ひろがるスカイ!プリキュア~スーパーヒーローズ~ 作:のぞむ
プリキュア達がソールボーグと戦っている頃、スカイランドの自宅にいるソラは外で家の手伝いをしていた。
「え…?」
すると目の前にトンネルが開いて声を漏らす。
トンネルを通ってやって来たのは普段ヒロの中にいる少女、クリスであった。
「…こうして君と顔を合わせるのは初めてだな」
「あなたは…?」
「私はクリス。訳あってヒロの中にいる者だ」
「クリスさん…ですか?」
「私の事はヨヨ殿から聞いているのではなかったか?」
「…確か、太古のプリンセスの1人がクリスという名前でしたけど…もしかして」
「ああ、私がその太古のプリンセスだ」
「…それで、何の用ですか?」
「…ましろから君宛ての手紙を託されている」
クリスはそう言いながらソラに手紙を渡す。
ソラは不安になりながら封を開けて手紙を見る。
『ソラちゃん。私とお兄ちゃんがプリキュアになった時に言ってたよね。プリキュアにならないでって、戦わなくていい、友達が傷つくのが怖いって…今度は私の番…ソラちゃんは戦わなくていいよ。私はソラちゃんに家で元気でいてほしいんだ。でもこれだけは言わせて…ヒーローになれなかったなんて言わないで。ソラちゃんはとっくの前から、私とお兄ちゃんにとってのヒーローなんだから…』
ましろからの手紙はここで終わっており、手紙を見たソラの目から大粒の涙が流れていた。
「…私は!ヒーローなんかじゃない!ただの弱虫です!戦うのが怖くて逃げた卑怯者!仲間も!街の人も!恋人も見捨てて!弟達からも否定されて、失望された!そんなヒーローいるわけない!!」
その時、パァン!という音が響いた。
クリスがソラをビンタしたのだ。
「クリスさん…?」
「君は1つ勘違いしている…ヒーローだって1人の人間だ。逃げ出したい気持ちもある、泣き言も言いたくなる。君だけじゃない。ヒロだって戦う事に少なからず恐怖を感じていたんだ…なのに何故戦う事を選んだと思う?恋人の君と妹のましろ、そして友を守り、助ける為だ」
「私達を…?」
「…実はもう1つ、ヒロからの伝言を預かっているんだ」
「ヒロくんから…!?」
「ああ。ランボーグの素体にされていても彼は意識を保っているんだ」
そう言ってクリスはヒロから預かっている伝言をソラに伝える。
『ソラちゃん…僕のせいで苦しい思いをさせてごめん。何とかして元気づけたかったけど今の僕にはクリスちゃんに伝言を伝えさせる事しか出来ないや…でもこれだけは伝えておきたいんだ。たとえもうソラちゃんに会えなくなったとしても、僕は君の事が大好きだよ。ヒーローとしても、1人の女の子としても…』
「ヒロくん…ヒロくん…っ!」
ヒロからの伝言を聞いたソラは泣き崩れてしまう。
(私は何をやってるの…?友達が…恋人が…こんなに私の事を想ってくれていて、今も戦っているのに…)
ソラは涙を拭い、立ち上がる。
「行かないと…友達が…恋人が待っているから!」
するとソラの胸から光が現れる。
光はやがてミラージュペンになり、輝きを失っていたスカイトーンも元に戻っていた。
「ミラージュペンが…!」
「気づいているのだろう?ミラージュペンは君の心に呼応して現れるんだ」
「私の心に…!」
ソラはミラージュペンを手に掴む。
「ソラ」
ソラは名前を呼ばれて後ろを向くとそこには家族の姿があった。
「カッコイイよ!お姉ちゃん!」
「良いのねソラ…いってらっしゃい。またいつでも帰っておいで」
「うん!」
「…街の方ではプリキュアがランボーグと戦っている。だが状況はあまり良くはないだろう…いけるか?」
「…はい!」
「では行くぞ!」
ソラとクリスはトンネルを通り、ソラシド市に向かっていった。
