ひろがるスカイ!プリキュア~スーパーヒーローズ~ 作:のぞむ
「ハ!…ヤァ!…」
アンダーグ帝国の新たな刺客、バッタモンダーが生み出したランボーグと戦った次の日の早朝、ヒロは城の中庭を借りて素振りをして特訓していた。
(アンダーグ帝国から来た新しい敵、バッタモンダーが現れた以上、もっともっと強くならないと…このままじゃミファーにだって勝てない!)
「朝から訓練とは感心だな」
そんな中ヒロは誰かに話しかけられ、後ろを見てみるとそこにいたのはシャララ隊長であった。
「シャララさん!おはようございます!」
「おはよう」
ヒロとシャララ隊長は互いに挨拶をする。
「昨日はベリィベリーと話をしてくれたらしいな」
「はい。放っておけなかったので…」
「放っておけなかったからか…君は優しいんだな」
「僕は、困っている人を放っておけないだけですよ。そうだ!シャララさんにどうしても言いたかった事があるんです」
「言いたかった事?」
「ソラちゃんから聞いたんです。昔シャララさんに助けてもらったことを。あの時ソラちゃんを助けてくれて、ありがとうございます!」
ヒロは頭を下げてお礼を言う。
「顔を上げてくれ。私は当然の事をしたまでだ」
「それでも、ソラちゃんの恋人としてシャララさんにお礼を言いたかったんです!」
「…なるほど、ソラも良い恋人に巡り会えたのだな」
「な、何だか照れますね…」
「…ヒロだったな、君の名前は」
「はい!」
「…少しの間、私が君に稽古をつけよう」
「稽古ですか?」
「ああ。さっきの素振りを見させてもらったが、中々筋が良かった。鍛えてくれる者がいれば君はもっと伸びる筈だ」
「あ…ありがとうございます!スカイランドで一番強いシャララさんに鍛えてもらえるなんて嬉しいです!」
「よしてくれ…世界には私より強い者が大勢いる」
「すみません。友達がそう言ってたので…」
「まぁいい…始めるぞ、ヒロ!」
「よろしくお願いします、シャララ師匠!」
「師匠か…悪い気はしないな」
こうして、ヒロはシャララ隊長から稽古をつけてもらえる事になったのであった。
あれから2時間ほど経ち、ソラは中庭が見える廊下を歩いていた。
「どうした!もっと反撃してこい!」
「はい!」
「うん?」
中庭から声が聞こえ、ソラが中庭を見てみるとヒロとシャララ隊長が組手をしていた。
「ヒロくん!?シャララ隊長!?」
「ソラちゃん?」
「おはよう、ソラ」
「おはようございます…これはいったい?」
「シャララ師匠に鍛えてもらってるんだよ」
「シャララ隊長にですか?」
「ああ、彼は中々見込みがある。鍛えておいて損はないだろう?」
「確かにそうですね…シャララ隊長!私も…」
「シャララ隊長!ソラ!」
ソラは自分も稽古をつけてもらおうとしたがそこにベリィベリーがやって来る。
「ベリィベリーさん?」
「どうした?」
「大変です!町にランボーグが現れました!」
「ランボーグが!?」
「わかった、すぐに行く!行くぞソラ!」
「はい!」
「僕も行きます!」
「ヒロはここにいてくれ」
「でも…」
「大丈夫ですヒロくん!私達に任せてください!」
「ソラちゃん…気を付けてね!」
「はい!」
青の護衛隊はランボーグの討伐に向かっていった。
「これで10体目!バッタモンダーとアンダーグ帝国もそろそろ懲りた頃であろう。よくやってくれた、ヒーロー達よ!」
王様は青の護衛隊にお褒めの言葉を贈る。
あれから青の護衛隊はバッタモンダーが生み出した10体のランボーグを討伐したのだ。
「これからも力を合わせ、スカイランドの国民達を守ってほしい!」
『はい!』
「イタタ…」
「痛むか?」
