【出逢いは必然に】~出逢いvol 4 作:kana.0520.rena
【出逢いは必然に】~出逢いVol4~
(七瀬さんを送って家へ向かう帰り道)
七瀬さんからの質問に、やはり気にされていた事に言葉選びに注意するべきだった。俺自身は彼女の目に魅力を感じ、その目から色々な姿を描きたくなっていた
しかしそれには、彼女からの言葉が必要不可欠であり彼女の意見を尊重しなくてはならない...
そのような事を考えていた時にスマホが鳴り...相手は
(ゆいなさん?)
『もしもしゆいなさんどうしました?』
『浬?今大丈夫?』
『大丈夫ですが、どうしたんですか?』
『七瀬ちゃんに連絡してるんだけど、電話出なくて...』
『七瀬さんをマンションまで送って来たところですが?(何かあったのか?)家まで行ってみます!七瀬さんて何階です?』
『803号室なの!ちょっと様子見てきて欲しいの!お願いしてもいい?』
『わかりました』
戻って七瀬さんのマンションに向かうと住人が出てきてその瞬間にマンションに入って...8階へ向かった
エレベーターが8階に止まりドアが開くと七瀬さんはドアの前で震えていた
『(走って傍に行く)七瀬さん!大丈夫?』
『(顔を上げて...涙目)て、てんどうさん...』
『(何があったんだ?)どうしたの?』
『大丈夫で...す』
『まずは部屋へ入ろう!家の鍵ある?』
『は...い(鞄から鍵を出して天堂さんに渡す)』
『(七瀬さんを抱えて)開けるね』
(俺は七瀬さんを抱え、七瀬さんの部屋へ入りソファに寝かせた。彼女が話すまで待ちながら...頬には叩かれた痕があり、何があったんだ?)
『(ゆっくり目を開けて)天堂さん...』
『七瀬さん?何処か痛いところとかある?...何があったの?』
『知らない人に...急に頬を叩かれて...怖かった』
『(怖かったね、頭を撫でながら)もう大丈夫だから』
『ありがとうございます』
『今日はひとりにさせれないから傍にいるね』
『でも...』
『なら俺の家に行こう!その方が安心だと思うから』
『それじゃご迷惑おかけしますし』
『俺は別に構わないから、ひとりにする方が俺は心配だ。ここは甘えましょう』
『(泣きながら)すみません』
『泣かなくていいからね!ゆいなさんが電話したみたいで、心配してるからLINEしとくね』
『お姉ちゃんにも迷惑かけてしまいましたね』
『大丈夫だからね、七瀬さん?少し歩けるかな?俺の家は歩いて数分だから』
『大丈夫です!すみません』
(七瀬さんと一緒に七瀬さんのバッグを持って俺の家へ...七瀬さんを気遣いながらゆっくり歩いて行く)
『(誰が?...しかし気になる人物の可能性)着いたよ』
『一戸建てなんですね』
『立派ではないけどね、さあ入って』
『お邪魔します』
(七瀬さんを座らせて)
『何か飲む?お茶でもいいかな?』
『はい』
(七瀬さんにお茶の入ったカップを渡す)
『ゆいなさんに連絡するね』
『お願いします』
『もしもしゆいなさん』
『七瀬ちゃん大丈夫?』
『知らない女性に殴られたみたいで、とりあえず俺の家に連れて来てます』
『知らない女性?』
『もしかしてなのですが、俺の予感だと...』
『浬...もしかして』
『あの女の可能性があります』
『もしかして...前に浬の絵のモデルした奴かしら?』
『多分...俺がもうお前を描かないとモデルを強制的に断ったですからね。あれから1年経ってます』
『可能性はあるわね?七瀬ちゃん心配だわ!あかねにちょっと話しとく』
『お願いします。明日は1日七瀬さんと一緒にいるので』
『七瀬ちゃんの事お願い』
『わかりました、何かありましたら連絡してください。LINEでもいいので』
『わかったわ』
(ゆいなさんとの電話を終えて七瀬さんのところへ)
『七瀬さん』
『天堂さん...』
『(七瀬さんを抱きしめる)七瀬さんを守るから安心して』
(その言葉だけ...)
