません!」
4人はすぐに国王から退き、すぐさまヒロが国王に謝罪する。
すると国王と王妃はエルに気づき、駆け寄っていく。
「えるぅ…」
「おかえりなさい、プリンセス・エル…」
「えるぅ~!」
「何はともあれ、よくぞプリンセスを取り戻してくれた!」
「ソラ、ツバサ、ヒロ、ましろ…あなた達はスカイランドのヒーローです」
「ヒーローだなんてそんな…」
「そうですよ…」
「「スカイランドの…ヒーロー…!」」
ヒロとましろが遠慮気味になっている中、ソラとツバサは目を輝かせていた。
「王様、エルちゃんを攫った犯人についてですけど…」
「まぁ待て」
ヒロがエルを攫った犯人について報告しようとしたが国王はそれを遮り、エルを連れて移動を始める。
移動した場所にはスカイランドの国民達が集まっていた。
「皆のもの!私達のプリンセスが戻ったぞ!」
国王の言葉に国民達が歓喜の声を上げた。
「アンダーグ帝国…何故プリンセスを狙う…この件は全て私が預かる。そなた達は安心して家に帰るがよい。親元でゆっくりと体を休め…」
「プリキュアの力、お貸しします!」
「私も!」
「僕も協力します!」
「僕もです!」
ヒロ達はこれからも協力する意思を国王に伝える。
「だが、アンダーグ帝国は謎の多い存在だ…どんな危険が待ち受けているかわからないのだぞ?」
「たとえアンダーグ帝国がどれだけ強大な敵だとしても、僕達は戦い続けます!」
「はい…相手がどんなに強くても、最後まで正しい事をやり抜く…それがヒーローです!」
ヒロとソラの言葉がその場に響く。
「ヒーローか…」
すると声が聞こえてくる。
後ろを向くとそこには青と白が基調の騎士服を着た薄紫色の髪の女性の姿があった。
女性はエル、国王、王妃の元へと歩いていく。
「プリンセス、よくぞご無事で」
「おお!戻って来てくれたか!」
「都を留守にしていた間とはいえ、プリンセスをお守りできず…」
「いいえ、辺境の地の大火災であなたの指揮を…」
女性が国王達とそういった会話をしている中、ヒロが興奮気味に女性を見ているツバサに話しかける。
「ツバサくん、あの人の事知ってるの?」
「シャララ隊長ですよ!スカイランドを守るヒーローチーム、青の護衛隊。シャララ隊長はそのリーダー!世界で一番強い剣士なんです!」
「そうなんだ…ってソラちゃん?」
ソラが突然後ろからシャララ隊長に抱きついた。
「大きくなったな、ソラ」
「はい!」
「あれから10年になるのか…」
「はい!」
どうやらソラとシャララ隊長は顔見知りだったようだ。
「お兄ちゃん、もしかしてあの人って…」
「うん…きっとソラちゃんを助けたって言う…」
「「ヒーロー…!」」
ヒロとましろが考えているようにこのシャララ隊長こそ、幼い頃のソラを救ったヒーローなのだ。
あの後、ヒロ、ましろ、ツバサは城下町の飲食店で昼食を食べていた。
しかしツバサは興奮しており、料理にほとんど手をつけていなかった。
「ツバサくん、ご飯冷めちゃうよ?」
「ご飯どころじゃないですよ!だって王様が認めてくれたんですよ!プリンセスのナイトとして!そういえば…本当に良かったんですか?王様からのご褒美は…」
ヒロ達は国王から褒美を与えると言われ、ソラはシャララ隊長が率いる青の護衛隊への入隊、ツバサはエルのナイトとしてそばにいる事を許された。
しかし、ヒロとましろは特に何も求めなかった。
「私は、エルちゃんがおうちに帰れた…それだけで充分だよ。だよね?お兄ちゃん」
「うん。僕達はご褒美欲しさでエルちゃんを助けたわけじゃないしね」
「それはそうとソラちゃん、上手くやれてるかな?」
ましろが青の護衛隊に入隊したソラの事を考える。