「ぜんっぜん痛くありません!これくらい…アイタタタ…」
ソラはシャララ隊長と一緒にとある村までパトロールに来ていた。
その際ソラが村で走り回っている動物を捕まえたのだが勢い余って木にぶつかってしまった。
シャララ隊長の提案でソラは休む事にした。
「お手柄だったな」
「でも、カッコ悪いです…」
「だが、村のみんなが助かった」
「…はい!そうですね!護衛隊って色んな仕事をしているんですね」
「ああ。都を襲う危険な敵と戦うのも大事だが、パトロールも同じくらい大事な仕事だ。辺境の地には助けを求める人が大勢いるからな…」
「…あの時の私もそうでした」
ソラはシャララ隊長に助けられたあの日の事を思い出す。
お守りとしてシャララ隊長にスカイジュエルの欠片を渡した事を…。
「あんなスカイジュエルの欠片、どこにだってあるのに…」
するとシャララ隊長はそのスカイジュエルの欠片をペンダントにした物を取り出した。
「それは…」
「君とまた出会えたのは、このジュエルの導きかもしれないな…」
「…はい!」
ソラは嬉しそうに返事をする。
「…ところでソラ、君はヒロと恋人同士なのだろう?」
「は、はい!どうしてそれを?」
「彼から聞いたんだ。それで、どのように彼と交際することになったんだ?」
「…なんというか、最初は友達として接していたんですけど…ヒロくんの優しさとヒーローらしさに少しずつ惹かれていって、好きになってしまいました。それからしばらくして、ヒロくんから告白されて、恋人同士になれたんです」
「そうか…彼と組手していた時に感じたよ。守るべき者達の為に戦うという意思を」
「守るべき者達…ですか」
「おそらく君の事も含まれているのだろう。あのような少年には中々会えないものだ」
「ヒロくん…」
シャララ隊長から聞かされた事に照れてしまったのか、ソラの頬は少し赤く染まっていた。
シャララ隊長はソラを見て優しく微笑んだ。
その頃、ヒロ、ましろ、ツバサはエルと一緒に遊んでいた。
「そういえば、ヒロさんとましろさんは明日にはソラシド市に帰るんですよね?」
「うん。トンネルを開いてって、明日おばあちゃんに連絡するつもりだよ」
「…寂しくなるね」
「…エルちゃん」
ましろはエルに近づき、エルの頭に手を乗せる。
「える?」
「お腹出して寝ちゃダメだよ。ツバサくんにあんまりイヤイヤ言ったらダメだよ…私とお兄ちゃんの事、忘れないでね…」
そう言ったましろの顔はどこか寂しそうであった。
ヒロはエルを抱っこする。
「エルちゃん…元気でね」
「える…えるぅ~!」
ヒロが言っている言葉の意味をなんとなくわかってしまったのか、エルはヒロに手を伸ばして泣き始めてしまった。
「あっ!よしよし!」
「エルちゃん…なんとなくわかっちゃったのかな?もう私達と一緒に暮らせないって…」
「エルちゃん…大丈夫だよ」
「える…?」
「確かにもう前みたいに一緒に暮らせないけど、絶対に遊びに来るよ。約束する」
ヒロは抱っこしているエルの顔を見てそう約束する。
「…ひろ」
「エ、エルちゃん…?」
「お兄ちゃん?」
「どうかしましたか?」
「エルちゃん、今…」
「える?」
「エルちゃんがどうしたの?」
「…ううん、なんでもない」
ヒロはエルが自分の名前を呼んでくれたと思ったようだがエルはいつも通り『える』と言っていた為、気のせいだと解釈したようだ。
「っ!?」
するとヒロが何か不穏な気配を感じ、窓の外を見る。
「あ、あれは…!」
「お、お兄ちゃん…」
ましろは外にいる者を見て不安になったのか、ヒロの腕に掴まる。
外では、巨大なランボーグが上空に浮かんでいた…
次回も楽しみに待っていてください!