ひろがるスカイ!プリキュア~スーパーヒーローズ~ 作:のぞむ
「あっ!ソラちゃん!シャララ師匠!」
王の間にいたヒロはソラとシャララ隊長が戻って来た事に気づく
「ヒロくん!王様!これはいったい…」
ソラはいったい何が起こっているのか2人に聞く。
「私が話そう…」
国王から事の経緯をソラとシャララ隊長に話す。
突如上空に巨大ランボーグが現れ、更に城の門にバッタモンダーからの脅迫状が張られていた。脅迫状にはランボーグが1時間後に爆発する事が書かれていた。エルを渡せばそれをやめる事も書かれていた。
「もしかして…師匠、10体のランボーグは浄化して倒したんですか?」
「いや、キュアスカイの浄化技を使わずに倒したが…」
「やっぱり…あくまで仮説ですけど、ランボーグは浄化せずに倒すとアンダーグ・エナジーをその場に残すんだと思うんです。多分そのアンダーグ・エナジーが集まって…」
「あのランボーグが生み出された、ということか…!」
シャララ隊長は責任を感じているのか握りこぶしを作ってしまう。
「ツバサくん!しっかり!」
そこへましろがボロボロになっているツバサを抱えて戻って来る。
ツバサはキュアウィングに変身し、空からランボーグの偵察に向かったがランボーグの攻撃を喰らってしまい、負傷してしまったのだ。
「ツバサくん!大丈夫!?」
「は、はい…役に立たなくてすみません…うぅ…!」
「無理しちゃダメだって!」
「いったいどうすれば…!」
ソラはどうすればこの状況を打破できるか考える。
「…ソラ、ヒロ、ましろさん、プリキュアの力であのランボーグを浄化できないか?キュアスカイとキュアプリズム、もしくはキュアスカイとキュアソール、2人が手を繋いで放つ最強の技…」
「アップ・ドラフト・シャイニングと…」
「フュージョン・アップ・ファイヤー…」
「それなら確かに何とかなるかも…」
「…やってみます!」
「…うん、僕もやるよ!」
「…私もやってみるよ!」
プリキュアに変身した3人は城のベランダに行き、上空のランボーグを見る。
(正直、アップ・ドラフト・シャイニングでも、フュージョン・アップ・ファイヤーでも浄化できるかわからない…けど!)
「「「やるしかない!」」」
「スカイブルー!」
「プリズムホワイト!」
「「プリキュア!アップ・ドラフト・シャイニング!!」」
まずはスカイとプリズムのアップ・ドラフト・シャイニングでの浄化を試みる。
ランボーグはディスクに吸い込まれていく。いつもならここで浄化されるのだが今回のランボーグは違う。
なんとランボーグがいくつかの手を伸ばし、ディスクを破壊しようとする。
「うぅ…!」
「クッ…!」
スカイとプリズムは苦しそうにしていた。
「あれは…」
するとスカイはある人物が鳥に乗ってランボーグに向かっていくのが見えた。
その人物とは、シャララ隊長であった。
「シャララ隊長!」
「シャララ師匠…もしかして!」
ソールはベランダから飛び降り、近くにいた鳥の背中に乗る。
突然の事で鳥は驚いてしまう。
「ビックリさせてごめん!急いでシャララ師匠の所まで連れてってほしいんだ!」
動揺する鳥であったがソールの必死の頼みを聞き入れ、シャララ隊長に向かって飛んで行った。
一方シャララ隊長は剣でランボーグの手を全て切っていく。しかしシャララ隊長にランボーグが放った雷が落ちてしまう。
ランボーグはエナジーを溜めて、それをシャララ隊長に放とうとする。
(ここまで…か)
「シャララ師匠ーー!!」
その時、乗っていた鳥を足場にしてジャンプしたソールが飛んできてシャララ隊長を突き飛ばした。
「ヒロ!?」
「…ソラちゃん、ましろ…」
「あ…!」
「お兄…ちゃん…!」
「いけ…」
そう言った直後、ソールはランボーグが放ったエナジーに呑みこまれてしまった。
「「…プリキュア!アップ・ドラフト・シャイニング!!」」
「スミキッタ~…」
ソールが呑まれた光景を見たスカイとプリズムは力を振り絞り、ランボーグを浄化することが出来た。
しかし力を使い果たした2人はその場に倒れ、気を失ってしまった…。
その頃、ツバサとエル、国王と王妃の目の前にバッタモンダーが現れていた。
「え、える…!」
「ざっけんなよ!弱い癖に!弱い癖にぃ!強い俺に逆らうなんてありえねぇ!」
バッタモンダーは一瞬でツバサの元まで行き、殴り飛ばした。
「…僕とした事が、つい取り乱してしまった…ごめんね…これで喧嘩は終わり!じゃあ、プリンセスをこっちに…」
「決して渡すものか!」
「この身に代えても、プリンセスを守ります!」
国王と王妃はエルを守ろうとする。
「ハァ…バッタモンモン」
すると王様と王妃様は黒いエナジーに包まれ、倒れてしまった。
「えるぅ…!」
「さぁプリンセス、僕とお散歩の時間だよ」
バッタモンダーはエルを捕らえようと近づいてくる。
「そ…そらぁぁーーー!!ひろぉぉーーー!!」
