頑張って走る博物館を作りたい   作:名無しの権左衛門

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1891年

 

「開業じゃ!」

「丸亀、坂出、高松だけですけどね」

「これから延伸していって、高松商店街、金刀比羅宮をつなぐ中継としていくぞ!」

 

 最初は人が少なかったので、編入した二台一編成を3編成走らせた。

残り2編成はちょっと屋内に置いておくことに。

そして貨物需要もあることが判明。

そこで銭湯のように木の板に番号を書いたので、それと合致する荷物の木箱を駅員が取り出す。

貨物は休んでいる1編成を使って運ばせた。

 つまり並走しているというわけだね。

暫くこんな方式でやってみるかー。

あとは本社のみんなが考えてくれるでしょ。

一番いいのは番号を受付に持ってきてそれを荷物と交換する仕組みを作ることかな。

 

『電気鉄道の開業おめでとうございます』

『扇風機が開発されました』

『コイルやスピーカー、電話の完全国産化が完了しました』

『お願いを三つまで叶えます』

 

 お、休憩中にそんな感じの声が聞こえたが、ついに開発できたんだ。

じゃあお願いをしようかな。

 

1:坂出から岡山までつなぐ線路と航路の用地確保

2:電気製品を開発・販売する会社を設立したい

3:今回購入したAEG社製電車を150年間動態保存したい

 

『わかりました。与島・櫃石島・岡山までの用地を確保します。また航路や船等の交渉もうまくいくようにしておきます』

『電気製品を開発・研究・営業・販売する総社を、高松商店街の近くに建てます。

また有能な人物が30名訪れます』

『爆撃や地震・50キロ以上の脱線等、強烈な刺激がない限り劣化等から守ります』

 

 よし!

あとは造船所にお願いをして、連絡船の手配だ!

あとは多度津工場を巻き込んで、開発を行う。塩田や干拓が難しい。

船は電車を直接乗り降りさせられるようにして、岡山に乗り込ますんだ。

 

 

 さて8月になるとものすごい時化がくる。台風っていうんですけどね。

こいつはいろいろ今後においてまずいので、車両基地をかさ上げして浸水に堪えないとな。

実際平成8年くらいに大潮から台風直撃で、琴電の車両が水浸しになり廃車になったというニュースが脳裏にこびりついている。

 今のうちにやっておかないと後悔するから、集まりつつある電気製品販売店の人らに午後の仕事を交代制で本業とかさ上げ作業に従事させる。

もちろん俺も仕事がないときは作業を行う。

そして現場監督の指示は、絶対遵守だ。守らないやつは、罰を受ける。

 

 帰り際電車を待っていた。

そして電車が来て乗降がある。その時だ。重い荷物を運んでいた少年が、荷物を手にそのままドアに挟みこんでしまった。

どんな対応をするのか見ていると、その少年をあろうことか叱りだした。

 

「身の丈に合わないものを持ってくるな!」

「こういうものの為に、貨物列車があるだろう。なんで、それをつかわないんだ?」

 

 駅員と車掌が慌てて電車のドアを開けたり、重い米俵を代わりに担ぎ上げた。

綺麗な服に草が付こうともお構いなしに運ぶ。

 

「お金、ないよ……」

「重さで区分しているが、食料に関していえばほぼ銭がかからない」

「そうなの!?」

「ただ、見分に時間がかかるから、ちょっと使いづらいかもな」

「そんなのどうってことないよ! 次から利用する!」

 

 俺は少年を笑顔で見送る駅員を見て、思ったことがある。

社員教育として、サービスの向上をしないと……と。

あとは馬車を使って運送サービスをしたいな。

馬車は基本的に人を運ぶばかり。人力車もそうだ。

これから戦争も発生する。ここ一番の時の力持ちがいないのはつらい。

 

 うん、次の方針は、輸送だ。

後日全会社の社員全員に、物理的な面が成長しきれば次は内面の見えづらいところに焦点が当たることを伝え、人に親切にするという当たり前の事を学んでもらった。

わかりやすいのは、駅のホームで並んでいるとき横から人が割り込んで入ってくる状況。

これは駅員が止めていい。

 ちゃんとルールを守っているものが、守っていないものに尊厳を冒されてはならないからだ。

まだまだサービス精神は未成熟。だけど、持ち前の朗らかさで、なんとか優しい心を培ってほしい。

まあ、半年に一回サービスの講習を行うし、俺や部長クラス・副社長関係が抜き打ちで見に来るけどな。

そして家電量販店の方もだ。

コイルやモーターで開発する人はともかく、売りては買い手に会社の印象を与える重要な存在だ。

そのためにも、ちゃんと給料を与えないと。

 

 そういえば高松城の堀から直接海水を引いてきた小さな池を、高松駅前に作っている。

そして坂出は石積みの山の頂上から水が落ちるオブジェクトがある。

丸亀は水のモニュメントに、アーク灯を指向させてライトアップしている。

これらすべて地元の人らの待ち合わせ場所になっている。

おかげで最近子供の利用客もよく見るようになった。

活気づいてきている証拠だねぇ。

 

「よし、輸送のための馬……の牧場も作らなきゃいかんのか!?」

「子供が少しでも家まで楽に行くための輸送サービスのための会社のための馬のための牧場のための畑のための

飼料のための商談のための下調べのための資料作りをしないといけませんね」

「馬って、どいつ?」

「長尾に陸軍の施設があるんで、そこ行きましょう」

「鉄工所には馬車作らせよう。で、車輪は多度津工場さんに依頼して……」

「鉄工所とは?」

「いわゆる何でも屋だっ」

 

 ちなみに鉄工所では、家電量販店からモーターは作れるけどコイルに使う巻の機械がないので、オナシャスって来てるらしい。

はよ言え! すぐに営業の河合に頼んで、自動機織り機か紡績工場に頼んで原型を購入するか開発を依頼してきな!

 

 11月ぐらいになると、営業の藤岡が山陽鉄道から岡山駅乗り入れの許可を貰ったらしい。

よし早速敷設だ! こっちも近隣住民に電車だから、煤が出ない事を説明して駅や港を整備することにした。

さすがに港は既存のものをちょっと移設するぐらいにして、邪魔な小高い丘はなだらかにする。

この作業は地獄みたいなものだから、アメリカから重機となるブルドーザーの原型を導入する。

あとは岡山の近隣住民に、安価で量り売りな電気の導入を進める。

 線路は企画書の通り駅の予定地から伸ばしていく。

また山陽鉄道から地域住民の状況を聞いて、どこにどんな需要があるかを調査する。

 

 さすがに田畑が広がる岡山の平原を突っ走ることが確定するとは思わなかった。

おかげで滅茶苦茶長い直線をロングレールとして採用できたのがいい。

 

「無音最強!」

「溝でエネルギーが拡散されるので、ロングレール化は本望ですね」

 

『コイルガンが発明されました。全くの偶然のようですが、お願いを一つ追加します』

 

 なんで!?

 

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