『ありがとうございます』
『辛い事聞いていいかな?』
『私に答えられる事なら』
『(ある絵を描いて七瀬さんに見せた)この人に似てる?』
『は...い』
『辛い事を聞いてごめん』
『(首を横に振る)』
『ひとつ部屋が空いてるからその部屋で寝るといい。準備してくるから待てる?』
『...はい』
(天堂さんは暫くして戻って来て下さった)
『(スウェットを渡して)これに着替えるといいよ』
『ありがとうございます』
『姉貴が暫く住んでて置いて行ったスウェットだから、少しブカブカかもしれない』
『お姉さま?がいるんですね』
『よく喋る姉貴』
『お話好きな方なんですね...私はお兄ちゃんがいます』
『よく喋るというか煩い感じかな、七瀬さんにはお兄さんが?』
『(くすっ)そうです』
『やっと笑ってくれた、七瀬さんはやっぱり笑顔が一番』
『...心配して下さりありがとうございます』
『顔見せて』
『?』
『少し腫れてるから冷やさないと痛かったね...ちょっと待っててね』
『(スマホ鳴ってる)天堂さん?スマホ鳴ってます』
『ありがとうもしもし』
『浬?明日七瀬ちゃんの様子見に行っても大丈夫?』
『もし良ければ来てあげてください、七瀬さんも安心すると思うので』
『わかったわ』
『ゆいなさん明日来てくれるって』
『お姉ちゃんにも心配かけてしまって』
『安心してほしいんだと思うよ』
『安心ですか?』
『そう安心してほしい、俺もゆいなさんもいるからね(落ち着いて欲しい為に)七瀬さん?アトリエ見る?気分転換に』
『良いんですか?』
『少し散らかってるけど立てる?』
『大丈夫です』
(天堂は七瀬をアトリエ部屋に連れて行く)
『どうぞ』
『失礼します...わぁ沢山絵がありますね、あれ?これ...』
『初めて逢った時に帰宅してから描いてみたやつね』
『この前描いて頂いたのとはまた違いますね』
『思い出して描いたからイメージして描いたものだからね。少し手を加えて見たんだけどね。七瀬さんここ座って』
『失礼します』
『(七瀬さんと同じ立ち位置になって)』
『?いつも此処で描いてらっしゃるんですか?』
『室内だと此処が殆どかな?ここの方が集中出来るんだ』
『場所ってとても大切ですもの』
『解ってくれるの嬉しいな七瀬さん?時々休憩しながら描くって伝えたと思うけど、コミュニケーションを取るためでこうして話しながら長い時間過ごして行くのは大丈夫?』
『言ってましたね』
『リラックスする時間も大切だから』
『だから長い時間が大切なのですね』
『俺はそれを大事にしてて、七瀬さんが了承してくれたら七瀬さんのお休みを、俺が奪ってしまうけど俺にその時間をくれると嬉しい』
『楽しいお時間に協力します』
『もう?答え出てるの?』
『出てると言うか、そっちに寄ってる事はあります』
『そうなんだね、俺が七瀬さんを説得しなくてはいけないね』
『お待ちしてます(にこっ)』
『プレッシャーだなぁ...そう言えばスマホのアプリでイラスト描いたのを見せてくれたよね?』
『そんなつもりは無くて...はい恥ずかしかったです』
『大丈夫!ちょっといたずらしてごめん』
『ううん大丈夫です』
『続きの話だけど、例えばここにいたずら書きみたいに描いてみたら?』
『良いんですか?』
『思いついたのを書くようにしてるものだから好きにどうぞ(ペンを渡す)』
『ありがとうございます(好きにペンを動かす)』
『そうだな...例えばね、ここの髪の流れを少し変えてみたり、顔の輪郭を少し横に変えてみたり遊びながら描くのも楽しかったりするよ』
『...ホント!違いますね』
『そうそう』
『色々お話を聞いてると勉強になります』
『そう?それは嬉しいな...日付変わってしまったね!眠くない?お風呂入ってくるといいよ』
『天堂さんは?』
『俺はいつもまだ起きてる時間だから』
『甘えさせて下さってもいいですか?』
『何かな?お風呂入る?』
『はい』
『バスタオル持ってくるね。一旦リビング行こうか?』
『アトリエ見せて下さってありがとうございます』
『(手を出して)どうぞ』
『ありがとうございます(天堂さんはほんとお優しい)』
『座って待ってて(バスタオルとフェイスタオルを持って七瀬さんに渡した)』
『ありがとうございます』
『バスルームはねこっち!ゆっくり浸かって来るといいよ』
『ありがとうございます。お言葉に甘えて 』
(俺はリビングに戻るとスマホの通知に...)