(今の私にヒーローを名乗る資格があるとは思えません…でも、ヒロくん…ましろさん…あなた達がそう呼んでくれるのなら…私は何度だって立ち上がります!」
「ランボーグー!」
ソラシド市ではプリキュア達がソールボーグと戦っていたが、前よりアンダーグ・エナジーを注がれたソールボーグは更に強くなっていた。
「ハァーッ!!」
プリズムはソールボーグに光弾を放つが通用せず、ソールボーグは光の剣をプリズムに向かって振り下ろす。
「フンッ!」
間一髪でミファーがバリアでプリズムを守る。
「ありがとうミファーくん!」
「ちょっと~、守ってばっかりだけどそれで良いのかい?まぁ無理もないよね。攻撃すればダメージは全部彼に…」
「僕をそんなに甘い奴とは思わない事だ」
「あん?」
「僕がその気になれば貴様ごとランボーグを仕留める事が出来るが…彼女達がそれを望んでいないからな。だから僕はプリキュア達の盾になる。これが僕の役目だ!」
「…みんな!ミファーくんの頑張りに応える為にも、絶対にお兄ちゃんを助けるよ!」
「「はい(うん)!」」
「プリズムの言う通りです!」
すると上空から声が聞こえてくる。
「あ…」
「ま、まさか…ありえねぇ!」
「来たか…」
「ヒーローガール!スカイパーンチ!!」
上空から現れたキュアスカイがソールボーグにスカイパンチを当てる。
「「「スカイ!」」」
「お待たせしました!」
「…フッ」
スカイの帰還にプリズム、ウィング、バタフライが歓喜の声を上げる。
ミファーは少しだが笑みを浮かべていた。
「バッタモンダー!私の大切な恋人をランボーグにして、挙句の果てに私の仲間を傷つけさせたあなたを私は許しません!」
「うるせぇうるせぇ!弱い癖にいい気になりやがって!強いのはこの俺なんだよ!ソールボーグ!」
「ラン…!」
スカイパンチを喰らって転倒していたソールボーグは立ち上がろうとするが突如動きが止まってしまう。
ミファーが金縛りでソールボーグの動きを止めたのだ。
「今だ!」
「「はい(うん)!」」
「スカイブルー!」
「プリズムホワイト!」
「「プリキュア!アップ・ドラフト・シャイニング!!」」
「スミキッタ~…」
ソールボーグは浄化され、キラキラエナジーと共にキュアソールが出てくる。
「ミックスパレット!癒しの力、アゲてこ!」
「ミラーパッド!」
すぐさまバタフライがソールに癒しの力を与え、クリスがミラーパッドにキラキラエナジーを集めた。
これでミラーパッドにキラキラポーションを作る分のエナジーが集まった。
「あ、ありえねぇ…!」
「動かないで!」
「ヒッ!?」
その場から逃げようとしたバッタモンダーであったがプリズムの怒号で足を止める。
「そこから一歩でも動いたら…絶対に許さない!!」
バッタモンダーはその場から動けずに固まってしまう。
「ヒロくん…目を覚まして…!」
スカイはソールの手を握る。
「…ソラちゃん」
ソールの口からソラを呼ぶ声が発せられる。
ソールが目を覚ましたのだ。
「ただいま」
「ヒロくん…!」
スカイはすぐさまソールに抱きつき、泣きじゃくってしまう。
「良かった…良かったぁ…!」
「心配かけてごめん…もう大丈夫だから」
ソールもスカイに抱きつく。
「…それで、奴はどうする?」
ミファーはそう言ってバッタモンダーに目線を移す。
「ヒ、ヒィィィ!」
「…帰りましょう」
スカイはソールをお姫様抱っこし、バッタモンダーに背を向ける。
「ト、トドメを刺さなくて良いのか?じゃないとまた来るぞ!またお前の嫌がる事をしてやる!それでも良いのか!?ソラ・ハレワタール!」
「構いません」
「は…?」
「何をされたって負けないくらい、強くなりますから」
「ぐ…!」