「ご飯食べたら差し入れしに行こっか」
「そうだね!」
昼食を食べ終えた3人は青の護衛隊がいる待機所まで差し入れを持ってやって来る。
そこでは何故かソラと赤髪の女性隊員が戦っていた。
「これってどういう状況!?」
「ど、どこから入った!?」
ヒロ達がやって来た事で巨漢の男性と他の隊員が驚いてしまう。
「あ、驚かせてすみません!僕達ソラちゃんの友達なんです。あとこれは差し入れです」
「あ、ああ。ありがとう」
「ところで、これはどういう事ですか?」
「私から説明しよう」
ヒロの呟きにそう答えたのはシャララ隊長であった。
シャララ隊長によると、ソラの自己紹介の時に赤髪の女性隊員、ベリィベリーがソラの入隊に反対したのだ。
するとソラが自分の実力を証明する為にベリィベリーにテストを頼んだ。一触即発の2人を副隊長であるアリリが止めようとするがシャララ隊長が許可を出した事で2人は勝負をすることになったのだ。
するとソラが少し押され始めていた。
「「ソラちゃん!」」
「っ!」
「余所見をするな!」
ヒロ達がいることに気づいたソラがこちらを向くがその隙にベリィベリーからの攻撃を喰らってしまった。
「青の護衛隊は最強のチームだ!弱い奴に居場所はない!」
そう言ってベリィベリーは拳に付けているグローブに雷を纏い、ソラに殴り掛かる。
ソラはそれを躱し、そのまま後ろに回り、殴りかかる。
ソラはベリィベリーにパンチするが当たる直前に寸止めをした。
これにより、勝負はソラの勝ちになった。
「強いとか弱いとか…大事なのは正しい事をしたいっていう気持ちです…あなたは間違っています!」
ソラはハッキリとベリィベリーに言い放つ。
「くっ…!」
ベリィベリーはソラを睨み、涙を流しながらその場から去っていった…
「…ごめんましろ、ツバサくん。ちょっと行って来る!」
「えっ、お兄ちゃん!?」
ベリィベリーの事を放っておけなかったのか、ヒロはこの場を離れてベリィベリーを追いかけていった。
ベリィベリーを追いかけてきたヒロは城下町までやって来て、階段に座って落ち込んでいるベリィベリーを見つける。
「ベリィベリーさん…で良いんですよね?」
ヒロはすぐさま声をかけ、ベリィベリーはこちらを向く。
「お前は…さっきあそこにいた…」
「虹ヶ丘ヒロです。ソラちゃんの…恋人です」
「あいつの…お前、女だよな?」
「あ、女の子みたいな顔ですけど、これでもれっきとした男なんです…」
案の定性別を間違えられ、自分が男であることをベリィベリーに伝える。
「…それでなに?お前の恋人に負けた私を笑いに来たのか?」
「違います!僕、なんかベリィベリーさんが心配で…」
「…余計なお世話だ。放っておいてくれ」
「放っておけませんよ!それに気になるんです。さっきベリィベリーさんが言っていた事が…」
『青の護衛隊は最強のチームだ!弱い奴に居場所はない!』
「それを聞いて、ベリィベリーさんが強さに固執してるんじゃないかって思ったんです」
そう言いながらヒロがベリィベリーの隣に座る。
「お、おい…」
「お節介かもしれませんけど、ワケを話してくれませんか?」
「…見ず知らずの私にそこまで構うなんて、変わった奴だな」
「そうですか?当たり前だと思うんですけど…」
「…わかった、話すよ」
ベリィベリーはヒロに全て打ち明けることにしたようだ。
「スカイランド…こんなに素晴らしい世界なのに、もうすぐ滅茶苦茶になってしまうのか…ああっ、なんて残酷なんだろう!」
スカイランドの城下町を屋根の上から見下ろしていた男は悲しげにそう言っていた…
次回も楽しみに待っていてください!