戦争に行く前に造船所・電気量販店・輸送グループ・馬牧場・岡山駅・坂出競馬場・多度津工場・鉄工所・
貨物積載所・火力発電所を見て回った。
上位存在のおかげで、たった5年でここまでこれた。
割と短かった気もするけど、俺にとっちゃ毎日が楽しかったな。
さて、死なないとわかっていても、不死じゃない。
全力で戦って生き残らないとな。
そうだ、坂出・与島・櫃石島・児島に、香川から送電線を海底ケーブルとして敷設することに成功したんだ。
これも電信のための海底ケーブルというものから発想を得て行ったもので、既存の技術だ。
それでも大きな一歩なので、今後の中国進出が楽しみだ。
少なくとも児島一帯は、俺達のグループの商圏に入っている。中国電力には任せられないな。
そういえば人形峠というところから、核燃料が取れるとか聞いたので、鉛を加工するまで近づけられない。
こっちも核に関することを研究しておこうか。
「社長」
「なんだい?」
「水が、水がないです」
「……岡山から輸入しよう」
朝鮮に行く前にそれを知ることができてよかった。
早速満濃池の視察と共に、四国山地かつ一級河川である吉野川上流の調査を任せてみる。
この調査は研究室と本社の連中に任せて、よくわからないところは香川県議会にでもクレームを入れておこう。
「早明浦ダムやるんですか?」
「おう、水不足でどうにもできなくてなぁ。現状あるため池以上の人口や経済構造の構築ができないんだ」
「わかりました。重量コンクリートダムを作れるように頑張ります」
「できるのか? んじゃ、資金は副社長に頼んで出してもらうよ」
大分内部留保ができたので、これを元手にやってみる。
あとは臨時でかけられているガーター橋が、震災に対して非常に脆弱なので本腰入れて再開発したい。
そこで、建築会社と不動産屋を合併させた総合建築会社を設立し、橋梁とダムの研究をさせることにした。
人材は人事の中村さんに見抜いてもらうことに。
本社を設立するとき、上位存在におまけでつけてもらった30人は本当に稀有な能力を持っていて、
いつ努力したのかわからないくらい有能だった。
おかげですぐに計画書やら商談等を成功させて、いままでこの会社連合体を成長させてくれてる。
彼らには大いに報いたいけど、資金的な援助とかくらいしかできないんだよな。
なんせ周囲は日進月歩で、なおかつ労働基準法なんてない。
いかに効率的であっても、周囲が時間と人海戦術で乗り切ってくるからそれに対応できなくなるんだ。
8月。
遺言状を多数発行し、これを上層部や本社に送る。もちろん、手渡しで。
そのあと長尾から軍部用の専用列車に乗り込んで、そのまま陸軍基地まで向かう。
後に成歓の戦いと呼ばれる朝鮮の牙城への侵攻作戦が開始された。
俺も軍靴を履き、一兵卒として連隊に参加。たった一日だけど、俺は最前線を任された身。
近くで顔合わせて先ほどまで会話していた仲間が死んでいく樣を見て、ひどく困惑した。
悲しいというのはその時わからなかったな。
なんせそういう暇もなかったし。
銃の性能が低いので連射ができない。そのため交代で射撃したり、機関砲で制圧されるらしいが彼らの運用は連隊長曰く稚拙。
俺が銃弾で3人壊して、30人ほど切り倒した。
最後の一人を脳天から唐竹割にしたら、敵兵が撤退していったんだ。
「コロス」
隣にいたやつはもう誰もいなかった。
船の中で初めて食べた牛肉を、意地を張って食いのどに詰まらせたあいつの背中を叩いてやった。
あいつはいない。俺の足元で赤黒い血だまりになっている。
稚拙な銃弾を倒れていった皆の刀で切り、及び腰になっているアレを一瞬にして銅にはいっては辻斬りをしていく。
とめる組長はいない。彼も医療班に連れていかれた。
「お前は!?」
隣の作戦区域に入ったとき大層驚かれたが、その時には戦闘行為が終わっていたんだ。
「これは……全部、お前がやったのか……?」
「はい」
残存兵や遺骸を探索し、これを遺族に伝えなければならない。
その為の捜索だが、その捜索中連隊長や彼らに連なる上級階級の方々は口々につぶやく。
「総計59名……時代錯誤な勇猛なる将がでてきたか」
