頑張って走る博物館を作りたい   作:名無しの権左衛門

11 / 11
1899年

 営業課長になった藤岡・高橋・河合、各方面で活躍する初期社員の皆を引き連れてやってきたのは、帝國が誇る帝立産業技術研究所。

遠い目でみるその実態は、殊の外立派で尻込みしかけた。

これでも譲歩されたんだけど……い、胃痛が……。

 

 ことの発端は今年の6月3日。リニアモーターカーを初めて視察した通信省の大隈さんと産技研の豊田さんが、御忍びで一般客とともに乗車し広島まで向かった。

その時間は15分。

不燃性で軽量化を図られ、400名の人員を載せて運行する。

本来なら400キロが運行速度なんだけど、それにたどり着いた瞬間に速度を落とさなければならないという結構残念な仕様になっている。

 開発陣が残念がっている事を噂していた職員の話を、二人が聞くとその事実に大層驚いたそうな。

世界初どころか世界をおいていった超高規格路線を、どうか大阪・名古屋・京都・東京まで結んでくれないかという内容だった。

拒否したいんだけど、性能を発揮できないまま終わるのは癪なので、一度お持ち帰りして精査した。

 

 俺がやりたいことは、四国……特に香川県を豊かにしたいということと、ついでに四国を豊かにすること。

あとは瀬戸内海沿岸の交通を作り出したいってことだった。

また香研や俺の電気グループに属する転生者たちは、日本ひいては世界が平和で世界大戦を起こさなければいいというもの。

他にも色々有るが、日本全体が豊かになってあわよくば表舞台にたちたいらしい。

 表舞台は歴史の教科書以外で出てはいけないだろうと突っ込んだけど、俺のやり方でやると転生者たちが一気に離反しえない。

まあ君たちの家族や資産は抑えているし、万が一あれば神隠しにあってもらうだけなんだけど……。

それって違うじゃん?

 

 色々激論を交わして、汲み取ってここまでやってきた。

話すのは俺と営業課長のみんな。はぁ、嫌だけど、腹くくって行ってくるか。

少なくとも、買収だけは阻止しないと。

 

 

 えー、結論だけでいうと、大阪・名古屋・京都・東京だけに駅を作り運営するが、周辺住民の理解を得るのは政府が

やってもらうのと同時に有権者との顔合わせを企画してもらうのと説明会を行うことを約束した。

面倒なのは全て任せたってことだ!

じゃあ、瀬戸内電鉄の皆に丸投げして、沿線住民に説得と地主の方々に説得や立ち退きをお願いしに行こうか。

 

「ついでに上野公園の西郷隆盛像でも見に行くか」

 

「おー、これはスゴイ」

「ちょ、河合、なんで写真機持ってんの?」

「瞬間撮影現像機ですか? 香研のバカが貸してくれたんです。世界に一つしかない趣味の代物なので、大切にしてくれと言われてますね」

「後で量産するように言っておこうっと」

 

 課長の藤岡が電信でリニア建設に携わる各企業に指示を送って帰ってきた。

適当にすき焼きでも食って帰ろう。……あいつも、天国で食ってるかな?

 

「そういや社長ってすき焼き好きですよね。なんでですか?」

「そうだなぁ、一期一会とかもそうだけど、歳離れたお互いが身の上話なんてするほど仲良くないのに、皆で

仲良く意気投合できたきっかけがそれなんだよ。俺にとって、すき焼きが会話なんだ」

「同じ釜の飯食ってますし、そんなもんかねぇ」

「そんなもんよ」

 

 

 秋。えー、本日は高速フェリーにお乗りくださり、ありがとうございます。

時速にして70キロで走るんですよ。理由はうちの謎の石の粉末で作る内燃機関で、火力を増幅しジェットエンジンを吹かすからですねぇ。

うーん、やりすぎだよなあ!?

この船で何をするのかというと、別子大水害で丸裸になった銅山を竹林にするためいろんな竹の地下茎を集めに行くんだ、

近くの竹林だと、55歳の佐渡川さんが開花を見ていないというので真竹は65年の猶予・ハチクは5年の猶予になる。

 5年じゃなんもできんぞ。

そういうわけで、色々周期が違うであろう色んなところに行って、竹のクローンをもらうんだ。

 

 こうして色々動いて、愛媛県を救済しているときラジオ放送局が作っている新聞に目が行った。

そこには、ペストという文字があった。

 

『お願いがあと14個あります。1つで病院設立・3つで総合病院・5つで研究所付き・7つで流行り病に特効な高等病院を作れます』

 

 7つ消化だ! 津波対策に内地かつ大川富田駅に隣接する形で行く。

あそこらへんも田畑なので、お買い上げとともに病院割引パスの発行とうちの農産物栽培関連の部署に特別編入してもらう。

入社ではなくて、一種の長時間パートタイマーだ。

給料は正社員ほどではないが、ちゃんと就職面接から受かれば社員の給料で働けるようになるぞ。

 とにかく一瞬でできる様を初めて確認できたし、家や田畑を失い途方に暮れる人たちを会社に所属させ、住居を用意したことにより生活に困窮しなくなったため、文句もなく業務を遂行させられているようだ。

 

「業務命令だ。ネズミを狩れ。そして焼け。以上だ」

「「「了解しました」」」

 

『ストレプトマイシン,ドキシサイクリン,レボフロキサシン、エンビオマイシン(シズオカマイシン)を発見しました』

『隔離施設を発明しました』

『無菌室を発明しました』

『耐震建造物を発明しました』

『TNTを開発できました』

『時速80キロを出せる自動車エンジンを開発しました』

『多目的医療用ベッドを開発しました』

『メスを含めた小物を多数開発しました』

 

 早速転生者たちが動いてくれている。なんとしてでも、パンデミックをおさえないといけない。

 

  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。

評価する
※参考:評価数の上限
評価する前に 評価する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。