ひろがるスカイ!プリキュア~スーパーヒーローズ~   作:のぞむ

37 / 44
折れた心

ましろが学校に行っている時間帯…

ソラが荷物を持って自室から出てくる。

 

「逃げるのか?」

 

部屋を出たソラの目の前に現れたのはミファーであった。

 

「…私はヒーローになれなかった。プリキュアでも何でもなくなった私がこの家にいる意味はもうないよ…」

 

「そうか…」

 

「…ミファーも一緒に来ない?スカイランドに帰ったらパパとママ、それに私とミファーの弟もいるよ。パパとママにミファーを会わせてあげたいの!だから…」

 

「くだらん」

 

「え…?」

 

ソラの提案を聞いたミファーは冷たく吐き捨てる。

 

「お前は単にこの状況から逃げ出したいだけだ。ヒロを救うことが出来ないこの現実から」

 

「そんなことは…」

 

「違うのか?上手くいかないと考え、怯える…所詮ヒーローを志すお前の心はその程度ということだ」

 

ミファーはソラから背を向ける。

 

「逃げたいなら好きにしろ」

 

そう言ってミファーは立ち去っていった…

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

スカイランドに帰って来たソラは自宅に戻って玄関前のベルを鳴らす。

 

「は~い…ソラ!?」

 

家から出てきたのは母のレミであった。

 

「ただいま…」

 

「どうしたの?王様と王妃様の呪いを解く為に向こうの世界で戦ってるって聞いたけど…」

 

「実は…」

 

「あっ!ソラお姉ちゃ~ん!」

 

後ろから元気よくソラを呼ぶのは弟のレッドだ。

 

「レッド…」

 

「おかえり!ねぇねぇ!どんな活躍してきたの?教えて!」

 

「それは…」

 

「ソラ、レッド」

 

家の中にいる父のシドが2人を呼ぶ。

 

「チシューが覚める。中に入りなさい」

 

「パパ…」

 

 

 

家に入ったソラは家族にこれまで起こった事を話した。

 

「そんな事があったのね…」

 

「どうしてお姉ちゃんのペンは無くなっちゃったの?」

 

「…ミラージュペンは、私の気持ちが形になった物だと思う。だから無くなっちゃったんだよ…強い敵に立ち向かう勇気も、ヒーローになる夢も、友達が考えた作戦も信じられなくて、失敗するのが怖くて…私、ヒーローになれなかった…」

 

ソラはそう言いながら顔を俯かせてしまう。

 

「そんな…約束したじゃん!絶対ヒーローになるって!それにそのヒロお兄ちゃんはお姉ちゃんの恋人なんでしょ!何で簡単に諦めちゃうんだよ!ヒロお兄ちゃんはどうなっちゃうんだよ!」

 

「…」

 

「お姉ちゃん!」

 

「やめなさいレッド」

 

ソラを責めるレッドをシドが宥める。

 

「でも!」

 

「…人が本気で決めた事に口を出すのは間違ってる事だ」

 

「…お姉ちゃんの弱虫!」

 

そう言ってレッドは部屋から出ていってしまった。

 

「…パパ、ママ。もう1つ言わなきゃいけない事があるの」

 

「何?」

 

「…向こうの世界で、弟のミファーと会ったの」

 

「え…!?」

 

ソラからそう告げられたレミは驚きの表情を浮かべ、シドも一瞬表情を変えてしまう。

それもそうだろう…生まれて間もなく姿を消し、14年間行方不明だった息子とソラが会ったと言うのだから…

 

「…本当なのか?」

 

「うん…詳しい事は本人から聞いてほしいんだけど、向こうに行ってしばらくしてから人を襲っているミファーに会ったの」

 

「あの子が人を…!?」

 

「…ミファーはある理由で人間を憎んでいたの。しばらく経って和解して、一緒に暮らしてたんだ…」

 

「そう…ミファーは今どこにいるの?」

 

「向こうに残ってる。一緒に帰ろうって言ったんだけど、くだらんって言われちゃった…」

 

そう口にするソラは苦笑いをしているものの、やはりどこか無理をしていた。

 

「…とにかく今はゆっくりしなさい」

 

「パパ…」

 

シドがソラに休むように言う。

ソラは久しぶりの我が家で夜を過ごしたのであった…

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

次の日の朝、虹ヶ丘家の自室でましろが封筒のような物に紙を入れていた。

 

「それはなんだ?」

 

「わっ!?」

 

突然話しかけられ、ましろが後ろを向くとそこにはミファーがいた。

 

「ミファーくん!部屋に入る時はノックして入らなきゃダメだよ!」

 

「す、すまない…」

 

ましろから注意されたミファーは謝罪し、改めて封筒の中身を聞く。

 

「ソラちゃんへの手紙だよ。受け取ってもらえるかわからないけど…」

 

「…君がソラの為に書いた物だ。受け取らないようなら僕が許さない」

 

「そんな事言っちゃダメだよ。ソラちゃんにはソラちゃんの事情があるんだから…」

 

「…すまなかった」

 

「…ミファーくんはおうちに戻らなくて良かったの?」

 

「今のあいつがいる家には戻る気が起きない。あいつが今の自分としっかり向き合えば考えてやらん事もないがな」

 

「そっか…」

 

「ましろさん!大変です!」

 

部屋の外からツバサの声が聞こえてくる。

ましろはドアを開ける。

 

「どうしたのツバサくん?」

 

「大変です!街にランボーグが現れました!」

 

ツバサが言うには街にランボーグ…ソールボーグが現れたそうだ。

 

「お兄ちゃん…」

 

「…行くぞ」

 

「うん…!」

 

ましろ達は家を出て街の様子を見る。

 

「みんな、気を付けて」

 

ヨヨがましろ達に気をつけるように言う。

するとましろがソラへの手紙を取り出してヨヨに差し出す。

 

「おばあちゃん!お願いがあるの!これをソラちゃんに渡してきて!」

 

「…わかったわ」

 

ヨヨは手紙を受け取ろうとする。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「その役目、私に任せてくれないか?」

 

するとましろ達の目の前に1人の少女が現れた。

 

「あなたは…」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「はい強い!こいつを操る僕も強い!」

 

街ではソールボーグが暴れており、バッタモンダーが陽気に口ずさんでいた。

 

「この世界のことわざをあんたに1つ教えてあげる」

 

そこへプリキュアとミファーが駆け付け、バタフライが一言バッタモンダーに言い放つ。

 

「弱い犬ほどよく吠える!」

 

「…ワン!」

 

バッタモンダーはバタフライの言葉に煽るようにワンと返す。

プリズムはソールボーグを見据える。

 

「お兄ちゃん…絶対に助けるよ!」

 

 

こうしてソールボーグ、そしてバッタモンダーとの戦いの火蓋が切って落とされた…




次回も楽しみに待っていてください!
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。