項垂れているバッタモンダーを無視し、スカイはソールを連れて去っていく。
「君達も先に帰っていろ。僕はこいつと少し話をしていく」
「ミファーくん…」
「わかっている。殺しはしない」
「…じゃあ先に帰ってるね」
プリズムはミファーの言葉を信じてウィング達と一緒に帰っていった。
「な、なんだよ…」
「…スカイとプリズム達に免じて、今日は見逃してやる。だが…」
ミファーは手のひらにエネルギーを蓄積していく。
それを見たバッタモンダーは底知れぬ恐怖に駆られていた。
「次に彼女達を泣かせるようなマネをすれば…命はないと思え!」
「ヒ、ヒィィィーーー!!」
バッタモンダーは悲鳴を上げながら逃げていった。
その日の夕方、虹ヶ丘家のリビングにヒロ達が集まっていた。
ちなみにクリスは既にヒロの中に戻っている。
「みんな、助けてくれてホントにありがとう!」
「お兄ちゃん…本当に…本当におかえりなさいっ!」
余程ヒロが帰って来たのが嬉しいのだろう。ましろはヒロに抱きついて泣きじゃくってしまう。
「ただいま、ましろ…」
「ヒロロンも帰って来たし、これでやっとみんな揃ったね!」
「はい!というかヒロさん、起きていて大丈夫なんですか?長い間ランボーグの素体にされていましたけど…」
「大丈夫だよ。むしろ素体にされていた頃より元気いっぱいだし!」
「ハハッ、ヒロさんは凄いですね」
「ミファーもありがとう!ましろ達を守ってくれて、僕を助けてくれて」
「僕はただ自分の役目を全うしただけだ。それと言っておくが、君に勝つのはこの僕だ。その前に死ぬのは絶対に許さん」
「ミファーくん!今は一緒に住んでるんだからお兄ちゃんとも仲良くしないとダメだよ!」
「ましろさんの言う通りだよ!」
「ハハッ、ミファーってばソラちゃんとましろと仲良くなってるじゃん」
「フン…」
「ヒロ!だっこして!」
「うん!良いよ」
エルから抱っこするようにおねだりされたヒロは要望通り抱っこする。。
「それじゃあ、今日はヒロロンおかえりなさいパーティーをしよっか!」
「賛成です!」
「そこまでしなくても良いんだけどな…」
「遠慮しなくても良いんだよ!私達にとって、お兄ちゃんは大切な人なんだから」
「ましろ…それじゃあ、今日はパァーッと楽しもう!」
「たのちむ!」
こうして今日はいつもより豪華な夜ごはんを食べることになった。
夜になり、ヒロはこれから寝ようとしていた。
するとドアの向こうからのノック音が聞こえてきてヒロがドアを開ける。
「ソラちゃん?」
部屋の前で立っていたのは枕を持っているソラだった。
「急にすみません…今日は一緒に寝ても良いですか?」
「それは良いけど…」
「ありがとうございます」
ヒロはソラを部屋に入れて一緒にベッドに入る。
「ソラちゃん、大丈夫?」
「何がですか?」
「身体、震えてるよ…」
ヒロの言う通り、ソラの身体は少し震えていた。
「…不安なんです。またヒロくんが無茶をして、いなくなったりしないか…さっきだってそうです。あのまま目を覚まさなかったらどうしようって、凄く不安だったんです…」
「ソラちゃん…」
ヒロはソラを抱きしめる。
「大丈夫だよ…もう絶対に君を悲しませない…ずっと一緒にいるよ…」
「ヒロくん…!」
次の瞬間、ヒロはソラ唇にキスをして舌を入れる。
所謂ディープキスだ。
10秒ほど経ち、ヒロとソラはキスを終える。
「ソラちゃん…ずっと一緒だよ///」
「ヒロくん…はい///」
見つめ合った後、2人は再びキスをする。
ヒロとソラは一緒にいられる幸せを噛みしめながら、2人でかけがえのない一夜を過ごしたのであった…
ちなみに2人はその後夜更かしをしてしまったが、何をしていたのかは当人たちしか知らない…
次回も楽しみに待っていてください!