その時、目を覚ましたスカイが天井の窓を突き破りこの場に駆け付ける。
「ク、クソ!」
「動くな!!」
「ヒッ!?」
スカイの怒号が響き、バッタモンダーは怯んでしまう。
「そこからエルちゃんに1ミリでも近づいたら…絶対に許さない!!」
「う…うぅ…!」
「キュアスカイの言う通りだ…」
更にバッタモンダーの背後にはシャララ隊長の姿があり、バッタモンダーに剣を突き付ける。
「い、いつの間に…!?」
「大事な弟子が撃墜され、私も良い気分ではない…これ以上プリンセスに近づけば、タダじゃ済まさないぞ…!」
スカイとシャララ隊長はバッタモンダーにジリジリと近づいていく。
「バ…バッタモンモン…」
バッタモンダーはその場から撤退していった。
「そらぁ…ウワ~ン!!」
エルはスカイに泣きながら近づいてくる。
スカイはエルを抱きしめる事しか出来なかった…。
その日の夜…ソラは自室として使っている部屋のベッドの上で蹲っていた。
青の護衛隊と一緒に撃墜されたヒロを探していたが見つからず、ベリィベリーから休むように言われてこの状況に至る。
「ヒロくん…ヒロくん…!」
ソラはヒロの名前を繰り返し呟く。彼女は今にも泣きそうな顔をしていた。
「…ソラちゃん」
「え…?」
するとソラにとって聞き馴染みがある声が聞こえてきた。
なんとソラの目の前にヒロがいたのだ。
「ヒ…ヒロくん…ですか?」
「うん…」
「っ…ヒロくん!」
ソラは涙を流し、ヒロに抱きつこうとする。
しかし、抱きつこうとしたソラはヒロの身体をすり抜けてしまう。よく見ればヒロの身体は少し透けていた。
「これは…?」
「ごめん…今の僕は魂だけの状態で、触れられることも触れることも出来ないんだよ…」
ヒロは寂し気な顔をしながらソラの頭を撫でようとするが、その手はソラをすり抜けてしまう。
「そんな…それじゃあヒロくんの身体は今どこにあるんですか!?」
「…わからない。凄く暗い所に拘束されてて動けない状態で、ある女の子の力で少しの間だけ魂と肉体を切り離してソラちゃんの所に来られたんだ」
「ある女の子、ですか…?」
そう呟くソラの顔はどこか険しくなっていた。
「あ、浮気をしてるわけじゃないよ!僕はソラちゃん一筋だし!」
「そ、そうですよね!それで、その女の子というのは誰なんですか?」
「…ごめん、説明する時間はもうないみたい」
そう言っているヒロの身体は先程より透けていた。
「そんな!まだヒロくんと話したい事が…」
「…ソラちゃん。君とまた、ちゃんと会える日を僕は信じてる。だから…」
そう言ってヒロは拳を突き出してくる。
「立ち止まらないで、ヒーローガール!」
「…はい!」
ソラも拳をヒロの拳に向かって突き出す。
互いに当たってはいないが、2人の心は必ず再会するという意思で通じ合っていた。
「…絶対にまた会おうね、ソラちゃん!ましろ達にもよろしく言っといて!」
そう言い残してヒロの魂は消えていき、どこかにある身体に戻っていった。
その頃ましろ、ツバサ、エルは国王と王妃が眠っている部屋におり、2人の様子を見ていた。
「える…」
「目を覚まさない…まるで呪いだよ…」
「いったいどうすれば良いんでしょう…」
(お兄ちゃん…こんな時、お兄ちゃんならどうするのかな…?)
「ソラシド市に戻りましょう」
そこにソラがやって来て、ソラシド市に戻る事を提案してきた。
「ソラシド市に戻って、ヨヨさんに治す方法を調べてもらいましょう。バッタモンダーがエルちゃんを狙っている以上、バラバラになるのはかえって危険です」
「ソラちゃん、その…大丈夫なの?」
「はい…立ち止まらないって、ヒロくんと約束しましたから」
「お兄ちゃんと?」
「どういう事ですか?」
「実は…」
ソラは先程の事をましろとツバサに話した。
「お兄ちゃん…もしかしたら危ない目にあってるかもしれないのに…私達に心配かけないために…凄すぎだよ…」
そう呟くましろの目から涙がこぼれ落ちていた。
「凄いけど…やっぱり心配だよ…っ!」
「ましろさん…」
ツバサは心配そうにましろの名前を呼ぶ。
ましろは自分の涙を拭く
「…私も、またお兄ちゃんに会いたいよ!だからソラシド市に戻って、私達のやるべき事をやって…お兄ちゃんを助けるよ!」
「…僕もヒロさんとまた会いたいです!だから、絶対に助けましょう!」
「はい!」
「える!」
こうして一同はスカイランドを離れ、ソラシド市へと戻ることにしたのであった…
辺りが闇で覆われている場所にはロープのようなもので拘束されているソールの姿があった。
『ソラとはしっかり話せたのか?』
「うん…ありがとうクリスちゃん」
『お安い御用だ』
「…みんな、頑張って!」
そう言っているソールは真っすぐな目をしていた…
次回からしばらく飛ばす話が出てきます。
先に言いますと次回は”彼”がメインのオリジナル回です。