俺は将軍にはなれない。なぜなら個の力は最強でも、戦場を見渡すちからがないんだから。
組が崩壊したので、他の班に入れられる。
こちらの死者は二等兵15名だけだった。
この後俺の個の力を認めた連隊長は、上の大尉クラスに相談した上で斥候の役割を命じられた。
確かに斥候なら突出せずにすむよな。自分の任務を再確認し、中和へ偵察活動を行う。
その時数百人の歩兵と出くわしてしまった。
本来ならそのまま射撃戦だろうが、途中から騎馬ではなく肌に炭や濡らした灰を塗り付け、
服に泥や周囲の植生から無害なやつを貼り付け、帽子かヘルメットにはそこらの葉付小枝を縄で括り付けている。
これは俺が提案した疑似ギリースーツ。
さらに望遠鏡や双眼鏡を用いれば、簡単に情報を抜けるだろう。
情報を抜いて帰ってから上申すると、しばらく任務を解かれ暇ができてしまった。
さて戦場にて必要なものを見てみるが、やはり食料・医療に関する部分がおろそかだ。
輜重部隊を作らないと、今後どうにでもなってしまう。
あとは統帥権だけど、それは日本の中心に向かった転生者たちにお任せする。
砲兵はまだまだ未完成。たった5門しかないんじゃ話にならない。
この後の平壌の戦いは、大同江方面にて塹壕を構築しつつやつらをけん制するだけに終わった。
理由は大量の弾薬の補給のほかに、機関砲が運びこまれているのを見てしまったから。
これじゃあ戦闘に発展させるには難しい。そこで、対機関砲ということで地面を利用することにしたんだ。
鍬やスコップを使って地面を掘って、簡易な塹壕を作って射線を切ることに専念。
無事やつらは昼間の射撃を諦めて呉れたが、真夜中に夜襲をしてその機関砲や糧・銃弾の補充を行った。
10月。
俺は連隊長と共に、次の戦場のため軍団を移換されることになった。
場所は鴨緑江という、中国と朝鮮の自然国境だ。
そこで戦をするんだけど、まずは砲兵における準備砲撃を行う。
次に筏やプレハブ橋梁でつないでいくんだけど、俺を含め100人に満たない連隊がすでに対岸に上陸しそのまま
進軍。
渡河する味方を援護するために挟撃し、徐々に消していく。
俺はというとそこらの馬を手懐け、農村から購入した偃月刀をふるうんだ。
服は緑と黒に濡れ、馬は血で赤くなっていたことで美髯公とか叫ばれて散っていった。
当時壊走していた清のやつらを、銃や偃月刀で切り伏せていきある程度まで壊滅させたぞ。
また振り返って復讐しようとするやつは、俺が最強の証明に偃月刀を投擲し絶命をくれてやる。
「もういい! やめるんだ!」
「HA NA SE !!」
「えー、願いましては……158人の死亡を確認しました」
俺はこの戦闘で畏怖の目で見られるようになったんだけど、その代わり上等兵になってしまった。
だからと言って俺が戦場から帰ることは許されない。
仲間を救うために別の戦場に移してほしいと願うと、すぐに功績を考慮して今の赤兎馬(少将が命名)
と偃月刀をもって旅順口に向かってもらいたいと言われた。
すぐに俺の静止役である、松崎歩兵大尉・町口中尉・竹内少尉が隊を引き連れて第一軍に編入される。
『戦場でのご活躍おめでとうございます』
『戦争における対外派兵時の単独敵兵撃破数、開国後日本一位になりました』
『名士の条件である1人10殺を達成しました』
『簡単なお願いを二つ。またはお願いを一つ叶えます』
お願い?
じゃあ、仲間の遺族が少しでも前を向いていけるように。
『お願いはあなたに影響するものに限定します。遺族の方へは、貴方が直接出向けばいいでしょう』
ですよね~。まあ、いろいろ思いはあるけれど、そうだな……。
うん。外国語がわかるようになりたいな。俺は別に話せなくてもいい。
だがそれがわかれば、何をすればいいかわかりやすい。
『わかりました。すべての言語を理解できるようになります』
次の戦場は旅順口だ。
『一騎当千ともてはやされたので、おまけとして貴方のいうことを相手が理解するようになります』
なんて?
次の戦場に行ったんだけど、すぐに赤兎馬と共に突撃して要塞を物理的に壊したら降伏した。
え、なんで?