ゆいなさんからのLINEを確認すると『あの女の事調べてみるわ。わかったら連絡するね、それまで七瀬ちゃん頼むわ』
『無理はしないで下さいね』
翌日の過ごし方を俺は探しながら...七瀬さんを描くスタイルをいくつもイメージしていると...
バスルームのドアを開ける音がして
(振り向いて)
『とてもいいお湯でした』
『それは良かった、喉乾いたでしょ?』
『お茶ありますか?』
『ちょっと待っててね(お茶と冷凍庫にあるチェリーを出して七瀬さんに)どうぞ』
『ありがとうございます』
『どういたしまして...七瀬さん?今の姿絵にしてもいい?』
『このお姿ですか?』
『急に描きたくなって、それとリクエストがあるんだけど』
『リクエストですか?』
『ちょっと待っててくれる?』
『大丈夫ですよ』
『これを持って』
『ブーケ?』
『思った通りこの姿で明日描かせてね。普段の七瀬さんを描いてみたくなってね、飾らない姿をね』
『天堂さんのお気遣いに感謝します』
『少しでもリラックスして今の時間を過ごしてほしいからね』
『お姉ちゃんが言ってた通りでした』
『ゆいなさん?』
『お姉ちゃんからこのお話を聞いたのは2ヶ月くらい前で、仕事が忙しくて落ち着いたらでいいですか?と』
『事前に聞いていたんだねそれは知らなかったな』
『そうなんです。お姉ちゃんは信頼してる人の話しかしない人だから...』
『ゆいなさんはそういうところあるね』
『一緒に仕事していた時もお姉ちゃんに可愛がって貰ってましたし、今でも繋がって下さる事に感謝しかなくて』
『店でも褒めてたものね』
『有難い事です(目を擦って)』
『眠くなって来た?』
『お話していたいんですけど...』
『明日もあるしゆっくり寝てね』
『ありがとうございます。お部屋お借りしますおやすみなさい』
『おやすみ、また明日ね』
★
その女の名前は彩音、知り合いを通して彩音を紹介されて彩音に絵のモデルを頼む事になった。しかし、時が過ぎて彩音から求められる事に嫌気がさし『お前をもう描かない、お前との契約を解除する』と告げる
それには理由があった
俺の求めるものを受け入れる事をしなくなり、彩音から求められる事が多くなってこれでは信頼関係が崩れていくし、集中出来ないと判断しゆいなさんに相談する
『浬?これ以上ストレス重ねればあなた自身があなたで居られなくなるから』
俺の中のストレスが軽減されるより増してストレスが強くなった事が理由。暫くはゆいなさんにお願いをしていた...
俺が描きたい時に話をし、描かせて貰ってその時間は気分転換になった。ある時にゆいなさんから...
『浬が良ければなんだけど、ひとり紹介したい女の子がいるの。素直な子で真剣に話を聞いてくれる女の子、良かったら考えてみて』
『それはゆいなさんの信頼出来る女性って意味です?』
『勿論よ、浬だって無になれる空間を求めたいでしょ?』
『それはそうですが...』
『考えてみて』
ゆいなさんから話を聞き、それは集中出来る空間を作ってくれる女性なのかもしれないそれが七瀬さん
彼女と数回話をしてゆいなさんの言ってる通りの素直な女性...彼女ならと思っていた矢先の事件...
一度崩れてしまったものは復旧は出来ない、相手の事が理解する心がない限り無理な事。それだけ信頼関係が大切なものだ、解除してからも彩音からは連絡があったが一切返事はせず無視をしていた。一定期間を過ぎると彩音からは連絡が来る事もなく諦めてくれたのかと思っていたが...
★
(部屋のドアが開いたのは気づかず...)
『天堂さん』
『(振り向くと)七瀬さん目が覚めちゃった?』
『眠れないんですか?』
『俺?』
『心配になって...』
『ありがとう優しいね!もうそろそろ寝ようかな?と思ってたところ』
『なら良いんですけど』
『七瀬さんも寝てね』
『おやすみなさい』
七瀬さんはほんと気遣いがあって話を聞いてくれる、その彼女にあんな事をするなんて許せない俺がいた
(続く)